2日続けて日本人がノーベル賞を受賞するとは驚きとともに、素晴らしいことだと感じた。昨日の大村智教授の医学・生理学賞受賞に続き、今日今年のノーベル物理学賞が梶田隆章・東大教授に授与されると発表された。夜のテレビではどこもこのニュースで持ちきりである。いずれにせよ、日本人にとっては誇らしく、嬉しいニュースである。
さて、5年半の長い時間をかけて懸案だった環太平洋経済連携協定(TPP)が漸く大筋で合意に達した。今日の朝刊は、どれもこれも一面は大村智教授のノーベル賞受賞とTPP妥結のニュースに二分されている。TPP交渉では、最終的にアメリカがバイオ医薬品分野のデータ保護期間についてオーストラリアに対して、12年を8年に譲歩したことが、潮目を変えたようだ。この合意により12参加国の自由経済圏内取引は全世界で36%のシェアを占めることになる。アメリカとしてはこのTPPによってとかくわがもの顔の中国を締め出そうとの思惑があるようだ。当然のことながら日本にとっても有利、不利があることはある面で止むを得ないと思う。ただ、交渉当初から反対を言い続けてきた農業関係者が、安い農業・畜産品の輸入が増えることによってマイナスの影響を受けた場合、彼らをどう保護するのかという点を配慮する必要がある。
但し、アメリカ議会は交渉内容について、必ずしも賛成多数というわけでもないようなので、今後アメリカが大筋合意の後にどういう結論を出すのか不明だが、もし反対が多ければ5年半が無駄になりかねない。現時点ではまだ予断を許せないと言えよう。
駒澤大学公開講座に出席の後、玉川青色申告会がマイナンバー制度に関する説明会を開いてくれたので、参加した。税務署の担当者が40人ほどの出席者を前に近々実施される制度について話されたが、実務的には完全に理解するというまでには行かなかった。実際にカードを手にして身近なものになれば、またその理解は進み、それほど難しいカードではないと分かるのではないかと楽観的に考えている。
受講料がフリーだったので、その点を考え説明された女性上席係員に僭越にも拙著を贈ったところ、物品は受け取れないと辞退されたのには当惑した。これまでに拙著を受け取らないと断られたことはなかった。まったく初めての経験である。ちょっとショックである。一般論として公務員に対して物品を贈与することは贈収賄という印象を与えるが、著者がサインした著書をはっきりお礼の気持ちを込めて特定の相手の名前を書いて差し上げた物を本当に受け取ってはいけないものだろうか。理由は分からないでもないが、そんなに堅いものでなければならないのだろうか。そこに税務署の上司がいたからだろうか。水を差されたようで考え込んでしまった。