5140.2021年6月8日(火) ミヤンマー制裁決議とA級戦犯遺灰散布

 昨日に続き、今日も暑い。東京では最高気温が31.4℃で今年初めて真夏日となった。

 クーデター発生以来4か月余が経過したが、未だに国際社会はミヤンマーに対する具体的な制裁措置を課すことが出来ないままである。そんな中を本日衆議院本会議で自民党や立憲民主党など超党派の議員がミヤンマーでのクーデターを非難する決議案を提出し、賛成多数で可決した。ミヤンマー国軍に対して民主的な政治体制の早期回復を求める内容で、民間人への残虐行為の停止や、アウンサンスーチー氏らの即時解放を要求している。

 国連安保理が、ミヤンマー国軍に対して非難声明を出すことに対して5大常任理事国のうち中国とロシアが反対を唱えて実施出来ない。東南アジア諸国連合(ASEAN)は特使を派遣して国軍を説得しているが、成果は表れていない。その中で、とかく国軍関係企業とずぶずぶの関係にあった日本だったが、この決議案で思い切って日本の立場と言い分を示せたと思う。国際社会はこの決議案に対して前向きなニュアンスで受け止めるであろうし、日本としては滅多にあり得ない決断でもありこれを評価したいと思う。

 さて、今日の朝日、NHK、及びTBSの報道で知ったことだが、東条英樹元首相、広田弘毅元首相ら太平洋戦争A級戦犯7人の遺骨が処刑後すぐに空から太平洋上に撒かれていたことが、1949年1月4日付のアメリカの公文書に記されていることが分った。遺族によると広田家のお墓には遺髪を収めているという。記録が廃棄されないで保管されていたことは良かったと広田の孫は話している。広田は戦時中藤沢市鵠沼の私の実家近くに住んでおられ、今でも江ノ電・鵠沼駅から鵠沼海岸へ向かう道路は「広田通り」と呼ばれている。

 ところで、こうなると靖国神社には、遺骨も遺髪も収めてないということになる。保守政治家や右翼らが終戦記念日や、天皇誕生日、春秋例大祭などの折に靖国神社で戦争により散華された戦没者に対して尊崇の念を捧げると異口同音に述べたり、参拝して物議を醸すことが多いが、その尊崇の念を捧げるべき7人はそこにはいないということになる。これでは彼らは上げた拳をどこへ下して良いのやら分からなくなってしまうのではないだろうか。

 GHQとしては、それなりの算段があったようだ。ウィリアム・シーボルトGHQ外交局長は、「死刑になった指導者たちの墓が将来、神聖視されることのないように遺灰はまき散らすことになっていた」と語っていたらしいが、靖国神社にとっては想定もしていなかっただろう。これで今後A級戦犯の霊に詣でる理由がなくなってしまったのではないだろうか。逆にA級戦犯の遺灰がないだけに、他の戦犯に対するお参りを堂々とすることが出来るという理屈も成り立つ。

 公表された公文書には、A級戦犯の遺骨の扱いが詳しく書かれ貴重な資料となっているそうだ。A級戦犯が処刑されたのは、48年12月23日で処刑された遺体は火葬場に運ばれ、火葬に付された遺骨は骨壺に入れられ、アメリカ第8軍の連絡機で横浜の東30㍄の洋上から撒かれたと記録されている。すべて書簡に基づいて行われた。その詳しい経緯については、一切日本側には知らされなかった。日本の報道陣、カメラマンに気づかれないよう巣鴨拘置所からの移動には注意を払った。

 それにしても戦後76年にして、今以て秘密裏に処理されていた事象が、新たに公開される。彼我の立場を考えれば止むを得ないが、当時の日本はGHQにはまったく文句を付けられなかったことがよく分かる。

2021年6月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5139.2021年6月7日(月) 100m日本新記録とゴルフ全米女子オープン優勝

 今日は家にいても蒸すような暑さだった。東京都内の最高気温は、今年最高の29.7℃の夏日というのだから堪らない。関東地方に今年はまだ梅雨シーズンのお触れが出ていない。その中で昨日と今日、日本スポーツ界で嬉しいニュースが2つあった。

 ひとつは、昨日陸上男子100mで山県亮太選手が日本人としては4人目の9秒台9.97秒の日本新記録で優勝し、オリンピック100m代表選手へ一歩進んだことである。山県選手は、リオ・オリンピックで陸上100mX4の第1走者として銀メダルを獲得した。この2年間は体調が芳しくなく、鳴かず飛ばずで好記録は残していなかった。しかし、セルフ・コントロールの方法を自分なりに掴んでいる山県は、自らのスケジュールをこなしてこの日のレースを期していた。結果としては、彼自身初めて10秒を突破した。

 もうひとつのホット・ニュースは、今朝アメリカから入って来た。ゴルフ全米女子オープンで19歳の笹生優花選手がプレーオフの末、同じく日本人選手の畑岡奈紗選手を破り初優勝の栄冠を手にした。19歳11か月の笹生選手は、これまでの韓国選手と並んで同オープン史上最年少優勝者である。彼女はオリンピックではフィリピン代表として出場すると知り、首を傾げた。ところが、母親がフィリピン人で現在父親と同じ日本と母親のフィリピンの2重国籍を持っているようだ。間もなく20歳になれば、どちらかの国籍を選択しなければならないが、フィリピン国籍を放棄して以降は純日本人として活動するという。

 先日男子全米マスターズ・ゴルフで松山英樹選手が優勝して、このところ日本選手の活躍が目立っている。海外ゴルフで日本人女子選手の優勝は、1977年の全米女子選手権の樋口久子選手、一昨年の全英女子オープンの渋野日向子選手に次ぎ、3人目である。ゴルフはプレイしないので、日ごろは関心がないが、それでもゴルフの本場アメリカのメジャーで優勝したのは大したものである。メデタシ!メデタシ!

 さて、若者がスマホに夢中になることが問題視されているが、同時に彼らはテレビにも熱中しているかと思いきや、テレビ視聴者としてはそのパーセンテージは大分下がってきているという。国民全体で1日に1回でもテレビを観る人の割合が、NHKの調査に依れば今や79%にまで下がっているらしい。中でも、16~19歳の若者のそれは、僅か47%だというから、2人にひとりは1日中まったくテレビを観ない若者がいるということになる。この傾向がCMスポンサーの減少につながり、各テレビ局の放送収入が減り、その矛先が番組制作費の削減となっている。各局とも経費の削減には頭を絞っているが、加えて新型コロナウィルスの影響がボディブローとなって効いているようだ。

 このようなコロナに対する緊急事態宣言下で広告収入の減収に頭を痛めた大手広告代理店の電通が、悪知恵を働かせて経済産業省と組んで統合型リゾート(IR)でサッカーくじの利権の他に、プロ野球や最近人気の出てきたバスケットボールなどを対象として賭けをオンラインで可能にするマーケットを作り、利権を独占しようと考えているようだ。コロナ禍で一頓挫しているIRだが、リゾートなんて言葉としてはきれいごとを並べているが、所詮賭博、ギャンブルでしかない。それを電通が始め、国がお手伝いしようというのだから、馬鹿げているというか、滑稽としか言いようがない。世間体を考えて、もう少し物事を真面目に考えてくれないものだろうか。

2021年6月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5138.2021年6月6日(日) 世界中で見られる人種差別の形跡

 地球上で差別やジェノサイドのないところはほとんどないと言っても好い。特に異なる民族が共存している多民族国家では、古来人種差別があった。それはインディアンと呼ばれるアメリカの先住民族、イヌイットと呼ばれるカナダ先住民の例を持ち出すまでもない。つい数日前にネットで伝えられていたが、今朝の朝日新聞にそのカナダの実態が紹介された。実は、カナダで最近昔の先住民寄宿学校の敷地内から、215人分の遺骨が発見されて今カナダ全土に波紋が広がっている。

 先日NHK・BSで1960年代にユル・ブリンナー、スティーブ・マックィーンが出演した映画「荒野の七人」が放映され、懐かしく観たが、その映画ではメキシコ人部落でメキシコ人の遺体を街のはずれの墓地に埋葬するのを街のボスたちは拒否していた。しかし、ブリンナー扮するクリスが手を貸したお蔭で埋葬することが出来たシーンがあった。つまり墓場に入ってまでも異民族とは一緒にいたくないという気持ちが、西部開拓史時代でも人びとにはあったのである。

 中国でも昨今チベット族や、新疆ウィグル族に対する人種差別が世界中から注視、非難されている。日本ではそれほど大きな話題にはならないが、それでも昔からアイヌの存在、文化はしばしば奇異の目を以て取り上げられてきた。他にも各地に少なからず部落民問題があり、それを象徴的に取り上げ、描いたのが島崎藤村の「破戒」だった。中学生になって初めて「破戒」を読んだ時、最初のうちは差別語「穢多(エタ)」の意味がぴんと来なかった。漸く主人公・瀬川丑松が被差別部落の出身だと分り、差別が現実にあったことを知った。まだ中学生だったが、人間間に差別があることを知り、それなりにショックだった。

 カナダでは先住民に対する同化政策が建国前からあったという。先住民寄宿学校は実に全国に139校も設けられ、15万人以上の児童が親元から強制的に引き離されて生活していた。今回遺骨が発見されたのは、カムループスにある最大の寄宿学校で、カトリック教会が運営していたものである。カトリックが、このような人種隔離政策に手を貸していたことも驚きであるが、ことほど左様に同化政策がカナダでも当たり前となっていたのである。

 この遺骨発見について、国連の特別報告者はカナダ政府とカトリック教会に対して、徹底的に調査することを求めた。トルドー・カナダ首相はカナダ自身の責任であることを認めているが、カトリック教会は抵抗しているという。宗教とは一体何のために存在するのだろうかとカトリックの対応に疑問を感じている。

 さて、今日ショッキングな訃報を受け取った。元朝日経済部記者だった阿部和義さんが冥界へ旅立たれた。彼は日比谷高校の出身だが、共通の友人もいて高校時代にともにラグビーをプレイしていたこともあり、妙に気が合った。年齢は78歳で私より4年若かったが、彼はプライベートでいろいろな面でご苦労された。信州大学医学部学生だったご子息を、こともあろうにオウム真理教による松本サリン事件で喪い、その後本人も舌癌に罹り、2度の手術を済ませて前向きに活動しておられたところだった。7年前に上梓した「南太平洋の剛腕投手」出版を大変喜んでくれ、ご馳走に与り、そのうえ業界紙に書評まで書いてくれた。

 4月には大学の親しかった登山仲間が唐突に他界し、今またサラリーマン退職後の親しい友人をお見送りすることになってしまった。今は亡き阿部和義さんのご冥福を心よりお祈りするばかりである。

2021年6月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5137.2021年6月5日(土) 尾身会長と政府の間に何があったのか?

 この3日間尾身茂・新型コロナウィルス感染症対策文科会会長の、公の場における政府のオリンピック開催に関してその対応への発言が大分厳しいものとなり、注目を集めている。それまでの分科会と政府の関係から考えてもやや意外な感を覚えていたが、政府内では尾身会長の発言に対してあまり良い印象を抱いていないと新聞で報道されている。これまで医師の立場からもう少し率直に政府に物申しても良さそうだと思っていたが、やや遠慮がちだった。当事者である田村厚労相は、これらの発言を受けて尾身氏の自主研究であるとして専門家組織の公式な意見としては受け入れないとまで述べている。尾身会長はどうして一転してこのようなきつい発言をするようになったのだろうかと考えてみた。

 実は、月刊誌「選択」に「日本のサンクチュアリ」と題する連載物があるが、今6月号に「コロナ『尾身茂』という国難」と題する尾身会長に対して4頁に亘る辛辣な人物評が書かれているのだ。「日本迷走の諸悪の根源」との副題まで付けられてなぶられている。最も厳しく批判されているのは、尾身会長はPCR検査に後ろ向きであり、それがワクチンの接種遅れの間にコロナを感染拡大させた原因であり、大罪と見られている。尾身会長がこの自らに対する批判を読んだ後に、何らかの心境の変化か、或いは自ら考え直したのかは分からない。いままで尾身色の強かった政府側の考えと対応は、この会長の毅然としたコメントに対して異を唱え、会長に厳しい態度で接する可能性がある。尾身コメントは概ね筋の通ったものだと思う。分科会のトップはオリンピック開催に中止せよとまでは言っていないが、厳しい対応を要求していることが、政府のオリンピック開催決定、中止の判断にかなりの影響を与えることになるのではないだろうか。

 さて、中国で人口に漸減傾向が見え将来の少子高齢化現象を見据えて、「1人っ子」政策から「ふたりっ子」を全面的に許したのは2016年だった。あれから僅か5年にして再び人口減少傾向が見えたことによって、中国政府は近く「3人目の子」も認めるようになると見られている。

 ところが、すでに危惧されてはいたが、日本でも同じような現象が表れ、昨年の国内で生まれた日本人の子どもの数は、約84万人で前年より2.8%減って過去最少となった。婚姻件数も前年より12.3%も減り、戦後最少となった。コロナの影響が大きく日本の少子化が進んでいる。死亡は11年ぶりに減り、これはコロナ対策として手洗いやマスク着用が効果的だったとみられ、コロナも功罪あるものである。しかし、このまま放置するなら人口は益々減少し、労働力の減少から経済力が落ち込むことは明白である。それを防ぐにはどうすれば良いのか。若者が結婚する機会をもっと増やすことが必要であり、生まれた子どもを育てる社会環境をより良く整備することである。コロナ禍とオリンピックに気を取られている菅首相には、こういう面に目を向けることが出来るだろうか。

 ところで、ステロイド錠を毎朝3粒(プレドニン錠15㎎)飲んでいるせいか、両膝の具合が大分回復してきた。飲むに際して糖尿病の負担にならないよう祈るような気持ちである。膝の痛みが解消したのも有難いが、立ち上がる時に踏ん張る力を必要としなくなったことは有難いことである。糖尿病への悪影響は来週クリニックで健診した時に分かる。医師の了解済ではあるが、結果を見て医師は何と言うことだろうか。それでも膝が回復したことで、今日も軽く近所をウォーキングしてきた。

2021年6月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5136.2021年6月4日(金) 安易な高齢者医療費・倍額値上げ

 今日参議院で高齢者医療費を自己負担1割から2割へ引き上げる改正法案が可決された。値上げはかねてから現役世代の負担軽減が狙いと言ってはいたが、それにしても安易に高齢者へ過重な負担を負わせることに疑問を抱いていた。他に財源がないのか充分検討した様子も見られない。少しは心苦しいと感じたのか、来年以降に実施される改正法案適用に際して、向う3年間は1か月内の診療費が3千円以内で済むよう工夫するという。

 そもそも高齢者の医療費補助は、国の福祉政策構想の重要な一環として取り入れられ、整備されたものである。その福祉政策を単に社会保障関係費が不足するからとの理由で、その途中でないがしろにするが如きは今後の社会福祉政策へ暗い影を投げかけるものである。増え続ける高齢者の医療費の約4割を若い世代が補っているという表現もおかしいと思う。社会保障費の範疇内で考えれば、そう考えられないこともない。しかし、これは全国民的に考えたうえで決定した政策であり、それなら全財政支出の中で総合的に考えられるべきことではないかと思う。私自身高齢者負担1割の恩恵を受けている立場上、正論を述べることに憚られることもある。だが、社会福祉政策で不足する財源を他の無駄な支出の中に見出すことは出来ないだろうか。いくらでも可能性はあると思う。

 例えば、過日問題になった防衛省が陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の代わりに、イージス艦2隻を導入する計画では総費用が約1.5倍の約7千億円に膨らむ。更に部品転用などに数千億円が必要とされるという。これらの購入については国会でまったく議論されることもなく、防衛省がアメリカとの話し合いの中で話し合われたものである。支出に厳しい一方で、アメリカから購入する防衛機材については泥縄式に決めるようであまりにも甘い。もう少し社会福祉政策への温かい視点と対応策が必要ではないか。不信感が募って我慢し難い。

 法案には自民、公明両党の他に日本維新の会と国民民主党が賛成したようだが、日ごろ高齢者に配慮していると広言していた公明党や国民民主党の裏切りにはがっかりさせられる。

 さて、イスラエルの独裁者と見られていたネタニヤフ首相が退陣することになった。パレスチナとの対立と複雑な国内事情の中で、歴代最長の約15年間に亘って政権を維持してきたネタニヤフ首相であるが、案外政権の基盤は脆弱だった。3月に行われた総選挙でも与党「リクード」は過半数を獲得できなかった。これから複雑な国内事情を抱えて対立するパレスチナ自治政府とどう向き合って国家を支えて行くのか。極右派からアラブ系政党まで参加するかつて前例がない連立政権で堅実な政治が行えるのか疑問である。下手をすると政権内部で対立が表面化して争いが絶えない政権運営となる懸念がある。取り敢えず、ネタニヤフ首相以上に極右的な極右政党「ヤミナ」党首ベネット氏が首相に就任する見込みであるが、2年後には、連立交渉を続けていた中道野党「イェシュ」党首のラピド氏が後継首相となる予定だとも伝えられている。パレスチナと融和、或いは対抗するために、イスラエル政界が盤石な基盤にあるとは思えない。これから中東地区でイスラエルがどれほどの存在感を示すことが出来るだろうか。その最大の脅威である敵対国のイランでも、今月18日に大統領選が行われるが、ここも新大統領選出に多難が予想される。相変わらず中東から目が離せない。

2021年6月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5135.2021年6月3日(木) 不誠実で身勝手な中国の行動

 明日は中華人民共和国が生れてから最も共産党体制が危機に晒された天安門事件が起きてから32年目に当たる。近年覇権国家ぶりを強めている中国政府、及び中国共産党にとっては、触れられたくない事件である。ここにも中国政府の暗黒の一面を垣間見ることが出来る。きっかけは改革派だった胡耀邦元総書記の死であるが、市民の間から自発的に盛り上がった民主化を求めるデモだった。犠牲者の数は中国は千人程度と公表しているが、イギリスの公的機関では約1万人が出たと報道している。中国政府は、この忌むべき天安門事件の記録を展示している香港の記念館施設を今日付で閉館すると締め付けを強めたのだ。民主化弾圧、人権蹂躙を躊躇なく行っている中国は、その他にも今世界各地で問題を引き起こしている。

 昨日マレーシア政府は、中国空軍機16機がマレーシア領空に侵入したとして中国政府に抗議した。東、南シナ海における中国軍の海上進出は留まるところを知らない。ミヤンマーのクーデターを起こした国軍を背後で支援しているのも中国である。その中国は、呆れたことに新型コロナウィルスでも国際社会を煩わせている。感染者数を国際機関に正しく報告しないから困ったものである。アメリカのジョンズ・ホプキンズ大学から毎日公表される世界の感染者数と死者数が、中国については感染者数103,069人、死者4,846人と公表されてからもう長い間この数字に変動がないのだ。他国の人数は日々刻々増え続けているが、中国だけは変わらない。これは世界の医学界、保健学界に対する裏切り行為であり虚偽の報告と変わらない。世界中の人びとを騙し、彼らの健康を損ねていると言っても好い。愚かにも大国だから我が儘は許されると考えているとしたら、中国という国は世界の邪魔者としか思えない。

 ことほど左様に昨今の中国の自由奔放な欺瞞的言動は、世界中に迷惑風を吹き散らしていると言っても好い。この我が儘放題で、常に正義は我にありと言わんばかりでやりたい放題の三等国家・中国に何かお灸をすえることは出来ないものだろうか。

 さて、新型コロナウィルス感染拡大が収束しそうもない中で、東京オリンピック開催まで残り50日間となった。医療崩壊が叫ばれる中で、昨日対策分科会の尾身茂会長は、しびれを切らしたかのように衆議院厚生労働委員会において「このパンデミックの状況の中で普通なら開催はあり得ない」として、もし開催するなら規模を最小化して管理態勢を厳格化すべきであると要望した。更に付け加えて「そもそもオリンピックをこういう状況の中で、何のためにやるのか、それがないと一般の人は協力しようとは思わない」と強調し、今日も参議院で同じ主旨の発言をした。開催について国民の間から不安が高まっているが、菅首相は常套句のように「安全安心な大会を成功させるために準備を進めている」と応えるに留まっている。山下泰裕JOC会長も、大会は安全安心に開催出来ると信じているとまるで他人事のような発言である。政府は、菅首相の在職中の功績として五輪を開催したいのだ。ボランティアの辞退者が1万人となり、医療関係者の間でも消極的な声が聞かれる。まだ、ワクチンの接種は行き渡っておらず、本当にオリンピックは開催出来るのだろうか。

 長崎県島原市の雲仙・普賢岳で火山噴火による火砕流の発生で43人の犠牲者以外にも甚大な被害を出してから、今日でちょうど30年になった。噴火直後に現地を訪れ、生々しい惨状を前に言葉もなかった当時を思い出す。この教訓を得て自然災害に見舞われる機会の多い日本の避難対策は、果たして大丈夫だろうかとふと不安が頭をもたげる。

2021年6月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5134.2021年6月2日(水) 象の群れの北進から中国国歌作曲家を想う。

 東京医療センター膠原病内科の岡野医師に勧められて、それまで服用していたステロイド・プレドニン5㎎錠を3倍の3錠に増やしたが、そうなると糖尿病には逆効果なので先日糖尿病クリニックの山内医師に了解いただいたうえで、連日3錠を飲んでいる。やはり効果があるようで、両膝の痛みが消えて脱力感もなくなったので、椅子から立ち上がる時が楽になった。来週改めて糖尿病クリニックで診てもらうのだが、その時ヘモグロビンHbA1c数値が現在の6.9から極力上がらないことを願っている。膝の具合が多少楽になったので、運動不足を兼ねて自宅周辺を散策したが、膝には堪えないが、足の脹脛が張って普段の運動不足を痛感させられた。

 ひとつのんびりしたトビックスが中国から伝わってきた。中国南部の雲南省でインド象の集団が北へ向かって移動している。インド象の生息地はインドや東南アジアで中国南部は北限とされている。それがミヤンマー国境近くの自然保護区にいた象が謎の北進を続けて北限を超えた可能性がある。テレビの画像で観ると何頭かの象が畑の中で食べものを求めて彷徨っている姿がある。これまで街の中で象の姿を見せたことがなかった当地の人は、遠巻きに恐る恐る眺めているだけである。昨年の春に移動を始めて年末には400㎞も移動したと言われている。畑が踏み荒らされたり、トウモロコシを食べられたりして最近の40日間の被害額だけでも1億2千万円に上ると言われている。人が近づけば興奮のあまり人的被害につながる恐れもあり、地元の消防署などでは象を興奮させないよう街や集落の入口に障害物を置いて、人のいない方へ誘導しているという。

 何となく童話チックな話題だが、当面被害を避けるにしてもこのまま徘徊した象の集団をどうやって元の鞘へ納めることが出来るだろうか。専門家の間では、環境の変化で保護区内の餌が少なくなり、引っ越し先を探しているとの説や、群れのリーダーが経験不足で道に迷ったかも知れないとの説がある。雲南省の省都・昆明市には2度訪れたことがあるが、今では大都市となっている。こんな都市に大きな象の群れが彷徨ったら昆明の人びとも仰天するだろう。いずれ収まることだろうが、その結末を知りたいと思う。

 閑話休題。大分以前に知った隠れたエピソードがある。現在の中国国歌「義勇軍行進曲」を作曲した作曲家・聶耳(ニエアール)が生れたのは、この省都・昆明市である。1935年にこの曲を作曲してから友人とともに神奈川県藤沢市鵠沼海岸を訪れ、遊泳中に23歳の若さで帰らぬ人となった。実は、山地にある昆明市とリゾート海岸の藤沢市が姉妹都市の協定を結んだことに若干違和感を覚えたので、調べてみたところ聶耳の水死が2つの都市を結ぶキッカケとなったことが判った。鵠沼海岸は若いころに毎夏海水浴を楽しんだ想い出のビーチである。聶耳が作曲した「義勇軍行進曲」は、1949年中華人民共和国の国家に制定された。54年水難に遭った鵠沼海岸に記念碑が建てられ中国赤十字会会長・李徳全女史を迎えて除幕式が行われ、この聶耳記念碑は多くの中国人の知るところとなったというストーリーである。

2021年6月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5133.2021年6月1日(火) ミヤンマー・クーデターから4か月

 昨日のブログに書いたばかりだったが、テニスの大坂なおみ選手は結局全仏オープンを棄権することになった。理由のひとつに、2018年全米オープンで優勝して以来「うつ病」になっていたことを挙げている。これから各大会主催者とよく話し合って円満に解決してもらいたいと願っている。

 新型コロナウィルス感染防止の緊急事態宣言が、9つの自治体では今日から20日まで延長されることになった。そんな中を今朝オーストラリアから同国女子ソフトボール選手団が来日した。予定通り東京オリンピック出場前に群馬県太田市内で事前強化合宿をするためである。東京オリンピックに向けた海外選手団の入国は初めてである。このところ同じような合宿計画が日本側のホスト自治体の中止要請や、外国選手団側の都合で中止になったケースが105件もあり、受け入れ自治体にとっては姉妹都市の交流が途絶えるという懸念もある。小中学校で歓迎行事を予定していた自治体も多かっただけに中止が惜しまれている。今日来日したオーストラリア選手団にしても当初は地元の人たちとの交流計画があり、お互いにそれを楽しみにしていた。交流計画はすべて中止となり、選手団はホテルとグランドの往復以外は外部に出かけられない。缶詰状態の中で合宿してどれほどの効果が表れるのか、何とも言えない。

 ところで、コロナ関連でこんな呆れたニュースも入って来た。南米のペルーのコロナ関連死者数が大幅に訂正されたのである。これまでに公表された死者数は69,342人だったが、実は180,764人だったというのである。実際の死者数は、実に3倍も多かったのだ。これは人口百万人当たり5,484人になり世界でも最多である。世界的にコロナが感染拡大してパンデミック状態の中で、正確な感染者数、死者数を世界保健機関(WHO)に伝えるのは、国家としても国際保健上の責務である筈である。一方で、インドのガンジス川中流で100体の遺体が漂流しているのが見つかった。コロナで亡くなった人たちの火葬が追い付かず、親族らが川に流したのではないかと言われているそうだが、何ともやりきれない哀れな話である。

 さて、去る2月1日にミヤンマーで軍事クーデターが起きてから今日で4か月になる。日本政府とミヤンマー国軍との間には、不透明な関係があることが暴露された。

 今日郵送されてきた月刊誌「選択」6月号に、「ミヤンマー国軍と『日本財団』の蜜月」なる記事が掲載されている。日本政府の国軍寄りの姿勢が読み取れる。これまで茂木外相は、欧米諸国と同じようにクーデター自体を非難すれども、ミヤンマーへの経済制裁には積極的な声を上げなかった。日本政府が国軍と強い関係にあったからである。その背景には日本がヤンゴン特区地区における開発にからむ利権確保に関わった日本ミヤンマー協会と日本財団・笹川陽平会長が関与していたことだ。笹川会長は、先般国軍に身柄拘束された北角裕樹氏の解放を交渉して実現した。外務省は笹川会長に頭が上がらない。国軍としては日本人の解放は日本側の要請に応じた「貸し」と考えており、今後何らかの見返りを求めて来る可能性がある。どうも理解に苦しむのは、今から8年前に外務省は笹川会長に公的なものか不透明だが、「ミヤンマー国民和解担当日本政府代表」という仰々しい肩書を与えたことである。昨年11月実施の総選挙を国軍は不正をクーデターの根拠と説明したが、笹川氏はこれを公正だったと自信満々に語って以降何の発言もない。それでいて相も変わらず国軍との関係維持には拘っていることである。日本人とミヤンマー人の友好関係に力を注いだと思われる笹川氏だが、自らの利権に拘り過ぎた行動が、日本を世界から信頼感を失わせることになる。日本の公益財団法人の会長にこんな私利私欲のからむ行動を許して、外務省がおかしな肩書まで与えていたのは、奇妙奇天烈ではないか。

 それにしても最近国軍に対する反対運動が都市ではやや影を細めた感がある。国軍の無法な市民の拘束や、銃乱射を恐れたからでもある。しかし、鳴りを潜めている市民や政府職員が職場を放棄して抵抗する「不服従運動」が、このまま消えてしまうとは考えられない。日本政府は笹川会長に忖度することなく、欧米諸国とともに国際社会へ向けてミヤンマー国軍への経済制裁を訴えるべきではないだろうか。

2021年6月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5132.2021年5月31日(月) テニスの大坂選手、記者会見拒否で罰金

 現在パリで行われているテニスの4大トーナメントのひとつ・全仏オープンで、物議を醸し注目の話題になっていることがある。すでに全米2度、全豪オープンを制覇して、昨年度世界の全女子スポーツ選手の中で最も稼いだ選手とされた大坂なおみ選手の言動である。全仏オープン戦前に試合後の記者会見を行うことを拒否すると述べていたが、実際昨日1回戦を勝った後の記者会見を行わなかった。しかし、大会主催者から記者会見に出席しないことは大会規定に違反するとして、約165万円の罰金を科せられることになった。

 これまで大坂選手は、感情的になりやすく、コート内でラケットを叩きつけるようないらついた行動をして顰蹙を買ったことがしばしばあったが、昨年アメリカ国内で黒人差別反対運動が起きた際には、反対運動を力づける衝撃的な発言をして広く共感を得たこともあった。

 翻って今回の記者会見拒否はどうだろうか。同じプロ選手の中には、部分的に共鳴する選手もいるが、概して賛同の声は少ないようだ。ツィッターで、「これまで記者会見に参加したり見たりし、アスリートの心の健康状態が無視されていると感じた。自分を疑うような人の前には出たくない」と一方的な言い分を述べている。主に負けた試合の後の記者会見における落ち込んだ状態で聴かれたくない気持ちにも拘わらず、心の中にまでずかずか入り込んでくる意地悪な質問が許せないとの心情のようだ。

 元来わがままで感情の起伏が激しい性格であるが故に、彼女は試合後の記者会見ではテニスファンが知りたい質問を避けようとすることが問題であり、主催者はそのため試合後の記者会見を義務付けている。大坂選手は若くして世界的一流選手になって有頂天になっているせいもあり、その言動は理解出来ないこともないが、少し身勝手過ぎるように思う。大会関係者は、もしこのまま次の試合でも記者会見を拒否した場合は、違反行為として大会から出場停止を命じられ、4大大会への出場も認められない可能性もあるという。

 スポーツファンから強く期待された日本人選手がこのように場外で問題を引き起こし、退場するようなことはとても残念なことである。大坂選手の周囲には、社会的常識とか、モラル、行動規範のような社会人として世渡りをするうえで必要なことを教え諭すコーチがいないようだが、まだ若い折角の才能をこのまま散らしてしまうのは実に惜しい。何とか大会主催者と大坂選手の間を取りなすことによって、彼女が世界のテニス界から姿を消してしまうことのないよう願っている。

 さて、昨日新型コロナウィルス感染防止のためのワクチン接種1回目を受けたばかりだが、妻が今日皮膚科で腹と背中に腫れた炎症に関してワクチン接種の是非について尋ねたところ、医師から当分接種は控えた方が無難とのアドバイスをいただいたという。そこで残念だったが、妻は直ちに世田谷区に電話で予約をキャンセルした。折角予約をしながら止めて次の機会にトライすることになった。妻は次回の接種予約を現在の腫れものの様子を見ながら受けることになったわけだが、大分遅くなりそうだ。

2021年5月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5131.2021年5月30日(日) 1回目のワクチン接種を終える。

 新型コロナウィルス感染防止のための第1回ワクチン接種を指定された深沢区民センターで受けた。接種は2時の予定だったが、1時半には現場に着いた。所定の場所でしばらく待っていたところ準備が整ったのか、予定より早めに問診、接種が行われた。混雑を予想していたが、むしろ空いていた。接種を受ける人たちを見てみると私より年配の人が多く、手押し車でやって来た人など65歳以上となると受け入れも大変なように思う。接種自体はアッという間に終わったが、その後15分ばかり待機して解放された。そのままバスで帰ってきたが、自宅へ着いたのが何と2時半だった。想像以上に早く終わった。取り敢えず、第1回ワクチン接種を終えてホッとしている。第2回目は3週間後の6月20日である。

 ワクチン接種を受けたことにより、当面コロナ感染の不安は若干遠のいたと言える。現時点で2回分の接種を完了した人の割合は、世界ではイスラエルが1位で59.25%、次いで意外にもチリの41.32%、アメリカ39.93%、アラブ首長国連邦(UAE)38.79%、イギリス36.06%であるが、その次になると急激に降下してイタリアの19.01%となる。日本は、インドネシア、インド、バングラデッシュなど途上国の後塵を拝して僅か2.43%である。そして1回分だけ接種した人の割合上位5位となると、イギリス57.26%、カナダ55.46%、チリ54.01%、アメリカ49.75%、ドイツ42.79%である。ここでも日本の割合は低く6.41%である。ともかく今日接種を受けたことで日本人100人の中の6人に入ることが出来たということは言える。

 全国的には、1回目の接種を終えた人は、和歌山県17.47%が抜きんでている。以下山口、高知、鳥取、宮崎が上位5位にいる。概して地方自治体が上位を占めている。東京は何と6.6%で全国で中位の24番目である。最下位の愛媛県が3.15%である。東京都内では小金井市が、1回目の接種率が30%を超えるというから随分先を行っている。

 こうしてみると全国民が接種を終えるのは、7月末と言われていてピッチは上がっているが、本当に予定通り大丈夫だろうか。これでは、7月23日から始まる東京オリンピックまでに完了というわけには行かない。肝心のオリンピックを開催するかどうかについては、まだ最終的な結論は出ていない。

2021年5月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com