5051.2021年3月11日(木) 東日本大震災発生10周年

 今日は東日本大震災10周年目に当たる。各被災地では追悼式が行われた。東京では国立劇場において日本政府主催「東日本大震災十周年追悼式」が、天皇・皇后両陛下ご出席の下に行われた。昨年は新型コロナウィルス感染拡大の影響で中止となり、天皇がこの追悼式に出席されたのは初めてである。政府からも菅首相の他に衆参両院議長が出席され、それぞれ追悼の辞を述べた。

 10年前の地震が起きた午后2時46分には書斎でパソコンを叩いていた。突然揺れてしばらく止まない。電線が大きく揺れていた。これは大きな地震ではないかと思った。それがかくも被害をもたらすような大地震になるとは思いも寄らなかった。そしてあれから10年目の今日も同じようにパソコンに取り付いていた。10年間生活が変わっていないと言うことであろうか。

 これまでに確認された死者と行方不明者は、合せて18,425人で、関連死を合わせると実に22,200人に上る。インフラ施設はかなり復旧したようだが、被災者の気持ちとしてはまだ復興したと実感している人は被災者の半分にも満たないという。家族を喪ったりして、気分的にも気持ちを取り戻すことが出来ないからではないかと思う。避難者はなお4万人を超えるという。三陸海岸には造成されても人影のまばらな街があるといい、福島県には7千人もいた町民が1人も帰れない町がある。放射能によって故郷を追われてしまったのだ。

 今日は朝から晩まで新聞、テレビは震災報道に溢れている。朝刊丸々一面を使ったYAHOOの「防災大国から防災大国へ」というカラー広告まであった。

 これからも毎年この日を迎える度に、恐ろしかった大震災を想い出すことだろう。

 さて、イギリスのハリー王子とメーガン妃夫妻が、イギリス王室から出自を理由に差別的な目で見られているようなことを、アメリカのテレビ記者会見で話したことをきっかけにイギリスとアメリカで大きな関心を呼んでいる。メーガン妃の母親がアフリカ出身ということと、メーガン妃に離婚歴があったことから当初から2人の結婚には必ずしも誰もが祝福と言うわけではなかった。結婚後2人はアメリカへ渡り、アメリカで生活を送ることになった。王子はよほど結婚後王室の対応に理不尽さを感じたのか、イギリス王室離脱まで言い出した。偶々この度の騒ぎは、メーガン妃が妊娠中に子どもの肌の色がどれだけ濃いのかとの懸念がイギリス王室内で話されたとテレビで喋ったことがキッカケとなった。ハリー王子夫妻に対する同情の声はイギリスでは低く、出身国のアメリカでは高い。

 ただ、はっきりしているのはイギリスもアメリカも水面下では人種差別感が根強いということである。ハリー王子がメーガン妃と結婚した時、すでに今日の騒ぎは予想されていたと思う。両国では男女差別をしきりに問題視するが、それ以前にアングロサクソンは、人を人とも思わない人種差別主義を絶対的に止めるべきである。さもないと同じようなトラブルは今後も間違いなく発生する。

2021年3月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5050.2021年3月10日(水) 広島に次ぐ犠牲者を出した東京大空襲から76年

 今日3月10日は、76年前に東京大空襲があった日である。その後も5月までに4回のアメリカ軍による無差別爆撃が行われ、東京都内は下町を中心に焼き尽くされ多くの被災者を出した。3月10日の第1回の空爆では、罹災者は百万人を超え、死者の数は11万5千人以上だった。私は房州へ疎開していたが、国民学校入学目前だった。

 故林家三平の妻海老名香葉子さんのもとへ今日アメリカの駐日代理大使から追悼の機会を与えていただいたことに感謝する手紙が届けられた。海老名さんは、疎開していて難を逃れたが、この大空襲で都内にいた祖父母、両親、兄弟6人を一辺に喪った。

 長崎より多く、広島原爆投下に次ぐ犠牲者を出しながら、東京大地震はそれほど注目されて来なかった。今日のテレビ、新聞でも前記海老名香葉子さんのニュース以外関連ニュースは目にしなかった。近年は明日発生から10年目に当たる東日本大震災の被害が大きく報道される一方で、注目は薄れるばかりである。メディアでは数日前から大震災の詳細を伝えて、改めて日本国民に自然災害の恐ろしさを啓蒙している。

 実は一部にはこういう穿った見方がある。アメリカによる東京大空襲を伝えようとしないのは、日米同盟強化を進めようとしている日本政府のアメリカへの気兼ね、或いは忖度があるからではないかという見方である。その点では、東日本大震災を派手に報道すればするほど発生1日違いの東京大空襲を実行したアメリカへの非難が弱まるというのである。少々斜視な見方であるが、なるほどと思う点もある。そういう穿った考えをシャットアウトするためにも、大震災にも大空襲にも同じような気持ちで向き合い、東京大震災についてもっとメディアは取り上げるべきだと思う。

 さて、このところ減少傾向をたどってきた新型コロナウィルス感染者が下げ止まりとなっている。昨日、今日の新規感染者は先週より増えている。

 こんな空気を配慮したのか、政府、東京都、大会組織委員会は海外から来る観客を受け入れることを見送る方針に切り替えたようだ。来る25日より福島を起点に始まる聖火リレーを前に結論を出すということである。今日も国土交通省は航空会社に対して日本向けの航空機搭乗客の人員を減らすよう要望し、日航、全日空はそれに従うと述べた。オリンピック開催の短期間の間にあらゆる方面から大勢の外国人が来日することは、入国に際して諸手続き、医療ケアなどを考えると医療関係者のマンパワーはとても足りない。仮に入国後に新規感染者が発生したケースを考えると、その対応には問題点が多い。開催自体もまだ最終的に決定したわけではない。諸問題をクリアして問題が生じない環境を整備しなければならない。オリンピックが開催されるのかどうかはまだ分からないが、それほど難しい段階に来ている。外国人観客を迎え入れたいが、諸般の事情はそれを許さない。慎重に、慎重に結論を出して欲しいものである。

2021年3月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5049.2021年3月9日(火) 2.26事件の世相をアルバムに見る。

 昭和11(1936)年に発生した2.26事件は、日本軍国主義化への動きに拍車をかけた大きなきっかけとなった。私の生まれる2年前だからその当時どんな世相だったのか、以前から興味があった。

 偶々自宅書斎に埋もれたままでその当時の東京下町の日常生活を撮ったアルバム集をじっくり見直した。1974年晶文社から発刊された、「東京昭和十一年」と題する桑原甲子雄写真集である。読書好きだった義父から譲り受けた1冊で、何気なく頁をめくっていると何かしら懐かしい匂いがする。このアルバムに見る写真は昭和9年から18年までまたがっているが、昭和11年を中心に13年にかけて撮影されたのがほとんであり、2.26事件のバックグランドを知るには好都合である。中には終戦直後の疎開先で見たような光景もあって妙に懐かしい。撮影した桑原氏は1913年下谷生まれだから、昭和11年と言えば23歳のころだ。

 説明文を読むと多くのあの戦時体制の世の中のありようが想像出来る。いくつか珍しいと思ったことを拾ってみた。

 1.東京市内のどこにも原っぱがあった。今ではほとんどなくなった。

 2.よく雪が降った。雪の中を下駄で歩く人が目についた。そう言えば、2.26事件の折も雪が降りしきっていた。

 3.紙芝居が出回り出した。

 4.浅草界隈は賑わっていた。

 5.どこの家でもおしめと洗濯物を干していた。

 6.旅館は1泊1円

 7.市電より市バスの方が高かった。

 8.昭和12年には小学生の戦勝旗行列が目立った。

 9.中国大陸へ出征兵士を送ることが多くなった。

 10.路地の入口に「牛馬車、自動車通行止」の立看板が見られた。牛馬車がいかに多かったかが分る。

 11.袈裟をかけた愛国婦人と「盡忠報国」の幟が町のあちこちに

 12.女性はほとんど和装

 幼かったが、戦時中や、終戦直後の記憶は今も脳裏に残っており、いくつか思い当たる事象がある。それにしても軍国化の道を歩んでいたあの当時からしばらくして、「贅沢は敵」と言われるようになった。息苦しい時代だったと思う。私たちを育ててくれた両親たちは、随分大変な時代をかいくぐってきたのだと思う。それでもあの苦難の時代を映し出している写真をこれだけ沢山見ると、当時の現実感をまざまざと焼き付けられる。そう考えると写真とは、偉大な歴史資料であることがよく判る。

2021年3月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5048.2021年3月8日(月) 今更ながら呆れる国会議員の資質

 最近国会予算委員会などで質疑応答をテレビで観ていて低レベルのやり取りに呆れることが多い。質問者はともかく、回答者の説明と内容、そして周囲の閣僚級議員のお行儀の悪い態度を見ていると、こんな人たちに国政を任せておいて大丈夫だろうかと心配になることがしばしばある。最近では、武田総務相が総務省幹部が接待について聞かれて答えている隣で背広のボタンを外して身じろぎもせず、ただボッーと天井を見上げている無気力な姿を見て、質疑を聞いているのだろうか、また質問が分っているのだろうかと気になった。

 今日の参議院予算委員会では、いつも傲慢な態度で下品に存在感を示している麻生太郎副総理・財務相が、ふざけた応え方をしていた。少子高齢化で現役世代の医療費負担が増えている問題で、現役世代の負担軽減策について国民民主党の浜口誠議員が質問したのに対して、菅首相は浜口議員と同じ考え方だと応えたが、その質問を麻生副総理に振ったところ、麻生氏は「いきなり急に振られてね、質問に答えて下さいと言われても、今の質問ほとんど聞いていなかったので」と答弁し、委員会室では抗議の声と笑いが起きた。このご仁は、何のために予算委員会に出席し、質問者に応える場に座っていたのだろうか。国会ばかりでなく、国民を舐め切っているとしか思えない不誠実な言動である。この場面をNHK夜7時と9時のニュースでは、菅首相と浜口議員のやり取りは放映されたが、麻生副総理の質疑場面はカットされていた。総務省がNHKに圧力をかけたのだろうか。元々麻生氏は国会議員には相応しくない常識と能力の持ち主である。政治家としての血筋と裕福な資産を有していたお蔭で今日幸運にも副総理という座に座っていられるだけの話である。子どものように漫画が大好きで読書せず、国会答弁で「有象無象」という言葉すら読めずに笑い者となった過去を持つ。それが今以て謙虚さを持ち合わさず、野党質問者の質問を聞いていなかったとあっては、その場にいる資格がないということだ。質問した浜口議員に対しても失礼ではないか。こういう程度の低い議員に今も要職を務めさせ、辞職を迫る動きもないというのだから、国会議員全体の質と知的レベルも推して知るべしである。

 国会内からの自浄作用が期待出来ないなら、せめてメディアが批判して本人に反省を求め、場合によっては議会から追放することは出来ないものだろうか。知識も常識もなく、業務についても不真面目では呆れ果てるばかりである。
 さて、気になっているミヤンマー情勢であるが、ここへ来てCDM(Civic Disobedience Movement=市民による不服従運動)が広く注目されるようになった。軍事政権に対して服従しないと所属する軍や警察に愛想を尽かして、離脱する道を選ぶ人が増えてきたことである。

 ワシントンの駐米ミヤンマー大使館は、武力で権力を握った軍を自国政権とは認めないとミヤンマーの在外公館の中では初めて軍事政権に反対する意思表示をした。在日ミヤンマー大使館は意思表示をしていないが、一部の書記官らが軍事政権には従えないとCDMを支持した。今まで何度も訪れて多くの親切なミヤンマーの人たちに世話になっただけに、彼らは今どうしているだろうかと心配でならない。

2021年3月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5047.2021年3月7日(日) ミヤンマー・クーデターで分かる中国の進む道

 2.26事件が起きた2月26日前後に、メディアがまったく事件に関する報道を行わないことに苛立ちを感じてこのブログでも書き留めたことが何度かある。昭和天皇が生前最も辛く印象的な事柄として、終戦宣言を発したことと、この2.26事件だったと言われていた。2.26事件は軍国化しつつあった当時の日本を一気に軍事国家へ傾かせた大きなきっかけとなった歴史上の大事件である。私のブログを読んでくれた、台湾に通じている知人が、台湾でも民族問題で台湾史上最も凄惨で3万人もの犠牲者を生んだ虐殺事件だった2.28事件について、日本の2.26事件と同じように台湾国内でも近年関心が薄れてあまり報道されなくなったと教えてくれた。

 その2.26事件記念日から1週間ほど経過して、一昨日NHK・BSで「二・二六事件の全貌~発見最高機密文書で迫る」を観た。これは最近まで公表されなかった海軍の機密文書から事件の全体像を解明していくドキュメントだった。これまでに松本清張著「昭和史発掘」の他にもいくつか事件の関連書を読んでそれなりに事件のあらましは知ってはいたが、このドキュメントで、改めて当時の陸軍と海軍の激しい対立関係を学ばされた。そして安藤輝三、栗原安秀ら事件の主たる将校が事件の1週間前には、すでに海軍軍令部で首謀者と察知されていたことや、避けられたかも知れない青年将校の決起を無残にも無謀なクーデター計画実行犯として貶めたことなどを残念に思っている。しかし、いずれにせよ2.26事件は日本を戦争に導いた大きな足掛かりとなったことを忘れてはならないと思うし、さればメディアもきちんと史実を正しく伝える努力を怠ってはならないと思う。

 さて、軍部が実権を握った現在のミヤンマーでは、このところ相も変わらず軍の発砲事件が頻発して若者が死地に赴かされている。少し雲行きが変わって来たのは、軍や警察から上司の命令に従って市民に銃口は向けられないと所属部署から離脱する兵士や警察官が現れてきたことである。その一部は、国境を越えインドへ脱出している。インドは国境問題など中国との関係が思わしくなくなったこともあり、彼ら避難民に支援すればするだけ、ミヤンマー軍政府は中国を頼るようになり、インドにとっては頭の痛いところだ。

 昨日国連安保理事会が開催され、イギリスが理事国に提示した議長声明原案では、国軍によるクーデターや平和的なデモ参加者への暴力の行使を「非難する」と明記し、状況がさらに悪化する場合は「国連憲章の下で可能な措置を検討する用意がある」と警告している。抗議デモへの弾圧で死傷者が増え続ける中、欧米諸国は国軍の行為を安保理として一致して非難し、国際的な圧力を強めたいとの考えである。しかし、常任理事国で拒否権を持つ中国とロシアは、予想されたこととは言え「非難」など踏み込んだ声明案に難色を示している。中国とロシアは「自由」や「民主化」などお構いなしに、自国にとって利となることなら相手国の立場や主義主張に関係なく独善的な道を自ら選択するということである。ミヤンマー問題解決も難しくなるようで嫌な予感がする。

2021年3月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5046.2021年3月6日(土) 中国、「民主化」を抑圧し軍事大国・覇権国家へ

 昨日北京の人民大会堂で全国人民代表大会(全人代)が幕を開けた。新型コロナウィルス禍の中で、世界各国の経済活動がマイナス成長の時に、中国の経済成長率は昨年2.3%で主要国の中で唯一のプラス成長だった。今年の経済成長率は6%以上の目標を掲げた。ただ、経済環境は決して明るいものではなく、市場では8%前後とする予測が多かったようだが、中国政府は控えめの数字に抑えた。

 いつも自国の発展ぶりを積極的に諸外国にPRする中国が、今年は第14次5か年計画の具体的な数字を敢えて示さなかった。総じて外需依存を止めて国内経済を成長させ、科学技術の発展を支えることを目指すということらしい。

 その他には欧米諸国を強く刺激することが2点ある。ひとつは、香港民主派の影響を削ぐために、香港の選挙制度を改変することであり、もう一点は、国防予算の大幅な増額による国防力の更なる増強であり、これは、前年比6.8%増で過去最大規模の総額22兆6千万円となった。

 前者については、香港市民から「自由」と「民主」を略奪するものである。王晨・全人代常務委副委員長は、「香港を統治する者は愛国者でなければならない」と身勝手に語り、香港で選挙に参加する者を選別する機構を作るという。今後香港ではとても「自由」や「民主」が行われないことは明白である。太平洋戦時下の軍国日本の翼賛選挙でもこれほど自由を取り締まったことはない。中国の自由締め付けは行き着くところまで行ったとの感が強い。

 香港返還の際宗主国だったイギリスと約束した「1国2制度」は一方的に破棄されてしまった。流石に最後の香港提督を務めたクリス・バッテン氏は、「香港の自由と法の支配の下での民主主義の拡大への願望を抹消する最大の一歩だ。1国2制度の誓約を完全に破壊するものだ。中国共産党は、信頼することが出来ないということを改めて世界に示した」と憤懣やるかたない心情を露わにした。

 後者の国防予算については、世界一流の軍隊を目指す習近平・国家主席が意識している国は明らかにアメリカである。南シナ海や台湾での運用を想定した軍備の拡充が進んでおり、益々大国意識を募らせている。日本の尖閣諸島海域にも侵犯の度数が増え、東アジア地域の緊張が一段と高まっている。自国のためにアジア周辺諸国を攪乱しようとする中国の動きからいよいよ目が逸らせられなくなった。

 さて、今日腹が立つことがあった。日本中央競馬会(JRA)がおよそ2,700人いる調教師と騎手の内、165人がコロナ対策の国の「持続化給付金」を制度の主旨から逸脱して受給していたとの調査結果を発表した。総額で1億9千万円(1人当たり約115万円)という。彼らを労働者と見做し、緊急事態宣言により労働日を減らされたことを理由に給付金を申請し受領できるとしたら、他のプロ・スポーツ選手や関係者はどうなるのだろう。営業時間を短縮され、手取り額を減額された飲食店従業員などはやり切れない思いであろう。

 流石にJRA理事長は、謝罪し、受け取った給付金を返還させると語った。もらえる物なら何でももらうという魂胆が情けない。

2021年3月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5045.2021年3月5日(金) つまらない新聞連載小説

 Amazonが拙著「八十冒険爺の言いたい放題」について、次のように評価してくれていることをネットで見つけた。「旅行の草分けが語る旅の神髄―ジョン万次郎の遠戚が戦後、渡航解禁後に見せた仰天の旅。戒厳令下のアラブ・アフリカ等訪問で暴漢撃退、軍・警察による身柄拘束と脱出、入国拒否などの経験から危機管理と旅の楽しさを語る。アフガン国境カイバル峠にて9・11テロの予兆を感じ取るなど、若者・ビジネスマンにも有用な臨場感あふれるエッセイと写真」。

 好意的で嬉しいコメントに★が5つも付いていた。Amazonでの販売も結構伸びていると聞いているので、このまま販売が伸びてくれれば有難い。
 さて、昨日いつも通りgoogleが2月の月例レポートを送ってくれた。私のHPのアクセス結果を毎月送信してくれるのだが、その中でアクセスの多かった2点を挙げてみる。最もアクセスが多かったのは、2011年3月12日のブログ「東日本巨大地震ニュースが日本全土を席捲」だった。震災記念日が近づいてきたという時節柄もあり、震災翌日のHPに私がどう取り上げ、書いているか興味がてら覗いてくれたのだろう。2番目にアクセスが多かったのは、意外にも2016年12月30日にアップした「なぜかつまらない朝日の連載小説」だった。ちょうどその日に短く、117回で連載を終えた金原ひとみの「クラウドガール」が面白くなかったと批判的に書いたものだ。朝日では、かつては夏目漱石以来「路傍の石」「土」「女の一生」「氷壁」「花押」など文豪の数々の名作が新聞紙上に連載されたが、最近は興味のない作品が多い。この他にも途中で読むのを止めた吉田修一「悪人」がある。これなんか映画にもなった作品であるが、私には読んでいて一向に興味が湧いてこなかった。

 実は現在朝刊に連載中の「また会う日まで」も、クリスチャンで海軍軍人にして天文学者でもあり、作者の遠縁にも当たる実在の人物、秋吉利雄を主人公にした池澤夏樹の作品であるが、出だしはまずまずだったが、今では毎日退屈な話を読まされている。総じて言えることは、朝日の小説を選ぶ基準が、凝り過ぎて、ひとつのことに集中し過ぎて全体像が把握しにくくなっているという欠点があるように思える。今の「また会う日まで」も200回を超えたばかりだが、いつまで我慢して読み続けられるだろうか。

 明後日期限を迎える東京都及び首都圏3県に対する新型コロナウィルスの緊急事態宣言の解除は、更に2週間延期されることに決定し、今夕菅首相から記者会見で正式に発表された。

 確かに新規感染者の数は少しずつ減ってきてはいる。しかし、外出自粛の要請がありながら相変わらず、都内の繁華街の人出は減っていない。これに警鐘を鳴らす意味合いもあるだろう。それにしてもコロナは今以て世界的にまったく明るい見通しが立っていない。今の生活を続けるのは好い加減に勘弁して欲しいというのが、多くの人たちの率直な気持ちだろう。科学は進歩していながらウィルスや病気への対症療法があまりにも遅れているということだろうか。

2021年3月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5044.2021年3月4日(木) オリンピックを外国人は観戦出来るか。

 新型コロナウィルスにより多くの計画が引っ掻き回されているが、昨日オリンピックについてリモートによる五者(橋本組織委員会会長、バッハIOC会長、パーソンズ・国際パラリンピック会長、小池都知事、丸川五輪担当相)会談が行われた。来る25日から国内聖火リレーが始まる。一向に下火にならない感染者を考え、外国から観客が来日しても感染対策が完全に実行出来るかどうかが懸念されている。今月末までに外国人の観客を受け入れるか否かを決定する。また各競技場への入場者は、定員の半数か、上限を決めることになり、それは4月中に判断することに合意したようだ。その後の最大の決断は、オリンピック自体を予定通り開催することが出来るかどうかである。現時点では政府は前向きであるが、海外、特にイギリスでは自国内でコロナが拡大しているせいもあり、すでに中止の報道があった。

 話はオリンピックに直接関係ないが、五者の内、先日就任したばかりの丸川珠代五輪担当大臣は、大臣就任前に選択的夫婦別姓の導入について反対していた。ところが、先の森喜朗氏の女性蔑視発言で女性の差別視に厳しい目が向けられるようになり、昨日国会内で現在の考えを聞かれると個人の考えを述べる場ではないと言い逃れ、福島瑞穂・社民党副党首が更に突っ込んで「なぜ夫婦別姓に反対するのか」と尋ねると今は大臣の任にあるから応えられないと理由にならない応え方で答弁を拒んだ。これは個人と公の場における考え方が異なるということであり、明らかにおかしい。こんな人に大事な職が務まるかと疑問に感じた。案の定、今夕の朝日紙「素粒子」に、「軽すぎる政官の言葉たち」の一例として丸川大臣の言動が、「『今は大臣』 だから個人の私とは『別人格』だと?丸川五輪相ののらりくらり」と皮肉を交えて取り上げられている。

 さて、昨日のニュースで一番悲しかったことはミヤンマーで死者が38人も出たことである。すでに何度か取り上げたようにミヤンマー人の温厚で優しい国民性から考えて、例えデモが起きてもアメリカ人や彼らと同じ狩猟民族とは異なり、農耕民族のミヤンマー人の間ではそれほど激しい争いになるとは考えていなかった。それが先月28日に一度に18人もの人たちが犠牲となってまもなく、昨日大量38人の犠牲者である。やはり軍隊が銃砲を持ち、上官が撃てと命令すればそれに逆らえなくなり発砲してしまうのだ。軍の治安部隊とデモの参加者の衝突が激化すれば、これからも犠牲者は数多く出るだろう。国連安全保障理事会は、明日緊急理事会を開き対応を協議するという。安保理で経済制裁決議を採択しても、ミヤンマー国軍は中国を頼ることになるだろう。欧米諸国としては一番避けたいところである。ミヤンマー軍をどういう手段で押さえつけ、民主政治を取り戻せるか、国連外交にとってもひとつの正念場である。

2021年3月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5043.2021年3月3日(水) 2021年度一般会計予算106兆円強

 新型コロナウィルスの対応でバタバタしている内に、来年度の一般会計歳出予算案が衆議院本会議で採決された。新予算案も過去最大規模の106兆6千万円である。累積赤字がすでに1,100兆円に達している。新年度も当然の如く赤字予算であろう。この決定過程で累積借金が加算されることに対して、どう財政赤字を補い借金を減額させるかという肝心な点については、まったく議論されていない。与野党ともに歳出面にばかり気持ちが進んで、歳入の増加や、借金返済については真剣に考えていない感じである。いつもながら国会議員は国家財政改善のための地道な努力には気持ちが向かないらしい。参議院を通過すれば、予算案は確定する。

 コロナ禍で支出が増えるのはやむを得ない。だが、それをどうやって補填するのかという点が欠けては、バラマキに終わるだけである。接待饗応に浸っている今の政治家には、将来のことはあまり気にならないのだろう。困った人たちである。

 実は、ちょっと気になったことがある。先日来の森喜朗前東京五輪・パラリンピック組織委員会会長の女性蔑視失言騒ぎにより後任会長に就任した橋本聖子新会長は、就任直後から女性理事を20%から40%に引き上げると語っていた。早速昨日開かれた組織委員会理事会で現女性理事7名を一気に12名増やして19名とすることを目標に掲げ、理事数45名の40%をクリアして考え通り新理事会を発足させることになった。

 引っかかるのは、少々拙速の誹りがあるのではないかということである。早くから理事相当の候補者を想定して満を持していたのならともかく、取るものも取り敢えず人数合せでなければ良いがなぁと思う。確かに候補に挙がっている女性は、弁護士、大学教授、会社経営者、スポーツ界出身者、JOC常務理事ら多士済々ではあるが、オリンピックに関してこれまでどれほどの知見を披歴していただろうか。時間的な制約があったとは言え、あまりにも先を急ぎ過ぎていたような気がしてならないが、どうだろうか。

 さて、1月にコロナ禍による東京都首都圏3県に対して発出された緊急事態宣言が、他府県では解除されたのを勘案して、解除されるか微妙なところである。国内のコロナ死者は昨日8千人を超えた。世界的にもやや減少気味だった感染者数が今週は7週間ぶりに増え、WHOでは気の緩みを警戒している。

 首都圏の緊急事態宣言は来る7日に期限を迎える。小池都知事と政府の間で水面下にやり取りをしているようだが、まもなく結論が出されるだろう。

2021年3月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5042.2021年3月2日(火) 官僚の接待漬けは、首相への忖度の故か。

 9日間も燃え続けていた栃木県足利市の山火事が昨日漸く鎮まったと公表された。市内の一部の学校も休校となり、山麓の住民は一時的に避難していた。連日テレビでヘリコプターが消火作業をする様子が放映されていた。この山火事により、東京ドーム約330個分の山林が灰燼に帰した。もったいないなぁとつくづく思う。

 さて、このところ官僚の接待疑惑が大きな問題となり、政官界を揺さぶっている。とりわけ大きな話題となったのは、菅首相の子息が務めるBS、CSの放映チャンネル権を持っている東北新社が、監督官庁の総務省官僚を接待していた疑惑である。官僚には、内規の国家公務員倫理規程により関係ある業者から接待を受けてはならないと定められている。それを百も承知している筈の総務省事務次官、審議官、局長ら幹部が、安易に総務省と関係深い企業、東北新社から饗応を受けたというノーテンキぶりと、そこへ至った事情は、首相の子息が絡んだからであると見られていた。これがきっかけでかなり事実が明らかになり、総務省はこの接待問題で11人を処分した。聞いて驚くのは、接待が日常化していたことであり、分かっただけで同じような接待が39件もあり、その内21件に菅首相の子息が同席していた。これに関連して首相記者会見を仕切る山田真貴子・内閣広報官まで東北新社から接待を受けていたことが判明した。その1回当りの費用が7万円を超えていたというから、別の面で興味と関心を呼んだ。山田広報官は反省しながらも一度は職務を全うすると述べていたが、昨日になって辞職することになり、続投させると言っていた首相の判断の甘さも批判を浴びている。

 この他に農水省でも大臣の接待が明らかになった。3年前吉川貴盛・元農相が当時の事務次官、担当局長、部長らとともに鶏卵生産業者「アキタフーズ」代表者から資金の提供を受けていた。これにより吉川元農水相は収賄罪により起訴された挙句に、健康面を理由に議員辞職した。農水次官ら6人も処分を受けた。どうして役人はこうも脇が甘いのだろうか。

 現時点では、首相の家族が関係するスキャンダルへ発展した結果、首相がいくら子息とは別人格と言い張って距離を置こうが、世間ではそうとは見ない。接待を受けた総務省役人の間には、首相の子息との接触は首相への忖度だったと見られている。スキャンダルは一旦処分することで決着をつけたように思われがちだが、高級官僚と企業との癒着はそう簡単に終焉というわけには行くものではない。それにしても菅首相もたたき上げの苦労人とのイメージが定着していたが、子息の行動によっていとも簡単にそのイメージは崩れてしまった。権力を手に入れるとつい見境もなくそれを振るってみたくなるもののようだ。

 ところで、朝日新聞は今日の朝刊紙が、明治12(1879)年1月25日発刊以来ちょうど5万号になったという。142年もかかっている。現存する日刊新聞社の中では、毎日(当時東京日日)、信濃毎日、読売に次いで古い。ただ、簡単に計算してみると日数は51,191号相当だった。3年分ほど空白期間がある。きっと戦争、社会情勢、新聞社内の事情などによって毎日は発行しきれなかったのだろう。それにしてもこれらの新聞が今日まで生き残って来られたのは、その陰には内外に苦労された多くの方々がおられたからだろう。決して見過ごしてはならないことだと思う。

2021年3月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com