5130.2021年5月29日(土) ペンクラブ会長交代と昭和歌謡

 今日は2つの話題を取り上げてみたい。

 そのひとつは、ペンクラブ会長交代の話題である。昨日友人から電話で、日本ペンクラブ会長が交代したらしいと知らせてもらいHPで確認した。確かに25日に吉岡忍氏から、桐野夏生氏に代わったと告知されていた。ペンとしては初代島崎藤村以来18代目の会長に当たるが、女性会長は初めてである。桐野氏は、1999年の直木賞受賞前後から、泉鏡花賞、柴田錬三郎賞、谷崎潤一郎賞、紫式部文学賞、江戸川乱歩賞、読売文学賞等々の文学賞受賞の他に紫綬褒章も受賞している。海外でも評価が高く、英米で翻訳版が出版され、今では日本の文学界を代表する作家のひとりと見られている。

 私が2017年に理事に選任された時に、新会員として入会されたが、その折の挨拶は、どうしてこれまで入会しなかったのですかとの問いに対して、誰も誘ってくれなかったからと応えたのがユニークだった。2年後私が理事を退任した時、彼女は理事に選任され、そしてその2年後に会長に選ばれたとはあまりにもハイスピードの会長就任であり、些か驚いている。今とかく男女の差別が話題になる時代でもあり、ジャーナリズムの主流でもあるペンクラブのトップに初めて女性会長が就任したというのは、時節柄大変意義のあることであり、今後は桐野会長が在野で広く積極的に発言してくれることを期待している。同時に今までの曲道をダラダラ進んでいたペンクラブも真っ当な道を歩むことを期待したい。

 さて、2つ目の話題とは、昭和歌謡である。昨晩テレビで昭和の歌謡番組を観ていて、戦前から戦中、戦後にかけて活躍した歌手の懐かしい歌を久しぶりにじっくり聴くことが出来た。終戦の年に南房総の小学校へ入学し、近所の空き地の隅で荒っぽいお兄さんたちがギターを手によく歌っていたのを聞き、口ずさんだことが今でも心に刻まれ馴染んだ。特に、男性歌手では、藤山一郎、灰田勝彦、岡春夫、女性では、淡谷のり子、二葉あき子、渡辺はま子の3人の歌が流行り好きだった。昨晩のテレビでは、二葉あき子、渡辺はま子、菊池章子3人の特集だった。最近の若い歌手の歌謡番組はほとんど観ないが、戦前から戦争直後まで流行った流行歌は大好きで放映されれば、出来る限り観ては懐メロを楽しんでいる。

 昨晩の番組の中で特に興味深かったのは、渡辺はま子のヒット曲だった。特に戦時中満州へ出征兵士の慰問に行っていたことから中国に関する、「支那の夜」「何日君再来」「蘇州夜曲」などを主に「愛国の花」「雨のオランダ坂」「桑港のチャイナタウン」「あゝモンテンルパの夜は更けて」など数えきれないほどの名曲がある。この中で、私自身長年旧厚生省の戦没者遺骨収集事業に携わっていたり、戦跡慰霊団に同行した折に旧日本軍の兵隊さんから教えてもらったり、歌う機会があり、「愛国の花」と「あゝモンテンルパの夜は更けて」には格別感銘を受けている。

 前者「愛国の花」については、近著「八十冒険爺の言いたい放題」の文中にも紹介したが、スカルノ・インドネシア大統領が訪日の折、テレビ出演して見事な日本語で歌ったのを観てびっくりしたが、その歌を実際にインドネシアの村人たちが合唱し、私もその中へ飛び込んで一緒に歌ったことが今でも心に焼き付いている。後者については、昨晩のエピソードで渡辺が戦後モンテンルパ収容所に抑留されていた108人の日本軍兵士らと交流して、現地へ赴き慰霊碑の前でこの歌を歌った話は涙ながらの物語だった。いずれも現代の歌の詞とは異なり、心に訴える詩情溢れる歌詞が多い。この感情がいつまでも心に残り印象深く、中々忘れ難くなった原因ではないかと思っている。

2021年5月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5129.2021年5月28日(金) シリアで独裁者アサド大統領4選

 9都道府県に出されている新型コロナウィルス拡大防止のための緊急事態宣言は、今月末が期限となる。大都市圏では少し感染者は減っているが、地方都市では一向に衰える気配がない。9つの自治体では、更に緊急事態宣言の延長を要請していたが、今日来月20日までの期限延長が決まった。まだ当分の間コロナには振り回されそうだ。

 さて、アラブでも内戦の絶えないシリアで大統領選が行われ、昨日独裁者パッシャール・アル・アサド大統領が圧勝した。クルド人が多く住み、宗教的にはイスラム教が浸透しているが、その中でクルド人武装勢力とイスラム過激派、更にトルコ人が入り込んで国内は複雑な様相を呈している。

 今回の選挙でも選挙前からアサド大統領の勝利は確実視されていた。すでに21年間に亘って大統領の地位にあるアサド氏は、父親のハーフィス・アル・アサド大統領が29年間大統領を務め、父が客死後1年間別人が大統領職にあったが、その後は息子が引き継いできたので、シリアの政治はアサド家によって支配されている構図となっている。

 剛腕ぶりと弾圧で、反対勢力を追放し、アサド大統領は今や国内では盤石の基盤が出来ている。一応総選挙によって民意を背景に統治の正統性を内外に示した形ではあるが、非民主的であることは予想通りで、今回の選挙でも当初51人が立候補を届け出た。しかし、認められたのはアサド氏と知名度の劣る2人だけで、反体制派は除外された。これに対して、英仏独伊の外相らは、共同声明を発表し、「自由でも公平でもない。詐欺的な選挙は内戦の政治的解決に向けたいかなる進歩も意味しない」と非難している。これに対してアサド政権を支持するロシアやイランは、内政干渉は受け入れられないと選挙の正当性を主張している。気に入らない候補者を締め出した選挙に何の正当性があるというのだろうか。ロシアももう少し真っ当な言動をしてはどうか。

 シリアでは、2011年にエジプトで起きた「アラブの春」に同調した反政府デモに対して徹底的に弾圧した。このことから内戦が始まった。政権にロシアが軍事介入し、政権側が失地を回復して軍事的優位を固め、ロシアの影響、介入も強まった。だが、内戦の結果市民生活は困窮を極め、内戦と外国からの経済制裁によって、人口は在外者も含めて約1,800万人の内、その6割が食料支援を必要としているのが実情である。こういう劣悪な生活環境と内戦、そして最近ではコロナに苦悩していながらシリア国民を救う手立てを示せないのが長期政権を築いてきたアサド大統領である。考え方によっては北朝鮮の金正恩・朝鮮共産党委員長より質が悪い。それでいながら、アサド氏の大統領選における得票率は、実に95.1%だという。7年前の得票率88.7%より更に6.4%上がったというから信じられない。今後7年間を再びアサド氏が政権を担うことによってシリアの人びとはどれだけ幸せになれるというのだろうか。欧米の批判に対してアサド大統領は、彼らの言い分の価値はゼロだと言い返したようだから、シリアという国には、民主主義、公平、言論の自由なんかはまったくない。これを支援しているロシアと中国、イランも同じ穴のむじなと言うべきだろうか。気の毒なのは、アサド大統領に国民を思う気持ちがないことを半世紀に亘って見せつけられてきたシリア国民である。

2021年5月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5128.2021年5月27日(木) 昨晩雲のため皆既月食見られず。

 昨晩は3年ぶりに皆既月食が見られるというので期待していたところ、いつも月の見える上空が真っ暗闇でこれは雲で隠れたのだなと諦めた。やはり期待して空を見上げていた人たちもがっかりされたようで、東京上空は雲が厚く張り巡らされて月食は見られなかった。北海道、東北、沖縄ではスーパームーンの月食を見ることが出来たようだ。テレビでは北海道釧路市でまん丸の見事な皆既月食を映像で伝えていた。今日は南方九州地方からやってきた豪雨の影響で、朝からかなりの雨が降っている。終日降り続いているので、かなり冷え込む。それが明日は夏日になるかも分からないくらい暑くなるそうだ。次回皆既月食を東京で見られるのは来年11月だそうだから、その時を楽しみにしようと思う。

 さて、19日に診察してもらった際の採血の結果を伺いに、今朝早く近くの東京医療センター膠原病内科へ妻と出かけた。両手指の痺れと浮腫みの真の原因を知りたかった。岡野医師の診断では、採血の結果からリューマチと膠原病の心配はないとのことだったが、随所に炎症が見られることからこれを収めるためには、ステロイド(プレドニン錠)を服用するのが効果的であるとのお話しだった。しかし、これまで毎朝プレドニン1錠を服用しているうえに、糖尿病の医師からステロイドは糖尿病には良くないと言われている。その点を岡野医師にお話ししたところ、糖尿病のヘモグロビン数値から考えて、むしろ今服用しているプレドニン1錠を3錠にまで増やすくらいにした方が炎症解消の効果は上るとのことで、服用する3種の薬のひとつは、プレドニンを毎朝3錠ということになった。ただ、こうなると糖尿病には良くないので、頭を抱えているところだ。思い切って明日にでも糖尿病の医師に相談してみようかとも考えている。

 ついては、横浜市の西部にかつてアメリカ軍の広大な通信施設基地があった。それが日本に返還されてから地権者の横浜市が、東京ディズニーランド(TDL)と同じような広大なレジャー施設を考えていたとは知らなかった。その事業の運営を相鉄ホールディングに任せていたが、相鉄がアメリカの事業者との話し合いが不調で、プロジェクト自体を断念することになった。TDLやユニバーサルスタジオの柳の下のドジョウを狙ったのだろうが、新型コロナウィルスの打撃による相鉄の懐具合とアメリカの事業者の腹積もりがうまく嚙み合わなかったらしい。現在横浜市が計画中のカジノを含む統合型リゾートも、強い市民の反対の中でことを進めようとしているが、横浜市のプロジェクト計画には、常に疑念が付きまとっている。コロナで少しは冷静になっただろうか。ギャンブル大賛成の林文子市長には、コロナは厳しいパンチを見舞っている。

2021年5月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5127.2021年5月26日(水) アメリカで増える一方、解決出来ない銃撃殺人事件

 昨日はアメリカのミネアポリス近郊で黒人ジョージ・フロイドさんが白人警察官から首を圧迫されて死亡してからちょうど1年になった。テレビで現場の画像を観ていると不意にパンパンと銃撃の音がして、現場で生中継していたレポーターが慌てて逃げるシーンが映った。相も変わらない銃社会である。バイデン大統領は、「彼の殺害は1960年代の公民権運動以来の『抗議の夏』を生みだし、すべての人種と世代の人びとを平和的にひとつにした」との声明を発表した。大統領はフロイドさんの命日までに、警察改革などを実現させたいと語っていたが、昨日まで法案は未だ成立していない。

 警察改革法案が例え成立してもそう簡単にアメリカ社会に銃を規制することや、黒人を抑圧する空気がなくなるとは思えない。それは、アメリカ社会には世界的に珍しいほど自由な銃所持が認められていることである。銃さえ持ちその気になれば、気に入らない人を簡単に殺害出来る。実際に昨年以降アメリカでは銃による殺人事件が激増しているという。今年になってから銃乱射による大量殺害が全米各地で起きている。昨年の殺人事件の被害者は2万人を超えるそうで、一昨年の25%も増加している。殺人の9割以上は銃による射殺である。

 銃規制を厳しく行い、銃所持を国として認めない方針を決めさえすれば、残念な殺人事件は大幅に減少する。この点については、私自身もこれまで本欄で強く主張してきた。21世紀の近代社会になって今も西部開拓時代と同じように銃によって物事の決着をつけるとは、あまりにも時代錯誤的で世界の笑い者である。しかしながら、銃規制に反対するアメリカ・ライフル協会の政治力によって残念ながら銃規制には反対が強い。実際に現場では、銃の売買がうなぎ登りに増えている。アメリカ人の銃保有者はコロナ前で3億丁と言われていた。3億2千万人の全国民が、ひとり1丁は所有していることになる。それが、コロナ感染拡大後は1年足らずの間に15%も増えたという。これだけの個人所有の銃を一気に減らすのは、難しいと思う。だが、だからと言ってこのまま銃保有を放置したら銃による殺人事件がなくなる可能性は皆無である。トランプ前大統領には、銃規制の考えはまったくなかったが、オバマ元大統領やバイデン大統領のような民主党政治家の間では、何とか銃規制に手をつけようとしている。それでもまだ具体的な行動にはなっていない。民主主義の国と言われるアメリカには、情けないことに最も残虐な殺害事件を起こして、それを誰も止められない現実がある。怖いのは、昨年から少し様子が変わり、無差別殺人の矛先が「アジア系への暴力」とか、「ヘイトクライム」へ向けられるようになったことである。単なる殺人から差別へターゲットが変わりつつあることである。

 「選択」本年5月号によるとアメリカ国内の銃購入は、今年第1四半期は前年同期比で10%以上増えている。驚くのは、シアトル、ニューオーリンズ、アトランタ、シカゴ、ボストン、ポートランドの6都市では、昨年の殺人事件が前年比で50%以上増加したことである。世界最悪のコロナ死者数60万人を生んだことより銃犯罪の方がよほど怖いというアメリカ人が多い。他の世界の国々より巷に危険が転がっている現状をどうして解決へ向け前進させることが出来ないのだろうか。アメリカにとっては最も恥ずべき汚点である。

2021年5月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5126.2021年5月25日(火) 明治憲法制定前の五日市憲法草案

 こんな山奥の辺鄙な土地、しかも東京都内にある今にも朽ち果てようとしている茅屋に、大日本帝国憲法の制定以前に憲法私案のひとつが作られ、残されているのが今から半世紀前に見つかった。俗に「五日市憲法草案」と呼ばれている。起草されたのは1881年で、発見されたのは大分時を経て1968年、江戸時代の名主の屋敷内の土蔵だった。起草者は仙台藩士の子孫で、戊辰戦争で敗北の末遍歴を重ねて五日市町(現あきる野市)へ辿り着き、小学校で教員をしながら自由民権運動に携わっていた千葉卓三郎という人物である。

 草案は204条から構成されているが、その主題は「日本国民ハ各自ノ権利自由ヲ達ス可シ他ヨリ妨害ス可ラス且国宝之ヲ保護ス可シ」と書かれている。国民の権利に多くを割き、身体・生命・財産の保護や思想・出版の自由、地方分権などを盛り込んだ極めて民主的な内容と評価されている。当時ではとても考えられないような民主的な草案であり、例え明治憲法には採用されずとも、こういう自由で民主的な空気が人里離れた山奥にあったということに興味を惹かれた。いかにその当時このような土地に開明的な人々が多く住んでいたことかが推察出来る。

 百を超えるとも言われる明治時代の民間憲法草案の中でも五日市憲法草案は、自由と人権という点で最高の内容であるとも評価されている。今日では、「五日市憲法草案の会」という組織が結成され、草案を日本の宝として広めようと活動している。世間一般には、あまり知られていないこのような山深い土地にかくも民主的でアカデミックな歴史が芽生えたということに驚いている。いつかこの地を訪れ、保守的な明治憲法とはやや相容れない民間の憲法草案が生れた空気に触れてみたいものである。

 さて、唐突にアメリカ国務省は日本の新型コロナウィルス感染状況を4段階の内最高の「レベル4」に格付けして日本への渡航を中止するよう求めた。国務省の渡航勧告は、渡航中止勧告の「レベル4」には、ドイツ、フランス、ブラジル、ロシアなど151カ国が含まれ、渡航再検討の「レベル3」には、イギリス、オーストラリア、イスラエル、中国など42カ国が、注意の「レべル2」は、韓国、シンガポール、ベトナムなど16カ国が含まれている。

 アメリカのこの種の警戒度については、かねがね疑問を抱いていた。世界で最も感染者と死者が多く、慌てて国民が嫌なマスクを着けるようになりワクチン接種効果が表れ新規感染者数が減少した途端公的にマスクを着ける必要がないと言い、ソーシャル・ディスタンスも取らず、自由にハグをしている図を見ているともう少し慎重であるべきではないかと思っていた。それが日本への渡航にまで制限を加えるようになるとは、アメリカ人のコロナ意識が常識的な感覚とは些かずれているのではないかとも思っている。これは国民性であろうか。

2021年5月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5125.2021年5月24日(月) 東京オリンピックは開催、or 中止?

 7月23日の東京オリンピック開催日まで残り60日を切った。世間一般には開催中止もやむを得ないとする声が過半数を超え、有識者からも開催に否定的な声が強い。外国人の観客を締め出して開催するにしても、五輪とパラリンピック選手と関係者、約9万人が来日して新規感染者が出たら、現在の緊急事態宣言下で医療関係を含めて充分な対応が出来るのか疑問が出されている。すでに始まった国内聖火リレーも本来の形ではなく、聖火リレーと言えるようなものではない。大会前に国内の地方都市で受け入れる予定だった外国人選手と地元民との交流計画も次々と中止に追い込まれ、全般的な気分も今ひとつ盛り上がらない現状である。

 こんな状況下で去る21日、コーツIOC調整委員長が、緊急事態宣言下でも開催して問題がなかった世界大会がいくつかあり、例え東京オリンピックが緊急事態宣言下でも開催出来るとIOCの立場を表明した。ただ、このIOCの要人は、オリンピックが他の競技の世界大会と同じ規模、同じ日数の下に開催されたものではないことは先刻承知の筈である。比較にならない比較を例え話に出しても開催を実現したいのだろう。そして、翌22日、この発言に輪をかけたバッハIOC会長の発言があった。「開催を実現するために我々は犠牲を払わなければならない。そうすれば選手は夢を間違いなく叶えることが出来る」と述べて、ネット上でこの発言に対して誰に犠牲を求めているのかと厳しい意見があった。IOCにとっては開催しなければ、得られる収入がなくなり存在自体が意味を失う。ただ、IOC首脳にとっては開催自体に中止声明を出すことは出来ても開催都市の意向を無視してまでも開催に拘るわけには行かない。現時点では、開催国日本政府と開催都市東京都が開催に前向きな立場でいるだけに心強いのかも知れないが、そうするために「開催」へ向けた支援弾を放っている印象が強い。

 いずれにせよ「開催」、「中止」のどちらに決定しても各関係者に相当な損害がもたらされることははっきりしている。今や進むも地獄、退くも地獄となってしまった感がある。それにしても早晩とちらかに決めなければいけない。菅首相は「安心安全な開催」としきりに語っているが、その「安心安全は開催」が出来るのかどうかを国民は固唾を飲んで見守っているのだ。菅首相、小池東京都知事ともに、オリンピックどころではなく現実に新型コロナウィルに振り回されているのだ。今日から東京と大阪で大規模接種センターが始まった。オリンピック開催日は、1日1日近づいてくる。だが、そのためのあらゆる準備は追いついているのだろうか。極力早い時期に菅首相から、はっきり「オリンピック開催」か、「オリンピック中止」を明言して欲しい。そうしないと日本中が落ち着きそうもない。

 さて、今日夕刻になって遠いアフリカから火山噴火のニュースが入って来た。コンゴの海抜3,400mのニーラ・コンゴという山が噴火して首都ゴマまで溶岩が流れ出て迫っている。170人以上の幼児が行方不明となっている。2万5千戸の住宅が灰燼に帰したという。この山は2002年にも噴火して100人以上が亡くなっている。寡聞にして、アフリカにこれほど大きな火山があるとは知らなかった。貧しいアフリカの国らしくコロナに気を付けるのではなくコレラに気を付けるよう飲料水の配布に気を遣っているのがユニークである。とにかく被害が拡がらないことを祈るばかりである。

2021年5月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5124.2021年5月23日(日) 八木哲郎「知的生産の技術研究会」会長逝く。

 昨晩訃報が入りショックを受けている。長年お世話になったNPO「知的生産の技術研究会」(略称:知研)の発起人である八木哲郎会長が、一昨日入院先で永遠の眠りに就かれた。昨年夏機関誌「知研フォーラム」に何か私らしい文章を寄稿して欲しいと話があり、11月にメディア批判の拙稿を送った。ところが、受け取ったとの連絡がなかったので、気になり今年に入ってから電話で確認したところ話しぶりにやや元気がなく、会長自身も体調が悪いので、季刊誌「知研フォーラム」はあと2回発行して終止符を打ちたいと仰っていた。それでは最終号の原稿としてミヤンマーについて書き別途送ると約束し、今月3日に送稿した。その晩電話をしたところ奥様から今入院しているとお聞きして心配していたところだった。もうお話しが出来ないかと思うと寂しいし、残念である。

 思い起こすと八木会長とはかれこれ半世紀近いお付き合いになる。会長は、梅棹忠夫先生の名著「知的生産の技術」に心を動かされ、知的生産を広く若い人の間に啓蒙することが大事であり、それに関わりたいとの信念で直接梅棹先生に交渉し了解をいただき勉強会名を名著に因んだ名前「知的生産の技術研究会」にしていただいた。以降会のため会員の先頭に立ち率先して積極的に活動され、その名はインテリ層の間でかなり知られるようになった。私の処女出版「現代海外武者修行のすすめ」の出版記念会では、「永遠の少年」と買いかぶったお祝いのスピーチをしていただいた。2008年には、韓国束草市で開催された「高齢者社会と将来」に関する国際シンポジウムに知研からパネリストとして派遣していただき、日本人参加者がひとりもいない環境の中で随分勉強になる経験をすることが出来た。

 今日午前日頃ともに親しくしている小中陽太郎氏に電話でお話ししたところ随分落胆しておられた。その後、会長夫人にもお悔やみのお電話をしたところ、今月3日に私が電話した時から日に日に身体が弱っていったと仰っておられた。

 八木会長からお世話になったことは計り知れないほどである。お互いに著作を交換したり、セミナーを開いたこともある。自分の為というより、他人への奉仕のような尊いお気持ちで知研を導いてくれた。感謝の言葉しかない。ただ、今はご冥福をお祈りするばかりである。昭和6年のお生まれと伺っていたので、享年89歳だった。心よりご冥福をお祈り致したい。
 さて、明るい話をしよう。今年のラグビー日本選手権決勝戦は今日秩父宮ラグビー場で、サントリーとパナソニックの間で争われ、パナソニックが31対26で5年ぶりの優勝を果たした。来年からはトップ・リーグのスタイルが少し変わり、日本選手権も少し形を変えるようだ。今日の試合で注目を集めたのは、パナソニックの福岡堅樹選手がこの試合で選手生活を引退し最後の試合で見事有終の美を飾ったことである。彼は筑波大学でもパナソニックでも優勝経験がなかったが、一昨年のラグビー・ワールドカップで華々しく活躍し、オリンピック7人制代表選手に選ばれながら昨年のオリンピックが今年に順延となったために、オリンピック出場を諦め、今季に最後の願いをかけた日本選手権で優勝を果たし、ラグビー人生で残された最後の夢を果たしたことである。今後新たな医学の道で第2の夢を実現して欲しいものである。

 大相撲夏場所は今日が千秋楽である。大関同士の優勝争いとなり、本番の結びの一番では貴景勝に敗れた照ノ富士が、優勝決定戦では貴景勝を返り討ちにして、大関昇進後初めてで4度目の優勝を飾った。横綱不在の場所で、新型コロナウィルスの緊急事態宣言下で無観客だったり、入場制限をしたり相撲協会も苦労されたようだが、無事千秋楽を迎えられて「メデタシ、メデタシ」である。

2021年5月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5123.2021年5月22日(土) 好い加減な防衛装備の費用算出

 昨日の本ブログで取り上げた防衛省が購入予定の代替イージス艦の購入価格9千万円について、野党がこの朝日記事を読んで、昨日衆議院安全保障委員会で政府の説明責任を追及したと今朝の朝日で報じられた。野党はこれまで一体どこに目をつけていたのか。これに対して岸防衛相は現時点で詳細な数値を示すことは困難と応えたようだ。いつもながらの政治家間だけに通るやり取りである。いつまでに資料を提出するという小学校でも当たり前の所作がなぜ出来ないのか。政治家の無責任で幼稚なところだろう。

 この記事については、自衛官上がりの「ヒゲの隊長」自民党参議院議員・佐藤正久氏が、更に経費が大幅に増加する可能性があるとツィッターに書き込んでいたともいう。とにかく防衛予算は伏魔殿であることを改めて世間に知らせてしまった。アメリカの言いなりに高価なミサイル武器をたくさん買わされて国民には黙っていようという政治家の阿漕な魂胆である。相も変らぬ政治屋の紙芝居を見ているようだ。

 さて、中東の地でイスラエルとハマスの停戦が実現して、取り敢えず砲撃合戦は回避されほっとしている。しかし、この停戦は両者が納得したわけではなく、悲報が外部へ伝えられることによって国際社会から非難され、強く停戦を求められたことで実現したものである。当事者の両国には止むを得ず停戦合意をしたという裏事情もある。実際近年になってからも2012年、14年に停戦・再戦の事実があるように、今後いかなる些細なトラブルによって再び戦いが火を噴くかも知れない。況してやイスラエルのネタニヤフ首相の立場は極めて不安定である。仮に平穏であれば、いくつかの収賄疑惑によって政治家として訴追され職を辞さなければならない微妙な位置にいる。戦火は彼にとって隠れ蓑にもなっているのである。

 このイスラエル・ハマスの停戦実現は、一般的には喜ぶべきことである。その一方で相変わらず前進が見られないのが、クーデター後のミヤンマー国内の情勢である。国軍は、一昨年惨敗した総選挙で国民民主連盟(NLD)側に不正があったと主張したが、それはNLDにあやつられていたからだと国軍統治下で新たに発足させた選挙管理委員会が言いがかりをつけている。国軍側は不正について調査報告もせずに、NLDを解党する方針を示した。とてもNLDに太刀打ち出来ないと見た国軍が破れかぶれの手を打った。これでは、今後総選挙が実施されても民主的な政権は期待出来ないばかりか、対立する正式な政党を自らの一方的な都合でつぶしてしまうのは、現実の世界では考えられない。更に、国軍は選挙制度を現在の小選挙区制から総選挙で惨敗した国軍系政党が当選する可能性が高まる比例代表制に変更しようとしている。加えて国軍最高司令官の定年規定の撤廃を決め、来る7月に定年を迎える筈だったミンアウンフライン最高司令官がそのまま国軍トップの座に留まり続ける環境を作った。かつてのスターリン・ソ連首相、プーチン・ロシア首相、毛沢東・中国共産党国家主席、金正恩・朝鮮労働党総書記ら独裁者とやることがまるで同じである。抑え込まれているミヤンマー市民がこのままで黙っているわけにも行かず、抗議運動は益々激しさを加えることが予想される。下手をすると国内が修羅場になる恐れがある。一体いつになったらイスラエルとハマスのような「停戦」に持ち込むことが出来るだろうか。

2021年5月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5122.2021年5月21日(金) イスラエル、パレスチナ・ハマス停戦合意

 今月10日以来イスラエルとパレスチナのハマスとの間で砲撃戦が続けられていたが、両者がエジプトや及び腰だったアメリカの仲介を受け入れ取り敢えず停戦を受け入れ、今朝11日ぶりに攻撃の応酬は収束した。ただ、過去において停戦で合意した後に攻撃が行われたことが再三あり、エジプト政府は双方に停戦監視代表団を送り、長期間停戦が維持されるか監視することになっている。
 砲撃開始以来国連安保理事会は4度も開催されながら、声明を出せずに解決への道を歩むこともなく、結局エジプトの介入により一応の解決となった。ミヤンマー問題にしても国連の影響力は弱くなった。今や国連は紛争の調停で機能しなくなったような印象である。

 さて、今朝の朝日新聞トップ記事を見て、あまりにも高額な防衛省の予算にショックを受けた。代替イージス艦2隻の余りにも高額な購入費用を知り本当かな?と首を傾げた。当初陸上イージスの購入費用は約4千5百億円だった。それが代替イージス艦の購入に代わったのは、秋田及び山口県の陸上自衛隊演習場に配備する予定だったが、説明の杜撰さと地元の反対によって計画自体を変更せざるを得なくなった。防衛システムは陸上から海上艦に代わったが、きちんと購入計画を立てなかったせいもあり、何と当初予算の2倍、9千億円も高額購入となった。

 全体的に杜撰な計画だということは、代替イージス艦には維持整備コストがかかることを計算していなかった点である。更に致命的なのは、日本全体の空の防衛は、「24時間365日、日本全体をカバー出来る」との触れ込みだったにも拘わらず、代替艦2隻で日本全体をカバーすると想定されるが、実際に洋上でミサイル防衛に従事出来るのは、整備などに充てる期間を考えると3分の1の約126日しかないとの試算があるようだ。こんな好い加減な防衛計画で、費用は2倍も余計にかかり、防衛できる日数が1年の3分の1とはあまりにも抜け穴だらけで甘過ぎるのではないか。

 元々防衛省予算については、国民はあまり詳しく知ろうとしない。しかも一般会計でありながら別途の予算のような扱いである。かつての財政投融資のようである。現実に国会の質疑では、代替艦の総コストについて説明を求める声があるが、政府はそれを明らかにしようとはしない。野党が票にならないからと厳しい追及をしないのかも知れない。それならメディアが精査してトコトン追及すべきことだと思う。現状では防衛費は金食い虫で、すべてスルーにされているような気がしてならない。

2021年5月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5121.2021年5月20日(木) 酒類自粛に抵抗のある沖縄に緊急事態宣言か。

 東京、大阪などの大都市では新型コロナウィルスの感染拡大の勢いはやや衰えつつあるが、全国的にその勢いは鎮まらない。連休中にも各知事が県境を越えて来ないで欲しいと訴えていたが、沖縄ではGW中に10万人の観光客が押し寄せ、結果的に沖縄で新規感染者を一気に増加させてしまった。昨日は新規感染者が過去最多の203人を記録し、変異株の流入が大きいとされるが、ただならぬ事態になった。

 沖縄にとって観光産業は経済の屋台骨である。2019年に1016万人もが訪れた観光客が、20年には6割減の374万人にまで減少して沖縄経済に多大な打撃を与えてしまった。沖縄にとっては大型連休はかき入れ時で全面的な自粛要請が出来なかった。しかし、それによって感染者が増えたのでは元も子もない。流石に県関係者もこのまま放置しては、沖縄経済にとって致命傷になると考えたのか、緊急事態宣言発出を政府に要請することを決めた。

 但し、これにも政府のさや当てのような沖縄に対する姑息な感情が窺える。自民党の細田博之・元官房長官が沖縄にとって観光が大事ならどうして来県者全員を検査するような沖縄県独自の防止策を講じないのかと述べたうえで、「国の政策に頼るなんて沖縄県民らしくないじゃないか。頼りにならない国の政策なんか頼りにしたって、このコロナは対策が講じられない」と些か子どもじみた嫌味を語った。普段沖縄のアメリカ軍基地問題でとかく日本政府と衝突している沖縄に対して政府の本音をぶちまけたのではないか。それにしてもコロナは今や大厄介者になって、国民が等しく終息させたいと願っている時に、沖縄の人たちの気持ちを斟酌せずに皮肉をのべたのは、政治家として、否自民党実力者としてどうだろうか。この発言は、昨日の自民党の沖縄振興調査会役員会で述べられたそうだが、そこにはいつも政府に対して辛辣な発言をする玉城デニー・沖縄県知事も細田氏の隣に出席していた。しかし、これに対して知事は何を考えていたのか、細田発言は沖縄に対して激励されたものだと考えているとまったくトンチンカンな発言をしている。またもや政治の化かし合いなのだろうか。

 さて、大相撲夏場所12日目の今日、4大関のひとり、朝乃山が休場することになった。場所前の不要不急の外出が禁じられている期間中にキャパクラへ出かけたことが咎められた。当初朝乃山は事実無根と否認していたが、最終的に本人もその事実を認め、出場停止処分となった。禁を破れば罰せられるのは当然としても、昨日まで7勝4敗で勝ち越しておらず、今場所は負け越しと決まり、来場所はカド番となる。厳しい処分である。

 しかし、先日外出を自粛するよう国民に対して旗を振っていた中川俊男・日本医師会会長は、後援会会長を務めている自見英子参議院議員の政治資金パーティに医師仲間とともに出席した事実に比べれば、軽い方かも知れない。中川会長は、コロナ感染防止のためのメッセージを国民に送り続けていた人物である。その当人がその陰では自らの言葉には目をつぶりパーティに出席していたなんて信じられない。こういう表裏のあるご仁が、医学界の最高ポストに就いて国民を騙すようなことを行うとは、あまりにも非常識で国民を愚弄している。日本医師会は自浄力を示すべき時ではないか。さもなければ、今後医師会の言動を誰も信用しなくなる。

2021年5月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com