5070.2021年3月30日(火) 思い出の詰まったスエズ運河再開

 大型コンテナ船が座礁したまま航行不能に陥っていたスエズ運河が、昨日漸く船が離礁して運河が再開され、周辺に足止めされていた大型船422隻も動き出しているという。このところスエズ運河の画像を観る機会が増えたので、興味深く思っていた。近著「八十冒険爺の言いたい放題」にカイロからスエズへ向かった旅について1章を書いている。スエズでは警察仮留置所に閉じこめられ、部屋から脱出して徒歩でスエズ運河を訪れ、束の間とは言え世界の大運河をこの目で見たことが懐かしい。

 私がスエズを訪れたのは54年前の1967年第3次中東戦争直後だったが、運河を見渡せるような場所ではなく、戦禍に遭ったスエズ市内の運河の入口だったので、今回の事故現場とは数十㎞離れている。それでも運河なんて普通では滅多に目にすることはない。当時を思い起こして感慨無量の思いがした。

 これから話し合わなければならないのは、補償問題らしい。コロナ禍で観光客がめっきり減りエジプトにとり最大の収入源の観光収入と並んで、国家財政を支えていた運河通航料収入の減額は極めて大きな打撃である。1隻の通航料が船のサイズにもよるが、3~5千万円と言われており、スエズ運河庁にとっては1日平均50隻が通航を遮断されたことにより約15億円の損失であると言われている。第一義的には、船の所有者である日本の船会社が保険を使って対応する可能性が高いようだが、円満解決までにはかなり時間がかかるだろう。それでも取り敢えずスエズ運河が再開されたことは、吉報であり、素直に喜びたいと思う。こう言っては顰蹙を買いかねないが、半世紀ぶりに思い込みの強いスエズ運河のニュースに触れて懐かしく思った。

 さて、昨日待望していたチャールズ・チャップリンの名画「ライムライト」をNHK・BSで録画しておいたビデオて観ることができた。1952年に製作されたチャップリン晩年の作品であるが、世界中で大ヒットして話題となった作品である。数々のチャップリン映画の中で最もその特徴を具現していると見られているこの映画には、全体に心地好いテーマソング♪テリーのテーマ♪が流れているが、同時に時代的に第1次世界大戦が勃発した1914年のロンドン市内の光景が観られて興味深かった。ストーリーとしては、道化役者チャップリンが、足を痛めて絶望的になっていたバレリーナを救い、更生させ、大劇場でプリマドンナとして復活させるまでのストーリーである。バレリーナ、テレーサが舞台で踊っている間に、彼女の恩人となった道化役者カルベロが舞台裏で亡くなって終わる愛情物語である。チャップリンの映画は、ほとんど彼自身が監督、脚本、音楽、主役を演じているが、他の「モダン・タイムス」「チャップリンの殺人狂時代」「チャップリンの独裁者」などに比べて、ハリウッドで製作した最後の作品となったこの作品こそが一番チャップリンらしい作品だと思う。

 世界大戦勃発という未曽有の暗い時代に、深刻な戦争の非情さを見せずに、市民生活の一部を涙と愛情にユーモアも交えてスクリーンに表現する演出者としてのチャップリンの類稀なる才能は余人をもって代えがたいと思う。印象的な良い映画だと思う。

2021年3月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5069.2021年3月29日(月) 96歳高齢者の3つの「独り旅」

 今朝の朝日「声」欄に紹介された神奈川県に住む96歳の男性の投書に興味を惹かれた。3つの独り旅と名付けて、高齢になってから楽しんでいる「読むこと」「書くこと」「旅すること」について書いておられる。年齢から考えてもこの読者の好奇心は素晴らしいと思う。つまり読書、作文、旅行である。旅行以外は今の若者にとっては大分欠けていることである。

 ご自身大正デモクラシーの末期、普通選挙法が成立した1925年に生まれ、満州事変勃発の31年に小学校へ入学して「内に立憲主義、外に帝国主義」時代の子だったと述べておられる。その点では、私が生まれた38年は国家総動員法の交付により、戦時体制が築かれた。そして、小学校(当時国民学校)へ入学したのが、終戦の年1945年だった。その意味では、「内外ともに帝国主義から民主主義」時代の子と言えるかも知れない。加えて、旅行会社へ勤めていた当時、旧厚生省主宰の太平洋戦争戦没者遺骨収集事業や、戦友会の戦跡慰霊巡拝団業務に約20年間も関わり、今注目を浴びているミヤンマーへ30回近くも訪れたのも戦争とは切っても切れない縁ではなかったかと感慨深く思っている。

 さて、このところ連日のようにミヤンマーのクーデターに反対する抗議デモのニュースが伝えられるが、一向にデモが収束しないことに苛立ったのか、国軍の鎮圧手段が大分荒っぽくなってきた。カチン族ら少数民族が住む山間部へ空爆したり、住民に無差別な銃撃を加えている残虐ぶりである。これについては、バイデン大統領も常軌を逸した行為だと国軍を厳しく非難した。

 このところ急激に死者が増えたのも、国軍の手荒な行動によるせいであるが、それについてひとつ気づいたことがある。昨日テレビ画像を観ていて、軍用トラック荷台に乗っていた国軍兵士が通り過ぎるオートバイに向けて突然銃を放ち、倒れた人の他に逃げようとした男性に向けても銃砲を向けたことである。はっきり言って通りすがりの住民に対して見ず知らずの人間がいきなり発砲した構図である。普段温和なミヤンマー人が不意に無防備の通行人に向けて銃撃するなんてとても考えられない。これも戦場のような殺気だった場面で、武器を手にした兵士が良心の咎めることもなく武器を使用した場面であり、戦争になって武器を手にすればブレーキが利かなくなるということを教えてくれた。同時に深く考えさせられた。手にすれば、誰にも見境なく銃口を向けるようになる銃器は、だからこそ普段は手の届かないところに厳重に格納しておくべきで、普通の市民には難しい。それがアメリカでは銃器類所持の許可さえ得れば、自宅に銃器類を所持することが許される。それが殺人を誘発することは容易に想像できる。アメリカで殺人事件が多い理由のひとつは、一般の民間人が許可さえ得れば武器、銃器を所有できる世界でもアメリカだけの特別法、殺人容認法があるからである。

 一般にアメリカは民主主義の母国であると考えている人が多いが、とんでもない誤解だと思う。アメリカ国民は他国にはない唯我独尊的な銃砲所持を容認する法律を破棄し、世界からこの市民が容易に殺人に手を染め得る恐れのある法律を放逐して欲しいと思っている。それは、アメリカ人の世界中の人びとに対する義務と責任であると思う。

 今日は近くの呑川緑道の見事な桜を見ながらウォーキングを楽しんだ。下手な一句が浮かんだ。

 桜咲く 隣の梅も 競い合い

 まだ、2,3日は大丈夫だろう。

2021年3月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5068.2021年3月28日(日) ミヤンマー軍、国軍記念日に更なる弾圧

 桜の花も今が満開の花見頃を迎えて、自宅近くの呑川(のみかわ)緑道に沿った長い桜並木が見事に花を咲かせている。生憎今朝は一時的に雨交じりの強い風が吹いていたので、散ってしまうのではないかと気になったが、昼過ぎには風雨ともに止んだ。もうしばらくの間桜を楽しませてもらえそうだ。

 さて、昨日ミヤンマー国軍記念日に首都ネピドーでは、ミヤンマー国軍が軍事パレードを行ったが。その後の式典でミンアウンフライン国軍司令官は、昨年の総選挙で不正があったにも拘らず、国民民主連盟(NLD)が放置したので、止むを得ずこのような行動を起こしたと自らを正当化し、あまつさえ「安定と安全に影響する暴力は不適切だ」と抗議のデモを見当はずれの言い方で非難する有様だった。その国軍は、普段は大人しいミヤンマー国民の間で抗議デモが収まらない腹いせだろうか、国軍は益々乱暴な手段に出てきている。軍の過激な行動に対して世界各国からも非難が浴びせられている。国軍記念日の式典にも、例年は30カ国以上の国家の代表者が出席していたが、今年は、中国とロシアを含む僅か8カ国しか出席しなかった。もちろん普段は良好な外交関係にあった日本も、駐在全権大使は出席しなかった。

 昨日は治安部隊が抗議のデモ隊に対して発砲し、クーデター勃発後1日にして最多の114人が殺害された。民家に押し入り無抵抗な住民に対して銃弾を放つなど、武器を持った兵士は正にキチガイに刃物で、普段温和なミヤンマー人らしからぬ手荒い行動に出ている。国連のグテーレス事務総長は無抵抗の子どもが虐殺されたことを強く非難し、「国際社会が結束して断固たる措置をとるよう要求する。この危機に対して緊急の解決策を見出すことが重要だ」として、国際社会が結束してミヤンマー国軍による市民への弾圧を止めさせるよう求めた。日本は茂木外相が、「ミヤンマー国軍・警察による市民に対する実力行使により27日に、これまでで最多の死者を数えるなど、ミヤンマーで多数の死傷者が発生し続けている状況を強く非難する」との談話を発表した。

 昨日が国軍記念日とされた経緯は、太平洋戦争が終結した1945年の昨日、それまで日本軍とともにイギリスから植民地解放のため戦っていた、南機関を主とする日本陸軍にビルマ軍が突然反抗し、日本軍との戦いに立ち上がった日である。その中心にいたのが、スーチー氏の父・アウンサン将軍だった。ヤンゴン市内の中心にボジョー・マーケットという買い物客で始終賑わっている市場があるが、ボジョーという名は「将軍」を表す言葉でアウンサン将軍を指している。ミヤンマーのすべての紙幣にもアウンサン将軍の肖像が描かれている。アウンサン将軍は独立の日を迎えることなくその前年に暗殺されたが、それほど父アウンサン将軍は、ビルマ独立の父としてミヤンマー国民から今も深く敬愛されている。スーチー氏への信頼と人気も父親に負うところが大きい。国軍としては、このままではアウンサン親娘の人気にはとても太刀打ちできないと覚悟のうえで、クーデターという強硬手段に出たのではないかと思える。

 四面楚歌に陥った国軍が頼ったのが、予想通り社会主義国とはとても言えない中国とロシアである。国連をはじめとして多くの国々から非難されているミヤンマー国軍にとっては、今や中国は覇権国家と化したが、ミヤンマーにテコ入れしたい社会主義国家を自称する中国が頼りだった。そして同じ脱社会主義国家で覇権国家のロシアもこれに同調した。人権や貿易問題で欧米など資本主義国家と対立している、覇権国家、帝国主義国家の中国とロシアが、ミヤンマーを足場にしてまた国際社会へ新たな難問を仕掛けて来るような気がして憂鬱な気分になる。

 今日は両横綱休場の中で行われた大相撲春場所が千秋楽を迎え、一時序二段まで陥落した関脇照ノ富士が3度目の優勝を果たした。これで来場所は大関への復帰が濃厚となった。メデタシ! メデタシ!

2021年3月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5067.2021年3月27日(土) バイデン大統領、中国の人権弾圧を批判

 アメリカのバイデン大統領は、25日大統領就任後初めての記者会見を開いた。トランプ大統領に比較して人柄もやや控えめなせいもあるが。今一つ存在感が薄いバイデン氏が漸く厳しい口調で中国の人権弾圧を非難した。このところ表立った民族・人種差別に基づいた米中批判、対立問題が浮かび上がり、新大統領がどんな対応をするのか注目されていた中で、我が物顔の中国の高圧的言動に対して、ひとつの楔を打ち込んだ感がする。大統領は、米中の対立について民主主義と専制主義の対立であると述べた。かつて30年前までの東西対立時代には、資本主義と共産主義の対立という表現がしばしば使われたが、資本主義という看板は今も変わらないとしても共産主義は、今では消滅し専制主義、或いは覇権主義という言葉に取って変わったような昨今の中国の変貌ぶりである。バイデン大統領は、同盟国に向けて関係強化と中国国内で起きている人権弾圧に世界各国の注意を喚起する考えを示した。

 大統領は、習近平・中国国家主席について頭の良い人物ではあるが、民主主義のかけらもなく、プーチン・ロシア大統領と同じ穴のムジナと表現した。中ロの両首脳は複雑な世界では民主主義を機能させられないと決めつけた。これに対して昨26日、中国外務省は中国の内政に介入する動きには立ち向かうと述べ、中国は優等生だが、恐らくアメリカは劣等生だと揶揄した。これまで人権弾圧に関してはアメリカが、ウィグル族、チベット族、香港統治などで厳しく批判していたが、今後中国も負けずにアメリカ国内の非民主主義的な人種差別、特に黒人蔑視を突いてくるだろう。バイデン政権も漸く声を上げてきたが、トランプ前大統領のようにアメリカ・ファーストのような自己本位で身勝手な主張だけはやめてもらいたい。

 さて、福岡国際マラソンが今年で最後になるとのニュースを知ってちょっと寂しく思っている。今年2月に行われたびわ湖毎日マラソンでは、優勝した鈴木健吾選手が日本人選手として初めて2時間4分台の日本記録を打ち立てたが、それが同マラソンの最終レースと知り有終の美を飾ったと感じていた矢先だった。横浜女子マラソンも昨年最終回を迎えた。

 中止の原因としては、やはり過大な経費が一番大きいようだ。テレビ中継もされて全国でこれらマラソンを観た人はかなりの数になると思う。だが、びわ湖毎日が毎日新聞、福岡国際が朝日新聞の巨大スポンサーが長年支援して盤石の基盤があったように見えたが、これらの伝統あるレースを中止せざるを得なくなったのは、両新聞社とも今年度は大赤字に追い込まれて身動きが取れなくなったことが大きいと思う。福岡で4度も優勝した瀬古利彦さんは、自身育てられた大会だっただけに寂しいと率直な気持ちを漏らしている。これからは招待選手と市民ランナーが一緒に走る市民マラソン形式がマラソンレースの主流になるのだろう。

 そう言えば、昭和29年の福岡国際マラソンは、当時朝日マラソンと呼ばれていて鎌倉から七里ガ浜通りを通り、我が家の裏の県道を通って戸塚で折り返して鎌倉駅前をゴールにしていた。アルゼンチンのゴルノ選手が優勝したと記憶している。自宅でラジオの実況を聴きながら先頭ランナーが近くまで来たことを知って、小雨の中を出かけて県道脇で声援したことが昔日のように懐かしい。

2021年3月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5066.2021年3月26日(金) 新年度一般会計予算は過去最大の106兆円

 昨日の診断の結果を受け、早速かかり付けの松本整形外医院へ行き、結果の報告をしたら松本医師から心配していた化膿性脊椎症に罹っていなくてホッとしたと言っていただき、しばらく経過観察ということになった。毎度同じ繰り返しだが、あまり張り詰めて机に座りっ放しの執筆をしないよう忠告された。白血球の数値が高いのは、内科で診てもらったら良いでしょうとのお話しだった。

 さて、昨日の本欄で取り上げたスエズ運河の座礁であるが、ぶつかったコンテナ船が離礁を試みているが、中々うまく行かず往生しているようだ。偶々昨年NHK「世界のドキュメンタリー」で放映された「スエズ運河のメガ建設の大拡張」が昨晩遅く再放映されたので、録画しておき今日じっくり観た。それによるとスエズ運河は完成してすでに150年が経過したが、2014~15年に大拡張工事が行われ、今ではかなりの区間で上下複線になってスムーズに航行している。今回座礁した場所では、一方航行路で船が航路を遮断してしまい交通渋滞を引き起こしている。船会社は相当額の損害賠償を要求されそうだ。ビデオでは、最初の開通式からナセル大統領のスエズ運河国有化宣言、第3次中東戦争による被爆の画像を目にしたが、その直後に訪れたスエズ市沿岸の光景が懐かしかった。

 それにしても理解しにくいのは、座礁船エヴァーギブン号の所有者は愛媛県の会社だが、船籍はパナマ(租税回避地=タックス・ヘイブン)で船を運航していたのは台湾の長栄海運(エバーグリーン・マリン)で船員25名は全員インド人だったという。こうなると責任の所在や賠償額の分担などで難しい問題を孕むことになることだろう。航空会社とは随分異なる業務の分業である。

 ついては、今日2021年度一般会計予算が参議院で承認され、成立した。毎年増え続ける国家予算は、新年度も過去最大の106兆6千億円となる、今年度予算を約4兆円も上回った。新年度まで残り僅か5日の忙しい採決となったが、これもかつては前年12月がひとつのメドだったが、何だかんだと遅れ始めて今では新年度直前でないと決まらない。

 内訳は、例年同様社会保障費が35兆8千億円で全体の3分の1を占める。次いで借金の返済である国債費が23兆7千億円で全体の22.3%、そして地方交付税交付金が約16兆円で15%を占める。

 中でも借金が多い理由のひとつとして、新型コロナウィルスの感染拡大による影響を受け企業業績の悪化のため、法人税収が大幅に減ることが予想され、税収が57兆円強と今年度の当初予算63兆円より大分落ちている。歳出でもコロナ対応のための予備費を5兆円も計上している「コロナ予算案」である。オリンピックも大きな支出が予想され、今日カナダが不参加を表明したという情報も入って来た。これは不確実な情報だが、ウルグアイとともに国が大麻を合法としているカナダという特殊な国だから、日本をはじめ関係諸国が懸命に五輪開催に向けて努力している最中に、「イチ降~りた」もあり得ない話ではない。コロナによって経済活動は縮小し、仮にオリンピックも中止という事態になったら、コロナの及ぼす損害は計り知れない。緊急事態宣言は解除されたが、逆に感染者は増えてリバウンドの状態である。東京都では前週の曜日を超える感染者がずっと続き、全国の感染者は今日2月6日以来2千人を上回り、死者も9千人を超え、感染者は46万人超となった。未だワクチン接種が始まらず、このままコロナが増え続けたら社会がダメになってしまうのではないかと深刻に憂いている。

2021年3月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5065.2021年3月25日(木) MRI検査、五輪聖火リレーとスエズ運河座礁

 今日はまるで関係のない3つの言葉について書いてみたい。

 取り敢えずホッとした。今朝東京医療センターでMRI検査をしてもらった結果、懸念していた化膿性脊椎症の恐れはなくなったようだ。この3日間にレントゲン検査を2度、MRI放射能検査を1度受けたわけであるが、MRIは縦、横、斜めからせき髄を鮮明に診断することが出来ると言われている。今日MRI撮影後に医師から画像を見せてもらいながら説明してもらったが、一昨日レントゲン検査写真では分からなかった部分がかなりはっきり表れていた。骨と骨の間がくっきりとしていて化膿しているような影は見えなかったし、医師もそう診断された。後は整形外科医院で検査した白血球数が多かった懸念であるが、医師は専門の内科で別の原因を調べてもらったら良いでしょうとの診察結果だった。一昨日同様妻が付き添っていたが、顔を見合わせて頷き合ったところである。まだ腰の痛みは依然として残り、薬を服用してしのいでいる。明日はかかりつけの松本整形外科医院に今日の結果を報告しに行くが、今週は何とも慌ただしい病院通いだっただろうか。

 さて、東京オリンピックのプレ行事である聖火リレーが今日から東日本大震災の被災地福島県楢葉町・広野町のJヴィレッジをスタートした。1万人のランナーが全国を巡って、121日間かけて7月23日開催の開会式会場へ向かう。開催か、中止かと国民の気持ちをいらいらさせているオリンピックもいよいよ開催へ向けた盛り上がりが期待される。心配されるのは、新型コロナウィルス緊急事態宣言解除後、新規感染者が減らないことである。

 ついては、今日衝撃的なニュースが2つあった。ひとつは、今日7時過ぎに2度に亘って北朝鮮が1年ぶりに日本海の日本の排他的経済水域外に弾道ミサイルを発射したことである。4月に菅首相が訪米することを意識して、北朝鮮が日米両国に対して北朝鮮へもう少し目を向けろとアピールしているのかも知れにない。それにしても北朝鮮のやることは、いつも人騒がせで国連決議から外れていることである。

 もうひとつびっくりしたニュースは、遥かエジプトのスエズ運河で日本船籍の超大型コンテナ船が座礁して航路を塞ぐ形になり、運河を航行不能にさせたことである。原因は砂嵐による悪天候と視界不良ということであるが、石油、天然ガス、穀物などを積んだ大型タンカーの通り道で仮に地中海から紅海までのルートの不通状態が続けば輸送船はアフリカ喜望峰沖を迂回するルートを取らざるを得ず、その場合1週間ほど余計な日数がかかる。考えてみると随分時間と費用のロスになる。

 近著「八十冒険爺の言いたい放題」に、偶々このスエズ運河への昔の冒険旅行について頁を割いている。カイロからスエズへ急行列車に乗って向かったまでは良かったが、戒厳令下のスエズ市滞在許可証を所持していなかったために検札で車掌に咎められ、終点のスエズ駅で警察に御用となってしまった。翌朝警察仮収容所から脱出して運河へ行き、半年前の第3次中東戦争で破壊された運河を感慨深く見たものである。日本の旧水野組(現五洋建設)のクレーン船が破壊された現場も見た。久しぶりにテレビ画像ではあるが、最近の砂漠の中のスエズ運河の茫洋とした光景を見るにつけ、55年前の破天荒な旅を思い返し懐かしさも一入である。

2021年3月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5064.2021年3月24日(水) 中国のやりたい放題は許されるのか。

 中国包囲網?の本格的スタートかと思わせるニュースが伝わってきた。一昨日ヨーロッパ連合(EU)が中国で新疆ウィグル族に対する深刻な人権侵害が続いているとして中国への制裁を発動した。続いてアメリカ、イギリス、カナダも同調し中国への制裁を課した。18日に米中外交トップの会談で米中が角突き合わせて非難の応酬を行ったのをきっかけに、世界的に中国への非難がエスカレートしている。人権蹂躙、民主化抑圧はチベットや香港でも見られる。加えて東シナ海、南シナ海の公海上における中国独自の海洋進出が批判されている。直近でもフィリピンの排他的経済水域内に約220隻の中国漁船が集結し、漁を行わず留まっている行為に対してフィリピン政府は中国に強く抗議している。こうした中国の国際法違反の行為が、今アジアを中心に各国の神経を苛立たせている。

 この欧米による中国への非難、制裁に対して、中国は直ちに反応し対抗策を打ち出す構えを見せている。中国は独自に行動する前にロシアと共同歩調を取り、身勝手にも人権問題の政治化に反対し、民主主義を広めることを言い訳にした内政干渉は容認出来ないとの中ロ共同声明を発表した。トランプ政権でややアメリカの同盟関係が弱まっていたが、バイデン政権になってアメリカは、再び同盟関係を重視し、一致して中国の人権抑圧に強い態度で向き合っている。

 どうも分からないのは、誰が見ても受け入れられる筈がない中国の海洋進出、ウイグル・チベット民族へ人権蹂躙、香港の「1国2制度」の骨抜き、などを中国政府が内政干渉と非難したことに対して、中国国民が中国政府の哲学や行為を黙認していることである。1989年6月に起きた天安門事件のような自由や、民主化に反対する庶民の声が近年まったく聞こえてこないことである。中国国民は死んでしまったのだろうか。

 天安門事件については、知人の軍事評論家でNPO国際変動研究所理事長・小川和久氏が毎週情報「NEWSを疑え!」を送ってくれるが、最新号にこんな情報が書かれていた。

 天安門事件直後にフランスのアルシュで開催されたサミットでは、議長国のフランスをはじめ西側諸国が天安門事件での中国政府の対応を残虐行為として激しく非難した。しかし、サミット直後に米国のブッシュ大統領(父)が中国の最高実力者・鄧小平共産党中央軍事委員会主席に送った書簡では独自の外交姿勢が示され「先日のサミットの共同宣言の草案には中国を過度に非難する文言がありましたが、米国と日本が取り除きました。米議会は中国との経済関係を断ち切ることを求めていますが、私は波風を立てないよう全力を尽くします。今は厳しい時期ですが米中は世界の平和と両国の繁栄のため共に前進しましょう」(ブッシュ回顧録)これをきっかけに、中国の姿勢は軟化していき、1997年の江沢民共産党総書記の訪米、1998年のクリントン大統領の訪中と外交関係が修復されている。そして中国側は決まって次の言い方をしたのです。「仲がいいから喧嘩をするのです。これからも話し合いましょう」。激論を交わすことを避け、忖度に走りがちの日本外交が参考にしてもらいたいとは、小川氏のコメントである。こんな日米同盟の隠れた過去もあったのだ。日本は今日欧米諸国から中国に制裁を課すよう求められているが、人権侵害のみを理由に制裁を課す法律がないことを盾に、透明性のある説明を求めていくとこれまでと同じ見解を加藤官房長官は述べた。

 それにしても中国の行動は少し羽目を外していると思っている。

 ところで、今日スポーツ界に2つのショッキングなニュースがあった。ひとつは、ついに横綱鶴竜の引退が正式に発表されたことである。過去6度の優勝を誇る鶴竜も近年はケガ続きで休場することが多く、今場所の休場によって5場所連続休場となり、来場所が引退をかけた場所になる予定だったが、ケガの回復が思わしくなくついに引退へ追い込まれた。昨年12月に日本国籍を取得したため、親方になるには障害はなく、今後は年寄「鶴竜」として若手の育成に力を注ぐ。

 もうひとつのニュースは、柔道のバロセロナ・オリンピックの金メダリスト・古賀稔彦氏がガンのため今朝亡くなられたことである。まだ、53歳という若さだっただけに各界からその早い死を惜しまれている。心よりご冥福をお祈りしたい。

2021年3月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5063.2021年3月23日(火) 緊急事態宣言解除で感染者増える。

 昨日松本整形外科で紹介状をいただき、今朝早々開院前に東京医療センター整形外科へ出かけた。予約を取っていないので、随分待たされたが、ここでも腰回りのレントゲン写真撮影の結果、骨に異常はないが、骨部分以外はレントゲンでは分からないということから明後日改めてMRI検査を受けることになった。まだ闇は消えたわけではないが、一歩闇の解明に近づくのであれば嬉しいことである。

 さて、一昨日新型コロナウィルスに対する緊急事態宣言が全面解除されたが、懸念されていたように新規感染者に増加傾向が見られる。実際今月2日には1週間平均の感染者数が全国で973.3人まで減じていたにも拘わらず、恰も反動するように解除となった21日には、実に1,273人となり30%も増加した。これでは気になる第4波の可能性も考えないといけない。特に増えたのは、地方の自治体で、最も増えた宮城県では最近1週間の人口10万人当たりでは不名誉にも全国でトップとなった。すでに宮城県は去る18日に県独自に緊急事態宣言を発している。東北地方で宮城県に次いで増えた山形県でも、21日に過去最多を記録して緊急事態宣言に追い込まれている。その他にも沖縄、解除したばかりの東京、埼玉、千葉に感染者が多い。

 東京では、新たな問題も生れた。コロナ対応に改正特別措置法に基づいて営業時間の短縮命令を受けた飲食チェーンが、営業の自由を保障した憲法に違反するとして東京都に賠償請求の訴えを起こした。緊急事態宣言に対する抗議、不服従であり、これはこれで慎重に対処しなければならない。ただ、賠償請求金額は、1日1店舗当たり1円で、26店舗4日分で僅か104円である。あくまで損害賠償の請求が目的ではなく、言いたいことを言うと懲罰を与えるようなことが許されるのかと訴えた会社は主張している。

 今回の解除には、経済活動を重視するあまり政府の解除の決断に甘さがあったのではないかとの声がある。加えて花見シーズンを迎えて、外出が増える時期となり桜の名所では自治体が懸命に花見客の動向に目を光らせている。それでも盛り場の夜の外出には歯止めがかからない。中国上海では、花見見物に押し掛けた群衆がマスクも着用せず、押し合いへし合いの有様で、上海ではコロナが沈静化しているのかも知れないが、とても日本では真似してはならない。ところが、大阪梅田では人出は2倍にも増え、名古屋や京都でも89%、福岡天神で73%も増えている。実際テレビを観ていると若い女性たちは、窮屈な自粛生活から解放されて友だちと食事を楽しんでいると話し合っていたり、博多の中洲街の屋台では、関東地方からの若者が「3密」の中で、マスクやフェイス・ガードもなしに楽しそうにラーメンを食べていた。家の中でじっとしていることは、若者たちにとっては難しいようだ。これでは、リバウンドの可能性がかなり高まるのではないかと心配である。一体いつになったらコロナが終息するのだろうか。

2021年3月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5062.2021年3月22日(月) 進む前方に憂鬱な暗い闇

 昨年9月に受けた左眼白内障の術後の最終チェックで、東京医療センターで診てもらった。嬉しいことにきれいになっていて、まず問題はないとのコメントを執刀した野田医師からいただいた。ほぼ半年越しの結果である。5月には右足静脈瘤の手術の最終チェックをしてもらうが、これも順調なので好い気分でいたところである。

 ところが、すべてがうまくは行かなかった。19日に腰の具合を診てもらい、その時白血球を調べるために注射を打ってもらった結果を知るべく、医療センターの帰途松本整形外科に立ち寄った。医師は白血球の数値が高いので、拙宅へ電話をしてくれたようだが、妻が医療センターの後に立ち寄ると言ったので、待ち構えておられた。気になっていた2つの数値の内、CRPが先日高かった1.85から更に上がって2.13になった。それより医師が驚いたのは白血球の数値が10,700を数えたことで、標準値3,700~9,400を遥かに上回っている。いつも献身的に相談に乗ってくれる松本医師も驚いただろう。すぐにも精密検査をした方が良いとのお勧めで、今日訪れた東京医療センター宛の紹介状を書いていただき、明朝診察を受けることになった。先日のレントゲン検査で骨には特段の異常はないということから、他の箇所から骨へ化膿することが心配だと仰っておられたので、若干気にはなっていたが、骨部分以外に病魔が取り付いているようだ。思い当たる原因はまったく見当もつかない。偶々腰回りが急激に痛み出したことから我慢できずに整形外科で診てもらって痛みの原因が判明したわけである。明日の検査でどんな診断をいただくのか分からないが。早くすっきりしたい。

 こんな風にして、年々何か病魔に付きまとわれるのは高齢者には免れないことだ。今日の不安は、明日になれば少しはすっきりするだろうが、これまで健康優良児を自称してきただけに、こうなるとつい弱気にもなり、気落ちもする。こうなったら明日の診断結果を待って、覚悟を決めるより仕方がないだろう。

 さて、今日から新型コロナウィルス緊急事態宣言が全面解除された。朝日の世論調査によると、全面解除は早すぎるという声が過半数の51%、適切な判断との声は31%である。これにより思い切って外出することは可能だが、自治体としてはリバウンドを恐れ、極力自粛を求めている。その最中に今朝の朝日新聞38面の内4面すべてが旅行会社の国内パッケージ・ツアーの宣伝である。何と1割強に当たる。コロナにより経営上の大打撃を受けた旅行会社が、この機会にどっと宣伝、販売に積極的な姿勢を見せたが、果たして彼らに幸運は舞い込んで来るだろうか。

2021年3月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5061.2021年3月21日(日) アメリカで黒人差別が減少するだろうか。

 昨日の穏やかな天候から今日は一転して雨模様だったが、昼過ぎからはかなり強風が吹き付け、風の音も激しかった。昨日の地震をNHK「ニュース7」ではマグニチュード(M)7.2と言い続けていたが、民放では6.9と伝えてNHKとは大分差があった。どちらが正しいのか分からないままだったところ、今日の朝刊ではM6.9と書かれていた。その他にも東北地方各地の震度は伝えていたが、同じように揺れた関東地方の震度については触れられなかった。これも朝刊で東京が震度3と横浜は4と初めて知った。どうもテレビ局というのは、狭い視野で放映する傾向がある。もう少し広角的な視点からニュースを伝えて欲しいものである。

 さて、今日の朝日朝刊には2月1日のミヤンマー・クーデター発生後48日にして初めてミヤンマーに関する記事が1行も見られなかった。他国のそれに比べて相変わらず犠牲者の数は少ないとは言え、昨日時点で軍に反対する市民派の間に234人の死者が出ている。今朝のTBS「サンデーモーニング」で、寺島実郎氏がミヤンマー軍は国際的に四面楚歌の状態にあるが、ミヤンマー国内に利権を持つ中国の支援を受けて連携するようだとベトナム戦争の二の舞になりかねないと警告していた。そうなるとベトナム戦争で大失敗を仕出かしたアメリカに代わってその主役を演じるのは中国ということになる。

 その中国は、昨日の米中外交トップ会談で非難の応酬となったことがひとつのきっかけとなって、アメリカの人種差別問題を国連の場に持ち出し、国際舞台で米中の非難合戦が始まった。19日の国連総会でアメリカのグリーンフィールド国連大使は自身が黒人奴隷の子孫であることに触れつつ、人種差別はアメリカ独特のものではないと認識する必要があると自国を弁護しながら、中国のウィグル民族抑圧やジェノサイドに政府が加担していると批判した。すると戴兵・中国国連次席大使は、アメリカは人種差別では警察による残虐行為問題に取り組むべきだと反発した。アメリカの人種差別というより、黒人差別は長年アメリカの膿だったが、アラスカで対外的に初めて中国から批判されたことにより、今後アメリカの黒人差別問題は海外から批判の矛先を向けられるようになるのではないかと思う。バイデン大統領は、アジア系アメリカ人に対するヘイトクライムが急増していることについて、「沈黙は共犯だ。我々は行動しなければいけない」と黒人差別撤廃を呼びかけた。バイデン政権が誕生したこと、また中国に非難されたことによって、人種差別問題解消に向けたアメリカ人の行動が少しは積極的になるだろうか。

 日本では、今では差別問題が基本的にはなくなったことは、ホッとするが、かつての部落問題が水面下で、また男女差別視は今以て収まったとは言えない。この種の問題は難しいが、改善していかなければいけない。

2021年3月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com