5090.2021年4月19日(月) 最近体調がやや勝れない。

 どうもこのところ体調があまり良くない。腰の痛みはなくなったが、膝の痛みは引き続き残って階段の上り下りに苦労している。特に困るのは膝に力が入らないため、椅子から立ち上がる時にすっと立てないことである。遅ればせながら医師の勧めで、筋トレを始めたがそう簡単には解決できるわけがない。いつになるのやら、元通り健康な膝になることを願いながらこのまま毎日膝の痛みと戦うことになるのかと思うと少々暗い気持ちになってくる。

 さて、新型コロナウィルスの感染拡大に世界が戦々恐々の有様で、日本では遅れているが、各国ではワクチン接種が順調に進んでいるという。ところが、このところ世界の感染者数が再び急増し、7日間平均で1日あたり70万人を超えている。これは過去最多である。この背景には、感染力の強い変異種があり、ワクチン接種が進んでいる国でも拡大が進み、各国で警戒を強めている。その中でも最も深刻なのがインドで、インド政府が昨日発表した1日あたりの感染者数は、約26万人となり過去最多である。フランスでも変異種による感染が拡大しているようで各国は対応に追われている。いつになったら明るい兆しが見えてくるのだろうか。

 ついては、コロナ禍に目が行っている間にも、世界では内戦や、民族間の、或いは宗教間の争いが止まない。政府軍と反政府軍との内戦に端を発したシリア内戦がクルド人問題も絡んで、地獄図絵を世界に晒して今も続けられている。多くの難民を産み出し、外部勢力が手を貸したこともあり、一向に解決のメドは立っていない。その中で「アラブの春」以来内戦の騒乱から10年目を迎える今年5月、シリアでは大統領選挙を行うと人民議会が発表した。我々の目から見ると不可解なのは、内戦の中心にいるバッシャール・アサド大統領の再選が確実だということである。あれだけシリア国内を戦乱のドン底に突き落とし、難民輸出国とも揶揄されるシリアの独裁者が、何故国民投票で安定した票を勝ち取れるのだろうか。どうもよく分からないものだ。国際社会の一部には、「今世紀最悪の人道危機」とまで皮肉られた混乱政治の張本人である。

 そこへロシアで来る21日刑務所に収監されている反政権活動家のアレクセイ・ナバリヌイ氏の解放を求める大規模な反政権デモを全国で行うと陣営が発表した。ナバリヌイ氏はハンガーストライキを実行していたせいか、大分健康面に不安があるようだ。プーチン専制君主国家のロシアで、反体制デモが行われること自体珍しいことである。はっきり公言してはいないが、プーチン大統領が2036年まで政権の座に居座り、独占的に国家権力を行使することは明々白々である。そのプーチン政権下でかくも集団デモが行われることは、プーチン体制にもそろそろ綻びが見えてきたということだろうか。言論の自由が民主主義国では当たり前の権利となった今日、言論封殺と自由抑圧によって国内を維持してきたプーチン体制への抗議デモがこの明後日いかなる舞台が現出するだろうか。

 ロシアと同じく言論の自由を弾圧している中国国内からは、天安門事件以来デモの1欠片も噂が聞かれないと思っていた。ところが、知人からいただいて現在通読している東北大学教授・阿南友亮著「中国はなぜ軍拡を続けるのか」が、今まであまり紹介されていない中国事情について、興味深いことを教えてくれる。中国にその芽がないことはないそうだ。阿南維茂・中国駐在大使の長男で中国に6年在住したので、内部から中国の痛いところを突いている。中国だっていくら扉に鍵をかけても、情報は流れるものであることは当然であることを知ることが出来る。これから読む同書の後半を楽しみにしている。

2021年4月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5089.2021年4月18日(日) ミヤンマー、統一政府樹立

 今日もミヤンマーについて書くことにする。アウンサンスーチー国家顧問が率いる国民民主連盟(NLD)の支持者が、少数民族幹部を迎えた「統一政府」の樹立を宣言した。これから国際社会へ向けて支持と承認を訴えていく考えである。スーチー氏はそのまま国家顧問、ウィンミン大統領もそのまま大統領として、副大統領にはカチン州少数民族、首相にはカレン州から選ばれた。すでに暫定憲法にあたる連邦民主憲章を発表し、統一政府を樹立する準備を進めていた。

 ところが、ミヤンマー情勢を巡って24日にジャカルタで開かれる予定の東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議に、ミヤンマーから問題のクーデターで権力を握った国軍のトップ、ミンアウンフライン最高司令官が出席するというからひと騒ぎありそうだ。国軍にブレーキをかけようと話し合う会議の場に問題を引き起こした張本人が出席するというのだから、他の出席首脳も面食らうだろう。すでにNLD支持派は、国軍に対抗して前記の統一政府の樹立を宣言しており、国軍側の首脳会議への参加に反発している。これからミヤンマーの政治、社会はどうなっていくのだろうか。しっかり注視したいと思う。

 さて、今朝の新聞にキューバのラウル・カストロ共産党第1書記が近く引退するとのニュースが載っていた。5年前キューバを訪問した直後に、安倍前首相が訪れ、そして間もなくキューバ革命の主導者でラウルの兄フィデル・カストロが他界した。その時、早晩現在の地位を退くと広言していただけに、それほど大きなショックではない。しかし、類稀なる社会主義革命を成し遂げ、キューバを世界でも唯一と思わせる社会主義国家として安定、発展させたのは、兄フィデルと同志チェ・ゲバラ、そして蔭で支え続けたラウル・カストロのお蔭だと思う。社会主義国家実現を世界中にアピールしていたロシアは、社会主義国家が目指す福祉社会、万民平等社会を実現することは出来ず、反って社会主義国家とは真逆の帝国主義国家への道を歩み、プーチン大統領の如きはカストロの私利私欲とは無縁な生活とはかけ離れた贅沢三昧の中で、2036年まで権力を独占しようとしている有様である。中国にしても然りで、社会主義国家を標榜してはいるが、まったくかけ離れて言論、報道の自由は認められず、3権はすべて共産党1党の支配下にある。

 その点では、キューバの社会主義は見事に成功し、国民の間に不平等感や不満は少なく、すべての国民が等しく教育費、及び医療費を無料で受けられるサービスが整備されていて、全国民のカストロへの信頼と尊敬は計り知れないほどである。それらを思うとそれを支えたラウロの功績も偉大なものである。せめて余生をのんびりと送ってもらいたいと思う。同時にその努力を労いたい。

 ついては、世界的に荒れ狂っている新型コロナウィルスが、昨日ついに世界で死者3百万人を超えた。同時に感染者数は、1億4千万人を超えた。日本では死者は9,555人となり、間もなく1万人となる。感染者は52万8千人となった。欧米ではワクチンが大分入手されたので、このところ新規感染者は減ったが、日本ではワクチン接種が遅れ気味で、我々後期高齢者もいつ接種してもらえるのかはっきり分からない。果たして全国民に無事に接種することが出来るだろうか。

2021年4月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5088.2021年4月17日(土) 菅首相、バイデン大統領初の日米首脳会談

 健康問題について書こう。今年2月ごろから両手に痺れを感じていた。更に腰と両膝にも痛みを感じていた。そんな事情からかかりつけの整形外科と内・外科に通うことが多くなった。その間に東京医療センターでX線とMRI検査も受診した。幸いそれらの検査では異常は見つからなかったが、膝の痛みだけはやや軽くなったとは言えまだ残り、腰の痛みも感じたまま階段の上り下りや、腰を曲げた時などに苦労している。膝に力が入らず、椅子から立ち上がる時が少々辛い。今週は何度か医師に診てもらっていたが、今朝両手の痺れが大分ひどくなり、両手の甲の部分がむくんでいる。そして、拳骨が出来ない。そこで、松本整形外科へ診てもらいに出かけた。松本医師に依れば、手がうっ血していると指摘され毎日両手を交互に上げて血流を良くするよう習慣づけると良いということだった。更に、両膝の痛みは筋トレを行うと良いとこれもアドバイスをいただいた。

 昨年糖尿病と診断されて以来、白内障と静脈瘤の手術、そして腰と膝に痛みを覚えるなど加齢とともに身体のあちこちに要注意の信号が表れている。今日も医師と話したのだが、もう海外武者修行は難しいのではないかと考えている。

 これも齢82歳となり、これまで好きなことを思う存分やったことを思えば、幸せだったと思うだけである。ふっと尊敬する経済学者・河上肇の好きな言葉を思い出す。

  辿りつき 振り返り見れば山河を

    越えては越えて 来つるものかな

 人生百年時代に当たり自らの健康管理には充分気を遣い、医師の勧めるアドバイスに従いながら、これからも無理をせず自由気ままに生きていきたいと思っている。医師からは、根を詰めてパソコンを打つようなことは少しセーブした方が良いと度々言われている。それは中々難しいが、その点も心してのんびりやっていきたいと考えている。

 さて、気になっていた菅首相とバイデン大統領、就任後初の日米首脳会談は現地時間の16日ホワイトハウスで行われ、中国を巡る問題、経済・地球変動分野の日米協力などについて協議した。最近中国機の領空侵犯などで緊張が高まっている台湾海峡については、共同声明で「台湾海峡の平和と安定の重要性を強調するとともに、平和的解決を目指す」と記された。

 これに対して中国の在米大使館報道官が直ちに反論した。今後、中国政府がどんな反応を示すか関心が集まるところだが、日本に対しても非難がぶつけてくるのは間違いない。

 他方、台湾の外交部は、大歓迎である。日米共同声明に対して「日米両政府が台湾周辺の安全保障に関心を寄せていることを歓迎し、感謝する」と声明を発表した。この共同声明により、日中の経済活動、特に貿易面で大きな影響が出ることと、台湾海峡周辺が有事の際に米空軍機が沖縄基地を飛び立つことから、中国による沖縄攻撃が大いに懸念される。その辺りの課題を菅首相は自民党内で検討したのだろうか、日本を再び戦争に巻き込むことは許されない。気になることである。

2021年4月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5087.2021年4月16日(金) 映画「ローマの休日」のタイトルの意味は?

 毎週楽しみに観ているNHK「日本人のお名前」を昨晩観ていて、こういう逆説的言葉があるのかと知った。テーマは「映画タイトル!大ヒットの法則」というもので、古今東西洋画の名作のタイトルに焦点を当てていた。数々紹介された映画の中でも最も唸らされたのは、1954年に公開され大ヒットしたオートリー・ヘップバーン及びグレゴリー・ペック主演の「ローマの休日」の英語名‘ROMAN HOLIDAY’だった。当時は高校1年生だったが、ウイリアム・ホールデン主演の「第17捕虜収容所」を夢中になって観るとともにこの「ローマの休日」も観て随分面白いと思った。後年ローマを訪れる度に映画で紹介されたスペイン広場へも寄ったものだ。

 この映画に製作会社は「ローマの休日」というタイトルを付けたが、巷間伝えられているように単純にローマ市内の新聞記者と王女の恋物語と思い込んでいたところ、タイトルにはもっと深い意味があることを番組で知った。番組では、新聞記者が同僚からこの王女と付き合って秘密の情報を知ったが、それを売れば金になるという誘いを断り、2人の秘め事をばらさなかったことと、一方の王女も気に入った新聞記者との恋を諦めたことは、正に‘ROMAN HOLIDAY’そのものだというのである。

 手元にある3千頁余もある分厚い小学館発行「ランダムハウス英和大辞典」をひいてみると‘ROMAN HOLIDAY’とは、「古代ローマで剣奴たちに刺し合いをさせて観客が喜んだ故事によるもの」との前書きがあり、「他人を不快にさせて得られる娯楽」とある。つまり記者が同僚を失望させたことと、王女が結婚を断ったことだと理解出来る。しかし、欧米人はこの含蓄はあるが、皮肉っぽい意味を果たしてどれほどの観客が理解していただろうか。日本人でもほとんどの人は真の意味は分かっていなかったと思う。実際番組出演者は誰も知らなかったし、専門家である大学教授の説明には皆一応に驚いていた。いつもこの番組で博識ぶりを披露するインテリ女優の宮崎美子さんも知らなかった。久しぶりに「目からウロコが落ちる」感じだった。

 さて、このところ新規感染者が増え続けている新型コロナウィルスは今日も荒れている。大阪では4日連続で新規感染者数が1,200人を超えた。東京では今月に入ってからずっと新規感染者数は前週の同じ曜日の感染者を上回っている。神奈川、埼玉、千葉、愛知県では同県内のいくつかの市を20日から来月11日まで「まん延防止等重視措置」の発出が認められることになった。

 今日午前菅首相がバイデン大統領との首脳会談のため、アメリカへ飛び立った。バイデン大統領の大統領就任後、最初の首脳会談となる。首脳会談は明日行われるが、会談の主要な問題は、対中国政策だろう。特に香港や新疆ウィグル自治区の人権抑圧問題が絡んでいるうえに、最近アメリカが台湾に急速に接近している点で、中国の神経を苛立たせている。恐らく会談後の共同声明発表では、バイデン大統領からの要請で台湾情勢に関して中国への注文が盛られるのではないかと思う。今後対中国問題は益々難しくなることだろう。

2021年4月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5086.2021年4月15日(木) オリンピックまで99日、開催出来るか?

 いま混乱の極にあるミヤンマーでは、毎年この時期になると水祭りという伝統的風習があり、通りを歩いているとバケツで水をかけられる。今年は13日から17日までの5日間「テインジャン」と呼ばれるミヤンマーのお正月期間に行われる筈だった。しかし、今年は当然のことながら、そんな風習も封印されたかのように、お祭り気分がまったくないようだ。この時期が過ぎると雨季に入るので、私自身もこの時期に出かけたことがない。それでも戒厳令が布かれているマンダレー市内で抗議活動を行っていた医療関係者の集団に対して、ミヤンマー国軍治安部隊が発砲した。

 このままでは、ミヤンマーの混乱は収まる気配はないとなるとイラクと同じような内戦状態に陥るのではないかと懸念される。国連制裁が中国とロシアの反対によって実行されない以上、各国が個別に制裁を課すより方法がない。その点で日本政府は2017年に来日されたミンアウンフライン国軍司令官と安倍前首相が会って、両国の経済協力を約束した。それによって国軍と日本企業間の交流が出来て、日本の資金が軍関係企業に流れるようになった。クーデター発生以来日本は経済的協力を絶つべきだとの声が揚がっているが、現時点では取り止めたという話が聞かれない。政府はこれからどう対応するだろうか。

 さて、新型コロナウィルスが勢いを吹き返し、このところ全国の新規感染者数が増え続けている。コロナ対策分科会の尾身茂会長が、昨日衆議院厚生労働委員会で「第4波に入っているのは間違いない」と述べた。日本医師会の中川俊男会長もだんだん高い波になっていると言い、危機感を募らせている。特に感染拡大が大きくなっているのは、関西地方の大阪、兵庫、奈良と沖縄で、大阪では重症病床数を超える患者が発生して、医療崩壊が現実となっている。特に最近目立つのは、変異株で感染速度が速く重症化しやすいと言われている。

 過日大阪、兵庫、宮城の3市について「まん延防止等重視措置」を認められたが、いま神奈川、埼玉、千葉、愛知県でも同措置の申請をする検討段階に入った。昨日東京オリンピック開幕までちょうど100日に迫ったが、無事開催できるかどうかは予断を許さない。偶々自民党の二階俊博幹事長が、コロナの感染がより深刻になった場合には、大会を中止することも考えざるを得ないと語った。その前日コーツ国際オリンピック委員会(IOC)は、「確実に開催される。コロナ対策については、選手や観客の安全を確保するためあらゆる対策が実施され、パンデミックに人類が勝利したことを示すことが出来る」とオリンピック開催の意義についても言及した。余すところ3か月で、願い通り安全に開催出来るだろうか。出来れば、何とか開催して世界へ向けて日本の正確、堅実なスケジュール運営と感染防止の模範を示してもらいたいものだ。

2021年4月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5085.2021年4月14日(水) 福島原発のトリチウム汚染水、海に放出

 熊本地震発生以来、今日で5年目になる。熊本県民の誇りだった熊本城も大きな被害を受けたが、漸く天守閣は復旧し一般に公開されるようになった。それでもまだ4百人余りの人が避難生活を続けている。いま九州南部のトカラ列島では地震が頻発しており、余震が収まる気配がない。つくづく日本は地震列島だと感じる。

 10年前に起きた東日本大震災は、今も多くの人びとに避難生活を強いて心のケアを取り除くにはまだまだ時間がかかりそうだ。

 そんな時に、東日本大震災で破壊された福島第1原発から排出された放射能物質を含む百万トン以上の処理済みの汚染水を福島県沖合に放出する計画を、昨日政府が承認した。菅首相は、「風評対策徹底を前提に海洋放出が現実的と判断」したと述べたが、果たしてそうだろうか。いつも問題発言を繰り返す麻生太郎副首相なんか、「あの水を飲んでも何ちゅうことない」と無責任にも暴言を発して韓国のネットユーザーから「それなら海に捨てず、自分たちの飲料水にしたら」などと怒りのコメントが流れたそうだ。このお人は、軽薄な言葉をノーテンキに口から滑らせるので周囲も警戒しているようだが、いつまで経っても成長しない典型的なおバカさんである。福島県民はもとより、国民の多くが不安な気持ちでいることが分からないのだろうか。

 汚染水を海へ放出することについては、6年前当時の環境大臣が汚水の海中処理には地元の了解を得ると約束していた。しかも数日前に菅首相は、地元の漁業関係団体の代表者に会い要望を聞いている。それにも拘わらず、国は反対の声を無視して汚染水を海に放出することを決定した。
 政府の汚水処理決定には、現在約130万トンの放射性物質を含む水が巨大タンクに保管され、2022年にはタンクが満杯になり、近くには新たにタンクを設置する土地が底をついていることがある。また、放射性物質を含んだ水は複雑なプロセスで処理されてほとんどの放射性物質は取り除かれ、僅かにトリチウムだけが残っているという。そのトリチウムは、濃度を国の基準の40分の1に、世界保健機関(WHO)が示す飲料水の基準で7分の1程度に薄めるという。

 政府がこれを決断した背景には、放射性物質を含んだ汚染水の海中放出は、すでに各国の他の原発が行っていることと、科学者がリスクはないと述べていることに根拠があるようだ。加えて、国際原子力機関(IEAE)が同意し、アメリカのプライス国務省報道官も反対していない。但し、地元住民同様に近隣国の韓国、中国、台湾とロシアがこの決定に強く反対したのは理解できる。しかし、中国にはいつもながら中国特有のひねくれた言い分があるようだ。中国沿岸部の原発からもトリチウムが放出されているのではとの質問には、「最高レベルの事故が起きた福島第1原発の廃水は、正常に運転されている原発の廃水と全く異なる」と反論にならない反論をしたそうである。日本政府の説明も納得し難いが、この中国のコメントもいかにも中国らしい自己弁護と言い訳である。

2021年4月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5084.2021年4月13日(火) 中国共産党による宗教統制

 いまアメリカに次ぐ第2の大国・中国に対する国際社会の非難が厳しくなっている。月刊誌「選択」4月号には、中国に関する手厳しい記事が下記の通り4章も掲載されているほどである。

 1.中国「台湾侵攻」は遠くない

 中国「宗教弾圧」がさらに狂暴化

 3.ロシアとの同盟を「拒否」した中国

 4.中国経済「虚構」の急成長

 それぞれに内容は興味深いが、2.「宗教弾圧」には驚愕している。あまりの中国共産党の酷い仕打ちには副題として「広がる冬季五輪『拒否』の声」が冠せられている。その中国の傲慢なやり方とは、5月1日を以て施行する国家宗教事務局令により世界の3大宗教である仏教、キリスト教、イスラム教、及び国内主要宗教の宗教活動を中国共産党が指導、監督するというのである。これは宗教の中国化を睨んで国内聖職者の任命権に踏み込むことで、宗教に対して厳しい統制を敷くことになるということである。

 カトリック教会では、ローマ法王庁が聖職叙任権を持っているが、新政令ではこれを全面的に否定している。イスラム教については、すでに新疆ウィグル自治区内に作られた強制収容所で思想改造を強制されている。新政令は国家の宗教弾圧に法的根拠を与えると見られる。不思議なのは、かつて中国は中国内の聖職任命権を主張したのに対してローマ法王庁は断固譲らなかったため、双方は1951年に断交した。それが3年前にお互いに「司教任命権で合意した」と発表し関係改善に歩み出した。ところが、司教は司教会議によって承認され叙階すると明記されているという。司教会議とは、中国側の官製団体であり中国当局の言いなりである。中国側があくまで承認権を持つということである。ローマ法王庁についてはまったく言及されていない。ローマ法王が中国に屈したというのが法王庁内の受け取り方である。

 実は、10年余前中国共産党は、約7千万人の会員を持った信仰宗教団体「法輪功」を暴力的に鎮圧した過去がある。中国国内では宗教であろうとなかろうと共産党に楯突くことは、敗北、壊滅を意味する。それにしても人間精神の安息所にまで入り込み、撲滅しようという神をも畏れぬ所業には、二の句が告げない。

 ここまで中国共産党と党主席の習近平を思い上がらせたのは、何が主たる原因だったのだろうか。学生や労働者、また貧しい農民は何が故にここまで習近平一派に抑え込まれてしまったのだろうか。いま再び天安門事件が起きないものか。経済的には確かに中国は表面的に発展した。GNPはアメリカに次いで3位の日本を上回る世界第2位である。しかし、人口で割った1人当たりのGNPは、日本の23位に比べても遥かに劣る世界第72位である。富や社会福祉が貧しい層にまで及ばず、貧困のツケは貧しい農民層にしわ寄せされている実態は、共産主義国家でもなく社会主義国家でもない典型的な帝国主義国家であり、覇権国家なのだ。

 アメリカのバイデン政権はウィグル族弾圧をジェノサイドと呼んで強く非難している。記事は新制度下の宗教弾圧は、国際社会との摩擦を一段と先鋭化しそうだと結論づけている。

2021年4月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5083.2021年4月12日(月) マスターズで松山選手がアジア人初制覇

 今朝一番にテレビで入って来た朗報は、ゴルフの松山英樹選手がアメリカの男子4大メジャーゴルフの最高峰マスターズでアジア人として初優勝を遂げたニュースだった。2位との差は僅か1打差の際どい優勝だった。これまでに女子は、1977年全米女子プロで樋口久子が、2019年全英女子オープンで渋野日向子が優勝しているが、これまで多くの日本人男子ゴルファーが挑んだタイトルでは、期待を抱かせながらもマスターズ4位が最高位で優勝は夢物語と言っても良かった。その夢が現実となったせいで、今日のテレビのエンタメ番組や、夕刊はこのマスターズ優勝の報道に沸いていた。私自身ゴルフはプレイしないが、このマスターズのタイトルだけは価値があると思っていた。

 優勝6回のジャック・ニクラウスや、5回のタイガー・ウッズもべた褒めである。最近アメリカでアジア系住民に対する人種差別が問題になっていることもあり、ニューヨーク・タイムズはアジア生まれの男子として、初のマスターズ勝者となったと報道する傍ら、ヘイトクライムの現状も併せ伝えた。実際オリンピックのアメリカ空手代表の日系アメリカ人の国米桜選手が公園内で、見知らぬ男から「チャイニーズ、国に帰れ!」と脅され、周囲の人も見て見ぬふりをして何も言わなかったという記事が今夕の新聞に載っていた。アメリカ人の人種差別は根っからのもので、当分人種差別感がなくなるとは思えない。

 ところで、昨日近くの駒澤公園競技場で行われたラグビー・トップリーグのサントリー対NTTコミュニケーション戦がテレビ中継された。NTTの№8として出場していた栗原大介くんは、今年創部70周年を迎えた母校ラグビー部の後輩である。年齢的には彼は今年31歳で私より51年も後輩である。私が母校ラグビー部OB会長を務めていた当時の主力選手で、一緒に菅平の合宿に行ったこともある。その頃から活躍し周囲から期待されて慶應に進学した。慶應でも活躍して4学年時には副将を務めた。サントリー戦では敗れたが、久しぶりに彼のプレイを目にすることが出来た。

 また、昨夜のNHK「サンデースポーツ」で、メイン・キャスターを務めていた豊原謙二郎スポーツ・アナもラグビー部後輩である。母校の31年後輩の彼は、2015年の対南アフリカ戦で大番狂わせを演じて勝った試合では、トライ直前に興奮のあまり絶叫した「日本!行け!行け!」は、日本人としての気持ちが没入したもので、後日アナの中立性から問題ではないかと冷やかしたことがある。今年はコロナ禍で中止になってしまったが、毎年正月に母校で開催されるラグビー祭で親しく話し込んだことも幾度かある。以前は近くのNHK社宅に住んでいた時期もあったが、その後鎌倉へ引っ越された。それにしても同じ日に同じ高校のラグビー部後輩を2人もテレビ画面でお目にかかれるとは思わざる嬉しいハプニングであり、先輩冥利に尽きる。

 さて、今日から東京、京都、沖縄の都府県で新型コロナウィルスのまん延防止等重点措置が実施されることになった。このところコロナは息を吹き返して確実に第4波がやってきたようで、東京ではこの12日間は前週の同じ曜日の発症者を上回る勢いである。そして、待ち望んでいたワクチン接種が、漸く高齢者から八王子市内で始まった。世田谷区も間もなく始まる予定である。

2021年4月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5082.2021年4月11日(日) 中国がミヤンマー人殺害を見過ごし

 憂慮していたミヤンマー情勢が益々緊迫してきた。現地に駐在していたメディアが国軍によってほとんど取材不許可、国外退去を命ぜられてニュース・ソースも素人のSNSに頼っていたが、国軍はこれも外部との通話が出来ないよう厳しく規制し始めた。このため日本へ伝えられるニュースも数少ない外国通信社に頼るだけになった。

 ロイター通信が昨日伝えたところによると、軍治安部隊がクーデターに抗議する市民らに重火器を使用して80人以上を殺害した。その一方で国軍は、国軍の系列テレビを通じて19人に死刑の判決を課したと伝えた。その理由は、先月27日の国軍記念日にデモ隊が国軍関係者を襲い、1人を殺害、1人にケガをさせたうえバイクや武器を奪って逃走したというものだ。但し、19人中17人は指名手配中である。国軍による市民弾圧は益々エスカレートして、3月に大都市に発令された戒厳令により、行政、司法の権限を地域の司令官に移譲し、重罪は軍事法廷で裁き、上訴も出来ないようにした。

 ミヤンマー国軍の強硬姿勢は、国内だけに留まらず、国連や在外公館にまで及んでいる。ロンドンのミヤンマー大使館では、国軍を非難した全権大使がミヤンマー人駐在武官によって大使館から追い出された。また、国軍によって解任されたチョーモートゥン国連大使も国軍を非難し、ミヤンマーを支援するよう訴えている。しかし、国連安保理事会が国軍に対して厳しい制裁を課そうとしても、中国とロシアの反対により効果的な手を打てないでいる。中ロ両国はミヤンマー問題に手を下すのは、ミヤンマーに対する内政干渉だと言い張っている。だが、現状がいつまでも続くようなら罪もないミヤンマー市民がこのまま殺害されるばかりである。これを内政不干渉との口実で黙って指をくわえて見ていても良いというのだろうか。そこには自ずから愛情、博愛、良識、モラルなどがある筈である。両国の対応は、あまりにも冷淡で非情ではないだろうか。このまま中国、ロシアの言葉通りミヤンマー国軍の暴力を見過ごしたら、中ロ両国はジェノサイド(集団殺害)を放置したことになる。それは取りも直さず、中国とロシアがミヤンマー人に対するジェノサイドを冒したのと同じことである。中国とロシアは自国の利ばかり考えずに、大国らしく冷静に現実を見て平和的な行動を取るべきではないか。さもないと、将来「大量殺人鬼・中国国民」と呼ばれるようになるだろう。

 魅力的な国、大好きな国民として現在までのミヤンマーについて今思いつくままにNPO誌に原稿を書いているが、書けば書くほどいろいろな思い出が蘇ってくる。何とかこれ以上情勢が悪化しないよう願うばかりである。中国がミヤンマーにごく当たり前の感情を持ってもらえれば、ミヤンマー情勢は大分好転すると確信している。もしこれ以上中国の関わり方が冷酷になるなら、個人的にも中国と言う国に愛想を尽かして、世界の最低民族国として見放すばかりである。

 それに引き換え、すっきりしたのは昨日まで開催されていた東京オリンピック代表選考会を兼ねた競泳の日本選手権で女子代表となった池江璃花子選手が、4種目を制したことである。一昨年2月に白血病と診断され、絶望のどん底に落とされ一時再起が危ぶまれた。3年前のアジア大会では出場全種目で金メダルを獲得して大会の最優秀選手に選ばれた。そして数か月後奈落の底へ突き落されるような不幸に追い込まれた。にも拘わらず、ひたすら自分の力を信じて地道な努力で2年後に再び第一線選手としてカムバックしたのだから素晴らしいことだし、実に爽やかである。比較が少々的外れかも知れないが、最近の中国という国の存在は、この爽やかな20歳の女子選手の対極にあるような気がしてならない。

2021年4月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5081.2021年4月10日(土) 中国6年内に台湾侵攻?

 いま日本ではあまり真剣に受け止められていないが、安全保障問題で最もリスクの高いのが、隣国の台湾である。このところ中国による台湾への軍事力介入がしきりに取り沙汰されている。これまで中国は世界に向かって台湾は中国と一体で1つの中国であるとアナウンスするだけで、台湾に特別に干渉することはなかった。だが、次第に昨今の中国の帝国主義的な動きを見て、中国に対する警戒心と不信感が高まり、新疆ウィグル自治区やチベットの人権抑圧や、香港の非民主的な人権及び言論の弾圧などから一気に対中非難が高まってきた。その間に米中対立が深まり、台湾では反中国の蔡英文が総統に就いた時から、アメリカと台湾が接近して、アメリカが台湾に武器類の販売、供与を行うに従い、中国政府は台湾への監視と警戒を一層強めるようになった。

 これまで大きな問題がなかった中台関係が急激に険悪化しつつなるにつれ、中国による台湾への干渉、介入が懸念されるようになった。中国の習近平・国家主席が台湾を軍事的に統一するとの考えに傾いて来たとの観測があるようだ。仮に中国が台湾を制圧すれば、アメリカの東アジアにおける威信と影響力は大きく揺らぐ。だが、同地域にはアメリカとともに軍事協定や、対中競争に加われるような堅固な同盟国は見当たらない。そこで期待されるのは同盟国日本である。今日ではアジア地域における大きなアメリカの軍事基地は、日本と韓国ぐらいである。台湾が戦争の舞台となれば、地勢的にも沖縄にアメリカ軍基地を抱える日本が同盟国として頼られ、アメリカから協力を要請されるのは火を見るより明らかである。

 こんな時に、次のインド太平洋軍司令官と目されているジョン・アキリーノ太平洋艦隊司令官が、中国による台湾侵攻が最重要問題と述べたことから、先月末産経新聞に「中国の台湾侵攻迫る」と報じられた。台湾の軍事戦力は、中国に比べれば、押し並べて10分の1以下である。そこで頼りになるのは沖縄にアメリカ軍基地を持つ日本の協力を得ることである。日本が憲法で戦争を禁じられ、非核3原則を堅持していることはアメリカだって百も承知であるが、背に腹は変えられない。最近日本の安全保障に精通したジェフリー・ホーナン・ランド研究所研究員が、アジアの状況を考えると日本は法律上の制約、防衛費上限を見直すことが必要と身勝手な発言をしている。

 中国が6年以内に台湾に上陸するとの観測がアメリカ軍部内で持ち上がっている。来る16日に菅首相が訪米してバイデン大統領と最初の首脳会談を行う予定であるが、アメリカ・ペースにはまらず、日本の立場、軍事協力関係をきちんと説明して、絶対に戦争へ加担するようなことがあってはならない。

 今朝の朝日新聞にタイミングよくアメリカ政府国防総省と国務省の高官が、核兵器予算の削減を示唆したと紹介された。核抑止力の維持に努める考えも強調したというから、トランプ時代の猪突猛進ぶりからバイデン政権になって多少自制力は強まってきたように思う。

 とにかく核開発競争が激化して、一旦事が起きたら世界は終わりだいうことをよく考えてもらいたいものである。

 今夕のTBSテレビ「池上彰のニュース!!」で、あの池上さんもこのテーマを深く突っ込んで取り上げていた。何事も起きなければ好いが・・・。中国の考え次第だろう。

2021年4月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com