6314.2024年8月26日(月) 鎮火の兆しが見えない2つの戦争

 ウクライナ戦争もロシア軍の侵攻以来2年半を経過した。両国の国境を境に激戦が続けられ、ロシア国内でも思いがけずウクライナ軍が侵攻してきたクルスク州では、住民も不安に駆られ慌て出している。現状ではウクライナのゼレンスキー大統領の強気の発言を聞いている限り、停戦の可能性は極めて薄く、ウクライナ国民の苦悩と心痛は収まりそうもない。

 一方、無防備のパレスチナ・ガザ地区住民へのイスラエル空軍の攻撃については、死者がすでに4万人を超え、難民が益々増えている。周辺の国々が仲介の労を取りながら、何とか停戦させようといろいろ交渉に当たっているが、これまでのところ実現していない。そこへ昨25日アメリカ、エジプト、カタールが仲介した停戦協議について、イスラム組織ハマスは、イスラエルの新たな条件を拒否すると表明した。同じころ先月レバノンのシーア派組織ヒズボラの司令官が、イスラエル軍の攻撃によって殺害されたことへの報復として、ヒズボラがイスラエルに対して大規模な攻撃を行った。だが、これにイスラエル軍は即座に反撃し、ヒズボラ戦闘員3人が死亡した。ヒズボラのナスララ最高指導者は、ガザ地区の戦闘が続く限りイスラエルに対する攻撃を継続すると強調した。これに対し、イスラエルのネタニヤフ首相も対抗措置をとる構えを崩しておらず、これからも中東地域の不安定化は現状以上に高まると懸念されている。現状から察すると、イスラエルはやられたらやり返すと度々発言しており、停戦交渉がまとまらない限り、いつまでも反撃を繰り返すことだろう。

 問題はまだ残っている。先月31日、ハマスのハニヤ最高幹部がイラン大統領の葬儀に出席した折、イスラエル空軍機により狙撃され死亡したことに対して、イランは直ちに反撃すると怒りを露わにしたが、停戦になれば反撃しないと公言していた。しかし、昨日停戦交渉が不調に終わった。イランは、爆弾を抱えてイスラエルの様子を探っているところだろう。

 いずれにせよ、いま世界に戦火が燃えたぎっている地域が2か所もある。いずれにも大きな影響を与えているアメリカが、国内の大統領選で目が行き届かないようだが、大統領選後にアメリカ政府としては2つの戦争に関してどういう関わり方をして、戦争の鎮静化へ導いていくことが出来るだろうか。やはりアメリカの存在と影響力は、世界の平和と安定にとって欠かせないものとなっている。

 翻って日本の「小さな戦争」自民党総裁選もメディアの注目度が高まって来た。昨日の本ブログに取り上げた自民党広報ポスター「THE MATCH」は、「時代は誰を求めるか?」というテーマで「国民のニーズと自民党の政策をマッチングさせるのは誰なのか?」と問いかけ、ポスターの他に45秒のムービーをネット上にアップしている。安倍晋三元首相を筆頭に、何人かの歴代の自民党大物首相が一言ずつ絶叫している。田中角栄「国家観を持つのは『誰』だ」、池田勇人「信じられるのは『誰』だ?経済は池田にお任せ下さい」、そして最後に「選ぶのは日本の未来」と訴えているが、所詮投票権のない国民に話しかけても自民党内のマッチングであり、国民としてはどうすることも出来ない。

 最終的に候補者が決まり、改めて彼らの考えを聞いてみたいものである。

2024年8月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6313.2024年8月25日(日) 自民党総裁選、「刷新感」をアピールできるか?

 アメリカ国内では、11月の大統領選に向けて大分盛り上がっているようだ。9月に行われる民主党、共和党の大統領選候補者と副大統領候補者同士それぞれによるTV討論会を待ち焦がれている。これは私自身にも関心のあるところである。両党の全国大会会場における会場に溢れんばかりの党員たちの熱気と興奮は、普段あまり見かけるようなスケールではない。世界中が注目しているだけに、4年前には結果が判明次第、敗れたトランプ氏が選挙に不正があったと難癖をつけるようなことがあったが、それが尾を引いて不正とか、公平さに疑問が出るようなことがないよう願っている。

 一方、日本でも来月自民党のトップを決める総裁選が行われ、岸田首相が出馬を辞退したことによって新しい総裁、及び首相が選出されることになった。同時に、野党第1党の立憲民主党代表選も来月行われる。いずれも今メディアで大きく報道しているが、国民にはどうしても自民党総裁選の方に関心が向き勝ちである。

 「自民党総裁➡首相」という現在の政治的構図からすると、総裁選への関心が高いのは当然であるが、現在11人の議員が総裁選に出馬すると見られている。ただ、これほど数多くの出馬意向の強い議員がいると候補者1人につき20人の推薦人を確保するのは容易ではない。いつ出馬表明をするのがベストか、他の候補者の出方を見つつ出馬表明宣言をするようだ。

 今回は、古い政治との決別を「刷新感」という言葉で表現しながら、これまであまり知名度がなかった49歳の小林鷹之・元経済安全保障担当大臣が、先陣を切って立候補を表明した。今までのように派閥間の調整のような裏社会と同じように決めるのとは異なり、多少斬新さが感じられる。今日までに出馬を表明したのは、この小林氏と石破茂・元幹事長だけで、他に名前の挙がっている議員は、思わせぶりな言動のままである。しかし、近日中には何人かが正式に立候補を表明することだろう。

 昨日青山繁晴・衆議院議員と親しい友人から電話があり、青山議員が総裁選へ意欲満々だそうで、過去3年間党員獲得数で党内1位の自分が候補に挙げられないのはメディアがおかしいとして、メディアにクレームをつけたところ、昨日のTVに出馬の可能性について報道された。しかし、青山議員は、話題に上がっている他の11人に比べて、72歳の最年長者であるだけに、「刷新感」はどうだろうか。その刷新感が取り上げられている最中に、21日に自民党広報本部が発表した‘THE MATCH’と題する「刷新感」とは程遠い、歴代26人の首相の顔を並べた時代錯誤の自民党ポスターを公表した。モデルのトラウデン直美が早速「おじさんの詰め合わせ」とずばり言ってのけた。一部に物議を醸しているが、いい得て妙である。当然ながら、26人の中に女性はひとりもいない。登場の26人衆は、笑顔でマイクを握っているが、アウシュビッツ収容所を想い出させるような全体的に暗いイメージしか画面からは浮かんでこない。過去にとかくの話題を提供した元首相たちの顔を見ていると、これではとても刷新感とか、裏金問題との決別、派閥解消なんて無理だと思わせる愚作だと言わざるを得ない。人は変われどもいつまで経っても自民党は昔の自民党と同じである。

2024年8月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6312.2024年8月24日(土) ハリス氏・トランプ氏TV討論と大谷選手の活躍が楽しみ

 19日からシカゴで4日間開催されていた民主党全国党大会は、これまでバイデン大統領、オバマ元大統領、ヒラリー・クリントン元国務長官らがハリス氏の下で結束するよう訴えた後、最終日の22日パリス副大統領が大統領候補の指名を正式に受諾し、40分間に亘って受諾した気持ちと大統領選に向けた政策をアピールする演説を行って閉会となった。

 トランプ前大統領には、法律を冒したり、正しいことを不正だと文句をつけて、秩序を乱すうえに、気に入らない人には非人道的な誹謗中傷を浴びせ、その悪質とも思える個人攻撃には辟易させられていた。今度もバイデン大統領が撤退を表明し、ハリス副大統領がその後継者として大統領選に出馬を決めるや、対バイデン攻撃から対ハリス攻撃へ矛先を転じた。

 当初ハリス氏は、トランプ氏の攻撃に対して聞き流していたが、ここへ来てトランプ氏に対して激しい個人攻撃を行うようになった。この民主党大会でも、2001年1月の連邦議会襲撃事件の煽動、不倫事件を隠蔽するための偽称、を挙げてトランプ氏の軽薄性と人間性を非難し、彼がホワイトハウスに戻ることがあれば、深刻な結果になるとまで強く批判した。更に、人工中絶の制限や、国境問題について自分にとって優位になるよう周囲に圧力をかけていたとまで批判した。

 アメリカにとって特に問題となるのは、外交的にはイスラエルとの関係を現状通りとするのか、或いは修正するのかという点である。これまでバイデン政権が行ってきたことは自身も決定すべき重要な立場にいたので、これまでの立場を大きく変化させることは無いと思う。どの程度ネタニヤフ政権を宥められるかということぐらいであろう。但し、国内的には経済問題をトランプ氏の主張にどう違いをつけて、自らの政策がより優れており、アメリカにとって有利であると説得できるかという点が問われる。

 ハリス氏が経済政策として訴えているのは、ひとつには2025年末に期限切れとなるトランプ時代の2017年に成立した減税・雇用法による減税であるが、ハリス氏は更に税控除や安価な処方によりコストを下げ、低・中流階級の経済機会を高めると主張している。これには、10年間で約247兆円の赤字が増えるとの反論もある。ハリス陣営は、この穴埋めに富裕層や大企業への増税に踏み切るという。この減税が大企業から反発を招くのは間違いないだろう。大統領として経済問題をどう納得させるかが、問われるところであろう。

 ハリス氏は長年検事として現場の空気を知ったうえで、数多くのいろんなタイプの人物とも議論を交わして今日に至っている。9月10日に行われるテレビ討論でフェイクマン・トランプ氏を相手にどう渡り合い、やり込めてトランプ氏に手ごわい人物と思わせるか楽しみである。

 さて、MLBロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手の活躍が目覚ましい。最近打率がやや下がり気味で3割を割ってしまったが、ホームラン39本、盗塁39個の成績を残し、39-39と言われ、史上6人目の40-40が期待されている。今日もタンパベイ・レイズ戦をテレビ観戦していたら、先ず内野安打の後に盗塁に成功して39-40としたところで、9回裏に2死満塁の絶好のチャンスが巡って来た。願ってもないチャンスに大谷選手は、こともなげに期待に応えてくれた。右中間スタンドへ40号を打ち返したのである。これで史上最速の40-40を達成した。役者だなぁと思わず、感心してしまった。記念すべき記録を満塁サヨナラホームランで締めくくるとは、並みの選手にできることではない。地元ロサンゼルスのファンも大興奮である。正に流石は大谷選手と言える。これからもどんな活躍をして、楽しませてくれるか、楽しみにしたいと思っている。

2024年8月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6311.2024年8月23日(金) 戦争犠牲者への補償・京都国際高甲子園初優勝

 寡聞にして知らなかったが、戦時中の1942年2月に山口県宇部市陸地近くの海上にあった長生炭鉱で事故が発生し、水没して183人の坑内労働者が亡くなったことがあった。犠牲者のうち136人は朝鮮半島から強制連行された人たちだった。その事故から今年で82年が経った。戦時中だったこともあり、事故処理などは放置され、犠牲者の遺骨は海底に眠ったままである。それでも2013年には念願だった追悼碑が建てられた。今遺族や関係者の願いは、海底に眠る犠牲者の遺骨の収集である。あまりにも時間が経ち過ぎたために、実際に遺骨がどの程度収集できるかは、分からないと思う。

 これとは別に、学童が海中で命を落とした戦時中の昭和19年8月22日に沖縄を出航して奄美列島悪石島沖合で米軍機により撃沈された学童疎開船「対馬丸」事件から、昨日で80年が経過して慰霊祭が行われた。この撃沈では学童784人を含め1,484人が犠牲となった。

 前記2つの戦禍による犠牲者への補償は未だ行われていない。政府は一貫して民間人への戦時補償は行わないとの姿勢を崩していない。しかし、炭鉱事故にせよ、対馬丸にせよ、犠牲者は国が起こした過ちや、国の政策施行の過程における結果であり、自ずから国が犠牲者に保障するのが当然である。長生炭鉱のケースでは、国が戦争を継続するための必需品である鉄の採掘に当たっていた労働者を犠牲にしたものであり、朝鮮人を合わせてすべての犠牲者に保証するのが、国の責任であると思う。発生から80年が経った対馬丸事件については、昨日田村智子・日本共産党委員長は記者会見で、「国策で無謀な戦争に突き進み、敗戦必至のもと沖縄を捨て石にしたなかで起きた事件であり、事件を掘り起こし被害状況の調査を行い、被害者への補償をどのように行うのか議論すべきだ」と補償を前提とする議論を行うべきだと述べた。

 この他にも、沖縄近海では、戦争により対馬丸を含め、沖縄県民を乗せた船舶が26隻も米軍機の攻撃や、座礁などで沈没し、県外の人びとを合わせると4,500人以上が死亡したと言われている。

 先の戦争には、まだまだ一般にはあまり知られていない残酷で苦痛を強いられた人々がいることを、国民は認識すべきだと思う。

 さて、毎夏恒例の夏の甲子園大会、全国高校野球選手権大会も今日決勝戦を迎え、初の決勝進出を果たした東東京代表・関東一高と京都代表・京都国際高校の間で行われ、タイブレークの延長戦の末、京都代表としては68年ぶりに京都国際高が初優勝を成し遂げた。その68年前の1956年大会当時、私も高校3年生だったが、優勝した平安高(現龍谷大学付属平安高)のメンバーは、私が付属の平安中に在学した時の同級生たちだった。

 また、試合後の閉会式でアレっと首を傾げたことがあった。それは、マウンド付近に並んだ選手たちが表彰式を終えた後、大会歌と君が代の吹奏が終わりそのまま閉会となったことである。これまでは、国旗と大会旗を両校選手がスコアボード下で降納し、その後優勝校に続いて準優勝校がブラスバンドに合わせてグランドを一周するのが決まりだった。両校選手、関係者や観衆もそれを楽しみにしていたと思う。だが、どういうわけか、今夏はセレモニーがカットされ簡略化されてしまったのである。折角栄誉の優勝旗を手に持っているわけだから、彼らを従来通りパレードさせて有終の美として送ってあげた方が良かったのではないかと、なぜ今大会はセレモニーの手抜きをやったのか、納得が行かない。

2024年8月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6310.2024年8月22日(木) 地球沸騰化に無策、郵便料金大幅値上げに異議なし?

 このところ天候が不安定で、かつ極端に変化が激しいことがどうも気がかりである。全国的に猛暑と雷雨が混じりあったような気象が続いている。近年の猛暑続きには、皆些かバテ気味である。昨夕の関東各地の天候の急変には、街行く人も大分戸惑っていた。東京都内の区によっては、道路も洪水のようになり大雨警報が発せられた。新幹線も一時的に運休したが、その30分後には回復していた。今日も同じように各地でゲリラ雷雨が暴れまくっていた。

 今日南洋上のマリアナ諸島付近で、熱帯性低気圧が台風10号に変わった。いずれ日本列島を襲うことだろう。

 この100年間に世界の平均気温は、0.76℃も上がっている。それを上回るのは、何と日本の気温でその2倍近い1.35℃も上がっている。因みに1920年の鹿児島県では、年間平均気温が17.1℃だったものが、100年後の2020年には、19.2℃と平均にして2℃も上昇している。東京都では1920年は14.2℃だったが、100年後には16.5℃となった。

 2015年のパリ協定では、世界の平均気温の上昇を1.5℃以内に収めようとした。だが、EUの研究所の発表では、それ以上、つまり工業発達以前に比べて、年平均で1.5℃以上上昇していたことが判明した。今夏の気候は、日本のみならず、世界的にも厳しいものとなりそうだ。この現象が将来的にも続くとすれば、大雨などの気象災害として農作物が育たなくなり、食料問題で厳しい環境に追いやられる。更に、干ばつから飲料水の確保、サンゴの白骨化などに見られる生態系への影響、洪水・暴風雨による海洋沿岸湿地の消失、栄養不良など数多くの問題が発生する。

 これらの気象問題、特に地球温暖化について日本としてもこのまま放置しておくわけにはいかない。そうだとすれば、戦争を知らず、憲法改正にまっしぐらの国会議員らにも、一度真剣に地球温暖化を巡る場を設営して、その防止対策について各政党の対策を提案して活発な議論をやってもらいたいものだ。それだけでもメディアの伝え方によっては、国民が広くこの問題に関心を抱くのではないかと思う。

 最近私が気にしているのは、今年10月から郵便料金が大幅に値上げされることである。最も基本となる手紙の定期料金とハガキ代が値上げされれば、今でも減りつつある手紙やハガキを書く人が、益々減り、手紙を書かなくなることになる。それは文章を書かなくなるということでもある。このことは、文章力の低下につながる。

 例えば、25g以下の定形郵便代が、現在の84円から110円に、ハガキ代が63円から84円に値上げされるそうだから、ほぼ30%の大幅な値上げをしようというのである。日本郵政㈱という独占企業の言いなりに、こんな強引な値上げが許されても良いものだろうか。文章力を低下させ、出版業界を苦しめるこんな無謀な値上げを、メディアは追求せずに、見逃しても良いものだろうか。

2024年8月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6309.2024年8月21日(水) 麻布台ヒルズ内で人間ドック検査を受ける。

 1日に受診する予定だった人間ドック検査を、コロナ感染により今日に伸ばして慶應病院予防医療センターへ出かけた。人間ドックは、今年13年目を迎えた。80歳を超えてから付き添いが必要とされ、今日も妻を伴って出かけた。昨年11月にそれまで信濃町慶應病院の背後のビル内にあった予防医療センターが麻布台ヒルズ内へ移転したので、今日初めて麻布台ヒルズへ出かけた。。

 スタッフの丁重な対応などは今までと変わらないが、待合室の雰囲気などは目新しさもあってやや落ち着かず、慣れ親しんだ昨年までの信濃町の方が少し気が休まる雰囲気だったと思う。例年通り一通りの検査をしてもらい、幸い大きな症状や、問題はなかった。敢えて言えば、口から管を流し込む食道、十二指腸、胃のやや苦痛の内視鏡検査の結果、それらは問題なかった。ただ、その傍に3年前に除去した腸のポリープ箇所に少し大きくなりそうなポリープが見つかったので、最後の総合的面談の際、それについて担当の医師と相談のうえ、秋口に信濃町の病院で手術してもらうことに決めた。

 人間ドックは、費用もやや高額であるが、事前に病根を見つけ除去することが出来るのが大きなメリットで、これまでもそれが理由で検査を受けて来た。年齢とともに人間ドック検査で毎年のように新たな病根を発見することが出来ている。面倒ではあるが、そのせいで手遅れにならずに済んでいると思っている。3年前には胃にポリープ、昨年は心臓不整脈が見つかった。今年も腸に成長しそうなポリープが見つかった。

 今日は、麻布台ヒルズという現代風にあか抜けた外部の人が多く集まるビル内を、人間ドックの帰りにでもぶらついてみようと思っていた。大手企業や多くの若者らから待望されていたビルが、本当にオープンした昨年はびっくりした。実は森ビルの創業者森泰吉郎の次男の森稔・2代目社長は、東京都心部に胃衣・食・住・文化をまとめた職住近接型の総合的街づくりを計画、建築してきた。森稔氏は2012年に急逝されたが、実は高校の4年先輩で、ノーベル化学賞を受賞した根岸英一博士と同級生だった。東京に職住のある母校同窓会を六本木ヒルズで毎年開いていた。ある時、森氏はこの近くに総合高層ビルを計画していると話されたが、その土地を見下ろすと住宅がぎっしり押し詰まっていた。その時は、とても無理だろうと友人と話し合ったが、その住宅群が転居した跡地へこの麻布台ヒルズを見事に建設したのである。今や故人となられてしまったが、その有言実行型の計画と実行力には敬服している。何とか日を改めて、近い内にゆっくり麻布台ヒルズを訪れて見たい。

 さて、このところ北関東、東北地方を中心に荒れた天候であるが、同時に猛暑も伴っている。暑いと思ったら、急に雷雨が訪れて土砂降りとなる。栃木、群馬県と埼玉県には、激しい雨が降ることが多いが、東京はこれまであまり降らなかった。ところが、昨夜一時的に集中豪雨のような激しい雨が降って、漸く東京にも雨がやってきたかとホッとしていたところ、ほんの30分程度で上がってしまった。そして、今日の天候は晴れかとの予報だった。麻布台ヒルズにいる間は、晴れ渡っていた。ヒルズのガラス窓から地面の緑を見下ろすと家族連れなどが、自由に行き交っていた。我々もタクシーで帰宅したところ、突然雨が降り出し、一時的だろうと思ったら、夜になってそれが都内いくつかの区内に大雨警報が発せられるほど、激しい雨が降って来た。

 今後の予報を見ると、マリアナ諸島周辺に熱帯低気圧が発生し、それが明後日には台風に発展し、いずれ日本列島を襲うようだ。超然とした自然現象には、現代人は手の打ちようがなく、ただ茫然とするだけだ。

2024年8月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6308.2024年8月20日(火) 残忍な戦争なんて考えたくもない。

 昨日未明靖国神社正面入り口の石柱と土台に、また何者かに塗料で落書きされていた。「靖国神社」の表札看板に、トイレットのような下卑た中国語が書かれていた。今年5月にも同じように落書きがされて書いた中国人の若者が逮捕されている。この行為は断じて許されるものではないが、中国人をそのような行為に仕向けさせたのは、終戦記念日に靖国神社へ参拝した複数の保守派国会議員にも責任がある。彼らが神社に参拝し、満州国侵略に始まる太平洋戦争に積極的に関わっていたA級戦犯に対して、国のために尊い生命を犠牲にされた故人に哀悼の誠を捧げ、尊崇の念を表したといつもながら戦犯を賛美する行動を取ったことである。このような行為は、日本人のみならず、海外、特に旧日本軍に侵略され、残虐な行為をされた人々が快く思う筈はない。メディアは靖国神社へ参拝する国会議員の行為だけを批判的に報道しているが、それがこのような破廉恥で礼を失した行為にもつながった議員らの行動についても、非難すべきは非難しなければいけないと思う。

 若干拘り過ぎかも知れないが、昨日のサイパン玉砕のブログに続いて、反戦的な立場から私の過去の経験も併せ、つい似たり寄ったりの延長戦のような文を綴ってしまう。

 戦後79年が経過して、家族を失った遺族の数は年々減り、15日に行われた「全国戦没者追悼式」に出席された遺族も、戦後生まれがほぼ半分の47.1%にまで減少してしまった。旧軍人に支給される軍人恩給の受給者の数も減少し、今年3月時点で1,093人となったが、これは前年より788人も減って急速に受給者が少なくなっている。1年で40%以上も減少したことになる。如何に旧軍人が残り少なくなっているかということが察せられる。近い将来にはいずれもゼロとなる。

 もうひとつ気がかりなのは、近年戦没者の遺骨収集があまり進まないことである。これは相手国の事情もあるので、止むを得ない面もあるが、かつては収骨数が多かったのに極端に減ったとか、ゼロになった戦跡地もある。この最大の原因には、遺族の数が減少していることと、相手国の事情が影響している。

 例えば、日本人戦没者収骨数はビスマルク・ソロモン諸島における収骨が一番多かった。次いで、旧ソ連領内である。しかし、ロシアのウクライナ侵攻によって日ロ外交関係が悪化するや、ロシア政府がロシア国内における遺骨収集を承認しなくなった。

 2021年12月現在、海外における日本人戦没者概数は、約240万柱、収骨数はほぼ半数の約128万柱と言われている。未収容遺骨約112万柱のうち、最大に見積もっても収容できるのは、約59万柱で、残り23万柱は相手国の事情により収容困難と見られている。更に海没した遺骨が約30万柱あるとされ、今後収骨の可能性のある遺骨はかなり限られる。

 遺骨収集をこれまで支えてきたのは、遺族の強い要望だった。前記のようにその遺族が年々減っていることからも今後の遺骨取集は難しくなるだろう。深い悲しみの中で長年家族の戦死に耐えてきた遺族の気持ちを考えると、どうやったら戦後処理に方が付くのか分からない。その中で防衛予算を倍増してはしゃいでいる国会議員の無神経な戦争志向は、とても許せるものではない。

 今日テレビに出演した、自民党総裁選へ出馬を表明した小林鷹之・前経済安全保障担当相が、憲法改定で喫緊の課題は、緊急事態条項と自衛隊を明記することだといきなり言い出した。こういう戦争を知らない若い好戦的な国会議員が、得意になって自説を主張することが恐ろしい。日本は間違いなく戦争へ向かってひたひたと進んでいる。

2024年8月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6307.2024年8月19日(月) サイパン玉砕のドキュメントに驚愕と感銘

 漸くお盆休みも終わった。相変わらずの猛暑にうんざりであるが、立秋を過ぎたことでもあり、ひたすら涼しい秋の訪れを待っているところである。

 終戦から79年が経過した。今年は例年より太平洋戦争に関する報道が多かったように思っている。特にNHKテレビでは、終戦記念日を過ぎても連日のように、開戦の原因や敗戦に至る経緯をドキュメンタリー編集にして放映したので、つい関心をそそられ、いくつかの番組を考えながら鑑賞した。中でも昨夜放映された「“最後の1人を殺すまで”~サイパン戦 発掘・米軍録音記録~」は、米軍の映像を基にして編集されたもので、玉砕のサイパン島は何度も訪れて知っているだけに、最後まで目が離せなかった。

 サイパン島へは、旧厚生省による「太平洋戦争戦没者遺骨収集団」に1970年代から20余年間同行して、毎年1か月近くサイパンに滞在して団長だった厚生省課長の小間使いのようなことをしていたから、特別印象深く感じた。画像には、昔サイパンの繁華街だったガラパンの風景も観られ、特に懐かしく感じた。

 実は、小学生のころ、母が親しかった近所のおばさんのご主人がサイパン玉砕で亡くなったと聞いて、サイパンという島が頭の中にこびりついていた。

 米軍第4海兵師団25連隊が、サイパン島へ攻撃を仕掛けたのは、昭和19年6月15日だった。この最初の米軍上陸戦で、日本兵4万8千人のうち、2万5千人近くが戦死した。その他に現地人のチャモロ族5千人が亡くなった。6月27日には、南部アスリート飛行場周辺へ陸軍独立歩兵第317大隊120人の特攻的日本兵が「バンザイ攻撃」を仕掛け、指揮した佐々木巳代太大尉は、「天皇のため、お国のため、最後の総攻撃だ!生きて帰ったらダメだ!大声を上げて突っ込め!」と激を飛ばした。これには、米兵もびっくりして日本人は狂信的で、文明的なことは通用しないと驚いたようだ。日本軍高官の佐藤賢了・軍務局長は、「1人たりとも生きてはいけない。女子供も玉砕してもらいたい」と全員玉砕を命じた。7月7日、日本兵をサイパン島北部のマッピ岬へ追い詰めた米軍は、最後の総攻撃を敢行し、日本兵3千人が戦死、自決して玉砕した。さしものサイパン攻撃も終焉となった。このサイパン玉砕戦の死者の数は、日本兵4万1千人、日本人住民1万人、先住民1千人という惨劇だったが、米兵は3千人だった。最後には、米軍も「最後の1人を殺すまで戦い続ける」と言っていたが、7月9日米軍はサイパン占領を宣言した。こうして悲惨な戦闘は終結した。

 この戦闘に参加した元日本兵、及び米軍兵もあまりの惨状に言葉がなく、インタビューされて涙を流しているばかりだった。戦争の惨さを徹底的に追求し、その悲惨さをアピールしていた。

 遺骨収集では、広島、長崎へ原爆を投下したB-29 爆撃機が飛び立った飛行場のあるテニアン島から、そこで収骨された遺骨を積み、遺骨とともに上陸用舟艇でサイパンへ帰って来たこともあった。収骨事業の最後に、北マリアナ諸島から広く収骨されたお骨を荼毘に臥す焼骨式がサイパンで行われたが、立ち上る煙を見て、遺族の方々が涙を流しておられた悲しい姿が強く印象に残っている。

 終戦記念日が近づくと毎年決まって戦友やご遺族の方々とご一緒した戦跡慰霊団の記憶も蘇って来る。何度でも繰り返すが、どんなことがあっても戦争は誰にとっても悲しい事実と記録の集合体で、それ故に絶対にやってはいけない、この世の地獄である。戦争を知らない国会議員には、そういう当然のことが分かっているだろうか。

2024年8月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6306.2024年8月18日(日) 東南アジアにおける首相交代の背景

 去る14日岸田首相が、来月行われる自民党総裁選に出馬しないことを公表した。岸田政権の支持率は一向に上がらず、本人は精一杯任務に励んでいると思い不本意な思いであろう。だが、いくら動き回っても支持率は上がらず、辞めるのもこの辺が潮時だろうと思う。致命的だったのは、昨年自民党派閥の裏金問題が公になって、根底に派閥問題があったことである。麻生派を除き、岸田首相も派閥を解消したが、党員へ党員資格の剥奪や、離党勧告などの制裁を課していながら、自らへの責任は問わず、また旧統一教会問題の対応もうやむやのままである。それがどういう風の吹き回しか、不出馬発言の中で裏金問題の責任を取るとの発言があったが、あまりにも遅すぎる。少々ピントがずれている印象を与えた。

 いずれこの時が来るだろうと思いながらも、虚を突かれた次の総裁を狙っていた面々も内心慌てているようだ。まだ、正式に出馬宣言をする議員は分からないが、メディア報道によれば、出馬意欲のある議員は現状で11人だという。過去の総裁選では、出馬したのは5人が最多であり、残り1か月でどういう経緯を辿り、誰が次の総裁に選出されるか興味深い。

 さて、先日バングラデッシュで大きなデモが起き、多くの死傷者を出す事態となり、長年絶大の権力を行使していたシェイク・ハシナ前首相が、国外脱出してノーベル平和賞受賞者のモハマド・ユヌス氏が首席顧問として暫定政権を管理しているが、90日以内に首相選出のための総選挙を実施し、新しい首相を選任する。バングラデッシュの政治がどうなるか懸念はあるが、バングラデッシュ以上に今後の政局運営が気になるのが、タイである。

 タイでは、14日憲法裁判所がセター首相に対して即時解任を命じる判決を下した翌々日、議会で新たな首相を決める投票が行われ、最大与党「タイ貢献党」党首でありタクシン元首相の次女ペートンタン氏が選出された。新首相はまだ37歳で歴代最年少であり、如何に英才と言えども、複雑な要因が政治を混乱させている国内政治を安定させることが出来るだろうか、指導力と政治力が問われる。タクシン元首相家系では4人目の首相になる。インラック元首相の姪でもある。タイ国内には政治的な不安定要因があり、軍がかなり政治に影響力を持つだけに、いかに英才であろうとも政局運営は難しいと思われる。10年前のクーデター以降、タイでは軍に近い政権が続いていた。漸く昨年の総選挙で、幅広い階層から支持を集めた民主派政党「前進党」が予想を覆して第1党に躍進した。ところが、王室への不敬罪の改正や、軍の影響力の排除などを主張する前進党に対して保守党が反発し、前進党は連立政権の枠組みから外れ野党に転じた。こういう政治的混乱の中で、海外亡命生活を送っていたタクシン元首相が15年ぶりに帰国してタクシン派の「タイ貢献党」と行動をともにし、次女を同党党首に抜擢したのである。すべて父親の敷くレールの上を歩いてトップの座に就いたものであり、その政治的力は未知数である。なぜか再び大きな政治的転換の局面が現れるような気がしてならない。初めて出かけた海外旅行先がタイで、その時のタイの人びとの優しさに触れたことが、タイに心を惹かれるようになった理由である。どうも気になるこれからのタイ国内の政治的不安定さである。

2024年8月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6305.2024年8月17日(土) パリ五輪の評価と今後の在り方

 昨夜半から今朝にかけて関東南部は危険なほどの大豪雨が襲うとの予報だったので、いつも以上に警戒していたが、今朝起きてみると雨が降った形跡はまったく見られず、台風一過で晴天である。正に青天の霹靂である。これまで凡そ予報が当たっていたが、今日は完全に外れた。これで今日も朝から暑くなり、全国的には、高知県四万十市の39.6℃が最高気温、都内でのそれは35.9℃だった。暑い!暑い!

 さて、パリ・オリンピックも終わって帰国した選手団の解散式も済ませ、メダルを獲得した選手たちは、テレビ局から引っ張りだこである。日本選手が活躍したせいもあり、ほとんど夜中に行われた競技が多いにも拘わらず、テレビ観戦した人はかなり多かったようだ。テレビ番組視聴率ランキングを見ると、オリンピック関係番組が高視聴率で、高視聴率16番組の内2週続けてその半分を占めている。

 フランス文化の描出か、聊か奇異を衒った演出が多く、その手法に賛否両論があり、特別に高評価の声はあまり聞かれない。アメリカの「Business Insider」のマンシーン・ローガン記者は東京と比較して、コロナ渦の中、無観客という異常な競技場の中で、無難に役割をこなした東京を評価する反面、パリには厳しいコメントだった。パリに厳しかったのは、競技だけでなく、また、組織委員会がプレスに推薦したホテルが、あの暑さの中でエアコンが効いていなかったことまで取り上げている。選手村の食事や冷房が選手に評判が良くなかったようだ。また、メディアに配られた試供品が東京は豊富だったが、パリでは水筒だけだったとまで明かしている。

 トライアスロンの選手たちの間でも、東京では金を獲っていながら不振だったノルウェー選手や、ベルギー選手からは、セーヌ川の水質汚染に厳しい批判が出されている。セーヌ川での競技強行はギャンブルであり、アスリートに無礼だと厳しく非難している。

 また、私自身も若干気になっていたのは、「礼に始まり礼に終わる」柔道が、選手のみならず、審判員の中にも礼を欠く行動が度々見られたことである。選手同士が向き合って頭を下げる、試合開始前と試合後の礼儀があまり出来ていなかった。審判はそれを糺すことなく、試合を進めていた。恐らく外国の柔道連盟は、礼について指導していないのではないかと考えている。東京大会に続き金メダルを獲った阿部一二三選手が、畳を降りる際に正座をしながら一礼をしたことを、国際柔道連盟の「『JUDO』という言葉は品格を持った在り方を意味する」との言葉に照らして、海外のファンも日本柔道の礼の作法を評価している。日本柔道連盟もこの点を今後どうするのか。国際柔道連盟に対して注意を促すべきだと思う。

 その他に暑すぎる真夏の大会からマラソンその他を除外する話も出ている。ともかくパリ・オリンピックは終わった。近々バッハIOC会長が会長を辞任すると発表し、後任に早くも国際陸連のセバスチャン・コー会長が名乗りを上げている。とかく過激な発言が多く、ロス五輪の1500m金メダリストで中距離界のヒーローだったコー会長がIOC会長に選任されたら、新たな改革が実行されることだろうか。五輪とIOCの先行きを見守っていきたい。

2024年8月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com