5199.2021年8月6日(金) 「原爆の日」菅首相のお粗末なスピーチ

 今日は76年前に広島市内に世界で初めて原爆が投下された「原爆の日」である。国民学校初等科1年生だったが、当時の記憶はまったくない。昨年は新型コロナウィルスの感染拡大により中止となったが、今年は広島で平和記念式典が行われた。原爆が投下された8時15分に黙祷が行われた後、松井広島市長の平和宣言に続いて菅首相の挨拶が行われた。

 ところが、この首相挨拶で、菅首相は言葉を間違えたうえに重要な箇所を読み飛ばしたとされ、物議を醸している。ある被爆者団体事務局長は、首相は不勉強、かつ不誠実で、首相としての基本的な姿勢が表れたと批判している。間違えたのは、「広島」を「ひろまし」と読み、「原爆」を「げんぱつ」と読み上げたことである。ちょっと考えられない間違いである。また、読み飛ばしたのは、「広島、長崎が繰り返されてはならない。この決意を胸に、日本は非核3原則を堅持しつつ、核兵器のない核軍縮の進め方を巡っては、各国の立場に隔たりがあります。このような状況の下で核軍縮を進めていくためには、様々な場の国々の間を橋渡ししながら、現実的な取り組みを粘り強く進めていく必要があります」の部分のようだ。

 その後の記者会見で首相は、この点について陳謝したが、被爆国の首相の発言として世界へ発信されるスピーチだけに総理大臣としての資質に疑問を感じるようなお粗末との誹りは免れない。首相は、昨年10月の国会での所信表明演説と今年1月の施政方針演説でも言い間違いを冒しているが、スピーチ原稿を読むだけなら、そんなに間違えることもないと思う。よほど他に心配ごとが頭から去らないのではないだろうか。

 しかし、単なるミスによるものか、どうかは何とも言えない。挨拶で今年1月に核兵器禁止条約が発効したにも拘わらず、被爆国として最も発信力がある日本が、同条約を批准しないことに国内外で批判がある点を考え、またアメリカの核の傘の下にいる現状を配慮して「君子危うきに近寄らず」戦法を選択したのではないかと臆測出来る。アメリカでは、日本への原爆投下は正しい判断だったとの世論が過半数を占めている。そのアメリカへの配慮もあるのだろう。それは、オリンピックの今日いずこの競技会場でも黙祷を捧げなかったことでも分かる。76年が経とうが、日本政府の原爆を投下したアメリカへの「忖度」は、消滅しない。果たして日本はいつまでアメリカへの気遣いが続けられるのだろうか。

 今日も暑い。全国の気象観測地点920か所のうち、真夏日を記録したのは823か所だったという。東京が暑い時期という理由から、開催地を北の札幌に移転して昨日行われたオリンピック陸上競技種目20㎞競歩に続いて、今日50㎞競歩が行われた。午前5時30分にスタートしたが、11時ごろのゴール地点では31℃にまで気温が上昇し、スタートした59選手中10名が途中棄権した。今日行われた女子サッカー決勝戦も午前11時キックオフの予定だったが、対戦するカナダとスウェーデンから猛暑を回避したいと要望が出され夜9時に延期された。真夏の昼間に炎天下で行うスポーツが如何に過酷であるかは組織委員会では分かっていた筈である。テニスでも時間を繰り下げられたが、こう度々の変更は、今後IOCとしても考えるべきではないかと思う。

2021年8月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5198.2021年8月5日(木) 使い難いカードと軽薄な名古屋市長

 今日も猛暑が厳しい。全国で最高気温は大阪の38.9℃だったが、東京都内でも千代田区で34.7℃、八王子市で36.3℃だった。

 新型コロナウィルスの感染は今日も拡大する一方で、東京都内では、2日続けて過去最多の5,042人にまでなった。全国では15,623人でこれまでの最多となった。世界的にも感染者数は増え続けて、ジョンズ・ホプキンズ大学の集計によると今日初めて2億人を超えた。世界人口が約78億7千万人だから約40人に1人が感染したことになる。

 さて、3日前に不本意にもVISA・CARDが利用出来なかった。どうにも納得出来なかったので、一昨日三井住友カード会社へ実情を細かく書いて説明を求める手紙を送った。すると行き違いだろうが、偶々今日同社から不正利用監視システムを担当する部署から書状が届き、電話を欲しいと書かれていたので、早速電話をしてみた。

 同社担当者の説明では、私の銀行口座から引き落とし依頼に不審な点があって停止している案件がいくつかあるので、不審な点を確認したいということだった。その怪しげな引き落としが何と10件ほどもあって、いずれも私には思い当たる節がない。すべて支払いを停めてくれるよう依頼したところだ。そのうえで、担当者が言うには、この私のカード№が誰かに知られているので、№を変更させてもらいたいということだった。カード会社からの依頼で№を変えたばかりでもあり、再び変更することに抵抗があると話したが、安全のためにそうして欲しいというので、聞き入れることにした。

 しかし、便利な筈のカードがこのように度々危うい目に遇い、その都度カード№を変える手続きを取るようでは、今後もキャッシュレスなんて危なっかしくて利用出来ない。個人が詐欺まがいに他人口座から引き落としを試みる例が多いようだが、近頃は組織が密かにハッカーとなって侵入し多くの銀行口座を荒らしまわっているとの情報がある。日ごろから現金管理には、注意をしていないといけないと悟らされた次第である。

 さて、今日も猛暑真っ盛りという気候だったが、オリンピックも益々盛り上がっている。ところが、次元の低いニュースが伝えられた。それは、先日女子ソフトボールで金メダルを獲得した、名古屋市出身の日本代表チームの後藤希友投手が、河村たかし名古屋市長へ優勝報告挨拶に参上した時のことである。市長がいきなり金メダルをかじったという話が話題になっている。後藤投手の勤務先であるトヨタ自動車からも選手への敬意や称賛が感じられず、コロナ防止上からも好ましくないと苦言が呈せられた。

 河村市長は、数年前にあいちトリエンナーレ開催で騒ぎの中心にいたり、昨年は愛知県知事リコール運動を支援したが、事務局が署名偽造事件を引き起こして事件の黒幕ではないかとの疑念を抱かれたり、何かと世間を騒がせて話題になった腰が軽く、目立ちたがりの市長である。スケート金メダリストの小平奈緒選手をはじめ、多くの人びとから軽薄で、コロナ禍の心配があると非難の声が名古屋市役所に寄せられている。他人の持ち物であるメダルを身勝手に自分の口の中へ入れるようなポーズを取れる感覚が理解出来ない。こんな人間が6大都市の行政のトップである市長を務め、顰蹙を買うような行動をしているようでは、いくら自分たちが選んだ市長だとしても名古屋市民も肩身が狭いのではないだろうか。自らトップとなる以上、もう少し常識と品格を兼ね備えて欲しいものである。

2021年8月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5197.2021年8月4日(水) コロナ感染拡大に政府が方針転換

 暑さとオリンピックが加速するに連れて、新型コロナウィルスも感染が一層拡大している。医療体制崩壊が懸念されているが、新規感染者の数は増える一方で、全国では連日新規感染者が1万人を超え、今日は過去最多の14,207人だった。東京でも過去最多の4,166人でこの1週間平均は3,478人となり、これは先週の平均に比べて178%である。関東では8日連続で千人を超えた神奈川を除く8都県が過去最多となり、8県にまん延防止重点施策が実施されることになった。

 昨日政府はコロナ患者が急増する地域で、入院を制限する方針を各自治体に対して要請した。コロナの拡大に手が負えなくなった政府が、医療体制に具体的な方針を呈示するのではなく、感染急増地域での入院を重症患者や重症化リスクの高い患者に限定することを呈示したのだ。これによって従来入院と判断された中等症と軽症の患者は、リスクが低い場合は原則自宅療養とするよう求めている。一般家庭で中等患者を看護し続けることは大変である。自宅療養している患者の容体が急変したら即座に対応できるのか。また重症と中等症の線引きをどこがどう行うのか、政府は各自治体に任せたいようだが、早や馬脚を表したようだ。政府、厚労省は医療崩壊が近づきつつある実態に直面して賢明なる次の手を打てず、ついに音を上げて自治体に事態収拾を委ねたと言っても好い。国家が全国民のことを考えない責任逃れである。流石に野党からは方針の撤回を求められたが、菅首相は、やんわりと拒絶した。

 ところで、1日付朝日朝刊によると中国でもデルタ株による感染が拡大して南京市周辺を封鎖して全住民920万人のPCR検査を行っているという。首を傾げたくなるのは、その記事の隣に、アメリカのジョンズ・ホプキンズ大学公表の「世界の新型コロナ感染者」が数字で掲載されていて、それによると南京で急速に感染者が増えた日に公表数字ではその兆候がまったく窺えず、相変わらず中国の新規感染者は1日に精々150人程度で、死者はこの1か月間ただの1人としていないということである。

 世界で毎日約75万人が感染し、約8千人が亡くなっている現実に、世界一の人口を誇り、コロナ発祥地である中国で死者が1人もいないという統計数字を、どこまで信じたら良いのだろうか。朝日には自紙記事と公表数字との整合性と事実関係を説明にしてもらわなければいけない。

 中国には、世界の衛生保健上正確な数字を世界保健機関(WHO)へ報告する責任と義務がある。その肝心な数字を政治的な思惑と駆け引きに利用して、正確性とは程遠い数字を発信するようなことがこれまでにも度々あった。間違った統計を国際機関に伝えるようでは、国家としての責任を果たしたことにはならない。中国は正確な数字を公表していると言うだろうが、中国で1か月間に1人もコロナ死者がいないなんてことを信じる者はいない。中国は数字上一向にコロナ感染者が増えない疑念のある現実を直視して、世界に対して自らの説明責任を果たすべきである。

2021年8月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5196.2021年8月3日(火) オリンピックの話題いろいろ

 今日も暑い。その最中に行われているオリンピックの陸上競技で次々と世界記録が誕生している。

 しかし、その一方で問題も多いようだ。特に、ベラルーシの女子陸上100m出場選手が帰国を拒んで亡命を望み、ポーランドが亡命を受け入れる用意があると公表した。ベラルーシは、強権的でとかく問題の多いルカシェンコ大統領が27年間も実権を握り、政治ばかりでなくスポーツやメディア行政も支配して、ベラルーシ・オリンピック委員会会長も務めている。オリンピック・チームへの高圧的な発言も選手たちに負担となっているようだ。東京大会でもいまひとつ成績が勝れないことに対して、チーム役員、選手らにメダル獲得へのプレッシャーをかけている。これに対して役員・選手の間では、賛否両論に分かれ、亡命を望んだ選手はこれまで反体制的なコメントをSNSで発信してきた。そのことに政府が同選手の帰国命令を出した。これについて選手は帰国すれば逮捕される恐れがあるとして第3国への亡命を求めたという経緯がある。

 一方、こんな珍しい話題もあった。一昨日陸上男子走り幅跳びで同記録により首位に並んだ2人の選手が最終決戦に挑まず、ともに金メダルを獲得する結果となった。本来なら1位決定戦を行う筈だが、2人が同意のうえで競技が終了となった。ルールには「当該競技者がもうこれ以上跳躍しないと決めた場合を含み、1位決定戦が実施されない場合、2人同意の上で競技が終了し第1位となる」とある。このことは寡聞にして知らなかったが、夕刊の見出しにも「『金は1人』の常識 2人で乗り越えた」とある。表彰台でも2人が中央の優勝者の壇上に立ち、国歌は、2人の母国であるカタールとイタリアの順に演奏された。ゴールド・メダリストが2人もいるなんて、何となく奇妙で受け入れがたいが、これもオリンピックのモットーである多様性と調和であろうか。

 かつて、小学校の教科書で似たような例を学んだことがあった。ベルリン・オリンピック棒高跳び決勝で、西田修平、大江季雄両選手が同記録で2位と3位になり、これを2人は同じ日本人同士だからこれ以上争うのは止めようと2人で銀メダルと銅メダルを分かち合った話が美談として伝えられたくらいである。

 その他に、当初最も不快な話題になっていたのが、SNSによる選手に対する誹謗中傷だった。体操男子個人で優勝した日本の橋本大輝選手への中国国内からの悪質な誹謗に対して、中国から謝罪コメントが寄せられたほどである。これに対して優勝を逸して2位に終わった中国の肖若騰選手が、過度な攻撃は止めて欲しいと呼びかけ、日本の水鳥監督が感謝の意を述べて場外からの攻撃を日中代表が共同で払いのけたことが爽やかな印象を与えた。

 世界のスポーツの頂点であるオリンピックには、多種多様な話題があり、観客がいなかろうと大いに盛り上がる。明日以降もまだまだ楽しめそうだ。

2021年8月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5195.2021年8月2日(月) 人間ドック受診でいろいろあった。

 人間ドック受診のため信濃町の慶應病院まで出かけが、付随的にオリンピック・メイン会場のロマン溢れる空気に触れることが出来た、と同時にドック受診後思いも寄らないトラブルにも見舞われてしまった。

 1年に1度の恒例となった人間ドックの受診日である。昨日までに慶應病院から事前のPCR検査の結果で陽性の連絡がなかったので、新型コロナウィルス患者ではないことは確認済だった。いつも通りMRI検査や十二指腸の内視鏡検査、その他いろいろな検査を受けたが、今日の内視鏡検査は少々厳しかった。以前の内視鏡検査で今日ほどきついと思ったことはなかった。手指と同じ太さのチューブを口から1.5mばかり差し込んで写真に撮るのだから、肉体的にきついことは覚悟していたが、過去には内視鏡検査で厳しい記憶がほとんどない。情けないことに幼児のように涙、鼻水、よだれを出したのは実に久しぶりのことである。内視鏡の医師から内視鏡検査の写真も見せてもらい、ほとんど心配するような問題はないとの話だった。総合的にもあまり大きな問題はないということでホッとしている。ただ、便潜血反応で血痕が交じっていると指摘され、早めに専門的に診てもらった方が良いとのお勧めがあったので、すぐに紹介、予約をしてもらい12日に消化内科で診てもらうことになった。

 病院11階の帝国ホテル・レストランでランチを楽しみながら、周辺の景色を眺めていた。ちょうど同じ高さに今オリンピック陸上競技を開催中の国立競技場の屋根が見える。改めて周囲の森が建物に溶け込んで落ち着いた素晴らしい環境の競技会場だと思った。だが、周囲の人出は、やはり無観客、及び周囲が交通整理されているネットのせいで、静かな環境に包まれている。コロナさえなければ、ここに多くの人びとが溢れてオリンピックが熱狂の中で開催されている筈だが、とてもそうは思えない素晴らしい雰囲気である。喜んで好いのか、意外と言ったら好いのか、全体の環境は滅多に見られないほど静かで、神宮の緑に調和したスタジアムに厳粛さを感じた。

 ところが、受診がすべて終わって最後に代金の支払いに際し、カード支払いでひと悶着あった。処理することは出来たが、病院や私自身の責任ではなく、不愉快な目に遭ってしまったのである。

 代金支払いの場で、先日再発行したばかりの三井住友ビザ・カードが使えなかったのである。こんなことは初めてである。そのつもりでいただけに、請求額分の現金は持ち合わせておらず、結局銀行振り込みということになってしまった。

 昨年12月ビザが私の銀行口座から、名も知らない外国名企業の請求額を引き落としされる寸前に気が付き不審に思い、三井住友カード会社へ連絡したところ心当たりのない怪しい請求だったと分りビザはその引き落としを停止した。その後ビザ・カード会社から安全のために私のカード№を変更した方が良いとのアドバイスで№を変更したわけである。それが今日のように使用出来ないとすれば、カード・ホルダーはどう対応すれば良いのか。カード会社の言うなりに従ってカードが使用出来なくなり、結局恥をかかされ、結局はカードが使用出来なくなってしまったのだ。

 今やデジタル化時代に入り、現金支払いよりカード利用のキャッシュレスが一般化しているようだ。そこには当然カード会社にとってもメリットがある。ところが、カードによる顧客へのサービスが追いつかず、彼らに迷惑と負担をかけている。この実態をカード会社は何と心得ているのだろうか。カード会社に言わなければ個人のトラブルはそのまま見過ごされてしまうだろう。これは三井住友カード会社に、はっきり事実を知らせる必要がある。それにしてもこんな初歩的なミスが大カード会社で日常茶飯事に起きるとは、怖くてカードなんか使えない。実は、ビザ・カードでトラブったのはこれが初めてではない。どうしてこういう初歩的な事故がしばしば起きるのだろうか。企業の体質としては意図的とも思えて、偽装報告をして非難を浴びている三菱電機と何ら変わらないではないか。モラル喪失であり、実に情けない。日本の旧財閥のモラルもこの程度のレベルに落ちてしまったということだ。強く反省を促したい。

2021年8月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5194.2021年8月1日(日) ミヤンマー・クーデターから早や半年

 今年も猛暑の8月に入った。今日も朝起きた時から外は暑そうな空模様だった。とてもウォーキングに出かける気にならない。

 2月にミヤンマーで軍事クーデターが発生してから今日でちょうど半年になった。最も好きな国のひとつであるミヤンマーの自由と民主化が抑圧され、軍政下に置かれたミヤンマーの人びとの気持ちを想うと寂しく悲しい気持ちになる。

 昨日まで3日間続けて朝日新聞には1頁の4分の1のスペースにミヤンマーのクーデター後の現状を連載していたが、レポートではミヤンマーの前向きな明るい気配が感じられない。そこには、クーデターとミヤンマー国軍を非難する欧米諸国に対してロシアと中国が、欧米とは逆に軍事政権の後ろ盾となっているからである。今朝も新たに同じ程度のスペースにミヤンマーの現状について両サイドの視点から書かれている。「対ミヤンマー 割れる世界/欧米諸国は制裁―ロ・中反対」と題した記事だが、公平に見て見出しだけ読めば、ミヤンマーに対する支持が恰も二分されているような印象を受ける。欧米諸国は揃って選挙によって選ばれた民主政府から軍事力によって権力を奪い取ったミヤンマー国軍を厳しく非難しているが、ロシアと中国だけが軍事クーデターで政権転覆を図った軍事政府をその背後で支援しているのである。これは中ロともに、この機会にミヤンマーへの進出を図り、陣営に組み入れたいとの利己的な思惑がはっきりしているからである。覇権国家である中国、及び同じようなロシアは、ともに自国の権益をミヤンマー国内で拡大したくて表面的にミヤンマーの後ろ盾となって欧米などの制裁に反対しているに過ぎない。個人的に自国内で強力な権力を掌中にした習近平国家主席とプーチン大統領は、自国国民が国内問題や動きに騒ぎ立てないよう外国の、とりわけ欧米の動静に目を向けるよう仕向けるために、敢えて火中の栗を拾うようにミヤンマー軍政を擁護するような言動を行っている。

 民主的な政権をクーデターで転覆させた軍部の行動は、断じて民主国家、民主社会で許されるものではない。欧米諸国がこのミヤンマー軍を非難し、制裁を課すというのは至極当然とも思える。それをロシアと中国は国連安保理でも「内政不干渉」を理由に制裁決議に反対したが、特に中国の「内政干渉」に対する反対は、自国に都合の悪い点が暴かれることを恐れているというのが主たる原因である。新疆ウィグル族、チベット族への弾圧や、香港における「1国2制度」の撤廃や、香港国家安全維持法の強行など、誰が考えても民主化を抑圧する行為であり、それに対して外から異を唱えると錦の御旗のように「内政不干渉」と直ちに反論するのは、ご都合主義以外の何物でもない。それにしても民主的にミヤンマー国軍の行動に反対をアピールする欧米諸国の抗議が、今では中ロの術中にはまって活路が開けず、我が物顔に民主化を損なう中ロのやり方が、「そこのけ!そこのけ!お馬が通る」とばかりに許されるのは、ミヤンマー国民にとってばかりでなく、世界の人びとにとっても不幸を押し付けることと変わらない。それほどロシアと中国がよその国を舞台に行っていることは罪が重いと思う。

2021年8月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5193.2021年7月31日(土) 五輪表彰式の国歌演奏のうら話

 宴たけなわと言ってもいいオリンピックで、ロシアが国家としての参加が認められず、ROCという名称で参加している。言うまでもなくロシア・オリンピック委員会の略称である。ドーピング違反でIOCからお灸をすえられてロシア国としての出場を認められず、国家としての代表ではなく、国内のオリンピック委員会が代表として認める選手団が参加したわけである。そこでもし金メダルを獲得したら、国旗はもとより国歌はどう披露されるのか、♪オリンピック賛歌♪でも演奏されるのかと思っていたところ、国歌に代わって何とチャイコフスキーの名曲♪ピアノ協奏曲第1番♪が表彰式会場に流れるのだという。残念ながら今大会では♪君が代♪以外の国歌が演奏されるのをテレビ画面で観たことがないが、どんな雰囲気になるのか、想像するだけでも楽しくなる。

 1958年第1回チャイコフスキー国際ピアノ・コンクールで、若きアメリカ人ピアニスト、バン・クライバーンが颯爽と登場して優勝をさらっていったチャイコフスキーのこの名曲は、高低のバランスのあるリズムも良く流れがしなやかで大好きな曲である。この機会にこのレコードLP盤を買ってよく聴いていたものである。それがオリンピックでロシア人選手の優勝が決まった直後に会場内に流れ聞こえてくるとは、時代を感じる。いかにドーピングのせいとは言え皮肉なものである。

 実は、ROCは国歌の代わりに♪カチューシャ♪の演奏を希望したようだが、愛国色が強いと警戒され、チャイコフスキーの曲になったらしい。愛国色と言えば、現在のロシア国歌の方がよほど強すぎると思う。昨今北方領土周辺で怪しい動きが見られるロシアのパフォーマンスを見ていると、ロシアの政治的、軍事的動きから目を離せない。その意味では怪我の功名だろうか、オリンピックではロシア国歌よりチャイコフスキー曲の方がよほど落ち着いたムードを漂わせると言っても良いかもしれない。何とかロシア人選手が優勝した表彰式で♪ピアノ協奏曲第1番♪を聞いてみたいものだ。

 今日新型コロナウィルスの感染は飛躍的に拡大した。今日も東京では感染者は実に初めて4千人を超え全国の新規感染者は3日連続で1万人を超える有様だった。過去最多を記録した自治体も東京、神奈川、千葉、群馬、栃木、新潟、静岡、京都、沖縄の9都府県に及んだ。現在のような全国民にノルマがない緊急事態宣言だけではこのコロナ風を防止することは難しいとの声が上がっている。菅首相はロックダウンは日本では馴染まないと語っていたが、街でインタビューに応えた初老の男性は、もう戒厳令でも布かなければコロナを退治出来ないと語っていた。現状はそれほどまでに追い詰められているということである。

2021年7月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5192.2021年7月30日(金) 拙著重版、楽天ブックスと販促計画

 今年1月に上梓した「八十冒険爺の言いたい放題」が、幸いにもそれなりの評価をいただき、販売実績を伸ばして現在在庫が僅少となり、近日重版が出ることになった。本ドキュメント作品は自分なりに海外ひとり旅の実体験に臨場感を込めて精一杯書いたつもりであるが、評価いただいた蔭には推薦文を書いていただいた冒険作家・椎名誠氏の力強い後押しがあると思っている。

 ついては、昨日出版元の「はるかぜ書房」からの連絡で知ったことだが、日販、トーハンに次ぐ出版取次業界3番手の楽天ブックスネットワークからも高い評価をいただいているという嬉しい話で、楽天から今後宣伝媒体の制作や配信をしてもらえるという話を進めているということだった。今日ネットで調べていた別のアイテムの隣に、偶々楽天の宣伝による書籍がいくつか紹介された。そこに「八十冒険爺の言いたい放題」の他に、既刊拙著「南太平洋の剛腕投手」と「停年オヤジの海外武者修行」の表紙が次々と現れた。大変心強く感じている。これも楽天の評価の表れだろうか、重版が販売実績を伸ばし、更に版を重ねることを大いに期待している。

 今日も新型コロナウィルスの感染拡大は止まらない。東京は3日連続で新規感染者が3千人を超えた。全国的にも昨日に続いて、感染者は過去最多となり1万人を超えた。政府は今日首都圏の神奈川、埼玉、千葉と大阪府に緊急事態宣言を来月一杯発出することを決定した。同時に北海道、石川、京都府、兵庫、福岡県にまん延防止重点措置を実施することを決めた。オリンピックは今日から陸上競技が始まり、益々熱が入るだろうが、コロナは最悪の状態になってきた。今後の感染のありようによっては、政府の判断も鼎の軽重を問われる。

 さて、昨年10月以後、東京調布市内の住宅地域で東京外環トンネル内の大深度地下にある陥没事故が起きて以来、度々同様な道路陥没事故が発生している。陥没現場周辺の住民の間から強い不信感が強まり、事故の影響は近隣自治体にも広がっている。これが高速道路会社ばかりでなく、新幹線計画を実施するJRにも危機意識を与えている。現在調布市と同じく都内世田谷区、大田区で大深度地下工事が計画されているJR東海のリニア中央新幹線にも同じような危険をはらむ恐れがあると国土交通省も認識している。リニア新幹線が東京都内の高級住宅地帯・田園調布周辺地下を貫通するということから、何と田園調布の地元住民が工事の差し止めを求める訴訟を東京地裁に起こしたのだ。日ごろ反対運動などとは無縁な田園調布地区住民が、初めてリニア反対の行動を起こしたのである。地下鉄道沿線に居住する住民の気持ちも理解出来る。工事には充分抜かりがないよう万全を期すだろうが、周辺が突然陥没するような事態が起きたら名にし負う高級住宅地も台無しとなり地価も下がる。

 それにしても田園調布の住民が、「リニアから住環境を守る 田園調布住民の会」のプラカードを掲げて、公的企業に反対の意思表示を行うとは、かつては考えられもしなかった。時代の流れと、人々の率直な意思表示と行動、企業の甘い認識が、「あり得ない」と考えていたことを「あり得る」ようにさせたのだろう。

2021年7月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5191.2021年7月29日(木) オリンピックが抱える問題

 来月2日に例年通り慶應病院で人間ドック受診をする。昨年同様に病院の要請で、今日PCR検査を受けた。1年間慶應病院を訪れなかったが、正面玄関口へのルートが工事中で閉鎖され、隣のビルへ回った。改築工事が行われていて、古く暗い感じだった正面入り口の建物は撤去され、一時的に別の出入り口から建物内へ入った。建物はすべて近代的で清潔なビルに変わったが、正面玄関の建物が再建されれば、病院としては国内でも屈指の近代ビルに変貌することだろう。PCRは唾液を採取しただけで、結果が仮に陽性なら人間ドック受診前に連絡があるとのことである。

 今や国民の大きな関心事は、新型コロナウィルスとオリンピックである。コロナは今日も感染者が増加する一方で、東京は3,865人の3日連続で過去最多の新規感染者を出し、神奈川県、沖縄県も最多となり、全国ではついに初めて1万人を超え10,699人が感染し、専門家は「東京は経験したことのない爆発的な感染拡大に向かっている」と危機感を示した。

 オリンピックは東北地方への台風上陸と強い日差しのために若干予定が変更になったが、概ね順調にスケジュールをこなしている。好調の日本は今日柔道で男女2つの金メダルを獲得し、獲得した金メダルは合計15個となった。前回1964年東京大会、及び2004年アテネ大会の16個まであと1個に迫った。

 オリンピックについては、政治とスポーツは別物と考えられ、政治が冒さざるものとされているオリンピックで、意外にもそうとばかりは言えない難しい問題が表面化した。

 実際政治的に対立する国家間で、対戦拒否により試合が行えないケースが現実となった。一昨日柔道決勝で永瀬貴規選手に敗れたモンゴルのサイード・モラエイ選手は、イラン出身だが、2年前の世界選手権で敵対関係にあるイスラエル選手との対戦を前に国から出場辞退を迫られ、試合出場後にドイツへ逃れて難民認定を受け、その後モンゴル国籍を取得した選手だった。他にも今大会に出場予定だったアルジェリア選手が、イスラエル選手との対戦を直前に辞退したケースもある。

 韓国と北朝鮮が合同チームとしてソウル大会以降リオ大会、平昌冬季大会オリンピックまで参加したのは、政治的な理由と同じ民族の友愛精神に基づくものだった。同じ民族でもあり、政治的な事情が理解し合えれば参加してもイスラエルが与える諸外国への影響ほどのことはない。今大会にも当初南北合同チームとして参加する予定だったが、今年4月に突然北朝鮮が参加しないと言い出した。その言い分は、日本のコロナ感染拡大が懸念されるとのことだが、これは身勝手な北朝鮮らしい都合の好い言いがかりに過ぎない。

 いずれにせよ政治的、或いは他の利用にせよ、スポーツの場に政治的な空気を持ち込むこと自体、相容れるものではない。国際オリンピック委員会(IOC)も、もう少し毅然として成否を主張すべきだろう。財政的な問題からアメリカのテレビ放送権料に頼るあまり、開催時期、アメリカ国内のゴールデン・アワーに順守した競技時間、拡大する規模など彼らの言い分に従順過ぎる。このまま放置すればIOCもアメリカ・メディアに「庇を貸して母屋を取られる」の類になるのではないか。

2021年7月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5190.2021年7月28日(水) 高い五輪放送権料に今後のイベントは?

 今朝江田五月・元参議院議長が亡くなられた。80歳だった。東大在学中に東大紛争の真っ只中で活動し、退学処分を食らったこともある。その後1963年に学生運動から手を引くことになり、東大へ復学した。政界引退前に菱山郁郎・元日本テレビ政治部長に国会を案内してもらって、参議院議員会館内で江田氏を紹介してもらいお話しすることが出来た。安保闘争でも活動されたと思っていたので、当時の清水丈夫・元全学連書記長の動静について直接尋ねてみたところ、意外なことに名前は知っているがあまりご存じではないと仰っていた。清水さんとは安保、東大紛争と同じ時期に同じように活動していた筈だが、特に印象はないとのことで、その後考えてみてどうも江田さんは清水さんとは接点がなく、東大の退学処分を機に所謂「転向」した一派だったのではないかと思える。

 政治家としては父三郎氏の威光もあり、随分恵まれたように思うが、五月氏自身は弁護士でもあり、リベラル派と見られていた。新しく政党が生れる都度それに加わったり、リベラル派グループの立ち上げに手を貸したり、民主党では大臣を歴任したりしてよくメディアでも取り上げられ存在感はあった。だが、失礼ながらその存在感や主義主張に骨太なところがなかったように思う。人間的にソフトで笑みを絶やさない性格が、多くの人びとから愛されたが、アクの強さがなく、その点で迫力に欠ける点が惜しまれる政治家だった。私より3歳若いが、政治家の中で多少なりとも知っている人がひとりまた逝ってしまった。

 さて、オリンピックも花盛りの今日も女子水泳200㍍個人メドレーで大橋悠依選手が2つ目の金メダル、そして女子柔道70㎏級で新井千鶴選手と男子体操個人総合で橋本大輝選手が金メダルを獲得した。つい浮かれ気分でいたところへ、新型コロナウィルス感染が強烈に襲って来た。新規感染者が東京では3,711名と過去最多を先頭に、神奈川が千名を超えて過去最多、埼玉、千葉、茨城各県も最多だった。他に石川、京都も過去最多だった。全国的には9,576人で1万人に手の届くところまで来てしまった。

 コロナとオリンピックで連日、新聞、テレビの報道はヒートアップするばかりである。特にオリンピック関連では、テレビで朝から晩までNHKと同時に、毎日民放局が交代で番組を埋めていることに、少々やり過ぎではないかと思っているくらいである。放送が長時間の原因として、テレビ放送権料が高すぎるという事情があるようだ。アメリカのNBCと国際オリンピック委員会(IOC)が協約した高額の放送権料が、各国のテレビ局に押し付けられる。とてもテレビ局1社では受け入れられる金額ではなく、日本ではジャパン・コンソーシアム(JC)というテレビ各社が共同仕入れして仲間内で割り当てる方式で契約して放映するようである。33年前のソウル・オリンピックでは国内放送権料は77億円だった。それが今や東京大会では、平昌冬季大会分を含めて660億円にまで値が吊り上がった。昨今はテレビ会社も経営体力が落ち厳しい中にある。跳ね上がった放送権料を償える広告収入は、今の民放各社にはとても大きなノルマである。

 来年カタールで開かれるサッカー・ワールドカップでは、その放送権料が200億円を超えるとの噂がある。こうなるとテレビ局では最早放映出来るような事態ではない。ワールドカップはどのテレビ局が放映することになるのか、今以て未定だという。コロナ禍の中で、菅首相や小池都知事が、オリンピックは自宅のテレビで観てくださいと注文をつけているが、それも戯言に過ぎなくなるかもしれない。世の中の機構やシステムが少しずつおかしくなっているのではないかとも思う。

2021年7月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com