3046.2015年9月15日(火) 政府と沖縄県のバトル発生

 安保関連法案の強行成立を図ろうとする政府与党は、今週中にも参議院で採決へ持ち込もうとしている。そういう穏やかならぬ状況の中で、翁長雄志・沖縄県知事は、防衛省が進めている普天間米軍基地の移設計画に伴う辺野古の埋め立て承認を取り消す手続きに踏み切った。元々沖縄の根強い基地反対の動きから、単なる基地移設計画には反対の声が強かった。それを前知事・仲井真弘多氏が、前回選挙で負ける直前に政府への土産として辺野古移設を急いで承認していたものだ。これに対して翁長知事は移設反対を公約に掲げて知事選に立候補し、当初から撤回を叫んでいた。一方一時埋め立て工事を休止していた防衛省沖縄防衛局は、当然その効力を失わせるべく不服審査請求を行うと見られている。と同時に埋め立て作業を再開する方針である。それに対して沖縄県は政府の行動に対してさらなる対抗措置を取る方針で、国と県の間で法廷闘争になる見通しが強くなった。

 これまで両者の間で幾度となく中身のない話し合いは持たれたが、基地移設を巡る両者の対立は一向に氷解する気配はなく、安倍首相と知事との話し合いも素っ気ない挨拶程度のものだった。政府には、支持した仲井真前知事を破った翁長知事に対して当初から敵対的知事との思い込みが強く、それがお互いの対立となったまま今日まで引き摺っている。防衛省の埋め立て工事は、沖縄県の意向に関わらず再開強行されそうである。だが、県民のほとんどは翁長知事の行動を理解し賛同している。こうなると国とひとつの県が対立するという、最も避けなければならない事態に発展しかねない。ここでも安倍首相の腰巾着・菅官房長官の強引で陰険な言動が妙に気になる。

 さて、今日はペンクラブ9月例会である。昨年から会場が東京会館から神保町の如水会館に移ってから、出席者も減り、食事内容も寂しくなって気持ちもやや寂しい。いつも誰か著名人がショートスピーチをやるのだが、今日はそれもなし。その代役を浅田次郎会長が務めることになった。急に司会役を命じられた人が菊池さんと仰る方だったが、尋ねてみるとあの菊池寛のお孫さんという話だった。国会で安保法制議論が喧しい中で、浅田会長の話はいつもとやや変わっていた。日本人の特性として3つを挙げた。ひとつは原爆被爆国である日本人が世界へ向かって核廃絶を叫ぶことが一番説得力がある。二つ目は日本人が雑多の宗教がある中でどの宗教に対しても同じく公平に対応出来るのでその役割を果たすことが出来るということであり、三番目には話題の安保関連法案だが忘れてしまった。会長は元自衛隊員であり、こういう問題について語る時は、本音を確かめないと何を言いたいのかが分からないからだ。

 会場では珍しく拙著「南太平洋の剛腕投手」に推薦文を書いてくれた元文化庁長官・近藤誠一氏に会って、しばらくぶりに立ち話をした。拙著の好評を喜んでくれた。他には副会長西木正明さんや、今度理事になった西村秀樹さんと話しこんだ。こういう会話は結構楽しい。

 いつもなら輪の中心にいる小中陽太郎さんが、恩師のお通夜ということで急遽欠席されたが、いつもの小中組メンバーとともに神保町の「なにわ」で二次会を持ち、思い思いに今後のペンクラブの発展のためのアイディアを出しあって散会。久しぶりに楽しい「いっぱい会」だった。

2015年9月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com