5150.2021年6月18日(金) 須田寛・JR東海相談役の活動

 JR東海相談役であり、ともにNPO法人JAPAN NOW観光情報協会の理事を務めている須田寛さんから今日先ごろ出版された共著「鉄道と地図」を送っていただいた。共著者は、野々村邦夫・元国土地理院長である。旧国鉄、JR一筋に鉄道会社とともに歩まれ、鉄道好きも高じて「鉄道友の会」会長まで務めておられる。2012年春の叙勲では、最高の栄誉である旭日大綬章を贈られている。日ごろから須田氏の活動ぶりとお人柄に敬意を表しているが、尊敬するのは、功成り名を遂げていながら誰に対しても謙虚であることである。今年90歳のご高齢でありながら、お声があれば、国内どこへも出かけられエネルギッシュに活動し、NPO会合でもわざわざ名古屋からひとり新幹線でやって来られるくらい熱い気持ちで何事にも全身全霊で取り組まれることである。一昨年秋には、須田さんやNPO仲間とともに共著「新世代の観光立国」を上梓することができたことは、私にとっても大きなプライドである。

 新刊書は絵、写真、地図もかなり掲載されており、読み易そうなのでじっくり副題の通り「時刻表と地形図が描いた鉄道の歩み」を楽しみに読みたいと思っている。

 さて、アメリカではトランプ政権からバイデン政権に代わって、いくつかの新たな問題点も浮上しているようだが、前大統領に比較して行動力と存在感においてやや迫力に欠けるバイデン大統領は、保守層からは厳しい見方をされている。その最たる問題は、アメリカ国内へ押し寄せる移民だろう。メキシコとの国境の壁を乗り越えて中南米からやって来る移民をどう取り扱うかで、アメリカ国内でも賛否が分かれている。トランプ氏は、国境で追い返すことで保守層を取り込んでいたが、バイデン氏は一方的に追い返すことはしないと語った。それが反って移民を増加させることになり、メキシコとの国境周辺にはアメリカへの入国を目指す人たちが、約20万人も集まっているという。

 そんなバイデン大統領が、明日6月19日の奴隷解放記念日を連邦国家の祝日にする法案に署名し、アメリカ合衆国にとっては38年ぶりに新しい祝日が制定されることになった。何を今更との気持ちがなくもないが、そもそも奴隷解放記念日が決まったのは、リンカーン大統領が奴隷解放宣言をした2年後の1868年6月19日だった。日本では明治維新の年である。それ以降奴隷解放宣言は広く周知されたが、本当の意味で奴隷が解放されたのか疑問だし、国民が祝日として祝うことはなかった。気になるのは、アメリカでは殺人には銃が使用されるケースが多いことである。現在のように個人による銃の私有が簡単な手続きで認められるなら、人種差別とは無関係に、残虐な殺人事件はアメリカ社会から減らないだろう。真の奴隷解放は、人種差別もさることながら銃砲類の私有を禁止することである。昨年来白人が黒人を殺害する事件が多発しているアメリカ社会で、果たして理想通り黒人が奴隷のような扱いを受けない社会が実際に実現するだろうか。

2021年6月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5149.2021年6月17日(木) 体調は徐々に回復に向かっている。

 3週間ぶりに近くの東京医療センター膠原病内科で、血液と尿検査をして医師とその検査結果について話し合った。このところステロイド(プレドニン錠)を多めに服用しているせいか、糖尿病には良からぬ影響が及ぶ懸念の反面、体調は大分良くなってきた。今日の数値もヘモグロビン数値(HbA1c)が、6.7だった。土曜日に糖尿病クリニックで調べてもらった時は、6.9だったので、更に良くなっているのには少々驚いている。CRP数値もこのところ高くなって4月以来6.38、1.65、1.83だったが、今日は0.06と極端に下がったが、その多少の分岐点は0.3である。私自身にとってこれは過去最低である。つい、0.6だと信じて、医師に確認し損なった。信じて良いものだろうか。ステロイドも毎朝15㎎を服用していたが、明日から12㎎に減らすことになった。少しずつ回復しているのは嬉しいことだ。

 さて、新型コロナウィルスに対する緊急事態宣言が発出されている10都道府県の内、沖縄を除く9自治体で期限の来る20日に解除して、7月11日まで東京、大阪など7自治体はまん延防止等重点措置に移行することを決定した。ワクチン接種が進んではいるが、まだ減少しつつあるとはいえ、コロナの新規感染者の数は大きく減ってはいない。街角には人出が増え、リバウンドが懸念されている。オリンピックも政府、組織委員会は開催の気持ちが強く、今では観客をどの程度入場させるかという点に的が絞られている。最多で1万人が観客の上限とする見方が政府与党の皮算用のようだ。専門家の間では、本音は無観客を望んでいるようだが、徐々に後退している。

 昨日時点で国内の感染者数は、78万余人、死者は14,297人となったが、この中に島根県の死者が初めて数えられ、全国47都道府県で感染者、死者が生れたことになる。その中でも最も死者の数が多いのは、1位大阪府2,563人、2位東京都2,183人、3位北海道1,327人である。1日も早くワクチン接種が全国民に行き渡るようになって欲しいものである。

 昨晩関西空港からミヤンマーへ向け帰国したミヤンマー・サッカー代表チームの内、ゴールキーパーのピエリアンアウン選手が、搭乗直前にチームから離れ日本政府に保護を求めて難民申請することになった。ミヤンマーは、先月28日に行われたワールドカップ第2次予選で日本と対戦して0-10の大差で敗れた。ピエリアンアウン選手はその試合で国歌演奏の際にひとり3本の指を立てて、国軍のクーデターに反対をアピールした。帰国すれば、国軍に逮捕されることが分り切っていたので、日本に残り難民申請することを選択した。帰国前にも2度もチームから脱出しようと試みたが、チームに止められ願いは叶わなかった。国軍に反対する在日ミヤンマー人難民や、同情的な日本人弁護士らの支援で今後正式な難民と認められるべく手続きを進める。問題は、日本の難民認定が極めて難しく、認められる確率も低いことだ。昨年度も僅か47人、申請者の約1%しか認められていない。

 しかし、ピエリアンアウン選手は今更母国へ帰ることは出来ず、現時点では日本で新しい人生を拓いていくより他に手段がない。ミヤンマーでは国家の代表スポーツ選手でも国情から、信念に忠実たらんとすれば自らの意思で道を切り開くより方法がない。国のため、同朋のため危険を冒してまでも自らの意思と主義を通したピエリアンアウン選手の勇気ある行動を称えたいと思う。

2021年6月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5148.2021年6月16日(水) 名画「市民ケーン」は期待外れだった。

 昔の映画「市民ケーン」をビデオで観た。高校時代から長い間観たいと思っていた映画だったが、昨日NHK放映で録画したので、やっと観ることが出来た。1941年に製作公開されたというから第2次大戦中のことである。映画史上でも傑作とされてからすでに80年が経った。しかし、ひとつのイメージを描いて楽しみにしていた映画のストーリーは、イメージとはまるで違っていた。新聞社を32社、通信社を2社も手中に収めた稀代の新聞王ハーストをモデルにしていたということから、ジャーナリストらしい正義感で社会の悪と戦う新聞記者魂に溢れた新聞社経営者を予想したり、ジャーナリズムの世界で、自由と民主主義を勝ち取るための戦いと勝手に想像していたが、新聞社を手に入れた経緯は描かれず、遊び人の生活を描いた通俗的なドラマだった。残念ながら期待に反したものだった。

 主人公のチャールズ・ケーンは、一代で新聞王となったが、その日常生活はハチャメチャで懐具合に任せてやりたい放題だった。はっきり言って大金を手にしたから生きていけた。ヨーロッパで彫刻品を買い漁り、私生活も普通ではなかった。城と名付けられた豪華な住居は、まるでディズニーランドのようだった。こんな人物を描いた映画がどうして持て囃されたのか理解に苦しむほどである。スクリーンでは新聞王としての活躍ぶりもほとんど紹介されず、高校時代から観たいと思っていたが、単に映画評論や宣伝広告に惑わされていただけだったのである。それにしても現代人の視点から見ても大した映画とは思えない。シネマのレジェンドであるオーソン・ウェルズが監督を務めたにしては、面白くもない。大分期待外れだった。

 さて、先月イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザ地区のイスラム原理主義組織ハマスに対して空爆を行い、11日後に何とか停戦となり世界がホッとしたところだった。それが舌の先も乾かぬ間に、再びイスラエル空軍がハマスの施設を砲撃した。イスラエル南部でパレスチナ武装勢力が可燃物を取り付けた「風船爆弾」を飛ばしたことに対して、ガザ地区への空爆を開始した。一昨日イスラエルではネタニヤフ前首相が退陣したばかりであるが、後継者ベネット首相が前首相より以上に極右派であり、一旦事あらば再びこのような事態が起こるのは容易に予想されていた。

 実は、昨15日は、1967年第3次中東戦争でイスラエルが、ヨルダン領だった東エルサレムを占領して、エルサレムが「再統一」された日として熱血的なイスラエル国民が行進を行っていた。9年前に訪れた「嘆きの壁」内で気勢を上げている彼らの姿が「YouTube」で妙に目に付いた。デモの始まる前に国連とアメリカは自制を呼びかけていたが、右翼のベネット首相率いるイスラエル新政権はこれを承認した。この様子だと、これからも対立するイスラエルとパレスチナ自治区の間では、衝突が避けられそうもない。

2021年6月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5147.2021年6月15日(火) 中国、ハンガリーに学問の「一帯一路」

 先日ハンガリーの首都ブダペスト市内に中国の「復旦ハンガリー大学」キャンパスを建設する計画に対し、市民が反対のデモを行っているのをテレビで観て、中国流「一帯一路」がここまで進出してきたのかと驚いたところだった。中国政府の「思想輸出」と呼ばれている。中国政府は、教育の世界進出を目指していて国内の北京大学、清華大学、復旦大学など42名門大学の世界進出を計画している。習近平・国家主席の「思想」の普及を目論んでいるようだが、アメリカ政府は高等教育機関を通じて、知的自由を圧迫し、自国の影響力を強めようとしていると警戒している。実際中国の大学には、嫌いな科目だから、或いは自分の思想信条に反するから受講しないといった選択の自由はない。

 すでにセルビアには上海交通大学が進出していて、ベオグラード、ノビサド、ニシュの3大学では、セルビアの大学生が中国の世界観を学び、それなりの学習効果が表れているという。ひとつの問題として、中国の大学進出には、カリキュラム上「軍民融合」の旗印の下に教育研究機関と人民解放軍の協力が進められる懸念があることである。更に復旦ハンガリー大学建設総事業費18億㌦(約2千億円)の内、政府負担は2割で残りはすべて中国政府の融資である。工事も入札制を採用するが、中国側業者が請け負うことはほぼ確実と見られている。アジア各国でこれまで行ってきた「一帯一路」とまったく同じ手法である。

 ハンガリー国内には、2024年までにハンガリー復旦大学を開設するとの戦略協定を中国政府と結んだオルバン首相に対する強い疑念と不満がある。ブダペストのカラチョニー市長は市民投票にかけて計画撤回を求めていくという。日本の大学にも食指を伸ばしている中国が狙う日本への大学進出は、日本にとっても他人事ではないと言える。と同時にこのように最高学府が世界へ進出する時代になったということでもある。

 さて、G7における菅首相の自信たっぷりの発言からすると、東京オリンピックの中止はなく、開催は間違いないようだ。残る問題は最大入場観客数をどの程度に制限するかということになるようだ。来月にならないとその結論が出ないようだが、テレビ放映権を有しているNBCユニバーサルのオーナーが、東京オリンピックは最も収益が得られると語った。テレビ放映されれば、メディアにとっては視聴率が上がりスポンサーも喜ぶだろう。NBCはリオ大会で過去最高の約275億円の利益を上げたが、東京大会では過去最大の7千時間の放映を行うことによってそれを上回る期待が持てるという。視聴者にとっては、臨場感度が落ちるだろうが、観客がいようといまいとテレビは見放せない。これならスポンサーも増える。観客なしでも良いのではないか。偶々来月4日に東京都議会議員選挙が行われ、小池都知事が顧問を務める「都民ファーストの会」が、選挙公約を発表し、皮肉にもどちらとも言わない小池知事を蔑ろにするかのように無観客での開催を訴えた。

2021年6月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5146.2021年6月14日(月) G7サミット閉幕とイスラエル首相退陣

 この数日蒸し暑く雨模様の日が多いが、今日関東甲信越地方は平年より7日も遅くなって漸く梅雨入りとなった。すでに東海地方は1か月も前に梅雨入りしている。今日も小雨が降ったり止んだりして、これから梅雨明けまでは鬱陶しい天候にイライラさせられそうだ。

 さて、3日間に亘って開催されていた主要7カ国首脳会議(G7サミット)は、昨日閉会となった。閉会に際して次のような首脳宣言が採択された。◇中低所得国に質の高いインフラの支援、◇新型コロナワクチンを来年にかけて世界に10億回分提供、◇新彊ウィグル自治区や香港を明記し、人権や基本的自由を尊重するよう中国に呼びかける、◇台湾海峡の平和と安定の重要性を強調し、両岸問題の平和的解決促す、◇安全・安心な東京オリンピック・パラリンピックの開催を支持、などが宣言の骨子である。宣言だけ見てもいかに「民主主義国家」の結束を促し、中国を意識し、中国を批判し、反省を要求しているかが読み取れる。恐らく中国は相も変わらず自己主張を繰り返し、新疆ウィグル、香港、南シナ海洋上進出問題でG7の要求を受け入れることはないだろう。

  ついては、日本時間の今朝中東のイスラエルで連立政権が誕生し、歴代最長の連続12年、あしかけ15年も政権を握ってきたイスラエルのトランプと言われた右派「リクード」のネタニヤフ首相の退陣が確定し、後任として極右政党「ヤミナ」党首のベネット元国防相が新首相に選出された。しかし、2年後には、第2党「イェシュアテイド」党首のラピド元財務相と交代する。アラブ系政党が連立に参加するのもイスラエル建国以来初めてである。先日パレスチナと砲撃合戦をやったばかりで、不安定な社会状態である。地勢的に不安定なイスラエルで今後野党8党による連立新政権は難しい舵取りを迫られる。実際国会(定数120人)で行われた新政権の信任投票では、賛成が60人、反対が59人で棄権した1票が、使命を制する結果になった。政権内ではパレスチナ問題を巡って立場が大きく異なり、今後の国会運営は一筋縄では行きそうもない。

 そのイスラエルと対立するアラブ国のイランでも来る18日、4年に1度の大統領選が行われる。8月には、欧米との対話を開いた保守穏健派のロウハニ大統領が退任する。今回の大統領選に名乗り出た590人の内最終的に穏健派や改革派が資格審査で排除され、全員保守派の7候補者に絞られた。これら7人はいずれも保守強硬派が支配する「護憲評議会」によって選出された。イスラエル新政権では一層保守化傾向が強まり、対立するイランでも極右派が政権固めをするなどアラブでは、益々不穏な空気が強まってきそうだ。イランは日本にとっても主たる石油輸入国のひとつであり、あまり騒ぎが大きくならないことを望んでいる。

 作曲家で俳優の小林亜星さんが先月心不全で亡くなっていたことが分った。都はるみのレコード大賞曲「北の宿から」や、日立のCMソング、イラスト曲「ガッチャマン」を作曲したことでよく知られていた。慶應経済学部の先輩だったとは知らなかった。享年88歳だった。   合掌

2021年6月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5145.2021年6月13日(日) 「専制主義国家」中国に対抗するG7

 11日からイギリスの南西部コーンウォ-ルで開催されている主要7カ国首脳会議(G7サミット)で、各国が世界の中低所得国に対して、数千億㌦(数十兆円)規模のインフラ投資を進める取り組みに合意した。また、新型コロナウィルス対策でも10億回分のワクチンを世界に提供することを合意した。今回のG7では、アメリカ主導の下に中国への対抗意識から新たな施策をいくつか提案している。バイデン大統領が中国やロシアに対して「専制主義国家」と位置づけ、民主主義国家の連帯を強固にすることを目指している。その大きな節目となったのが、中国が「一帯一路」構想を進め、資金は中国マネーを注ぎ込み、中国人労働者を派遣して途上国のインフラ事業を次々と行い、事業が実現しなかったり、中国への債務を返済できなくなったケースでは、その事業を長期に亘って中国が管理するような事態が頻繁に見られる。これをG7サイドとしては、労働や地球環境への配慮、透明性の確保、民間資本の結集などを通して民主的な価値に基づいて投資を検討する。

 中国政府の民主化抑圧や新疆ウィグル族弾圧などの人権蹂躙に対して、西側諸国は厳しく非難している。昨年来中国は、香港の国家安全維持法の施行により、約束の「1国2制度」を一方的に破棄して香港で自由と民主化を抑圧している。奇しくも香港民主活動家だった24歳の女性・周庭さんが、未許可デモを組織していた罪で禁固10か月の実刑判決を受けていたが、昨日釈放され出迎えの車に乗り込む間に支援者らが激励の声をかけた。しかし、彼女はまったく無言だった。収監前にはあれほど中国当局を批判していたが、昨日は声なしだった。よほどお灸をすえられ、脅され再び拘束されるのを恐れているのだろうか、一言も言葉を発しなかった。それほど仕返しを恐れているのだろう。

 先日のベラルーシの反政府ジャーナリスト・プロタセビッチ氏がテレビで反政府デモを止めるとか、ルカシェンコ大統領を尊敬しているとの政府寄りの発言が、転向かと西側の人びとを驚かせたが、やはりリンチを受けたり、脅されれば、自己否定になるのだろうか。それでも周庭さんの場合は、「転向」ではなく、河上肇流に言えば、「没落宣言」ではないかと思っている。

 G7 に初めて出席した菅首相は、しきりにオリンピック開催への理解と支持を訴え、各国が強力な選手団を派遣するようアピールした。まだまだコロナ対策問題や、気候変動問題など重要課題が議論されると思うが、階級闘争、共産党1党独裁、更に今以て改革開放から脱皮できない中国が難渋するような議題をもっと話し合ってもらいたい。

 さて、今日は久しぶりに嬉しくホッとしたような気分になった。第70回全国大学野球選手権大会決勝戦で母校慶應が、福井工大を13-2で破り34年ぶり、第1回大会以来4度目の優勝を飾ったからである。決勝戦の13点は史上最多得点である。昭和34年に兄が東北地区代表として東北大学の2塁手として出場し、1回戦で翌年阪神に入団した関西大学中井投手に抑えられ、3-0で敗れた試合を神宮で観戦したが、もう62年も昔のことである。しかし、今日はテレビ中継で観戦しても入場観客を制限し、応援団はおらず、華々しいエールの交換もせず、試合中は今ひとつ盛り上がらなかった。通常ならゲームセットと同時に歌う母校塾歌も勝っていながら歌えず、寂しい決勝戦のグランド風景だった。これもコロナ禍では止むを得ないか。まぁ優勝したので、佳しとしよう。

2021年6月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5144.2021年6月12日(土) ノーベル賞受賞者・根岸英一博士永眠

 今朝ショッキングな知らせをテレビで知った。2010年ノーベル化学賞受賞者で文化勲章受章者でもある根岸英一博士が、アメリカ・インディアナ州のご自宅で亡くなられたのだ。根岸博士は湘南高校の4年先輩で、ノーベル賞受賞の年に虎ノ門アークヒルズで開催された母校東京有志会で初めてお会いした時に、僭越だが若いうちに積極的に海外へ行くべきだとの考えが不思議に一致した。奥様のお名前「すみれ」が次男の嫁と同じだったので、その点でも妙に気持ちが通じた。翌年お会いした時に英語署名入りのご著書「夢を持ち続けよう!」をいただいた。同書の冒頭の見出しが「若者よ海外へ出よ!」である。普段はアメリカに居住されておられる博士と4度もお会いできたのはラッキーだった。不運にも3年前車の運転中に側溝に落ち、それが原因で同乗していた愛する奥様を亡くされ大分落ち込んでおられたと伺っていた。

 有名になられても母校との縁と絆を心掛けられ、母校にも再三訪れ、母校のアメリカ研修生がアメリカを訪れる度に彼らをご自宅に招いてもてなし学校、教職員、在校生からも随分感謝されていた。父上が満鉄に勤務されていた関係から、旧新京(現長春)で生まれ戦後朝鮮京城から引き揚げた時、大和市内の小学校へ1年飛び級で転入したために、他の同級生より1歳年少だった。そのため高校入学時にも1年早いことが問題となりひと悶着あったようだ。それでも卒業時には現役で東大理1へ入学されたのは、並みの学力ではない。高校では合唱部に所属し、歌を唄うことがお好きだった。特に布施明の「シクラメンのかほり」が好きで、頼まれるといつもこの歌を唄ったようだが、2011年3月11日に横浜のホテルで唄っていたまさにその時、大きく揺れ東日本大震災が発生したので、もう歌いませんと冗談交じりに仰っていた。実際に見事な歌いっぷりを楽しませてもらった。とにかく偉ぶらず、円満なご性格で周囲に溶け込む学者らしからぬ堅苦しさのない先生だった。今年は母校創立百周年記念という祝うべき年であるが、新型コロナ・ウィルス禍のため大掛かりな祝典は行われない。お元気なら博士は進んで式典に参加されただろう。朝日夕刊に依れば、アメリカで葬儀は行わず、来年日本で埋葬される予定だという。

 尊敬すべき先輩の旅立ちを哀悼の気持ちとともに遠くよりお見送りしご冥福をお祈りしたいと思う。

 さて、月1度の糖尿病の健診にクリニックへ出かけたが、ステロイドのプレドニン錠を増量服用しているので、ヘモグロビン(HbA1c)の数値が些か気になっていた。幸い案ずるより生むが易しで、ヘモグロビンの数値は先月と同じで上がらずホッとした。医師の話ではこのまま飲み続ければ、来月は上っているかもしれないと話されたが、取り敢えず膝の痛みはほとんど消えたし、気持ちは落ち着いてきた。

2021年6月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5143.2021年6月11日(金) 京都市財政が10年以内に破綻?

 5日付毎日新聞に、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長をモチーフにした風刺画「はらぺこIOC」が掲載され、ちょっとした物議を醸している。題材は先月他界したエリック・カール氏の絵本「はらぺこあおむし」で、あおむしとなったバッハ会長らが「放映権」と書かれた「ゴリン(五輪)の実」を食べている様子を描いたものである。これに対して絵本発行元の偕成社社長が「表現の自由や風刺の重要性は理解しているが、多くの子どもたちから愛されている絵本出版元として強い違和感を覚えた」とサイトに掲載した。我が家でもこの絵本は小学生の孫のために手元に1冊置いてあるが、話もシンプルながら絵の構成も中々工夫が凝らされている。食べ物を食する度に頁をめくった翌日には食べた量が増えた様子が示され、最後にはサナギになり蝶々になって飛んでいく絵がユニークだ。その繊細な構成は、日本の出版社だから出来たと言われた。幼い子どもたちが興味を持ち、楽しめる絵本だろう。

 偕成社は、「風刺を引用する作品全体の意味を理解したうえでこそ力を持つ」「不勉強、センスの無さを露呈した」などとして、作者と編集者を批判し、毎日新聞に猛省を求めた。これに対して、毎日は一昨日「掲載した風刺漫画は肥大化するIOCに対する皮肉を表現した。指摘を真摯に受け止めたい」と応えた。

 それにしても昨今の何ものをも畏れぬIOCのやや傲慢ぶりには、こんな風刺画が出て来るのも宜なるかなと思わせられる。昨日のIOCリモート理事会では、バッハ会長が、東京大会は(開催国の準備に関係なく?)このまま開催する意向であることを強く主張していた。もうひとつ政府が頭を悩ませているのは、オリンピック憲章で開会式の開会宣言は開催国の国家元首が読み上げると規定されていることである。1964年東京大会、72年冬季札幌大会では昭和天皇、98年冬季長野大会では平成天皇が開会を宣言している。今度の大会で新型コロナウィルスの影響下で国論を二分した状態のオリンピック開催を天皇が支持しているとの印象を与えかねないのではないかと懸念し、どう対応すべきか検討することにしている。

 さて、衝撃的なニュースを知った。世界遺産都市である国際観光都市・京都市の財政状態が厳しく、7日門川大作市長が語ったところに依れば、このままの状態で推移するなら10年以内に市財政が破綻しかねないというものである。将来の借金返済のために積み立てている基金を取り崩す「禁じ手」を長年に亘って続けていて、このままでは数年後に底をつき、財政破綻する恐れがあるという。

 それにしても京都ほどの雅な都市が破滅に陥るというのは、想定外のことであり多くの日本人が失望するだろう。最大の理由は、京都には学生と神社仏閣が多く税収が少なく、固定資産税が少ないにも拘わらず、市民に対して手厚い行政サービスを提供していることだという。もうひとつは、地下鉄建設に巨額を投資したが、利用客が伸びず経営維持のために一般会計から補填していることのようだ。外からは分からず、苦しい懐事情を抱えていたのには驚いたが、その前にどうして今まで天下の京都市は、財政再建策、或いは軌道修正策を講じなかったのだろうか。現在4期目の門川市長もいろいろ文化的なプロジェクトには、和服を召されて積極的に参画しているので目立ちがちだが、もう少し堅実に足元を見据えることが大事だと知るべきである。案の定お節介な松井一郎・大阪市長から身を切る改革が必要だとの苦言を呈されている。市長は市長なりに4月から給与を3割カットしているようだ。

 中学生時代を京都市内で過ごして友人もいるので、他の観光都市とは比べられないくらい京都市のこれからの行方が気にかかる。

2021年6月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5142.2021年6月10日(木) 新聞社、赤字なら値上げか、減資

 今朝かかりつけの森内科へ定期診察のため出かけた。先日国立東京医療センターで精密検査した診断書には手書きで「RS3PE症候群」と書かれていた。それまで聞いたこともなかったので、さほど真剣に考えてもいなかったが、今日森医師が両手指痺れの原因はこれですと言われた。元々十数年前にリューマチ性多発筋痛症と診断されたが、これに似ているという。この専門語が理解しにくいので、ネットで調べたところ長い英語を翻訳した日本語では、「自然に良くなる傾向のある、圧痕を伴う浮腫が見られる血清反応陰性の対称性滑膜炎」という症状名だそうで、英語の頭文字を羅列したものだ。症状として浮腫みや手指の関節症などがある。治療にステロイドが効果的であるとも示され、実際ステロイド錠を増やしたところその効果が表れている。

 さて、旧ソ連のベラルーシの独裁者ルカシェンコ大統領が大統領の座に就いてから27年になる。湖畔の別荘はまるでパレスであるが、その宮殿は収賄で建てられたともっぱらの噂である。その彼が、旅客機を強制着陸させ反政権派のジャーナリスト、プロタセビッチ氏を身柄拘束したことに対して、汚職や人権侵害の罪でアメリカをはじめ国際社会から強い非難を浴びていた。

 ところが、ちょうど1週間前国営テレビにそのプロタセビッチ氏が姿を見せ、1時間半に亘って会見をして、本当だろうかと驚くような言葉を述べたのである。彼はこのようなことを語った。「2度と政治に関わりたくない。すべてを解決して穏やかな生活を送り、家族や子どもを持ち、何かから逃げるのをやめたい」「社会秩序を乱す行為を組織した罪を認める」「裏切りものと呼んでも不思議ではないが、まったく気にしない」「ルカシェンコ大統領を尊敬している」と述べたのである。反権力闘争を行っているリーダーがこれほど寝返ったような軟弱な言葉を聞いたことがない。本心なら昨年半世紀ぶりに世間へ顔を見せた高校ラグビー部先輩の清水丈夫・核共同議長の爪の垢でも煎じて飲ませてやりたい。テレビを見た父親は、政権側によって強要されたもので、「この言葉は息子への虐待と拷問の結果として強要されたもので、誰も息子の言葉をそのまま信じるべきではない」と、息子の手に残る拷問の傷を指摘していた。

 今日加藤官房長官は、当面ベラルーシ航空会社の日本への乗り入れを認めない方針を明らかにした。一昨日ミヤンマーに対して制裁決議案を可決し国際的に評価される行動に続いて、政府としては国際社会の要望に沿った意思表示を示している。菅政権にしては珍しい前向きな動きである。

 ところで、今朝の朝日一面に新聞購読料金の値上げ公告が掲示された。朝日が新型コロナウィルスの影響を受けたことと、広告収入が減ったことから2020年度決算が大幅な赤字に陥ったことを他のメディアを通して知っていた。同じ大赤字に陥り、恥じることもなく資本金を中小企業並みに1億円以下に減資した毎日新聞も値上げすることを決めたようだ。やっぱりそう来るかと思っていた矢先だったが、メディアの赤字穴埋め策はいつも通り安易な値上げである。自らの側からの一方的なわがままな要求なのだ。読者の声を聞かずに我が道を往くのである。こういう巷の意見を聞かずに出発進行することに目くじらを立て反対を叫びたいのが通常メディアであるが、流石に自らの非は責めようとしない。こうして来月から新聞代が値上げされることになる。

 メディアは他の意見は独断で採否を決めたり、廃棄していながら、自らの考えを主張することには断じて怯まない。そこには世間の当たり前の常識は入り込まない。

 先日もNHKがイスラエルの首都テルアビブを、商都テルアビブと伝えていた。これについて早速NHKに正しく首都と紹介すべきで、エルサレムを首都と認めたアメリカに忖度しているのではないかと質問状を送ったところ、承りましたとの返事だけで、NHKはどう考えているのか、今以て回答がない。この一件を取ってみても自己主張はするが、他人の意見は例え筋が通っていても認めたがらないメディアらしい本音が見える気がする。

2021年6月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5141.2021年6月9日(水) いつまでに決断するのか東京五輪開催

 東京オリンピック開催まであと44日まで迫ってきた。主催者側は開催の線を曲げないが、外からは中止の声が日に日に高まり、今も開催か、中止かの最終結論は出ていない。そんな時に大会関係者の間では「有観客開催」の主張が勢いを増しているという。医療関係者が開催に消極的な声を上げると、「安全安心な大会を開く」という抽象的な言い方で、ひたすら開催へ向けて突き進む。医療専門家と政府関係者との間で噛み合わない言葉のやり取りがある。政府が開催に固執するのは、在任中めぼしい実績が期待出来ない菅内閣としては、新型コロナ・ウイルス感染拡大の中で成功裏に開催して、コロナを乗り切ったということを訴えたいのだ。

 最終的にどこが開催か、中止かの決断を下すのかどうもはっきりしない。主催者国際オリンピック委員会(IOC)としては、開催によりテレビなどの放映権料などで多額な収入が得られる。アメリカのABCは、東京まで過去4回のオリンピックの放映権料として43億8千万㌦(約4千5百億円)を支払う契約を結んでいるという。実際に、どのくらいの放映時間を提供するのかと思ったら、開会式に放映を始めて約7千時間と感覚的には分かり難い。どうもピンとは来ないが、17日間に亘ってゴールデンタイムを含めて放送しっぱなしにする。この放映権料がなくなったらIOCとしても財政的に苦しくなるだろうし、テレビ番組にも大きな穴が空くだろう。現在ワクチン接種が進んでいる状態をも考えると、中止はほとんど考えられない。今は観客をある程度認めたうえで開催すると言う方に気持ちが傾いているようだ。

 橋本聖子大会組織委員会会長は、海外メディアに対しても注文を付けた。入国後2週間は事前に登録されたところ以外に外出することがないようスマホのGPS機能で行動管理を厳格に行い、宿泊先も組織委員会が監督出来る施設に限定するという。果たして自由な行動に走りがちの外国メディアが、素直に従うだろうか。

 折しも明後日からイギリスのコーンウォールで開催される先進国7カ国首脳会議(G7)で、東京オリンピック・パラリンピック開催への支持を表明する方向で調整しているようだ。開催への強い後押しとなるだろうか。

 さて、コロナの影響は経済界に大きな影響を与えているが、とりわけ交通、観光、飲食業界にとって打撃は厳しい。ローカル鉄道においてあまり気にされていなかった輸送密度の減少率が高まったとして、JR在来線では旅客の減少が経営面で打撃を与えている。これまでローカル線では廃止は一部に留まっていた。それは、大都市圏や新幹線の運賃収入をローカル線の赤字を穴埋めしていたからである。しかし、国内の総人口の減少や、コロナ禍のテレワーク定着などで乗客が元に戻らなくなったこともあり、鉄道事業が苦しくなりローカル線を維持出来るボーダーラインが上ったことがある。実際大糸線では輸送密度がほぼ90%も低下した。岩手県山田線、陸羽西線、津軽線、花輪線などでも80%前後下がった。今後は、自治体などが、設備や土地を保有し、鉄道会社が列車と運行する「上下分離方式」が検討されるべきではないかとの提言がなされている。

2021年6月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com