5160.2021年6月28日(月) 中国から理性と民主主義は消滅した。

 去る24日、香港で26年間発行されていた「リンゴ日報」紙が廃刊となった。創刊以来中国政府に対して批判的な論調を展開していた同紙に対する中国政府の強硬な締め付けの結果である。ここにまた香港の自由と民主主義が死んだ。イギリスとの香港返還時の約束である「1国2制度」を一方的に破棄し、香港人の自由と言論をはじめ、手当たり次第に民主主義を奪い取っている中国の暴力である。国家間の約束を破るのが中国流なら、市井のあらゆる事象を全て中国流に変えさせるというのも習近平・国家主席の目指すところだろう。「1国2制度」が施行されて折り返し点に到達する前に中国的「1国1制度」に変えてしまうのは、その時が来るまで待てないという68歳になったばかりの習近平の焦りからだろう。

 昨年6月香港国家安全維持法の施行に伴って、中国に反対する言動はすべて反中国的と見做され罰せられることになった。それを具体的に香港で監視するために、いつの間にか中国は香港政府の上部機関として高層ビル1棟内に丸ごと国家安全維持公署を設置し、直接香港警察を管理下に置いた。現在の香港行政府ではこの香港を中国の思うように管理出来ないと見切りをつけたものだ。国家安全維持公署トップの実質的な影響力は、林鄭月娥・香港行政長官を上回る。300余名の職員は、本土の公安省とスパイを摘発する国家安全省から派遣され、香港のホテルを借り上げて宿泊している。彼らは身分証明書を所持しているが、国家安全維持法の下で業務に携わっている間は香港当局から調べられるようなことはなく、事実上の治外法権を与えられている。

 今年度の香港政府の予算案に国歌安全維持の名目で約1,130億円の予算が計上されたが、これは国家安全維持公署職員の給与に充てられるのではないかと見られている。今や香港は完全に中国の思うままに押さえつけられ、グーの音も出ない状態である。

 中国の民主化抑圧と人権侵害は、新疆ウィグル族やチベット族など少数民族に対する仕打ちでも、かねてより欧米をはじめ国際社会から厳しく非難されている。加えて南シナ海への海上進出など力ずくの覇権国家ぶり周辺諸国の不安と懐疑を生ませる一方で、中国は増長するばかりである。それを中国は利己主義的に自らを正当化し、他者を排除する。そのベースとなったのは、中国共産党1党独裁支配による唯我独尊的なパフォーマンスのせいである。最も非民主的な点は、世界最多の人口を抱えながら、国民に自由選挙権を与えず、彼らに自由と言論の権利である選挙による個人の意思表示を認めないことである。すべての善悪を共産党が決定する。こんな非民主主義的にして、非現代的なことをいつまでやっているのだろうか。良識ある中国人がその不条理に異を唱えないのが不思議でならない。

 しかし、これほど世界中の民主派や良識ある人々を敵に回してまで、中国が香港で暴力的行動を唐突に起こしたのには2つの理由がある。ひとつは、7月1日に中国共産党が結党百年を迎える祝典の前に香港を完全に中国化・「1国1制度」化しておきたかったからである。2つ目は、習近平主席が中国全土を政治的に、歴史的、文化的に統一したことを世界に宣伝したかったからである。だが、外部の意見を一切聞き入れず、独善的な政治がそういつまでも続くことはとても考えられない。かつてのドイツ・ヒットラーや、ソ連のスターリン絶対君主制はあっという間に崩壊した。習近平の隙がなく一見綻びが見えない絶対体制でも、いずれ内外からの力によって突然瓦解することははっきりしている。これを習近平一派はどう考えているのか知りたいものである。

2021年6月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5159.2021年6月27日(日) 立花隆氏はシベリア抑留をどう受け止めたか。

 昨夜遅くスコットランドのエジンバラで行われたラグビー日本代表チームと、北半球最強チームと言われる「ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ」の試合は、日本が前半善戦しながらも3つのトライとゴールを決められ、0-21になったところで床に臥すことにした。今朝気になりながらニュースで結果を見るとスコアは10-28だった。後半は意外にも10-7で日本が圧倒したのだ。改めて録画で後半を観戦してみた。スコア通り日本が押していた。一昨年のワールド・カップ(WC)で8位になり、その強さを世界へ強くアピールしていた日本は、そのWCでもアイルランドに勝った。確かに日本チームは近年力をつけ、このところ試合内容でも中々良くなっていた。昨晩の試合でもうまくすれば勝てていたかも知れない内容だった。来週アイルランドとまた一戦交えるようなので、試合の関心と興味は募るばかりである。今後の日本代表チームの飛躍と活躍を期待したいと思う。

 ついては、午後NHKで過日亡くなられた評論家・立花隆氏を追悼するドキュメント・NHKスペシャル「シベリア鎮魂歌」が放映された。戦後シベリアに抑留されていた画家・香月泰男がシベリアを描いた絵画を想い浮かべながら、亡き画家を偲んで雪の中をシベリア抑留の名残りを辿るドキュメントである。戦後60万人の日本人がソ連に抑留され、多くの人びとが命を落とした。その彼らの生と死の意味を現地で考えるレポートである。立花氏は、香月の画は厳しいシベリアの自然の中で、収容者らが寒さと重労働、そして空腹に苦しみながらいかに生き延びたのか、また命を落としたのかを訴えており、戦後の日本人は戦争による戦没者の犠牲の下に日本が復興したことを意識せず、戦争の意味を考えない人が多いことを憂いていた。

 1991年晩秋にシベリアとサハリンを旅した。大分寒さも厳しくなった時節で、雪が降ることもあった。その10年後に今度は雪の中をシベリア鉄道で大陸を横断した。2度のシベリア旅行でシベリアの厳しい寒さと市民生活を身体で実感した。最初に訪れた時は、旧厚生省の要望もあり戦没者遺骨の調査を兼ねていたので、日本人戦没者に関連する施設や墓地、埋葬地などを各地で見て回った。立花氏が訪問した土地も訪ねた。テレビでは森林地帯で立花氏が戦没者と香月氏に思いを馳せ、彼らの気持ちを考えながら涙ながらにトツトツと語った姿が印象的だった。シベリアの豪雪がどれほど厳しいものであるかは、現地を訪れてみないと分らないものだ。この豪雪の中で重労働にこき使われ、ろくに休憩もなく粗食で朝から晩まで働かされ続けたシベリア抑留者の胸の内を思うと、立花氏の涙も頷ける。この映像は最近立花氏が亡くなったのを機会に氏を回顧して再放送されたドキュメントだったが、私自身長年戦没者の遺骨収集に関わって来ただけに、同じように胸が痛む。時がいくら経過しようとも、我々が現在生かされ、平和に生活していられるのは、戦争で尊い一命を落された戦没者とご遺族のお蔭であることを決して忘れてはならないと思う。

2021年6月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5158.2021年6月26日(土) また出た!麻生副総理の意地悪な失言

 新型コロナウィルスの感染が一向に収束する気配がない。東京都内ではこのところ先週を上回る新規感染者が発症してリバウンド現象ではないかと医療従事者ばかりでなく、遍く国民が懸念している。連日記者会見の場でコロナ問題に応対していた小池都知事も過労で止む無く静養することになった。

 昨日都議会議員選挙が告示されたが、都議会最大会派の「都民ファーストの会」特別顧問である小池知事に対して、「失言王」の異名をとる麻生太郎副総理が知事を皮肉り、「自分でまいた種でしょう」と語り、流石に厳しい非難の声が浴びせられている。とりわけ蓮舫・立憲民主党代表代行が、「政治家以前に人としてどうなんでしょう。あり得ない」と批判した。麻生氏はこれまでにもしばしば軽口や失言で非難を浴びていたが、常識を知らないことでも批判されていた。それでも一向に懲りる様子もなく言いたい放題である。困ったことは周囲に麻生氏の軽口を制止したり、常識的アドバイスをする人物がいないことである。本来の財務相という立場に立って真面な発言をすることはまったくなく、業務とは無関係な話題をねじって発言するだけの人である。

 一昨日逝去を報じられた同じ歳の「知の巨人」立花隆氏とは何から何まで違うものだ。現在80歳という年齢から考えると国会議員の激職には耐えられそうもない。こういう節操のない人物を重要なポストに置いていること自体むしろ問題だと思う。菅首相の任命権者としての責任も問われるべきである。本人にしてもあまりにもドジを踏む性格と年齢を考えて身を退いたらどうかと思う。

 4年前の都議会選に「都民ファーストの会」が小池知事の下で大躍進したが、今回は同会と知事の間に隙間風が吹いているようで、いずれからも相手を頼るような声が上がって来ない。そのうえ前回は支援してもらった公明党が今回は党独自の選挙対策で臨んできた。これにより「都民ファーストの会」は一層苦しくなっていた。そこへ助け舟を出したのが、麻生失言である。

 さて、趣はまったく異なるが、同じように発言で今話題となっているのが、24日西村泰彦・宮内庁長官がオリンピック開催に関して感染状況を語ったコメントである。長官は、「陛下は現下の新型コロナウィルス感染症の感染状況を大変心配されている。国民に不安がある中で、開催が感染拡大につながらないか、懸念していると拝察している」と述べた。これに対して、長官が天皇の気持ちを代弁したとか、長官が拝察しただけだとか、立場によってそれぞれ身勝手に発言しているが、失言王の麻生副首相は、「長官は気持ちを言われたのかも知れない。長官が陛下の言葉を代わりに伝えることは普通はない」と常識的なコメントは発したが、幸い失言はしなかった。政界では反対や一部同意はあるが、いずれも足の引っ張り合いばかりである。

2021年6月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5157.2021年6月25日(金) 母校・幕張小学校創立150周年と恩師の想い出

 ふとしたことから、千葉市立幕張小学校の榊原英記校長とメールのやり取りをすることになった。かつて幕張小は千葉市内にはなく、幕張町立小学校だった。その懐かしい母校・幕張小は、今年創立150周年を迎えた。1951年に卒業してから今年でちょうど70周年に当たる。偶然にも記念すべき周年行事がダブったように、母校湘南高校も今年創立百周年を迎えた。祝福すべき2つの母校の祝典が、タイミング悪く新型コロナウィルス禍の影響で中止、或いは延期を余儀なくさせられているのが何ともやるせない。

 1949年9月、5年生の時幕張小へ転入して間もなく、湯川秀樹博士が日本人として初めてノーベル賞を受賞し、大きな話題となった。その年は8月に古橋広之進選手が全米水泳選手権で次々と世界記録を打ちたてたり、10月にアメリカから3Aサンフランシスコ・シールズが来日して日本チームを圧倒したり、あまり目立つ事象がない時代だったが、遊び盛りの子どもたちにとっては楽しい時代だった。毎日学校から帰るとラジオに首っ引きだった。そして翌年6年生の時に朝鮮動乱が始まり、担任教師の湯浅和先生からしばしば戦争に至った経緯や戦況について話をしてもらった。5年生時の旅行は鎌倉、江の島で、修学旅行は箱根という案配でわが人生で何かと関係の深い土地を訪れることになった。幕張小では、5,6年生時に担任だった湯浅和先生には教室だけではなく、学校外でも多くのことを教えていただいた。あの時代は一般的にあまり遠出はしなかったが、それでも学校を出て近くの野原へ行っては俳句をたくさん作ったし、図画もいっぱい描いた。あの頃詠んだ俳句に、

        ‘コスモスが ゆれて見つかる かくれんぼ’

 というのがあるが、先生から随分褒めていただいたことが昨日のことのように思い出される。湯浅先生は校長室内に掲げてあった「温故知新」の言葉の意味を嚙んで含めるように教えてくれたが、今もこの言葉を大事にして時々使っている。相撲も一緒に取り組んでは組手や決め手を教えてくれた。「押し出し」と「寄り切り」の違いを知ったのも、その時湯浅先生がジェスチャーで手に取るように教えてもらったからである。先生は口だけで教えるのではなく、身の回りにある題材を使いながら全身で気持ちを込めて物事を丁寧に教えてくれた。情操教育をどの先生よりも心掛けておられたように思う。

 学生時代に歌舞伎を何度か一緒に鑑賞に行ったことがある。千葉市内のご自宅で営まれた葬儀に出席したが、還暦前の早過ぎる旅立ちからすでに三十数年が過ぎた。今も同級生が時折集まっては「和会」を開き先生を偲んでいるのは、皆が先生を慕い想い出しては懐かしく感じているからである。湯浅先生のように身体全部で教育してくれた懐かしい湯浅和先生は、小学校教育の模範であり鏡だと思っている。幕張小で湯浅先生に接したことは、今でも楽しく有意義な時間だったと思っている。

 その幕張小では、現在創立150周年の記念企画を検討しているとの話を伺ったが、そのひとつに記念誌の発行を考えているとのお話である。今日校長からその記念誌に卒業生のひとりとして幕張小の思い出について寄稿して欲しいと依頼されたので、喜んでお引き受けしたところである。幕張小の6年後輩で同級生の実弟であり、今年上梓した「八十冒険爺の言いたい放題」に推薦文を書いてもらった椎名誠氏も多分寄稿されるだろう。

2021年6月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5156.2021年6月24日(木) 「知の巨人」立花隆氏の死を惜しむ。

 昨日著名なジャーナリストの訃報が伝えられた。亡くなられたのは、「知の巨人」と呼ばれた立花隆氏である。死因は急性冠症候群だった。執筆家であると同時に幅広い読書家としても知られ、3万冊読んで百冊書いたと言われるほどだった。何と言っても立花隆の名を世に知らしめたのは、金脈問題を追及して田中角栄元首相を辞職に追い詰めた力作「田中角栄研究」であろう。ジャーナリストとして鋭い切れ味で切り込むペンには多くの読者から喝采を博した。私もそのひとりで、特に手元にある「同時代ノート」(講談社刊)は、各新聞、週刊誌などに掲載された批判的な時事エッセイ、評論などをまとめたものだが、それぞれに鋭敏な分析と視点が表れている。2007年に購入、通読した書だが、裏表紙に一言コメントとして「中々コクがあって面白い」と書いてある。舌鋒鋭く切れ込んだ政治評論は生々しく新鮮で、抜群に興味深かった。

 立花氏が森羅万象何ごとにも興味を抱くのは、向上心と好奇心、読書のおかげだろうと想像するが、何ごとに対しても身を賭してトライする前向き精神があるからだと思う。自身「山ほどの好奇心を抱えて、その好奇心に導かれるままに仕事をしてきた」と述べているほどひたすら信じる道を歩いて来た。東大仏文科を卒業し、文芸春秋社に2年余り勤務の後、東大哲学科に学士入学した後、ヨーロッパや中東を放浪して日本赤軍のテルアビブ空港銃乱射事件に遭遇し、そこで岡本公三に取材してジャーナリストとして出直したというから、奇遇にも恵まれたともいうべきであろう。新宿ゴールデン街でバーを始めるようなことまでして社会の底辺を覗いたこともあったという。

 同じ政治評論家の田原総一郎氏がその死を惜しんでいる。とかく取材先の政治家に忖度して厳しい記事を書こうとしないジャーナリストの中で、立花氏は思うところをズバズバと書いてその存在感を高めていた。出来れば、今話題になっている森友学園財務省決済文書改ざん問題で一連の事実関係と自決した元財務省職員の赤木ファイルについて、立花流の鋭いレポートを読んでみたかった。森友への国有地の大幅な値引き払い下げで、安倍前首相の関与と佐川元理財局長の虚偽答弁、その後佐川氏が交渉記録は廃棄したとの発言、文書改ざんなど、一向に当事者が真実を語らず、赤木ファイルには事実が記載されているにも拘わらず、彼らは認めようともしない。この不条理な事件は、管轄部署の麻生財務大臣、佐川元局長らが責任上処罰されて然るべきである。元気だったころの立花氏の鋭い追及ぶりを知りたかった。

 こういう気骨のあるジャーナリストは、今後もう現れないのではないかと彼の死を惜別する想いである。享年80歳だった。立花隆氏のご冥福を心よりお祈りしたい。   合掌

2021年6月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5155.2021年6月23日(水) 「言論弾圧」、中国が信用出来ない。

 昨日、香港当局は香港国家安全維持法に違反したとして、社会派新聞社「リンゴ日報」に強制捜索して幹部4名を検挙し、書類、備品などを押収し資金も凍結した。会社側は凍結解除を訴えたが、受け入れられず運営資金難から26日「リンゴ日報」紙は発行を停止することになった。廃刊である。明らかに民主化の締め付けであり、自由と言論の弾圧である。

 中国政府は、イギリスとの「香港1国2制度」の返還時の約束を一方的に破棄し、民主社会へ中国共産党が土足で入り込み、民主化と自由を弾圧している。これほど傲慢な中国の行動を果たしていつ、どうやってストップさせることが出来るのだろうか。

 最近中国から入って来るニュースは信用し難くとても信じられない。以前にも本ブログに取り上げたが、アメリカの名門医大ジョンズ・ホプキンズ大学が連日発表している新型コロナウィルスの世界の感染者数と死者数の内、中国の数字はもう何か月も変動がなく、世界中でそれらが毎日増え続ける中であまりにも異常である。世界のコロナ防止の観点、また世界の保健衛生上も悪影響を与えている。中国の提供する数字が信用出来ないとするなら、国際社会にとっても極めて大きな問題であり、中国はその事実に対して真摯に責任を感じるべきである。中国が何故正しい感染者数を公表しないのか、国内によほど気まずい問題でもあるのか、とても理解出来ない。しかし、今世界を惑わせているコロナの発生地は中国武漢であることは周知の事実であり、その点を考えれば、率先して正確な数値を提供する責任がある。

 ごく最近その中国の深圳空港でコロナ化の影響により、空港及び出店舗が一斉に閉鎖され、人っ子ひとり立ち入り出来ず消毒する騒ぎになった。この消毒騒ぎにも拘わらず、中国が発表する自国のコロナ感染者数には変動がない。

 その他にも中国の理解出来ない事象がいくつもある。最近注目されたのは、馬祖諸島周辺海域における砂の採取である。中国の砂の採取は、農村の都市化もありビル建設ラッシュとなったことが原因である。その影響で最近3年間の中国の砂の採取量は、アメリカの過去百年間の量とほぼ同じと言われている。それほど中国では建築でコンクリートに使用する砂利の分量が急速に増えたのだ。中国は以前には長江川底の砂を採取していたが、そのせいで台風や洪水によって川が氾濫するようになり堤防や橋脚を破壊してしまった。そこで川から採取するのを止めて海洋から採取するようになった。しかし、馬祖諸島は目の前の台湾との軋轢の場ともなる。加えて地球上から砂を減らすことは野鳥類の生存など自然環境保護の面で好ましくないとされている。中国はこのまま媽祖諸島海域で砂を採取し続けるのだろうか。

 来月23日に結党百周年を迎える中国共産党は、苦難の結党時代から発展した現在をアピールしようとしているようだが、これだけ世界中に迷惑をかけるようだとその将来も危ういのではないかと懸念している。

 他国の事情を一切配慮せず、自国の都合だけでゴーイング・マイウェイを貫く現在の中国政府の強引なパフォーマンスは、世界のあちこちで軋轢を生み顰蹙を買っている。

 さて、今日は沖縄「慰霊の日」でもある。戦後76年が経ち糸満市摩文仁の平和祈念公園で、沖縄全戦没者追悼式が行われたが、今年は新型コロナウィルスの影響により、例年8千人の参列者を30人程度に限定した。日本人にとっては忘れてはならない1日である。

 今日で東京オリンピック開催まであと30日に迫った。奇しくも今日6月23日は、「オリンピック・デー」である。1894年6月23日にIOCが創設されたことを記念して、1948年にIOCが決定した。6月はこれと言う特別な祝祭日、記念日はないが、よく目を凝らせば案外見過ごしそうな記念日があるものだ。

2021年6月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5154.2021年6月22日(火) 世界の正論が通らないミヤンマーへの対応

 現在表面的には目立ったトラブルが伝えられていないミヤンマーであるが、事態は国軍の思惑通りに進んでいるような気がして仕方がない。19日に国家顧問アウンサンスーチー氏が76歳の誕生日を迎えた。だが、通算4度も身柄を拘束された彼女は、現在軟禁状態に置かれている。しかも、本人も自分がどこに軟禁されているのか分からないというのだから尋常ではない。今やスーチー氏は、国内では個人崇拝から抵抗の精神的支柱になっている。それだけに国民がスーチー氏を精神的に頼りにするようなことは、国軍としては極力避けたいと考えている。

 ところが、去る18日に国連総会で拘束されたスーチー氏らの無条件解放を求める決議が賛成多数で採択された。残念なことに、東南アジア諸国連合(ASEAN)と中国、及びロシアが棄権に回ったことにより、決議案は限定的となった。昨日はEUが3度目の制裁を課した。これがどれほど国軍に対して効果的であるだろうか。国際社会の大多数の正論が一部の利己的な国の身勝手さによって否認されてしまったのである。そんな中でクーデターの首謀者であるミンアウンフライン国軍総司令官が、ロシアへ向かった。ロシアの支持を確認するためである。ロシアにも中国がミヤンマーとの協調関係が優位にあるのを見過ごしていられず、ミヤンマー社会に一歩足を踏み込みたいとの下心があった。

 それにしても良識的な国際社会の声はかき消され、徐々に国軍の狙い通り事態が推移しているように思えてならない。

 さて、昨日東京オリンピック開催について観客を最大1万人と決定したことに対して、その決定に至る経緯や、決定自体について五者会談の外部から疑問が呈されている。

 例えば、尾身茂・分科会会長が無観客こそ望ましいと提言したが、橋本聖子・大会組織委員会会長は尾身氏が中止と言わなかったことを評価するような検討違いの応え方をしていた。これに対して尾身氏は、すでにG7で菅首相が開催へ各国の支援をお願いしたのに、分科会として中止は言えないと回答した。また、観客の上限が1万人と決めておきながら開会式だけは1万人+大会関係者1万人に決めた理由や、開会式のみ飲酒を容認するのは関係者にサービスするためであるとか、大会スポンサーに忖度したからだとの批判的な雑音が収まらない。日ごろ口煩い二階俊博・自民党幹事長が五輪会場では禁酒も検討すべきとの発言も目立っている。どうも大会関係者の話し合いや、やり取りを見ていると話の内容の積み上げ方とか、進め方が拙いように思えて仕方がない。

 偶々昨日ブログで今年のサッカー南米選手権(コパ・アメリカ)開催中にコロナ陽性者が82名も判明して、その防止対策が疑問視されていたが、今夕また新たな陽性が発覚し、陽性者は実に140名になったという。アルゼンチンの選手らは、アルゼンチン国内に滞在しながら試合当日にブラジル国内の試合都市へチャーター機で往復しているというから、コパ・アメリカの試合会場周辺が、新規感染者を防げそうもないと見られている。今日もテレビでスポーツ評論家らがこのコパ・アメリカの例を取り上げ、何が起きるか分からない東京オリンピックの対応を気にしていたが、観客1万人以下に抑えたところで果たして東京大会は期待に応えてうまく機能出来るだろうか。

2021年6月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5153.2021年6月21日(月) 東京オリンピック観客は1万人まで

 とうとう今年も「夏至」を迎えることになった。いよいよ東京オリンピック開催まであと32日である。相変わらず収束傾向の見えない新型コロナウィルスに医療関係者から不安の目が注がれている。都市によっては外国チームの事前合宿を受け入れている。すでにオーストラリアのソフトボール・チームや、一昨日ウガンダ・チームがやって来たが、そのウガンダのひとりの選手が空港検査で陽性であることが判明し、隔離された。昨日はデンマークのボートチームが秋田県大潟村へ事前合宿のため来日した。当初期待していたほどではないが、それでもムードは徐々に盛り上がりつつある。

 感染状況に懸念が広がる中で人の流れが増えているのが、心配の種である。実は、世界のサッカー界で今コロナが話題となっている。現在50万人もの新型コロナウィルス死者を出したブラジルでは、恒例のサッカー南米選手権(コパ・アメリカ)が開催されているが、皮肉にも参加選手やスタッフの間でコロナ陽性と判定されるケースが相次いでいる。すでに18日までに感染者が82人に上っている。

 ブラジルは大統領以下政権にコロナ感染防止の認識が甘く、それが現在の惨状を招くことに繋がった。しかもコパ・アメリカは、当初コロンビアとアルゼンチンの共催により両国で開催の予定だったが、国内の政治情勢とコロナの感染状況を理由に両国が開催を辞退し、敢えてブラジルが引き受けて開催したものである。ブラジル当局にはコロナを抑え込めるとの成算でもあったのだろうか。ブラジル関係者は、無観客をはじめ、感染対策は万全だったと言っているが、現実にこれほど多くの陽性者が出るとは知らぬが仏だったのだろうか。

 ついては、今日菅首相が記者会見で、オリ・パラ期間中に緊急事態宣言なら無観客も辞さないと話したが、緊急事態宣言を発出するのは政府、つまり首相自身であり、無観客を決めるのも政府が主導権を握っているので、まるで整合性のない話である。当初から「安全・安心」を金科玉条のように話しているが、これとて具体的に基準を示して欲しいとの要望に対してもこの抽象的な言葉で応えているに過ぎない。

 そして、今日夕刻東京オリンピックとパラリンピックの関係者の、橋本組織委員会会長、丸川五輪相、小池都知事、バッハIOC会長、パーソンズIPC会長による五者会談がリモートにより開かれ、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が解除された後は、観客は収容人数の50%以内で上限を1万人とすることを正式に決定した。結局医療専門家のアドバイスは聞き入れられなかったということになる。果たしてオリンピックは、平穏に開催されるだろうか。もう次回オリンピックを日本で観ることは出来ないだろうから、ある程度賑やかに、国民が喜ぶ形で開催して欲しいと願ってはいるが、何百年に1度というコロナのような疫病神に取り付かれては仕方があるまい。すっきりしないことになった。実に寂しく残念なことである。

2021年6月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5152.2021年6月20日(日) 「父の日」、「難民の日」にワクチン接種

 9自治体に発出されていた新型コロナウィルス防止のための緊急事態宣言が、今日解除された。その代わりに東京都を含む7都道府県はまん延防止等重点措置を行う。街の人出が以前に比べて増えていることと、新規感染者が前週に比べて増えていることで医療専門家の間では下げ止まりではないか、またリバウンドがあるのではないかと懸念されている。医療専門家から東京オリンピックが開催されても極力無観客を提言されているが、政府は聞く耳を持たないようで、現状では上限1万人にして観客を会場へ入れるような風向きになってきた。明日IOCと上限について話し合うようだ。

 今日2度目のワクチン接種のために深沢区民センターへ行った。一般的に2度目の接種が熱を持つとか、痛みが残るとか言われている。用心のために先日かかりつけの内科で、発熱した際の薬をいただいて来た。だが、そんなに心配することはない。いつ接種が終わったのがあまりにも呆気なかったので、医師にもう終わったのですかと確かめたくらいである。腕が痛くなるわけでもなく、夜になっても発熱があるわけでもなく心配することはまったくなかった。昨日時点で65歳以上の接種率は、1回接種者が44.3%、2回接種者が12.4%となっている。総人口比だと1回接種者が17.3%、2回接種者が7%ということだから、まずまず早い方に入ると思う。

 さて、今日は、「父の日」であり、「難民の日」でもある。

 「父の日」は「母の日」に比べれば印象が薄い。漸く意識するようになったのは、最近の10年内である。国際的には、1989年にベルリンの壁が崩壊して東西ドイツが統一されたが、今日はベルリンが統一ドイツの首都と決定した日でもある。思い返すと初めてベルリンを訪れたのは、旧文部省教員海外派遣団にお供して欧米を1か月間回った1976年9月だった。まだ、東西対立の時代だった西ベルリンに滞在しながら東ドイツ兵の警戒厳重な国境地点「チャーリーポイント」を通過して東ベルリンへ入境したが、気を許せないほど緊張したことが強く頭に焼き付いている。それでも西ベルリンに2泊しながら観光地はもちろん、東西ドイツの同国ながら異なる社会体制を表面的に見学することが出来たことは、随分勉強になった。

 今日は、明治41(1908)年生まれの亡父の113歳の誕生日でもある。亡くなって今年は20年になる。実に早いものだと思う。昨年からお墓参りもしていない。ちょうど2年前に車も処分してしまったので、両親の眠る、また私の生前墓がある中野・宝仙寺は電車で行けるが、妻の実家の多磨墓地は行き難くなった。幸い次男が今年のお盆には車で一緒に行こうと誘ってくれているので、コロナ収束如何に拘らず、久しぶりにお墓参りをしたいと思っている。

 ところで、国連難民高等弁務官事務所の公表では、2019年末時点で世界の難民は、実に世界人口の1%に相当する7,950万人を数える。この1年間に900万人増え、10年間で倍増した。これは18年時点で665万人のシリア難民を流出させたことが大きい。これには国連も持て余している。日本でもつい最近ミヤンマーのサッカー選手が、帰国せず日本へ難民申請を行うというが、難民に対してあまり積極的ではない日本政府としては、困惑しているようだ。日本も少しずつ難民と向き合う環境になったようだ。一人ひとりが難民について考えるべき時に来ていると思う。

 

2021年6月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5151.2021年6月19日(土) イラン大統領に保守強硬派のライシ師

 昨日イランの大統領選が行われた。今回はかつてないほど保守強硬派が絶対有利と言われていたが、予想通り強硬派のライシ師が圧勝することがほぼ確定した。第1段階で候補者が保守強硬派の「護憲評議会」によって事前審査され、保守穏健派や改革派の有力者が失格し、革命体制派の候補者が当選するだろうと言われていた。このため国民の関心は薄く、投票率も国民にとって政治への無関心を呼び、1979年イスラム体制樹立以降最低となったようだ。

 イランは核保有国となり、国際的にも発言力は大きくなっている。8年間その職にあった穏健派ロウハニ現大統領がアメリカとも核合意を結び、対アメリカではトランプ大統領就任前まで関係が安定したため、比較的国際社会と協調し大きな核問題は俎上に上らなかった。ロウハニ大統領が8月に期限が切れ辞任すれば、イラン政界はほとんど保守強硬派ばかりとなる。今後アメリカとの対立が激化し、周辺国との間でも諍いを起こすのではないかと懸念されている。

 現在イランでは最高権力者のハメネイ師が、絶対的権力を掌握しているが、今後イランとの外交は西側諸国にとって頭痛の種となるだろう。

 ところで、今月6日に行われたペルー大統領選はイランとはまったく異なり、2人の候補者の熾烈な戦いとなった。お互いの得票が競い合い、不正を唱える声もあって今以て当選者が決まらない状態である。15日時点で急進左派政党候補のペドロ・カスティジョ氏が投票数の50.125%獲得に対して、対立候補者のフジモリ元大統領の長女ケイコ・フジモリ氏の得票率は49.875%である。その差0.25%の僅差である。双方から不正があったとの訴えがあり、最終的に次期大統領が決定するのはまだ時間がかかりそうである。日本や欧米のように選挙結果が直ちに正しく判明するということは今日のベルーではとても考えられないようだ。しかし、これでは政治に空白が出来て長い間機能しないということになる。幸い軍部が入り込むという恐れは今の時点ではあまり考えられない。だが、政治が機能しないとなると、何らかの理由をつけて軍が黙ってはいないのではないか。2月にもミヤンマーで軍事クーデターが起きたばかりである。選挙結果が決まらず、政治家が政治ごっこをやっている隙に軍事クーデターで軍が実権を掌握する心配がある。もう少し風通しの良い真っ当な選挙が出来ないものだろうか。

2021年6月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com