5328.2021年12月13日(月) 国家独立を問う住民投票

 地球上には今以て宗主国と呼ばれる母国と、その属国となり植民地のまま現在に至っている国がある。アジア、アフリカ諸国は、長年列強国の支配下に置かれていた国が多かった。第2次世界大戦は、植民地解放戦争でもあった。戦後旧植民地が続々と独立し、今では植民地と言える国は稀となった。

 そんな中で、昨日地球上に残された旧植民地のひとつ、南太平洋のフランス領ニューカレドニアで、1853年にフランスが領有を宣言して以来、フランスからの独立是非を問う住民投票が実施された。ニューカレドニアは、一面で「天国に一番近い島」とも呼ばれている。独立については、フランスとの間で3回の独立を問う住民投票ができるとする協定が結ばれていて、今回が最後の住民投票である。2018年の第1回、昨年行われた第2回に引き続き独立反対派が勝利を収めた。しかし、その独立への動きは少しずつ独立派に有利になり、その差は僅差になっていた。今回実施された第3回住民投票では、どちらが勝利を収めるか、広く注目されていたが、昨日開票の結果は、意外にも圧倒的な大差で独立反対派が勝利した。

 これにはいくつかの要因があるようだが、独立派にとって最も決定的な敗北の原因となったのは、投票期日をめぐるフランス政府との対立から、独立派が多数投票ボイコットに回ったことだった。投票率は前回2020年の85%を大きく下回り、43%にまで落ちた。この結果、前回独立派が得た得票が48%だったにも拘わらず、今回は僅か3.51%に過ぎなかった。一方、独立反対派は96.49%の得票を得た。この結果、ニューカレドニアはフランスに留まることになった。マクロン大統領はこの結果を歓迎し、一方独立賛成派の指導者は今回の結果は認められないと述べている。

 もうひとつ大きな要因は、中国問題である。ニッケルの原産地でもあるニューカレドニアは、一帯一路で途上国へ進出し続けている中国にとっては、絶好のターゲットだった。しかし、フランス政府は、何とか住民の支持を得ることによって中国からの中国流経済進出を防ぐことが出来そうである。今後ニューカレドニア政府は、フランス政府と協力して経済発展に力を注がねばならないだろう。

 ところで、かつての先進国と発展途上国の間で繰り返されてきた、独立国家への脱皮が、思いがけず先進国家内にも燻っていた。

 イギリスとイギリス内の一部スコットランドの間で交わされていた国家分裂論争である。それは、去る5月に行われたスコットランドの議会選で、イギリスからの独立を掲げる地域政党・スコットランド民族党が勝利したのである。同党は、2014年に次いで近日2度目の住民投票を目指している。どこかニューカレドニアの住民投票と似ているところがあるが、歴史的な点で大きく異なる。実は、スコットランドは、1707年にイングランドと合併するまでは独立国だった。合併で独自の議会はなくなり、自治権と外交権は認められているが、自主権は大きく損なわれた。そこへイギリスのEUからの離脱により状況が大きく変わった。今後住民投票が実施され、スコットランドは新しい独立国家となるのだろうか。サッカー、ラグビーのようなスポーツ界では、以前からイングランドとは別にスコットランドというひとつの国の代表チームを送り出している。スコットランド独立の行方も注目していきたい。

2021年12月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5327.2021年12月12日(日) 迷路入りした交付金10万円

 いま国と地方自体体の間でぎくしゃくしている問題に、10万円交付金がある。子育て世代を少しでも助けようとの趣旨の下、18歳以下の若者にひとり10万円を支給するものだ。ところが、これが分かり難い。特にマイナンバーカードを取得している人、或いは取得しようとする人にポイントを与えようとしている。未だ全国で40%しかいないマイナンバーカード取得者をもっと増やして、デジタル時代に相応した体制作りを目指しているが、説明不足もあって話が宙に浮いている状態である。自治体の意向に沿った支給を政府も考えているようだが、まだ一致の結論は出ていない。未だ迷路に入ったままだ。

 それよりもっと騒がれているのは、政府は当初所得制限を設けていなかったのに、その後年収960万円を超える世帯については除外するという条件を付与したことと、政府は10万円の内現金で5万円、残りの5万円はクーポン券支給と方針を変更したことによって経費の増加につながり、自治体との間でもめている。

 18歳以下の家族がいない我が家では当然支給されるいわれはないわけであるが、支給対象の家族のいる保護者の発言が気になることがある。それは、彼ら受給者の言い分には、非受給者の気持ちを配慮しない様子が見られることである。それは、クーポン券より現金の方が好都合だから現金を全額すぐにも欲しいという発言である。彼らの言い分には、もらえない人たちを思いやる気持ちが窺えず、もらえるものなら、1日も早く現金でくれと言わんばかりである。それらの資金の出処は税金であり、それには我々非受給者の支払った税金も含まれているのだ。その点に思いが至るなら外で声高に現金で欲しいと主張するようなことは、遠慮してもらいたいものだ。何人もの受給者の同じような声を続けて聞いていると腹が立つこともある。周りに配慮しながら発言して欲しいものである。

 さて、一昨日の夜BSテレビ東京で「昭和は輝いていた」という歌謡番組を観たが、その番組で司会役の武田鉄也と合田道人・日本歌手協会会長の会話の中で、戦前「陣中髭くらべ」を唄ったコロンビア・トップにつき、2人は互いにトップは戦時中加藤隼戦闘隊に所属していたとお互いに言った。だが、この話はトップ氏が国会議員になったころに自らの軍歴に箔をつけるために虚言を弄したもので、当時これを知った加藤隼戦闘隊(六十四飛行場大隊)戦友会の幹事を怒らせ、トップに面会して謝罪させ、その後はこの発言をしないと約束させた事実がある。私はこの話を幹事さんから直接聞いていたので、昨日テレビ東京にメールで事実と経緯につき説明文を送った。そして今日電話でテレビ東京の担当者と話して主旨を関係者に伝えることを約束させた。

 古い話で今や隼戦闘隊員はほとんど他界されたが、間違った話が伝わってはあの誠実だった幹事さんの気持ちが無駄になると思い、余計な口出しをしてしまった。それにしても噂話というものは、知らないところでいつどんな形に変わって伝えられるか分からず怖いものだ。これでは、故人もあの世で安らかに眠れないだろう。

2021年12月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5326.2021年12月11日(土) 日大事件の教訓

 日本大学が元理事による背任事件や、田中英寿前理事長の所得税法違反による逮捕などの不祥事で、世間から厳しい視線に晒されているが、ノー天気の大学本部は長い間記者会見を開いて大学の立場や考え方を伸べる機会を設けなかった。3年前のアメフト部の違反タックル問題の際も会見を開かなかった。その日大が昨日漸く記者会見を開いた。学長を兼務する加藤直人・新理事長が、冒頭謝罪したうえで、田中前理事長とは永久に決別すると決意を語った。先月田中前理事長が職を辞任すると述べた蔭では、田中氏は日大とのパイプを切らすことなく院政を敷いて、いずれ理事長に復活することを目指すだろうとの憶測があった。昨日の新理事長のコメントは、そういう声を抑えて、田中氏には今後「出入り御法度」を公に約束したのだ。田中氏の退任は、辞任ではなく解任としたことで、退職金も功労金も支払われないという。

 この一連の事件により、一番傷ついたのは現役学生たちである。学生たちに与えたショックと失望は計り知れないものがある。実際就活中の日大学生は、世間の日大のイメージ・ダウンを恐れ、就職に不利に響くのではないかと懸念している。偶々日大には危機管理学部という学部があるらしいが、在学生は入学前にはよもやこのような事態になろうとは想像も来なかっただろう。

 今回のスキャンダルによって日大は財政的にも大きな打撃を受けた。毎年日大には私学助成のための補助金として約90億円が支給されている。末松信介文科相は厳正に判断すると発言し、世間の目もあり、処分としては厳しいものとなるだろう。慣例によれば、一旦支給額がゼロとなり、その後徐々に復元され、5年後に元通りの支給額に戻るという。

 田中前理事長は、所得税法違反を問われた。しかし、収賄と見做される金額については、背任容疑で逮捕された理事が提供したと自白したにも拘らず、逮捕されても頑なにその受領を否定していたが、ついに本日になって現金受領を認めた。多額の現金が自宅内で見つかり、帯封を付されたままの現金束まで見つかり、夫人の携帯録音に受領したことに礼を述べ、夫が感謝しているという主旨を述べたことが分り、万事窮すと考えたのだろうか。

 疑問が多い今回の日大事件であるが、大学当局がガバナンスを失い、自浄作用もなく1人のワンマン経営者・田中英寿氏が権限を一手に掌握し、誰も理事長に反対意見を述べることが出来ないような怖い空気が漂う理事会だったことなどが、結果的に今日のあるまじき事態を招いた。

 理事全員を入れ替えて、一部外部理事を入れて本来の学園経営というものはどうあるべきか、と反省のうえに立って再生を期すより術はないと思う。ひとたび方針を誤ると、取り返しがつかなくなる点を真摯に反省し、新たな出発を期してもらいたいものである。

 学内に似たような病原を抱えた他の私立大学も、この日大事件を他山の石として私学の在り方というものを真剣に考え直して欲しいと思う。

2021年12月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5325.2021年12月10日(金) 母校高校ラグビー部TVで紹介?

 先日母校ラグビー部OB会会長から、来る13日(月)22:00にBSテレビ東京で「THE名門校 日本全国すごい学校名鑑」と題するシリーズ番組に母校が紹介され、その中で文武両道の模範としてラグビー部の活動が取り上げられると聞いた。僭越にも知人、友人にも観てもらいたいとメールで連絡を取ったところである。

母校ラグビー部は私が3年生になって主将を務めていた当時は、負け試合が多かったが、近年は大分実力をつけて来た。ところが、神奈川県は強豪校がひしめいており、過去にも全国大会で優勝した慶應、相模台工業、桐蔭学園など実力校が多く、桐蔭学園なぞは、昨年と今年の2年連続で全国制覇を成し遂げているほどである。母校は公立校の中ではかなりレベルは高いが、私立の強豪校の壁を突き破るのは中々厳しく、トーナメントではいつもベストエイト入りを賭けた試合で跳ね返されている。今秋もインターハイ県予選のベスト16入りを賭けた3回線で、選りによって全国大会3連覇を目指す桐蔭学園高を相手に戦うことになり、善戦はしたが60-0で敗れた。しかし、桐蔭学園は全国でも屈指の強豪校だけに、次の準々決勝戦では、127-0、準決勝では105―7の結果で、対母校戦を遥かに上回る大差をつけ圧勝しているくらいである。母校もくじ運にさえ恵まれれば、ベスト4ぐらいまで行けたかもしれない。いずれにせよ、13日の放映を楽しみにしている。

 今日は久しぶりに電車に乗って代々木まで出掛けた。いつも通り歯の定期健診である。歯科医からは、よく歯を磨いているようで現状では問題はないとのことだった。以前に抜歯してから初めてその重要性に気が付き、1日3回の歯磨きを欠かさなくなったが、まさに「遅かりし!由良助!」である。

 帰路は代々木駅からJR渋谷駅で通常通り東急東横線ではなく、寄り道してJRから東急田園都市線に乗り換えたのだが、工事中の渋谷駅構内の複雑な構造のため、分かっている筈なのに乗車すべき田園都市線の渋谷駅構内へ中々辿り着けない。表示の仕方もおかしい。元来た道を戻っているような感じにもなり、ついに東急の駅員に尋ねる無様ぶりだった。元鉄道員がこんなに迷うようでは、認知症ではないかと勘違いされかねないが、JR、東急ともに駅構内の標識が分かり難いことは事実である。久しぶりの渋谷だったが、田舎っぺ丸出しだった。
 さて、困ったことになった。パソコンとともにいつも愛用しているプリンターが故障して、機能不全に陥ってしまった。最近やや具合が悪くなっていたのを承知のうえで、アブノーマルなまま騙しだまし使用していたのだが、ついにプリンター自体が動かなくなってしまった。いつも相談しているITコンサルタントの小糸さんに連絡を取り、新しいプリンターに買い替えることに決めた。これから年賀状を印刷しなければならない時期でもあり、時間がないので、出費もやむを得まい。

2021年12月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5324.2021年12月9日(木) 同じような行動を行う独裁者国家

 暫くミヤンマーの動きが報道されないと思っていたところ、旧ラングーンのヤンゴン市内でスーチー国家顧問の肖像画を掲げたデモ隊に国軍の車両が意図的に突っ込み、死傷者を出したとのニュースが伝えられた。その翌日ミヤンマーの裁判所がアウンサンスーチー氏に禁固4年の判決を下した。この裁判自体が、法廷の場所も分からず、秘密裏に開かれ弁護士にもかん口令が敷かれている有様である。国軍は恩赦を与えて刑を2年にしたが、そんな姑息なことをやっても意味がない。スーチー氏への量刑は現時点で合わせて100年というから、茶番も好いところだ。民主的に選ばれたスーチー氏が率いる国民民主連盟による政権を暴力によって倒し、政権幹部をひっ捕え彼らを押さえつけておきながら、2023年8月までに総選挙を行うなどと言っても誰も信用しやしない。欧米各国は国軍によるクーデターを強く非難したが、今またこの判決を民主主義への侮辱と批判し、国連人権高等弁務官が恥ずべき裁判と厳しく非難している。初めて当時ビルマと呼ばれていたミヤンマーを訪れたのは1971年だったが、当時は軍人上がりのネ・ウイン大統領が支配していた。だが、ネ・ウィン大統領は、クーデターで権力者になったわけではなく、時とともに引退された。インヤ・レーク湖畔で休憩中に大統領の車列が通ったが、元日本人兵士に対して窓を開けて手を振ってくれた。それほど親しみを感じさせる人物だった。現在のミンアウンフライン国軍司令官とは、人間的に別格のようだ。

 こういう時にミヤンマーのミンアウンフライン国軍最高司令官と同じように独裁的権力を行使してきたカンボジアのフン・セン首相が、自らの権力行使をアピールするかの如く、来年1月ミヤンマー訪問を両国間で合意した。

 今来年2月開催予定の北京冬季オリンピックに、新たな問題が生じている。昨日アメリカが外交団を派遣しないと公表したのに続いて、オーストラリア、イギリス、カナダなどもアメリカに同調して外交団は派遣しないと述べた。その最大の原因は、中国が新疆ウイグル自治区で冒している人権蹂躙につき欧米は証拠を呈示して激しく抗議しているが、中国は事実ではないと突っぱねた挙句に、それは中国国内の内政問題であり、他からとやかく言われる筋合いではないと取り合おうとしない。中国政府の対応は、指摘された問題点に誠実に応えるということではなく、問題の入口で示された懸念に対して筋違いの回答を行うことである。どうやら独裁国家というのは、ミヤンマーにしろ、カンボジアにしろ、同じような行動を取るものだ。

 国連安保理事会でミヤンマーに対する制裁決議が行われようとしたが、中国とロシアが反対した。似た者同士と言ったら良いのか、どうも習近平、プーチン、フン・セン、ミンアウンフラインら国家を独裁的に支配する権力を奪った者は、行動規範においてどうやら同じ穴のムジナのようだ。

2021年12月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5323.2021年12月8日(水) 戦争は忘れられたのでは? 開戦記念日に想う。

 80年前の今日太平洋戦争が海軍によるハワイの真珠湾攻撃、及び陸軍によるタイのシンゴラ、マレーのコタバルへの上陸作戦によって開戦の火ぶたが切られた。私はまだ3歳だったので、記憶にはないが、翌年家族が兵庫県芦屋市へ転居した後のことはかなり覚えている。よく近くの学校(現芦屋高校)の空襲を知らせる警戒警報の半鐘が鳴り響いていた。その後房州勝山町(現鋸南町)で終戦を迎えたが、ここでは度々米軍機の襲来で防空壕に避難したことが強烈な印象として残っている。その後30年ばかり経過して、戦友会の戦跡慰霊団や、厚生省主宰の戦没者遺骨収集事業に携わるようになり、戦争とは切っても切れない関係になった。

 戦争を回顧するテレビ番組などを観ていると、絶対2度と戦争はやってはならないという反省の声が繰り返される。だが、今の安穏とした時代になってかつての悲惨な戦争は忘れられたのではないかと思うことがよくある。一般の人びとの感覚はもとより、実際の政治の世界では、自衛力を増強し、戦争放棄を謳った現行憲法を蔑ろにしたような言動が高まりつつある。実に怖く悲しいことである。

 最近政治の世界で防衛費の増額とか、アメリカへの配慮でアメリカから軍事物資の購入を主張する政治家が多くなった。とりわけ高市早苗・自民党政調会長は、先の総選挙前に計上予算の内国防費の増額を求め、それは2兆円規模に上るものだった。彼女はいずれ総理大臣を目指すと語っているが、こういう超保守的政治家に一国はとても任せられない。

 いつも靖国神社に参拝しているようだが、遺族会や、戦友会が行う慰霊祭で戦没者のご遺族の近くで身近に立ち会ったら、いかに戦争で身内を失うことが悲しいかが分ると思う。仮に戦争になっても自らは戦地に行く可能性がない人には、臨場感が分からないのだ。そういう人物が好戦的な言動を行うことは、戦没者に対しても失礼極まりないと思う。

 さて、昨日‘Google Search Console Team’からいつも通り11月の本ブログ・アクセス数の結果をメールで教えてくれた。アクセス数1位は、2013年9月12日の「川勝平太・静岡県知事のやりたい放題」だった。その年の6月に知事に再選され自信過剰で思い上がっていたのか、全国学力調査で静岡県の小学6年生の国語の成績が全国で最下位だったことに憤慨し、成績の下位100校の校長名を公表すると公言して顰蹙を買ったことについて書いた。早大教授時代には、事務局の女性にセクハラを犯したり、最近も総選挙で浜松市の候補者を応援するために、ライバル候補者の出身地である御殿場市を愚弄するような表現をして不評を買った。そしてその直後に美人は仕事が出来ない方が良いような比喩を述べて非難されたばかりである。どうもこの御仁は失言、放言が抑えきれないようだ。こういう非常識で、教育者とも思えない人物が県立大学学長を務めていたナンセンスにも呆れるばかりである。

 なお、アクセス数2位は、19年4月4日の「日本ペンクラブの不条理な言論抑圧」であり、第3位は07年10月5日の「元全学連書記長・清水丈夫さんの思い出」だった。これは、一昨年高校ラグビー部の先輩・清水さんが半世紀ぶりに世間へ姿を見せた時、メディアが大騒ぎで報道し、そのことを書いた。それ以来毎月この項目がトップだったが、漸く3位に下がったほどである。ある面で、いかに清水さんが非凡であるかを物語っていると思う。

 このように拙稿に多くの方が目を通していただいたことに感謝の気持ちである。世間をしっかり見て、真実を見極め、本音をきちんと書きなさいと激励されていると考えている。

2021年12月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5322.2021年12月7日(火) アメリカ、北京五輪に外交団を派遣せず

 1日に妻が東京医療センターで受けた大腸の内視鏡検査の結果を心配していた。まだポリープをすべて除去していない。ひょっとするとがん細胞があるのではと気になっていた。幸いそれは杞憂に終わったが、心臓を見ると血の流れがスムーズでない心筋シンチという薬剤負荷があり、放っておくと心筋梗塞になる恐れもあるとのことで今月中に心臓の検査を受けることになった。かねがね気になっていた虫垂炎の手術は、来年1月に受けることも決まった。どうもぱっとしない健康状態になってしまったが、ぼやいていても始まらない。取り敢えず、目先の検査と手術を無事クリアすることが先決だ。

 私は3か月ぶりに眼科で診てもらったが、案じていた通り右眼の白内障がやや進んでいるので、3か月後にもう一度診て更に進んでいるようなら手術という予定で行きましょうということになった。

 夫婦揃って昨年来健康面に少々支障を来すようになった。これは加齢ということも考えられるが、それだけに日頃の健康管理と予防医療ということが大切でると改めて思う。

 さて、昨日本項で米中対立について懸念していることを取り上げたばかりだが、今朝早々に具体的な一手がアメリカによって発表された。2か月後に迫った北京冬季オリンピック・パラリンピックにアメリカ政府は外交団を派遣しない「外交ボイコット」を行うと発表した。最近になってアメリカはそれらしいことを仄めかしていたが、その空気を感じ取っていた中国としては、招待する予定がないので影響がないような発言をして、事前に影響を和らげるべく努めていたようだ。

 選手団は当然参加するが、外交団を派遣しないと公表したことは、中国の本音としてはショックである。同時に、アメリカが独断専行するなら、断固対抗措置を取ると反発している。駐米中国大使館は、「アメリカのいかなる政治家にも招待状は出されておらず、『外交的ボイコット』は降って湧いたものだ。このうぬぼれた行動は政治的なごまかしでしかなく、オリンピック憲章のひどい歪曲だ」と強く非難した。

 アメリカが今この強硬策を取ったのは、今までの中国政府の新疆ウィグル族に対するジェノサイドの人権抑圧など数々の非民主的行動に対する非難であるが、最近の女子テニス選手が前副首相によってセクハラを受けたことを当該選手が公表してから、彼女の所在が明らかではなくなったことに対して、アメリカが中国政府の対応を人権弾圧として抗議したものである。

 本件について、アメリカではごく普通に受け取られているが、中国国民はアメリカが仮想敵を抑圧しようとしているとか、アメリカが来なければ開催しないのか?そうではないだろうとか、中国国民には中国政府がこれまで行ってきた非民主的政策が充分分っておらず、ただ中国がアメリカに批判的な行動を取られたと憤慨しているのが、気がかりである。

 岸田首相は、日本の立場について国益を考え総合的に判断するとして決断を先延ばしにしているが、自民党内にはアメリカに同調して出席すべきではないとの意見があるようだ。中国側に配慮することは人権抑圧問題を厳しく非難しないということになりがちであるが、アメリカに同調すれば日中関係がよりこじれる可能性がある。従って、中立的に考えれば、現時点では外交団不参加を決めても、むしろ失うものが多いように思う。日本はアメリカに忖度することなく外交団を送った方が良いと思う。

2021年12月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5321.2021年12月6日(月) 昭和天皇の戦争観と中国式「民主主義」

 太平洋戦争開戦日を目前に控えているせいか、このところメディアで太平洋戦争関連のニュースや、ドキュメンタリー番組が目立って放映されるようになった。それらの中で意外だったのは、昭和天皇の戦争へ前のめりのスタンスだった。それは、昨日付朝日朝刊に掲載された「昭和天皇 開戦『覚悟』の秋」と題された百武三郎侍従長の日記から伺い知ることが出来る。

 これまでは、天皇は軍部の開戦論に対して反対されていたと一般に伝えられていたと思う。だが、今年になって侍従長の遺族から東大に寄託された百武日記によると、開戦直前に開戦を前提に戦争終結策を思案したり、開戦後は戦果に満足し積極的な作戦を求めたり、戦争に前向きな姿勢を示した時期もあったようだ。時には、天皇の気持ちが先行する様子を懸念した木戸幸一内務大臣が、ときどき先行するのをお引止めしていたとの表現が見られる。昭和16年9月ごろまでは、開戦に慎重だったと受け取られている。しかし、徐々に開戦消極から容認へ気持ちが傾いていったのには、「早期開戦論を抑え、外交を尽くすべきだ」と説く有力な後ろ盾を欠いていたからでもあった。スタンスが変わりつつあったのは、海軍の作戦・指揮のトップだった海軍軍令部総長を長年務めた伏見宮博恭元帥の存在が大きかったようだ。伏見宮は昭和天皇より年長で、日ロ戦争で実戦経験を有し、天皇と直接面談した際「開戦しないと陸軍に反乱がおきる」とまで述べて天皇に開戦を迫ったことが、天皇が開戦を決断する大きな原因になったと、日本近現代史の権威・加藤陽子東大教授は推察している。一度にテレビ・ドキュメンタリーを観られないので、いくつか録画しているが、改めてじっくり観てみたいと考えている。

 さて、このところ米中対立がエスカレートしている。中国が行った人権抑圧と覇権国家的行動が、それまでの経済的対立は別にして、政治的な対立を一層激化させることになった。アメリカのバイデン大統領は、中国を「専制主義国家」と決めつけ、中国政府を非難したことが火に油を注いだ。これに対して一昨日中国政府は、自国を「質の高い民主主義を実践」してきたと主張する新たな白書を公表した。この中で、中国は中国式民主主義を創造したとか、民主主義は多様なものであり国によって形態が異なり、国が民主的かどうかは、その国の国民が判断することであり、外が口を挟むことではないと反論している。この反論は、中国の後ろめたさの裏返しだと思う。中国は自国民に判断させるような包容力がなく、強圧的に自国民の自由を抑圧する一方だからである。その最たる証しが、国民の意見を汲み取る気がなく、自由選挙を認めず、すべて共産党の思い通りに上位下達の政治を行っていることでも明らかである。

 この辺りに中国政府の狭量な視点があり、真実を捉えていないひとりよがりな考えが読み取れる。中国政府には誤解と物事の読み違いが多過ぎ、それを他に押し付けるきらいがある。

 新疆ウィグル族への人権抑圧、香港1国2制度の破壊、南シナ海侵略と人工島建設、自由投票制度の不履行、報道の不自由、義務教育での中国語以外の禁止、など、挙げたらキリがないほど中国が非民主主義国家でないことは歴然としている。そもそも中国が「民主主義国家」とか、「社会主義国家」と唱えること自体ナンセンスである。まったくそのいずれとも対極にあるからである。

   思い上がっている中国は、自国の行動を反省することなく、恐らくこのまま突き進むだろう。当分の間米中の対立が融解しそうもないことは、何ともしようがないが、実に残念である。

2021年12月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5320.2021年12月5日(日) 不思議な足の痛みと最後の福岡国際マラソン

 最近著名人の突然の訃報を耳にすることが多い。去る3日誤嚥性肺炎で作家の新井満さんが死去された。享年75歳である。新井さんは芥川賞を受賞されたれっきとした作家であるが、意外と言っては失礼だが、抒情詩の作詞・作曲もされる。今から十数年前の日本ペンクラブ総会後のパーティで、自身が作詞・作曲された「千の風になって」について、そのキッカケとなった友人の死について話をされ、その直後にピアノを弾きながらこの曲を唄われた。パーティ後にお話しをしてサイン入りの同DVも購入した。「千の風になって」が、テノール歌手・秋川雅史によって歌われ大ヒットしたのは、その後のである。随分印象的な出会いで、今でもその時の情景を思い出すことがある。とても残念な気がしている。

 さて、1日から痛み出していた右足踵の上部が、昨日夜辺りからその痛みが退いた。不思議なもので、どうして痛みが発生したのかまったく分からず、同時に痛みがどうして退いたのかも思い当たらず、首を傾げるばかりである。実際今朝になってほぼ痛みはなくなった。階段の上り下りに不自由することもなくなった。どうしてこんな突発的な痛みに襲われたのだろうか。この4日間は右足を地面に押し付けると痛みを感じていた。それから解放され、取り敢えずホッとしている。これなら従来通り思い切って歩くことが出来そうだ。一昨日医師からウォーキングを止められたし、ちょっとした外出も出来ない有様だった。しかし、直ったのは佳しとして、今後同じような症状が不意に襲ったらと思うと少々気になる。再発しないことを祈るばかりである。

 話は別だが、毎年12月第1日曜日に開催されていた福岡国際マラソンが、今日の第75回を最後に、来年から実施されないことになった。今日は最終回である。全国に数々あるマラソンの中で、歴史、伝統、レベルなどで最も名を知られたマラソンである。残念! 惜しいという以外に言葉がない。

 近年マラソンは市民参加型レースが増えているが、その典型が東京マラソンである。この福岡マラソンは個人記録として2時間50分以内の選手しか走れないとか、市民参加型にするには道路が狭すぎるとか、問題も多く、加えて新春に行われる実業団対抗駅伝に参加する企業から、選手を参加させるには日程がきついというような理由で、必ずしもウェルカムではなくなった。費用対効果の一面もあるようだ。長い間主催者のひとつであった朝日新聞社も不本意ながらも手を引くことになった。

 思えば、まだ福岡市での開催が定着する前に同マラソンは各地を転々として、1954年は鎌倉で開催された。鎌倉市役所前をスタートして七里ガ浜海岸通りから藤沢市内を通り戸塚で折り返し、再び鎌倉へ戻り旧江ノ電鎌倉駅前をゴールとしたコースだった。我が実家の裏の県道を往復路を選手たちは走り去って行ったものである。当時高校1年生だったが、雨の中で傘をさして家族総出で応援していたものだ。田中茂樹、山田敬蔵ら日本の有力選手はぱっとせず、優勝したのはアルゼンチンのゴルノ、2位はフィンランドのカルボーネン選手ら外国人選手の独壇場だった。その懐かしい想い出の朝日マラソンもついに幕を降ろすことになった。このマラソンで活躍して名を上げた瀬古利彦氏も無念の心境を語っていた。感慨無量である。

 今日は福岡国際マラソンと並んで秩父宮ラグビー場でも、伝統の関東大学対抗戦ラグビーの早明戦が行われた。ずっとテレビで観戦していたが、内容的には終始押され気味だった早稲田が、粘り強い明治の攻撃を凌いで17対7で勝った。暮れから正月にかけて行われる全国大学選手権には、関東対抗戦グループからこの早明の他に、母校慶應と優勝した帝京、日体大の5大学が出場する。

2021年12月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5319.2021年12月4日(土) 無観客で五輪開催経費軽減

 今朝からITコンサルタント小糸武彦さんに来宅していただき、いろいろ問題点が出ていたPCを診てもらった。プリンターも故障してしまった。それほど頻繁ではなくても今まで使っていたアプリが画面から姿を消してしまったり、あまり使わないアプリの使い方を忘れてしまったり、年齢のせいもあるが、自力で解決出来ないことが多くなった。少々情けない。これから来年の年賀状を作成しなければならないので、PCを使いこなせないと何かと不便である。

 先日知り合いを通して2022年の年賀状を500枚送ってもらったが、昨年は600枚注文して少し余らせてしまった。年々送る年賀状は減りつつある。加えて昨日時点でご家族が他界され来年の年賀状を辞退される人がかなりいて、すでに手元には23通もご連絡いただいている。特に寂しいのは、親しかった大学の登山クラブの同級生が3人も逝ってしまったことである。この調子では、来年の今頃は書く年賀状が、更に減っているのではないかと想像する。

 来年は寅年なので、年男ということになる。7回目で年男であるが、イギリスのエリザベス女王も年男ならぬ年女ということになる。あのご高齢で未だ公務を務めておられる女王を見習い、もう1度年男となってから冥界へ旅立ちたいものである。ついでながら、「資本論」を著した社会経済学者、カール・マルクス(1818~1883)、フランス革命後に恐怖政治家と呼ばれて処刑されたマクシミリアン・ロベスピエール(1758~1794)も生きていれば、来年は年男ということになる。

 さて、今夏開催された東京オリンピックとパラリンピックの大会経費について、意外な報告があった。新型コロナウィルス感染拡大の影響で、今大会はほとんどの競技が無観客試合となり、見込んでいたチケット収入が大きく落ち込み大幅な赤字予想で、東京都や国による追加経費負担が避けられないと見られていた。ところが、無観客で開催したことにより、海外関係者の入国を大幅に削減して簡素化したことや、輸送費や宿泊費などを抑制出来たこと、無観客開催により警備などの人件費やコロナ対策費を削減することが出来て、結果として全体の大会経費がかなり削減されたようだ。

 それでも当初大会招致時の計画では、大会経費総額は7,340億円だったが、大会1年延期やコロナ対策費として、昨年末には予算ベースでは、大会経費は約1兆6,440億円と倍以上に膨らんでいた。だが、上記の理由により最終的には大会経費は、この金額より下回りそうだということが分った。ホッとしたが、観客の入場料収入より予定する警備費やその他の経費の方が高額になるというのは、意外であった。どうも信じがたいが、それなら今後テレビ放映料などを当てにして、観客入場を認めないことも考えるスポーツらしからぬ大会が開催されることも考えられる。

2021年12月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com