ブログ・ご意見番の意見

 充実したホームページに仕上げていこうと、毎日目を凝らしながら取り組んでおります。淡々と書き続けてきただけで、10年2月に初めて4桁の大台1000回を、そして奇しくも74歳の誕生日に当たる2012年「文化の日」に連続2000回を、15年7月31日に3000回、18年4月26日に4000回、21年1月19日に5000回を数えました。ここでは、出来るだけポジティブな意見や、気軽な独言、時には戯言や想い出を書き込んで、自分自身の気持ちを素直に表わしながら楽しく読んでいただけるよう心がけたいと思っております。意見の主張というより、感じたままを日記風に書き綴って参ります。身勝手な意見や、独断的な表現も見られると存じますが、どうぞご理解下さいますようお願い致します。皆さまの忌憚のないご意見をお寄せいただければ有難く存じます。

ブログ一覧

5684.2023年3月14日(火) 大江健三郎氏死去と袴田事件

 東京の桜開花宣言が行われた今日、寂しいことに現代の文豪・大江健三郎氏が亡くなられたことを知った。大江氏は、川端康成に次いで日本人としては2人目のノーベル文学賞を受賞された。芥川賞も受賞されているが、その作品「飼育」は読んでいない。谷崎潤一郎賞を受賞した「万延元年のフットボール」は読了したが、万延元年1860年から60年安保までの100年を観察した書であるが、意外にも世間の評価とは異なり、あまり印象に残っていない。大江氏は作家として活動する一方で、社会活動にも力を入れていた。特に、核兵器開発反対、憲法改正反対、特に9条を守る運動には積極的に関わっていた。また、海外でも文人、科学者、社会学者らと親交を重ねてベルリン自由大学をはじめ、国内外の大学で学生たちを指導していた。私が敬愛する小中陽太郎氏とも同年齢で交流を重ねておられた。その小中氏も今病の床に伏しておられる。かつて影響を受けた方々も年齢的にそう活動は出来なくなっている。残念であるし、反面寂しくも感じている。

 また戦後の最大の残虐な事件のひとつ、一家4人殺し犯人と見なされた袴田事件容疑者・袴田巌氏にひとつの判断が下された。東京高裁が検察側の即時抗告を棄却し、再審開始を認める決定を下したのだ。2018年の高裁決定は再審開始を認めなかったが、20年の最高裁の審理やり直しを受けて東京高裁が判断を一転させたものである。事件は1966年に静岡市内で起きた一家4人が殺害された残忍なものだが、その後延々58年間に亘って犯人とされた袴田巌氏の動向を追って、裁判が何度となく繰り返されたものである。袴田氏は長い間犯人と疑われ、収容所収用と放免を繰り返して身柄は法の監視下にある。ほとんど人生を棒に振ったような生活を送ってきた。今や87歳となった袴田氏を陰になり日向になって献身的に支えてきたのは、90歳の実姉である。この姉がいなければ、裁判が続かず、事件はこれほど脚光を浴びることもなく、本人も無理やり軍門に下らされてしまったのではないかと推測される。

 実は、この袴田巌氏は元ボクシング選手だったが、現役時代に試合を観たことがある。大学1,2年生ごろにファイティング原田選手の試合と同じ日に後楽園ジムで、袴田選手が戦い、相手選手名は忘れてしまったが、突進に次ぐ突進で打たれても前へ突っ込む攻撃的なボクシングスタイルは勇ましかった。どちらが勝ったかも覚えていないが、随分積極的な選手だなと思った。そしてそれから数年後に殺人事件の犯人として逮捕された新聞記事を見て驚いたものである。

 私自身いま84歳になって過去に思いを巡らしてみるといろいろ思うことがある。大江健三郎にしても同時代人として同じように憲法改正反対についても意を同じくしていたし、袴田巌にしても図らずも現役時代の試合を観たことで、その後の彼の行動をメディアで報道される限り関心を抱いている。

 多くのことに関心を抱き視野を広げるということは、世の中と自分をすり合わせながら協調していくことでもあると改めて思っている。

2023年3月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5683.2023年3月13日(月) 中国は台湾問題を根源的に考え直すべき時

 昨日までの快晴をよそに今日は午前中から雨が降り出し、庭の木々を見るとついに満開だった白梅もほとんど花びらが落ちてしまった。今年は鶯の鳴き声を聞くことは出来なかった。やはり住宅地域である拙宅の周辺でも緑がなくなっている。近所でも庭付きの大きな住宅が取り壊されて、その跡地へ2~3戸建ての庭なし家屋が新築され、緑がなくなり寂しく思っているが、土地の価格も値上がりしている現状を考えるとそれもやむを得ないのだろう。だが、それによって野鳥も飛んで来なくなった。鳴き声も聞かれないし、餌を啄む愛らしい姿も影を潜めた。我が家でも鶯が2度ばかり、シジュウガラが2度、後はヤマガラのような野鳥がやってきた程度で、詩情をそそるようなほのぼのとした光景は見られなかった。この様子だと来年以降もあまり期待出来そうもない。

 今日から新型コロナウィルス感染対策として求められていたマスク着用が、屋内外を問わず個人の判断に委ねられるようになった。早速国会では岸田首相以下閣僚らは皆マスクを外していた。三越本店玄関脇に鎮座しているライオン像も今日マスクを取り外された。

 さて、去る5日から中国で開かれていた中国人民代表大会(全人代)は、今日幕を閉じた。国家主席として3期目に入った習近平国家主席の演説には、格別目新しいことはなかった。昨年の中国共産党大会で、中国共産党総書記に就任した習近平氏は、今日国家のリーダーとして異例の第3期目に入り、これからは国家、党、軍の3つを統率、支配することになる。演説の中で習主席は、「今世紀半ばまでに社会主義現代化強国を全面的に建設する」と述べ、またもや「社会主義」と強調したが、中国は決して社会主義国家ではない。リーダーが社会主義という言葉自体が分かっていない。従ってこれからどういう方向へ向かって国を導いていくのか見当がつかない。

 もうひとつ習主席の言葉で気になるのは、「安全は発展の基盤だ。国防と軍の現代化を推進し、国の主権と安全、発展の利益を守る鋼の長城にしなければならない」と述べ、更に台湾問題に触れて主権を守ると強調した。アメリカを意識して「外部勢力の干渉と独立の分裂活動に断固反対し、祖国統一のプロセスを揺るぎなく推進する」とも述べた。

 そもそも中国が台湾を自国領土の一部と称して、近い将来において台湾を吸収併合し、台湾は元々中国領であると国際社会へ向けて宣言する心づもりのようだが、台湾は民族的には中国人と見られている台湾人が、刻苦奮励努力の末、中国の手を借りずに自分たちの力だけで今日の台湾を独自に築き上げてきた。つまり大小2つの中国が、それぞれ独自に国を作り上げてきたものであり、中国が台湾を国土の一部と称するのは越権行為であり、台湾人の誇りと努力を蔑ろにするものである。お互いの国民の合意により1つの国家を創建しようと考えるならともかく、中国が力任せに台湾を併合しょうというのは、天に向かって唾を吐くようなものである。台湾は今や途上ではなく大きく経済発展を遂げている。とても中国が自国領土などと身勝手な暴言を吐けるような国土ではないことを、中国は思い知るべしである。

2023年3月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5682.2023年3月12日(日) 全人代で習近平専制君主制が益々強化

 中国でいま開かれている全国人民代表大会(全人代)で、一昨日李強氏が李克強氏に替わって首相に選任されたが、これは習近平主席の指名によるものであり、習氏の強い意向を反映したものである。李強首相は浙江省で習氏がトップの書記に就いていた当時の秘書で、爾来習主席との関係が続き、今日最高指導部でも習氏に次ぐ序列2位にまでのし上がっていた。昨日は李首相に次ぐ筆頭副首相に序列6位の丁薛詳氏を起用した。丁氏も習氏の信頼が厚く、「側近中の側近」と言われている。これにより習近平主席の独裁体制は一層強固になり、国民の声は指導部に届きにくくなり、「社会主義国家中国」を声高に叫びながらも、社会主義の思想、体制とはまったく逆で、反社会主義国家・覇権国家ともいうべき得体の知れない国家体制を構築しつつある。

 実はいま話題になりつつある「チャットGPT」が中国では使えなくなるだろうと悲観的な見方がある。それは、中国のIT技術が高いレベルにありながら、共産党を批判するようなインターネット上の書き込みは検閲されて直ちに削除される。そのため「チャットGPT」のような機能が、中国の高いネット環境で実現できるのか疑問視する見方がある。その前兆として2017年に対話サービスが停止された前例がある。それは「中国共産党万歳」という呼びかけに対して、「あんなに腐敗して無能なのに何が中国共産党万歳だ」と回答した場面が出回り、それが停止されたのである。

 全人代の会場を見てみれば何かおかしいと首を傾げる人が多いと思う。3千人もの選民を一堂に会して、習主席が指導する共産党幹部が習主席にまったく反対意見を述べることがなく、すべて言うがままの1党独裁体制と言う以上に1人独裁体制が民主的である筈がない。この反対を許さず、すべて習国家主席の言いなりがとてもいつまでも続くとは思えない。外国人ジャーナリストの声はもちろん、中国人ジャーナリストはこの現状をどう思っているのだろうか。そして天安門事件の時は、表に出てきた若い学生世代はこの息が詰まるような専守政治を見てどう感じているのだろうか。

 幸い中国の科学技術は世界でも最高水準にあるが、国家の仕組み、国民の思想教育面では遥かに遅れている。もう少し毅然として国家、国民を未来永劫に発展させていくイデオロギーを浸透させて欲しいものだと思う。

 さて、WBC予選1回戦で今日日本はオーストラリアを破り、4戦4勝でグループ1位となり、準々決勝進出が決まった。期待の大谷翔平選手は3ランホームランを放って見事期待に応えた。

2023年3月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5681.2023年3月11日(土) 東日本大震災追悼式と熱狂的なWBC

 東日本大震災が起きて早くも12年が経った。今日は東北地方各地で慰霊祭が行われたが、福島県飯坂町では福島県主催の東日本大震災追悼復興祈念式が行われ、岸田文雄首相が地震発生の午後2時46分に黙とうをささげ、犠牲者を悼んだ。そして岸田首相は追悼の言葉として、福島第1原発の廃炉と、住民の帰還に向けた生活環境の整備や産業の再生支援への取り組みを今後も国が全面に立って進めると述べた。ただ、どうも引っかかるのは、福島第1原発の廃炉に触れ1日も早い復興を誓ったと言ってはいるが、昨年末公表した政府の脱炭素社会への基本政策は、エネルギーの安定供給のためと称して原発政策を強引に進めようとしていることである。それは原子力発電の最大限の活用と、実質的に上限の60年を超える原発の長期運転を認めることや、その内容には、更にこれまで想定してこなかった次世代型の原子炉の開発・建設に取り組むことを盛り込んでいることである。

 被害が最も大きかったのは地形的に海岸沿岸が広い宮城県で、死者15,900人のうち、半分以上の9,544人、建物被害は全壊・半壊を合わせて40万戸のうち、34万戸を占めている。避難者は福島県が多いのは、原発汚染地域が広域的なせいで、全避難者3万1千人のうち、福島県人が2万7千人である。

 追悼復興祈念式では1日も早い復興を誓っていたが、その一方で多くの犠牲者を生んだだけにテレビで現地の様子を見ているとどうも暗い影が漂っているように思えてならない。いつまで経っても震災はそう簡単に忘れられないし、原発の幻想は消えるわけではない。

 さて、そんな空気の中で派手に騒いでいるのはプロ野球ファンである。彼らは一昨日から開幕した2023 WORLD BASEBALL CLASSIC(WBC)で、日本代表チームの活躍に大分盛り上がっている。昨年カタールで行われたサッカーのワールドカップで日本代表チームが期待以上の活躍をしてペスト16入りして大盛り上がりして以来のお祭り騒ぎである。日本は一昨日の対中国戦、昨日の対韓国戦にいずれも快勝した。試合そのものの外にもWBCに絡む野球グッズがバカ売れのようで、業者もほくほく顔のようだ。チームがまとまり、勝ち進むとファンが一心同体となって国内にブームのような雰囲気を醸成する。今年の日本チームは、日本のWBC史上最強と言われ、何人かの日本人メジャーリーガーも加わりそれぞれ活躍している。球場も満員でその声援がすごい。今年のチームでは、エンゼルスでも大活躍している二刀流の大谷翔平選手への注目度がずば抜けている。期待に違わずその大谷選手も期待に応える活躍ぶりである。チームには珍しい選手もいる。母親が日本人のメジャーリーガー、ラーズ・ヌートバー選手であり試合で大活躍しその存在感を強くアピールしている。

 今日の試合前、チームは全員揃って震災発生の時刻に黙とうをささげた。相手のチェコ戦では160㎞の剛速球を投げる佐々木朗希投手が先発登板し、10対2で完勝した。佐々木投手は今日の試合の優秀選手にも選ばれた。彼の父親と祖父母が震災で津波に流され亡くなっている。奇縁にも今日登板するに当たっては、きっと心に期するところがあったのではないかと思う。

2023年3月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5680.2023年3月10日(金) 忘れられたか、東京大空襲の日

 昭和20(1945)年の今日、アメリカ軍の大量無差別爆撃作戦によって東京は下町を中心に大きな被害を受けた。東京大空襲である。全体の被害は、死者11万5千人以上、負傷者15万人以上、被災者は約310万人以上で、前年11月から終戦まで何度も東京は空爆に襲われた。被災者の数は、太平洋戦争で亡くなった全戦没者の数に匹敵する。その後広島、長崎に原爆が投下され、日本は降伏することになったが、アメリカ軍部内では日本国内に毒ガスや細菌兵器の使用まで検討されていたというから恐ろしい。仮に戦争が長引いた場合には日本国内は生き地獄になっていたのではないかと想像される。アメリカ国内では日本に原爆を投下したことについて、犠牲を与えて申し訳ないとか、世界で初めて原爆を投下したことに反省の声はあまり聞かれないのは、アメリカ人の独善的な考えである。むしろ戦争を早めに終結させたことにより犠牲者を増やさなかったと無神経に評価する人たちが結構いることである。アメリカ国民が他国の人々が苦しんで命を落としたことに、同情の気持ちをあまり抱かないのはあまりにも無慈悲でありやるせない。

 それにしてもこれだけの犠牲者を生んだ東京大空襲から78年が経った今日、明日の東日本大震災発生12周年に焦点が当てられ、東京大空襲についてほとんどメディアでも報道されないのはどういうことだろうか。NHK「ニュース7」の終盤にやっと放映した程度である。これは、先月26日の2.26事件発生87周年記念日にテレビはもちろん、新聞にもまったく報道されなかったことと同様、日本国民が体験した画期的な大惨事や事件が、現代人の間ではすでに風化してしまったことを意味しているのだろうか。特に反省すべきは、戦時中軍部の御先棒を担いで戦争を煽り戦争に加担したことを反省し、戦争反対の行動に理解を示していたメディアが、今ではそんな気持ちはほとんど感じられず、「のど元過ぎれば熱さを忘れる」の格言通り、むしろ知らず知らず戦争の怖さを忘れているように受け取れる。正しい世論をリードすべきメディアがその気持ちをすっかり忘れてしまっては、忌まわし大惨事も忘却の彼方へ流れるに任せるままになるのではないだろうか。

 これからも日本人として必ず覚えていなければならない事件や事柄を軽視することのないようメディアには心してもらいたいものだ。

 さて、去る5日から始まった中国の全国人民代表大会(全人代)6日目を迎えて、国家主席に習近平氏が3期目の任務に就くことが決まった。形ばかりの選挙を実施し、出席者2,952名が投票し、習主席が獲得したのは、2,952票だった。つまり3千名近い有権者の内例外なく全員がただひとりの候補者・習主席に1票を投じたのである。これでは選挙を実施する意味がないのではないだろうか。投票が1種のジェスチャーではないかと思える。こんな選挙があること自体民主化された世の中の出来事とは思えない。このおかしな政治体制がいつまで行われるのか不透明だが、習近平による作為的な政治体制がそういつまでも続くとも思えない。

2023年3月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com