3047.2016年9月16日(水) いよいよ安保関連法案は動くか?

 いよいよ安保関連法案も大詰めを迎えて、参議院特別委員会で与野党間の舌戦が交わされている。昨日の中央公聴会に引き続き、今日は横浜で地方公聴会が開かれ、賛否両論の意見が開陳された。今日も抗議のデモが夜遅くまで国会周辺を取り巻いている。大原ペンクラブ常務理事から5時過ぎに国会に行かないかと誘われたが、急に医者へ行かなければならなくなったので行けない。その代わり昨日大原さんからもらったレッドカード(西東京8.15ピースナウ実行委員会発行)の安倍首相宛ハガキに必要事項を書き込み切手を貼って投函した。そこには、 [退場・失格者]安倍晋三内閣総理大臣、 [理由]戦争法案は憲法9条違反!だから提案代表者のあなたは憲法99条(憲法尊重擁護の義務)違反!と書かれていて、「+ひとこと」として「安全保障関連法案の撤回を求めます」と書いたスペースの下に記入欄があったので、「一国の総理大臣が先頭に立って憲法をぶち壊すとはどういうことだ!」と書き加えてやった。

 国会周辺の様子を見ていると、55年前のあの60年安保反対闘争を思い出す。国会周辺の雰囲気が60年安保改定闘争当時と大分似てきた。国会では参議院特別委員会が休憩を交えて断続的に開かれている。どういう結論が出るか。今日明日のうちに一気呵成に強行成立させようというのが、安倍首相の腹の内だろう。だんだん不安になってきた。

 ところで、先日来ヨーロッパに逃れてきたシリア難民の受け入れを巡って、あまりの難民の多さに流石にドイツでも一国では受け入れきれないとお手上げ状態となり、難民に対して一定の制限を設けることにした。それに合わせて隣国オーストリアも国境の管理を固め、ハンガリーも受け入れ拒否の考えを断固変えようとしない。EUでは加盟各国の分担受け入れを話合っているが思うようにまとまらない。特に経済力の劣る旧東欧諸国が受け入れを拒絶している。アメリカやオーストラリア、カナダなどがある程度の難民受け入れを承認した。いずれにせよ欧米諸国にとって頭を抱える切実な問題となった。

 そこでこの難民受け入れに関して日本も他人事ではいられないことが現実味を帯びてきた。仮に北朝鮮や他のアジアの国々から難民がやって来た際どう対応するのか、また、シリア難民の受け入れについて欧米諸国や国連から受け入れ分担の圧力がかけられた場合、難民をどの程度受け入れるのか、他人事としてではなく日本人として考えておかなければならない。

 偶々一昨日法務省は今後5年間にわたる難民認定制度の運用方針などを定めた「出入国管理基本計画」なるものを公表した。中々理解の難しい基本計画であるが、これを一口で言えば、日本では難民を受け入れるに当たって難民という言葉の解釈、難民認定の解釈を巡って厳しい見解が出され、他国に比べて難民として認められるケースは可能性としては極めて少ないことを示唆している。実際昨年は約5千人からの認定申請に対して、認められた難民は僅か11人だったという。昨今では難民の受け入れに理解を示していたドイツですら、あまりにも数多く押し寄せる難民に正直言って音を挙げているのが実情である。それでも難民問題でドイツが国際的に高く評価されているのは、他国に比べて遥かに難民に対して鷹揚で寛大であるというイメージが定着しているからである。

 一方で国際的な防衛分担のような「国際的分担」などという言葉を安易に言い出して安保法案をゴリ押ししている政府自民党にとって、この難民問題についてドイツ人のようなグローバルな考え方を取れるのだろうか。人道的観点から考えれば、日本ももう少しドイツを見習い難民解釈を緩和することを「国際的分担」の観点から考え検討するべきではないだろうか。

2015年9月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com