ブログ・ご意見番の意見

 充実したホームページに仕上げていこうと、毎日目を凝らしながら取り組んでおります。淡々と書き続けてきただけで、10年2月に初めて4桁の大台1000回を、そして奇しくも74歳の誕生日に当たる2012年「文化の日」に連続2000回を、15年7月31日に3000回、18年4月26日に4000回、21年1月19日に5000回を数えました。ここでは、出来るだけポジティブな意見や、気軽な独言、時には戯言や想い出を書き込んで、自分自身の気持ちを素直に表わしながら楽しく読んでいただけるよう心がけたいと思っております。意見の主張というより、感じたままを日記風に書き綴って参ります。身勝手な意見や、独断的な表現も見られると存じますが、どうぞご理解下さいますようお願い致します。皆さまの忌憚のないご意見をお寄せいただければ有難く存じます。

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5777.2023年6月15日(木) セルビア大使館で友人の出版記念会

 セルビアの友人・山崎洋さんが一時帰国し、今夕セルビア大使館で「山崎洋仕事集・丘を越えて海を越えて」の出版記念イベントが開催された。昨年も同大使館で夫人との共著の出版記念会を開いたが、相変わらず執筆への意欲は旺盛である。本書は600頁を超える大書で価格も税別で4,500円なので手軽に入手出来るものではない。友人から前もって1冊出版社を通して贈っていただいていたが、まだ半分も読んでいない。話を聞いていてやはり読んでおくべきだったとの悔いが残る。これまでに雑誌や新聞などに公表した論文や論説、エッセイなどを整理し1冊にまとめられただけに、主にセルビアの社会的、外交的な優れた文章が揃っていて中々読みごたえがある。同書には、恥ずかしながら私を紹介する記述が、2か所もあり恐縮している。特に1文は、「三田評論」2022年6月号に掲載された文章の転載で、初めて彼と出会った経緯と今日までの交流について書かれている。表紙のレイアウトも画家であるご子息が描いたもので、中々洒落たデザインである。

 いつも通り大学ゼミの友人にも声をかけたが、中には出席したい気持ちはあれども予定が重なって参加出来ないことを悔やんでいた友人もいた。そこで今日はゼミの友人1人と高校時代の友人の3人で出席した。

 イベントでは、山崎さんの執筆に際しての苦労話もあり、続いて彼をよく知るジャーナリスト・岩田昌征氏が書いたユーゴスラヴィアの自主管理社会主義について持論を語っていた。山崎さんと中々格調の高い議論だった。

 午後から雨が降り出したので、イベントが終わってから軽くワインをいただいて大使館を辞した。一緒に参加した友人も山崎さんの著書を買うつもりだったが、大使館内では販売は出来ないということで後日アマゾンから購入するとのことだった。

 さて、今日午後国会では参議院財政金融委員会が開かれ、今国会でも重要法案である防衛費増額に向けた財源確保法案が可決された。もうひとつの重要法案である少子化対策への財源がなく苦慮している時に、再軍備費用はいとも簡単に捻りだせるのには違和感を覚える。立憲民主党のある議員は、「どういう歳出改革を行って財源を確保するのか見通しが立っておらず、財源論としてあまりに無責任。財源確保のための増税についても復興特別所得税のスキームを流用していて悪質である」とまで批判している。

 政府の防衛費増額は単なる増額ではなく、そこにはアメリカへの気配りが見え見えなのだ。1発3億円のトマホークを400発、各種戦闘機6千億円など高額な支出はすべてアメリカから購入し、5年間に43.5兆円を注ぎ込む。これとは別に気になるのは、これだけ大事な防衛費支出が、どうしてもっと与野党間で是非を徹底的に議論しないのか。それはメディアにも言えることだ。「喉元過ぎれば熱さを忘れる」が、相変わらずまかり通っている。今以て防衛費の膨張予算について鋭い論調を言い続けているのは「赤旗」だけである。日本は益々軍事国家化しつつある。

2023年6月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5776.2023年6月14日(水) 元外務省分析官・佐藤優氏の日本外交分析

 ウクライナに対するロシア軍の攻撃は相変わらず問答無用である。報道ではウクライナが部分的に反撃したとも伝えられるが、大勢ではロシア軍の攻撃が激しい。先日ウクライナのヘルソン州でダムが破壊されてからヘルソン州では周辺に大規模な洪水が押し寄せ、多くの避難民が飲料水にも困っている状況にある。

 こういう戦況についてウクライナ、ロシア双方の言い分は、ダムが破壊されたのは相手によるものであるとお互いが相手国を非難し合っている。実際の戦況について本当のところはどうだろうか気になっていた折に、昨日発売された「週刊現代」6月17日号に、ロシアに詳しい元外務省主任分析官の佐藤優氏が、全情勢分析として「ロシア・ウクライナ戦争 正しい理解の仕方」と題して自身の考え方を述べている。ロシアは形勢不利になれば核を使用するので、アメリカはこの戦争に参戦する気はまったくない。特にアメリカはロシアが、「サルマト」というICBMを開発したが、これは南極経由でアメリカを攻撃出来る代物であり、アメリカは今日まで北極経由のミサイル以外まったく想定していなかった。そのためこれに対する防備体制が出来ておらず、使用されることにアメリカは警戒心を強めている。当初はウクライナとロシアの2国間戦争だったが、途中からは日本を含む西側諸国とロシアとの戦争に変容しているとも語っている。

 また、台湾有事を例えに、現在のウクライナを日本と考え、日本が中国と戦うか、或いは、台湾がウクライナの立場で、日本がポーランドの役を務めるかも知れないと言っている。こんな物騒な論理を展開しているのだ。他にもいくつも卓見を主張しているが、ロシア人の性格と国民性を知り抜いているからこそこの佐藤氏の分析は説得力がある。佐藤氏の結論は、「日本人は何も分かっていない。世界が笑っている日本の『ゼレンスキー礼賛』」というから、まるで今の日本の外交政策を憂いながらもせせら笑っているように思える。

 それにしても日本国憲法は戦争を禁止しているが、今や泥縄式に自衛隊という疑似軍隊を抱え、装備も充実させ、日に日に臨戦態勢を備えている。少子化対策が岸田内閣の1つの金看板でありながら、肝心なその予算措置が講じられていないのに対して、軍事費は使用目的が明確化されていないにも関わらず、多額の支出を決めている。佐藤氏の指摘を待つまでもなく、日本は今戦争にまっしぐらである。

 話は全く別物であるが、驚いたことに今日陸上自衛隊の岐阜市内の射撃場で今年入隊したばかりの18歳の自衛官候補生が、3人の先輩自衛官に対して小銃を発砲し、内2人を死亡させたとの衝撃的なニュースが今朝慌ただしく伝えられた。この新米自衛官の採用も当然大幅に増額した本年度防衛費予算に組み込まれていたものだ。この不祥事は偶々起きた事件であるが、無駄に使われた予算であることは間違いない。しかし、国費を無駄にしたことは間違いない。本件以外にも自民党並びに防衛省は、極力国費の無駄遣いをしないようくれぐれも注意して欲しいものである。

2023年6月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5775.2023年6月13日(火) 国内外著名人の栄枯盛衰

 一昨日元官房長官だった青木幹雄氏が亡くなった。自民党の参議員議員会長を務め自民党のドンと言われた大物議員である。小渕恵三首相の下で官房長官を務め、首相が体調を崩して休まれた間首相代理を務めたこともある。自民党内では古賀誠元幹事長、野中弘務元幹事長と並ぶ陰の実力者だった。享年89歳だった。

 そして昨日海外でも大物政治家が死去された。日本人でもかなりの人がその名を知っていると思われるイタリアのシルヴィオ・ベルルスコーニ元首相である。86歳だった。長い政治家活動の間に4度も首相を務めて政界はもとより、サッカー界、プライバシー面でもその名は轟いていた。建設業者として財を成し、同時に放送会社を経営して政界に進出した。政治家としては名を上げたが、複雑な政界事情により波乱万丈な政治家生活を送った。軽口で物議を醸すことも多々あった。特にオバマ元大統領夫妻に対しては、人種的な差別感を与えるような発言が度々あり、夫人を怒らせたこともある。人格的には一国のリーダーとしては首を傾げる点もあった。イタリアを訪れると絶頂期だった時もあるが、その次に訪れた時には名は知られていたが在野の1議員だったり、浮き沈みの激しい政治家生活を送っていた。晩年になってイタリアを訪れると出迎えてくれたガイドさんに、「ベルルスコーニは元気ですか?」というのが挨拶となったほどである。良きにつけ悪しきにつけ、印象に残っているイタリア人である。これからは彼の噂も聞かれないと思うとちょっと寂しい気もする。

 もう1組、著名なグループについて取り上げてみたい。それはあの「ビートルズ」である。ビートルズについては昨晩NHK「世紀の映像」で、「ビートルズの革命~音楽と言葉で世界を変えた4人の若者の冒険」前編と題するドキュメンタリーとして放映された。10年足らずの活動期間にレコードの総売り上げ数が10億枚という世界最大のヒットメーカーだった彼らの活動を、ビートルズ生誕前後から解散までを追っていた。彼らが異色だったのは、4人が揃ってリヴァプールの労働者階級の家庭に生まれ育ったために、下層階級の気持ちに同情し寄り添っていたことで、それが階級制や人種差別に反対する立場を取らせたことである。ちょうどアメリカでキング牧師が非暴力差別抵抗を指導する公民権運動がピークに達し、ビートルズは彼らに寄り添った。それが世界の保守派の一部にはビートルズに対する反感を買ったようで、アメリカ国内でのコンサートや、日本では右翼団体の激しい反対により宿泊先のホテルから一歩も外へ出られない不条理な対応を余儀なくされた原因ともなった。

 最初のプロデューサーの良き指導もあり、ショーの前後には揃って観衆にお辞儀をし、また背広とネクタイを身に着けるエチケットなど、他のロック・シンガーとは一線を画していた。このようなことは知らなかったが、やはりビートルズには聞く者に感銘を与える実力と所作があったことに私もテレビを通して感銘を受けた。1970年にはグループは解散してしまったが、短い間に大きな花を咲かせた惜しいロック・グループの解散だった。

 偶々ジョン・レノンが銃撃されて亡くなった1980年12月8日には、私自身南仏マルセイユでそのニュースを号外で知り、その驚愕的な記憶は今でも頭の中に残っている。来週もこの後編が放映されるようだ。楽しみに待ちたい。

2023年6月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5774.2023年6月12日(月) 国の分離独立と鎖国政策

 アメリカではトランプ前大統領が来年実施される大統領選へ準備を進めている中で、機密書類の不正持ち出しなどで起訴された。今年3月に続いて2度目のことである。こんなことは中国やロシアでは絶対有り得ないことである。仮に習近平総書記や、プーチン大統領が違反行為を行って、仮に露見しても隠蔽し、知った周囲を抑圧して逮捕されるということはまずない。それだけ民主主義国家では、個人的に政治的な力があろうとも国家警察の力は毅然としている。また、こういうことも言える。例え多少傲慢であろうとも、法に逆らうことなく、自らを外の世界へ曝け出し、自らの力を訴える逞しさが評価されることだろう。

 イギリスで昨日こんなことがあった。スコットランドのスタージョン前首相が逮捕されたとのニュースが伝えられた。前首相はスコットランド民族党の前党首でもあり、スコットランド独立運動の中心人物だった。彼女は独立運動の疑いで逮捕されたのではなく、党の資金を巡る疑いで逮捕されたもので、政治的な匂いはないと見られているが、果たしてどうだろうか。

 日本では「イギリス」と一括りにされているが、旧大英帝国はその後互いに袂を分かち、民族的、また宗教的に分裂して、現在イギリスと呼ばれているのは、グレート・ブリテン島内のイングランド、スコットランド、そして海を隔てたアイルランド島の北部の北アイルランド地方である。同じ島内のイングランドがイギリスの実権を握っているのに対し、エディンバラやグラスゴーのような歴史的な都市のあるスコットランドは、イギリスからの分離独立を志向する動きがこれまでにもあった。今回のスタージョン前首相の逮捕も必ずしも独立運動とは無関係とは言い切れない点もあるのではないかと思う。

 この種の事象が起きるといつも思うことであるが、同じ国内に民族的、宗教的に異分子が居住していたら揉めることも多いと思う。その点で考えるなら、日本は民族的にも宗教的にも際立った異分子は国内にほとんどいない。支配、統治し易い国と言えるだろう。ただ、それが観光客なら大歓迎だが、難を逃れて日本へ難民として入国を希望する外国人に対しては厳しい政策を取っている。2021年の難民認定数も日本では僅か74人しか認めていない。これは難民希望者のほんの0.7%にしか過ぎない。昨22年に増えたとは言え、せいぜい202人でしかない。日本は、世界でも類を見ない極めて少ない難民認定数と言われている。ある面で鎖国政策と揶揄されても仕方がない。

 科学学術分野のような知識人だけが競争する世界ならともかく、これまで一般社会で外国人と交流し合う機会が少ないことが、逞しさを育てることなく、外国人と伍して行ける能力を育んで来なかったと言えよう。これからの世は、日本人だけの殻の中へ閉じこもっているだけではなく、積極的に外へ出て、外の人も迎え入れる逞しさがもっと必要だと思う。

2023年6月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5773.2023年6月11日(日) 東大名誉教授のナンセンスな提言

 いま日本では少子高齢化が大きな社会問題となりつつある。昨年は女性が生涯に生む子どもの数が過去最少となり、今後これは一層大きな社会問題となる。政府も「少子化対策」を喫緊の最重要課題と掲げているが、あまり明るい展望は期待出来ない。

 この重要課題に井堀利宏・東大名誉教授が、月刊誌「選択」6月号の巻頭にナンセンスな言い分を提言している。その最大のポイントは現状の選挙制度を改定して、不条理にも若者重視の制度に変えよというのである。その具体案として、先ず「世代別選挙区」制度の導入を訴えている。「青年区」「中年区」「老年区」に分けて、それぞれの代表を選出することを提案しているのである。青年区から選出される代表が若者の意向を反映することが出来るというのである。教授は、現状の18歳では若者票がまだ足りないという考えから、更に参政権の年齢を引き下げるべきだとも主張している。その極端な例が、子どもを持つ親は、子どもの数だけ投票出来るようにして、参政権年齢を実質的にゼロ歳まで引き下げようとの乱暴な説である。生まれたばかりの子どもに1票を与え、これを親が替わって投票する。まだ考える能力の備わっていない赤ちゃんにも1票を与えるというのだ。どこからそんな無謀な発想が生まれるのだろうか。

 そのうえ以下のような身勝手な主張までしている。それは、余命の長さと政治的発言力を比例させるために、90歳の人の投票権を1とした場合、20歳の人のそれは5倍とか6倍にするというものだ。お年寄りの票は軽視し、若者の票ほど重視せよと言っているのだ。この暴論には呆れかえる。これでは憲法が保証する国民誰もが平等に有するひとり1票の権利にそぐわず、憲法違反にも該当するのではないだろうか。

 教授は若者の権利と行動を重視するあまり、高齢者の自由、平等の権利を極端に制約して、若者の投票権利を高く評価するよう訴えており、極めて理不尽だと言わざるを得ない。その前に現実をもっと直視してもらいたいと思う。若者の意見があまり反映されないことを盾に主張されるなら、その前に若者が選挙に際し与えられた投票権をきちんと行使するよう教育することの方が先決ではないだろうか。現状では若者の投票率はあまりにも低過ぎる。彼らは国民の権利を充分行使していないのだ。それが出来ないからと若者有利な手段を講じたとしても、基本を守らないで若者以外の世代層を納得させることが出来る筈がない。

 70歳を過ぎた後期高齢者の学者が、あまりにも身勝手に若者重視の選挙制度をアピールするなら、もっと若者の教育に注力し、彼らが憲法の精神をしっかり身に着けるよう啓蒙すべきではないか。日本最高峰の東大教授が、このような暴論を提言するのは軽薄過ぎると思う。こういうアピールの仕方は、象牙の塔に籠り過ぎて、俗世間とほとんど接触せず、世間を知らなすぎるが故の「学者馬鹿」であろう。

2023年6月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com