一昨日から続いている安保関連法案採決のための参議院の騒ぎは一体何なのか? 不信任案、問責決議案の提出で特別委員会と参議院本会議は主旨説明と採決に時間を費やし、これだけで多くの費用が無駄に使われている。昨日参議院特別委員会で安保関連法案は、不信任を否決され席へ戻ったばかりの鴻池委員長が、間隙を突くように採決を行い、あっという間に法案成立となった。生憎テレビ中継でその場を観ていたわけではなかったが、今日その様子を観てみると何とも巧妙に、野球で言えば盗塁のような素早さで一気に採決してしまった。しかも関連法案とセットでやってしまったというから、出し抜かれた野党が騒ぐのも無理はない。
まだ、法案が成立したわけではなく、これから参議院本会議が開かれて決まる。今度の国会運営を観ていて賛成と反対の主旨説明を、それぞれの代表スピーカーが知恵を絞って長引かせた挙句に、採決を遅らせる駆け引きを行っているのを知った。これに牛歩戦術などで投票に余分な時間が必要になったから、時間がいくらあっても足りない。これもそれまで法案の説明と討論に時間を取らなかったからだとの言い分がある。中でも「生活と山本太郎となかまたち」の山本太郎議員の行動が注目を浴びている。議場で喪服を着て数珠を手に時折ご焼香のふりをしてゆっくり進む行動に対して、議長から早く歩む注意を促された。この牛歩戦術は、かつては国会でしばしば話題になった。牛歩とは随分優しい表現であるが、アメリカ議会では、革命扇動家、略奪者、海賊を表すオランダ語を語源とする「フィリバスター」という言葉が使われている。
それにしても安保法案の是非を別にしても、国会議員とは何と無駄な時間を浪費しているのか、バカバカしく些かうんざりしている。今日も遅くなったが、まだ参議院本会議の法案採決の見通しが立たない。
ところで、昨日チリ沖で発生したM8.3の地震は、一日遅れで日本にやって来た。北海道から沖縄まで太平洋岸に津波の影響が表れたが、ほぼ一日経って警報が解除された。こちらはやれやれである。