3058.2015年9月27日(日) 中国は自らを世界のモデルと思っているのか。

 訪米中の習近平・中国国家主席とオバマ大統領が、昨日首都ワシントンで首脳会談を行った後、共同記者会見を行った。この席上2人はお互いにほとんど目を合わせることがなかった。首脳会談は訪米前から予想されていたように、全面合意というわけにはいかなかった。友好関係を築き上げるには、根本的な点で両国間にそれぞれの主張と考えにあまりにも行き違いが多過ぎる。

 特に中国の南シナ海埋め立て問題と人権問題について、アメリカ側の強い抗議にも拘わらず、オバマ大統領は習主席から納得出来る回答をもらえず、習主席の都合の好い主張を聞くだけだった。習主席からいつもながらの「南シナ海は太古から中国固有の領土」とか、「それぞれ異なる歴史や国情が尊重されるべき」との利己的な自説を聞かされるばかりでは平行線も致し方なかったと言える。覇権国家中国のトップ習近平主席は、アメリカと肩を並べる世界2大国家であることを過剰に主張し、それを国際的に認めさせ中国の立場と自らの存在感を強固にしたいとの気持ちばかりが先走っている。これだけ領土拡大に並々ならぬ執念を見せているのでは、南シナ海問題が当分の間解決することはあるまい。このままでは、下手をすると中国がまともな国と友好関係を結ぶことは当分期待出来ないかもしれない。

 今日もテレビで上空からの南沙諸島俯瞰図を見ると、もはや中国は公海上に中国軍の軍事基地を建設し終えたと言える。しかもこの基地は、地理的に限りなくフィリピンとベトナムに近い。中国のいう、太古から中国領土であったなどということは、嘘八百であることは明明白白である。厄介な国と付き合わなければならないとは、実に憂鬱である。

 今回中国側の意向を事前に読んでいたアメリカは、両国友好ムードの演出を煽ることを避け、むしろ訪米中のローマ法王・フランシスコ教皇をもてなすことで、相対的に習主席を歓迎しないムードを演出する手段を取ったようだ。アメリカが中国に対して、今一つ強く出られないのはアメリカ経済が今や中国なしには身動きが出来ない現状にあるからである。対中貿易額は圧倒的な数字を示し、中国のアメリカ国債の保有もかなりのシェアである。今もし中国との経済取引の停止ともなれば、アメリカ経済は相当な打撃を受けることは間違いない。ひとつの例として、今回習主席が最初にシアトルに足を下ろし、私もかつて見学したことのある近郊のボーイング製造工場を訪れ、しかもボーイング300機を4兆円で購入するとの商談をアメリカへのお土産として持参したことでも分かる。それは中国経済の力強さを表していると同時に、アメリカは今や対中貿易を軽視出来なくなっているのだ。習主席も中々の商人ぶりでもある。

 ただ、いつまで世界は、この傲慢な中国を言いなりにさせておくのか。アメリカ人の中にもすでに我慢ならないとしびれを切らしている人物がいる。次期米大統領選に名乗りでたトランプ氏とカーター国防長官である。中国政府はいつまでも好い気になっていないで、中国国民ともども国際常識や国際慣例、エチケット等を示さないといずれ世界中から総スカンを食ってしまうのではないか。隣国のために一言忠告したい。

2015年9月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com