5170.2021年7月8日(木) 東京都に緊急事態宣言⇒五輪無観客

 昨日来山陰地方に襲来した線状降水帯が、同地方を過去にないほどの豪雨に晒している。線状降水帯は東日本にも雨をもたらし、すでに先日の熱海市内で土石流が起きている。こんな中で相変わらず収束の見通しが立たない新型コロナウィルスの新規感染者の数が、東京都では際立って増加傾向にある。昨日は920人の感染者が出たが、900人を超えたのは5月13日以来で、これにより18日連続で前週の数を上回ったことになる。全国的にも感染者が増加し4週間ぶりに2千人を超えた。

 オリンピックを控えて開催、及び有観客に拘っていた政府だったが、11日までまん延防止等重点措置が出ていた東京都に対して、翌12日から8月22日まで4回目の緊急事態宣言の発出を決定した。これで有観客をきっぱり諦めたのだろう。自宅近くでは明日駒澤公園から公道を聖火ランナーが走る予定だったが、これも中止となった。同じく11日まで緊急事態宣言が出ている沖縄県でも宣言が延長される。その他に埼玉、千葉、神奈川、大阪のまん延防止重点措置も延長される。

 そして、今日オリンピックに関して極めて大事な決定がなされた。このコロナ禍騒ぎの中で今日バッハ国際オリンピック委員会(IOC)会長が来日した。到着早々今晩リモートによる5者協議が行われ、23日開会のオリンピックは緊急事態宣言発出により、5者協議は東京都内の競技会場をすべて無観客とすることに決定したのだ。この決断も最後の最後までもめたようで、一時は東京以外の埼玉、千葉、神奈川県で行われる競技会場も無観客にするということだったが、これが夜になって何とか東京だけが無観客ということになった。この結果国立競技場で行われる開会式と閉会式も無観客と決まったが、そう決まってみれば何か味気ない感じがするものだ。

 オリンピック観戦と言えば、以前から子どもたちが学校連携で観戦する計画があったが、コロナ禍が拡大したことにより参加自治体によってはキャンセルするところが増えてきた。保護者からも不安の声が聞かれて、神奈川、埼玉、千葉の3県では参加予定者の6割、約17万人がキャンセルを申し出た。しかし、東京都では参加予定者、約90万人が現在申し込んだままとなっている。開催間近になってこの様子ではトラブルが懸念されていた。自治体の中には、14区市町村のように独自に中止を決めた自治体があるようだが、子どもたちに期待ばかり抱かせて直前になって取り止めというのでは、子どもたちが可哀そうだと思っていたところ、無観客となれば中止ということになり、自治体と保護者らもホッとするのではないだろうか。

 さて、今日は医者通いのハシゴをしてしまった。午前中雨の中を東京医療センター膠原病内科で精密検査と定例の診断を受けた。多めのステロイド錠服用が数値上効果を示してきて、先月より更に回復に向かっていることで医師のアドバイスでステロイドを減らすことになった。その結果を持ってかかりつけの松本整形外科と森内科でも医師に報告し説明して、日常生活の注意点などをお話しいただき現在の状態をご理解していただいた。幸い先月には私自身2回目のワクチンを接種した。ワクチン接種の割合は、一昨日現在2回目のワクチン接種を終えた人が全国民の11%、高齢者の中では37.9%だそうである。

2021年7月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5169.2021年7月7日(水) ナイル川のダム建設による影響

 先日半世紀も昔に訪れたことがあるスーダンの首都ハルツームの、白ナイルと青ナイルが一体となるナイル川合流点についてエッセイを綴っていたところ、偶然にも一昨日朝日朝刊と夜のNHK・BS国際報道番組が、その青ナイルの巨大ダム建設で沿岸の3つの国の間でもめていると伝えていた。エジプトのナイル川では1970年に完成したアスワン・ハイ・ダムが、エジプト経済に大きく貢献している。

 しかし、新たな巨大なダム建設が、水量調整などで隣国に影響が出て来ると軋轢もあり、万事順調とは行かない。現在青ナイルの源流であるスーダンとの国境地点に、エチオピアが世界最大規模の大エチオピア・ルネッサンス・ダムを建設中で、昨夏に続き一昨日ダムに貯水を始めたことにエジプト、スーダン両国が神経を尖らせ反発を強めているのだ。エチオピアはダム建設を電力不足解消の切り札と位置付けているが、ナイル下流のエジプトやスーダンにしてみれば、水資源の9割以上をナイル川に頼っており、エチオピアの言い分をそのまま素直に納得することが出来ない。

 このダム建設についてエジプト、スーダンは国連をはじめ、アフリカ機構など国際機関に仲介を求めているが、エチオピアが受け入れようとせず話はまとまらない。降雨量の少ないエジプトでは全人口の4分の1が農業に従事しており、上流で水量が制限されると感慨用水が制限され死活問題になりかねない。大河のダム建設は上流国にこそその恩恵が大きい。

 今や人口が1億人を超え、経済的にも苦しいエチオピアにとっては、電力供給の救いの神であるダム建設の効果を減殺する2カ国からの要望をすんなり聞き入れるわけにはいかないようである。エチオピアでは、北部国境ティグレ州で少数民族の抵抗に手を焼いたアビー首相は、エルトリアとの国境紛争を解決したとして19年ノーベル平和賞受賞直後に、ティグレ人民解放戦線(TPLF)の拠点を空爆し、多数の犠牲者を出し、2万5千人の避難民がスーダンへ逃れた。今また他国の苦悩には一切目を向けようともせず、自国の主張のみを繰り返す平和主義者の肩書とは異なるアビー首相の好戦的なやり方には、権威あるノーベル賞選考委員会も頭を抱えているのではないだろうか。

 それにしても自国内だけを流れる河川ならともかく、隣国へ流れていく大河の工事プロジェクトは、隣国へ影響が及び難しい問題を孕んでいる。どうして関係国間で事前に話し合い精査、検討することが出来なかったのだろうか。

 その点で、ヨーロッパで2番目に長くその中心部を流れるドナウ川は、10カ国を貫流しているが、この種の問題は起きていない。ドナウ川でナイル川のような巨大なダム工事が行われなかったのは、幸いにも川の傾斜が緩くダムには不向きであったことと、下流の沿岸国への上流国の配慮があったからではなかっただろうか。東南アジア最長のメコン川が、チベットを源流に中国・雲南省からミヤンマー・ラオス国境、タイ・ラオス国境、カンボジア、ベトナムから南シナ海へ注ぎ込まれているが、その途上の国々が大きな建設工事でも行えば、たちまち下流にある国は負の恩恵を受けることになる。

 懸念されるのは、人工島を造成し公海洋上へ一方的に進出し、国際司法裁判所の審判を無視している中国が、メコン川でも「一帯一路」のような利己的大工事を行うことである。ここは中国にナイル川のダム工事が下流の沿岸国では歓迎されていない現実を教訓として考えて欲しいと思う。

2021年7月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5168.2021年7月6日(火) 傘寿を超えた同級生の集まり

 傘寿を過ぎると友だちもひとり去りふたり去って、日々に寂しさが募って来るものである。先日大学のクラスメートの肥後くんから久しぶりに食事でもしようと電話があり、今日正午に椿山荘の和食レストランでランチを楽しんだ。残念だが、4人集まる予定だったが、急にひとりが体調を崩して来られなくなった。急に健康を害するなんてことが、高齢者らしい。今日は格別話したい話題があるわけではなく、むしろお互いの青春時代を想い出し懐かしさを偲ぶ同窓会のようなものである。拙著「八十冒険爺の言いたい放題」に署名して贈呈したこともあり、どうしても私の一方的な海外武者修行が話の中心になる。ついぺらぺら話しまくってしまった。

 彼ら2人は気の合った5人グループが今では3人になってしまったとぼやいていた。どうしても残りの人生を考えるとつい後ろ向きになりがちになる。そこを前向きに切り替えないと余生は、本当に寂しくつまらないものとなってしまう。そんなことをしみじみ思った次第である。

 肥後くんがよく読書をしていることと、日本の悪化する財政事情を深刻に懸念していることに感心した。現状のまま毎年赤字財政が続いていくなら、次代の若者たちの過重な負担となるし、日本は財政破綻を来たし、「日本沈没」となってしまうと随分気にしていた。また、コロナでも落ち着いたら彼のご託宣を改めて伺いたいものである。

 さて、3日熱海市内で降雨による土石流で大きな被害がもたらされたが、日本各地でこ近年7月上旬の天候は荒れることが多い。3年前の2018年には平成最悪と言われた西日本豪雨により東海地方から九州までの14府県で300人以上の犠牲者が出た。その前年17年には、九州北部豪雨で40名が亡くなった。

 熱海市内の土石流では、今日も懸命な救出作業が続けられているが、何人が生き埋めになったのか見当がつかず、静岡県は、行方不明者の特定のため止むを得ず連絡が取れない住民の名前を公表した。恐らく初めてのことであろう。結果的に64名の住民の名を公にしたことにより、その後連絡が取れた人が41名いた。その他の24名は安否不明者として扱われている。犠牲者は7名となった。水を大量に含んだ大量の泥のため、現場に重機械を持ち込めず、捜索作業員も胸まで泥に浸かりながら作業に従事している。警察犬も泥んこの中では中々歩き難いようだ。こうした悪条件の中で捜索活動は続けられている。なぜこれほどの土石流が発生したかとの疑問に対しては、どうもはっきりしない。だが、谷間の上部が豪雨により崩れ落ちて一気に周辺の崖を崩した様子を画像で観る限り、崩れ落ちた上部に盛り土が積まれていたことが分っている。どうも土砂崩壊の危険を察知せずに、無計画に盛り土を積んだことが原因ではないかと見られている。今後の災害防止の観点からもきちんと原因を追究して防護対策をしっかり立てるべきである。川勝静岡県知事も現場に視察に来られていたので、災害防止対策を抜け目なくやってもらいたい。それにしても自然災害は怖い。

2021年7月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5167.2021年7月5日(月) 東京都議会の新分布図

 昨日行われた東京都議会議員選挙の投票結果は、若干予想とは違ったが、概ね予想されていた通りとなった。4年前にブームを巻き起こして第1党となった「都民ファーストの会」が、自民党に取って替わられたが、33議席獲得の自民党に次ぐ第2党で31議席を得た。公明党が全員当選を果たし4年前と同じ23議席を獲得して第3党となった。4位は前回より1名増えて19議席となった共産党、5位は8議席から15議席へ大幅に増やした立憲民主党だった。投票日前日健康回復途上の小池知事が、応援に駆けつけてくれたことが、自民党の伸びを抑えて「都民ファーストの会」の大幅な地盤沈下を救ったとも言える。国会議員選挙と異なり都議会選挙では、「日本維新の会」と「国民民主党」の無個性的保守傾倒ぶりはほとんど評価されなかった。

 今回の選挙結果で注目されたのは、女性議員が前回より5名も増え、過去最多の41名となり、全議員127名の約3分の1となったことである。現在衆議院は、全議員465人の内女性議員47人で10.1%であり、参議院は245人中、56人の22.9%が女性議員である。毎回選挙の都度女性議員の割合は上がっているが、いずれもまだ少数である。その点では東京都都議会議員の方が国会議員の先を行っている。

 さて、このところミヤンマーの国軍統治の政府に対して、微力ながら民主派が創設した「統一政府」が少しは存在感を示している。クーデター発生時から見れば、国内で目立つような殺伐としたニュースは起きていないが、それぞれ2つの政府にとって問題が噴出している。

 ロシアへ長期訪問していたミンアウンフライン最高司令官が統治する国軍政府の兵士が、去る4月にヤンゴン市内の日本人大使館員と国際協力機構(JICA)職員の住宅に押し入ったことが判明した。明らかに外交儀礼に反し、治外法権的暴挙である。その一方で、統一政府がイスラム教徒ロヒンギャに市民権を与える方針を打ち出した。いずれもこれまでの経緯と国民感情から考えてとても考えられないことである。前者は外交上許されないことであり、後者は迫害されたロヒンギャとの融和を図るジェスチャーを示すことによって国際社会の支持を得ようという目論見のようだが、基本的に仏教国であるミヤンマーがいかに国際社会から支持、援助が欲しいからとてイスラム教徒のロヒンギャに市民権を与えることには、ほとんどのミヤンマー人が反対するのではないだろうか。いずれも一種のドサクサに紛れた解決策であまり賢明な方策とは思えない。簡単に紐を緩めるとロクなことにはならないことを統一政府の民主派幹部は心すべきである。

2021年7月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5166.2021年7月4日(日) アメリカは独立記念日、日本は自然災害の日

 1776年の今日アメリカ合衆国は独立した。日本では北方海岸にロシア船が漂着したのをきっかけに、ロシアが通商交渉を求めてきて何かと慌ただしくなったころである。徳川幕府では老中田沼意次が羽振りを効かせていた時代だった。80余年ほど遅れるが、1858年に慶應義塾が創立され国内最初の大学となった時、すでに高等教育機関としてはアメリカ独立の年に、米沢興譲館が創立されていた。

 自身の旅記憶を想い出してみると、1990年の今日はアメリカ西海岸のシアトルにいた。アメリカの国立公園、イエローストーンとグランド・ティートンを訪れた帰路だった。シアトル市内のホテルで夕食をいただいていたところ、独立記念日を祝って夜空に派手な花火が打ち上げられたのが窓越しに見られた。

 日本の7月上旬というのは、自然災害が発生するケースが多いという。昨年の今日は熊本県を襲った豪雨により67名の犠牲者を生んだ。実は、昨日午後九州から東日本にかけて停滞していた梅雨前線が、東海地方に大雨をもたらし、熱海市内の伊豆山で降雨により上流から崖が崩壊し大量の土石流が坂を下って民家を倒壊し多数の死傷者を出した。土石流はそのまま海まで流れ出て今日も捜索隊が海中へ潜って行方不明者を探した。現時点では2名が亡くなり、20数名が行方不明のままである。家屋も130棟が倒壊した。不明者の捜索と土石の排除は今日1日続けられ、引き続き明日以降も行われる予定である。

 最近の傾向としてツィッターの画像をSNS投稿する人が多くなり、この臨場感いっぱいの土石流の状況がいろいろな角度から観ることが出来た。流れて下る土石流を正面から捉えた映像なんて危険でもあり、今までお目にかかったことがなかった。しかし、昨日は道路上の土石流を正面から観ることが出来た。日本は自然災害受難国である。これらを今後の災害防止の観点から役立てて欲しいものである。

 さて、今日は東京都議会議員選挙の投票日である。小雨が降る中を近くの区立東深沢小へ投票に出かけた。新型コロナウィルスの感染拡大と悪天候のため、投票率があまり良くないのではないかと心配していたところ、案の定投票率は4年前に比較して大分低い。今年の都議選は秋の衆議院議員選の前哨戦として、各政党もそれぞれ力を入れ、党首が応援に駆けつけている。今回の選挙は、4年前に小池都知事が党首として「都民ファーストの会」(以下「都民の会」)を立ち上げ、それが熱狂的なブームを興し、「都民の会」が、過半数こそ獲得出来なかったが、自民、公明党を蹴落として第1党となった。

 しかし、今年は東京オリンピックやコロナもあり、小池都知事にとっては選挙よりコロナ収束が大きな課題となり、「都民の会」と特別顧問を務める小池都知事との間にすきま風が見られる。その上「都民の会」が都知事に断りもなく東京オリンピック中止を都議選でアピールしたことから両者の関係にさざ波が立っている。さりとて小池都知事にとっては、与党として「都民の会」は大きな拠り所であり、その関係を壊したくはない。

 連日のコロナ対策で疲労も頂点に達した小池都知事は、22日から入院していた。幸い昨日から復帰した。身体を壊しては元も子もないが、退院後の会見で「倒れるかも知れないが、それも本望」と語ったことに対して、都知事在職中散々悪さを冒した舛添元知事が小池都知事は政治家失格と批判していたが、これに対してネットでは、お前が言うことかと舛添氏に対して非難轟々である。これほど舛添氏が小池都知事をやっつけるのはやっかんでいるせいであろう。都議選の結果は、今夜中には分かりそうもない。

2021年7月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5165.2021年7月3日(土) 反戦歌と平和を願う歌

 昨晩BSテレビ東京で「武田鉄也の昭和は輝いていた」を視聴した。反戦歌と平和を願う歌の特集番組だった。この中でタレント・故藤田まことが唄った寺島尚彦作詞、作曲「さとうきび畑」と、新谷のり子が唄った♪フランシーヌの場合♪に強く感銘を受けた。藤田は兄を沖縄戦で喪ったが、その17歳で戦死した兄から亡くなる直前に弟まことに送ったハガキを大切に手にしていた。背筋をぴんと伸ばして声高らかに歌う姿は、亡兄を想ってであろうか涙ぐましいものだった。作詞作曲の寺島自身、不幸にも2度も戦禍に遭い両親、兄妹を失いながら戦後沖縄で米軍車両に衝突死された。その後この反戦歌は、森山良子をはじめ、多くの歌手に歌い継がれている。

 ♪フランシーヌの場合♪は、寡聞にして知らなかったが、ある悲しいドキュメントを下敷きにして作られた。1969年3月30日(日)朝、フランシーヌ・ルコンドさんという30歳の女性が、ベトナム戦争反対や、ナイジェリア内戦でビアフラの飢饉に抗議してパリの路上で焼身自殺した。この事件に心を動かされた日本人、いまいずみあきら作詞、郷伍郎作曲により反戦フォークソングとしてヒット曲となった。

 

 ♪フランシーヌの場合は あまりにもおばかさん

       フランシーヌの場合は あまりにもさびしい

        3月30日の日曜日

          パリの朝に燃えた いのちひとつ

           フランシーヌ ♪

 

 この番組で少々おふざけの反戦歌?も紹介された。別役実が作詞、小室等が作曲して、小室等が六文銭と共演した「ゲンシバクダンの歌」である。

 

 ♪原子爆弾をひとつ

   ポケットに入れて

    新宿を歩いたら

    紀伊国屋の辺りで爆発して

    紀伊国屋がぶっ飛んだ

     ワイワイ原子爆弾は怖いな

 

  原子爆弾をひとつ

   ポケットに入れて

    池袋を歩いたら

    西武デパートの辺りで爆発して

    西武デパートがぶっ飛んだ

     ワイワイ原子爆弾は怖いな ♪

 

 いささかパロディめいた歌詞だが、流石に実在する企業に悪意を抱いて標的にしたと物議を醸して放送禁止になったようだ。

 無邪気に踊りながら唄う今の若手歌手とは異なり、社会的問題を抱え悩みながら心の葛藤をして生きた戦争を知る世代の歌手に気持ちを重ねたい。

2021年7月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5164.2021年7月2日(金) オリンピック開催直前、今なお問題山積

 一向に新型コロナウィルスの勢いが収まらない。東京都内では前週に比べて感染者の数が連続12日間も前の週の同じ曜日をオーバーしている。オリンピック開催まであと3週間に迫っているが、リバウンドの傾向が見られ、このまま行けば4週間後には1日に千人を超えると、医学専門家は急激な感染拡大に強い危機感を示した。

 イギリスでは一時収まりかけていた感染者が再び増え始め、国民にマスクを着用するよう求めているが、テニス・ウィンブルドン大会やサッカー・ヨーロッパ選手権の様子を見る限りほとんど要望が守られていない。サッカー大会では、ロシアのサンクトペテルスブルグとロンドンの試合で多数の感染者が出た。洋の東西を問わず、野外イベントがあると人は集まり、顔を合わせて声を出して騒ぎまくる。これでは一時的に世界中でロックダウンでもしない限りコロナは終息しそうもない。無観客にした方が良いのではないだろうか。

 現在開会式を含めて競技によっては無観客、或いは観客上限1万人としながらも大型スタジアムや夜間の競技では一部競技を上限5千人にする案を政府内で検討するとしている。とにかく現状は、不安だらけである。果たしてオリンピックは観客をどのように迎えて開催されるのだろうか。

 とにかくコロナ対策では、政府の対応が一貫性に欠ける点に不信感を抱き、首を傾げている。例えば、職場のワクチン接種については、掛け声は大きかったが、いざ各業界で接種を始めたらワクチンの供給が間に合わないから道半ばで中止すると言って準備を進めていた職場は困惑している。また、オリンピック期間中は都内JRの終電を繰り下げる計画のようだが、これでは反って夜の街を彷徨う人が増えるのではないか。会場との往復を直行直帰するよう組織委員会は奨励したことと矛盾するのではないかと思う。

 更に今日オリンピック・パラリンピックの取材に海外から訪れる記者に対する行動制限について、ニューヨーク・タイムズやAP通信などアメリカの主要メディアのスポーツ部門責任者が組織委員会に抗議の書簡を送った。規制がコロナの感染拡大防止に必要な範囲を超えて、部分的に五輪憲章に反するとして見直しを求めている。どうも海外からの記者だけを対象としていることに対して不信感を抱いているようだ。プライバシーにあまり干渉されたくない外国人にとっては、スマホのアプリで行動を監視されるような疑念があるのではないか。丁寧な説明と細かい配慮が欠けていたのではないかと思う。

 さて、ここ連日雨模様で、特に夜間に降雨が激しい。先日初めて沖縄に線状降水帯警報が発令され、梅雨前線が徐々に北上して関東地方にも雨を降らせている。今週いっぱいは雨が降り続くようでしきりに河川の増水や、がけ崩れに警戒が出されている。ところが、今日気象庁は沖縄の梅雨明けを発表した。5月5日に梅雨入りが発表され、昨年より20日も遅い梅雨明けで、梅雨の期間としては約2か月の58日間となり、ここ30年間では最長だという。まもなく関東地方でも梅雨明けが宣言されるだろう。その後の酷暑を考えるとゾっとするが・・・。

2021年7月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5163.2021年7月1日(木) 中国共産党創立100周年を迎える。

 今日中国共産党は創立100周年の記念すべき日を迎えた。共産党誕生は、辛亥革命(1911年)からちょうど10年後のことである。偶然とは言え、今年創立100周年を迎えた母校湘南高校と同じ歳月とは不思議な縁である。誰ひとりマスクを着用せず7万人以上が集まった北京の天安門広場では、派手なショーや行進も行われ、習近平・共産党総書記が1時間以上に亘って国内外に向けて思いのままに都合の良い演説をし、今日の中国の発展は共産党によってもたらされたとぶち上げ、共産党1党独裁を正当化した。今年の目標としていた「小康社会(ややゆとりのある社会)」は全面的に達成し、国内の貧困問題は解決したと語った。台湾問題については、祖国の完全統一は決して志を変えることのない党の歴史的使命だと台湾独立のいかなる企みも断固粉砕すると述べ、民主派を締め付けている香港については、国家安全維持法による統制強化の必要性を強調した。相も変わらない共産党と習総書記の不遜な言い分である。

 しかし、経済の減速や、人口減少に伴う少子高齢化で、強気一辺倒だった中国も今先行きに大きな不安を抱えている。加えて公海洋上への覇権的進出などにより周辺諸国の反発が強まり、これまでの政策実行だけでは立ち行かなくなることも予想される。

 世界最多の14.4億人という人口を抱えながら、全国的に国民に貧困を舐めさせなくなったことは、共産党ならずとも国家として評価すべきであり、かつての貧しい中国を思えば、共産党が行った国造りは第1の目的を達したと言えるだろう。共産党は、脱貧困は達成され、食べることや着ることに困らない社会は基本的に実現したので、これからはともに豊かになる「共同富裕」へ向かうという。

 東京財団政策研究所・柯隆氏によれば、中国は貧富の差を表すジニ係数が社会的騒乱の警戒ラインとされる0.4を超えて0.465もあり、0.6を上回るとの説もあるという。これは、所得再分配の機能が弱いからだと見られている。党幹部など富裕層の持つ特権にメスを入れにくく、貧困層向けの政策が打ち出されにくいからである。言論の自由もなく、自由選挙権もなく法の支配や議会制民主主義の基盤がなく、監視社会下では国民が自由を享受し、平和な生活を営んでいるとはとても言えない。中国政府は、民主主義の基本原則を忘れ、成すべきことの順番を間違えていると思う。

 今では欧米ばかりではなく、多くの国々から後ろ指を指されかねない言動が多く。現状のまま押し進めると今後大きな衝突が懸念される。表面的には表れない農村部の貧困も敢えて政府として外部に知られないよう試みていることは、薄々知られている。秘密主義もほどほどにすべきであろう。いつまでも共産党が統治するような1党独裁国家では、今後複雑になる国際社会の中で臨機応変に対応し、このまま発展を続けていくことは難しいのではないだろうか。習近平総書記が恐らく泉下に眠っているであろう29年後の中国建国100周年に、果たして現在の習総書記が作り上げた「赤い帝国」が機能しているだろうか。

2021年7月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5162.2021年6月30日(水) 呆れた三菱電機の悪質な検査偽装

 朝日朝刊一面を見てびっくりした。トップ記事として大きく「三菱電機 性能検査で偽装」と書かれていたのだ。「JRや私鉄 全国に納入」と添え書きされていたように、小田急電鉄在職中にも社内に三菱電機の製品はかなり見られた。あの三菱電機が納入していた空調設備の検査で架空のデータを用いて適正に実施したかのように装っていたというのだから、極めて悪質である。これを35年間も偽証していたとは商業道徳上も許せない。こんな長い間取引先を騙していたとは、会社は一体何をしていたのかと首を傾げてしまう。更に会社の言い訳が聞いて呆れる。不適切な検査が行われていたことを認めた上で「安全性に問題はない」という不遜なものだ。

 三菱電機と言えば、そんじょそこらの成り上がり企業とは異なり、財閥三菱グループの中核企業でもある。その三菱電機がなぜこのような三菱グループにとっても恥辱的な事件を引き起こしたのだろうか。鉄道会社の空調分野で国内シェアではトップクラスで、新幹線などJR各社をはじめ、私鉄、地下鉄など幅広く採用されている。だが、近年悪質な事件は大手企業の間でも見られるようになった。2017年には神戸製鋼所でアルミや銅製品の品質データや検査の数値の改ざんが発覚し、19年に罰金1億円の有罪判決を受けた。NHKや民間テレビ局でもこのニュースを派手に伝えていた。監督官庁の国土交通省や、経済産業省も遺憾に感じており、加藤官房長官も再発防止策の策定を講じていくとコメントしている。

 三菱電機について私にはこんな個人的な経験がある。今から半世紀ぐらい前に小田急電鉄旅行部に勤務していたころ、国際航空運送協会(IATA)から国際航空券発券のライセンスを取得するために必死になって国際線航空チケット販売実績を上げるべく会社を挙げて走り回っていた。その一環として、私は三菱電機本社へしばらく出向するような勤務体制で、海外出張関係を扱っている部署へ机を置いてもらい、自宅から直接丸の内の三菱電機本社へ通って三菱社員及び家族の海外渡航業務のお世話をしていたことがある。社員の海外出張手続きや、赴任先国の大使館に駐在院家族の滞在ビザ申請などを行っていた。しかし、半年間で10件ほどしか取扱いがなく、島流しのような勤務は半年程度で終わった。それでも航空券販売実績は発券業者の資格を得るためにそれなりに貢献することが出来たが、今以て誰も知らない事務室の中で、いついただけるか分からない注文をひたすら待っていた姿が幻のように頭に浮かんでくる。

 その三菱グループ会社としての矜持を抱えている三菱電機が、会社ぐるみで何故かくも軽薄な不祥事を意図的に冒し、延々と黙ってきたのだろうか。

 会社としては反省、ただひたすら反省し、同じような過ちを犯さないよう心すべきである。つい最近経産省のキャリア官僚が、新型コロナウィルスの交付金を悪用申請していたことが判明し、世間に衝撃を与えたが、かつての財閥企業でもバレないだろうと悪事を行うことが目立つようになった。実に情けないモラルに欠ける乱世の風潮である。

2021年6月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5161.2021年6月29日(火) 初等教育の場に作文の時間を

 昨日の朝日朝刊「天声人語」に島崎藤村の「夜明け前」を同コラム執筆者が未だ通読していないやるせない心情を打ち明けている。「夜明け前」は、言わずと知れた明治維新前後の中仙道宿場の馬籠、妻籠村の庄屋に生まれた主人公・青山半蔵の生き方を波瀾の時代背景とともに描いた名作である。同じ藤村の「破戒」とともに、浪人時代から大学生のころ没入したものだ。筆者は「夜明け前」の読了に何度も挫折してダイジェスト版に手を出したそうだが、それでは筆者自身も言っているように読んだことにはなるまい。その点で私自身まだ読書欲が強かった時代に一気に通読したおかげで、その後も国内外の名作をいくつも読破することが出来たことは今日振り返って幸運だったと思っている。

 「破戒」は「夜明け前」の前に読んだが、主人公の瀬川丑松が部落民の出自であることに後ろめたさを感じて他人に打ち明けるべきかどうかで苦悩する内容で、まだその部落民「穢多」=「エタ」という言葉も意味も知らなかった当初は、ストーリーの途中まで話が何だかよく分からなかったことを想い出す。最近ではこれほど心にずしんと来る訴求力のある小説は滅多にお目にかかれなくなった。

 さて、文部科学省では小中校の授業時間を学校の裁量で変えられる新制度を来年度から導入する。国が各教科で定める最低限の授業時間の内最大1割分減らし、別の教科に上乗せすることが出来るという。そこで私見を言わせてもらえば、現在小学生の国語の授業で文章を書くことにもう少し時間を割き、教えた方が良いとかねがね思っていた。最近の若者が読書をしない、文章を書かない(書けない)のは、義務教育の間にしっかり文章を綴る訓練を受けておらず、文章力が身に着かなかったからであると思う。従って大人になっても手紙を書くことからも逃げ、手紙をもらっても返事すら書かない若者が大勢いる。戦後間もなかった小学校では、国語には2教科、「読み方」と「綴り方」があった。後者は字の如く作文の授業だった。それがその後いつの間にかなくなってしまったのである。

 今では手書きで文章を書くより、パソコンで綴ることが多くなったが、じっくり考えながらペンを走らせているとそれにまつわるイメージが湧いてきて落ち着いた気持ちになれる。そしてペンの力というのは、福沢諭吉の「ペンは剣よりも強し」の言葉通り説得力のある文を作り上げることが出来る。私自身現役時代セールスの折に、顧客に手紙を書いて丁寧に内容を説明しその後終生良き顧客となってもらった例がいくつもある。文章、手紙を書くことで商売上もメリットがあった。そんな体験から在職中は、機会がある度ごとに若手社員に旅行先から顧客に絵葉書を書いて送るようアドバイスをしていた。

 果たして文科省の新制度が、どの程度実施され効果を上げるかは不透明だが、作文の授業を採り入れることは、必ずや子どもたちの文章力を向上させ、また情操教育上も効果的であると考えている。

 先日創立150周年を迎えた母校・千葉市立幕張小学校の榊原英記校長より来年発行予定の創立記念文集に一文を寄稿するよう依頼されたが、今日近著「八十冒険爺の言いたい放題」に推薦文を書いてもらった、6年後輩の椎名誠氏へも寄稿を依頼したとの連絡をいただいた。

2021年6月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com