3.2007年5月17日(木) 沖縄本土復帰35周年

 一昨日5月15日は、沖縄復帰35周年記念日である。学生時代の安保闘争ほど熱を入れたわけではなかったが、それでも会社勤務の合間に沖縄の祖国復帰促進デモに加わった。昨年妻と沖縄・南西諸島を旅行したが、強く意識したのは那覇空港に隣接する米空軍滑走路から飛び立つジェット機の騒音と、沖縄住民の厳しい日常生活、そして基地・沖縄と南の観光パラダイスだった。
 安保改定は岸首相、沖縄返還は佐藤首相、そしていま憲法改正に夢中なのは安倍首相で、日本の政治的節目で右へ大きく舵を切ったのは、まぎれもなくこの山口組一家の血判状である。
 安保闘争が一区切りついたころであったろうか、偶々当時の後楽園スケートリンクでモスクワ・ボリショイサーカスを観る機会があったが、何とその日、私の数列前方の最前列には岸首相、安倍晋太郎夫妻、安倍家のあまり出来の良くないお坊ちゃま、いまの安倍首相が着席されたのである。当時はまだ可愛い小学生で、このお坊ちゃまがよもや後に総理大臣になるとは夢にも思わなかった。あの当時から、当然のようにちやほやされ、何の苦労もなく総理にまで上り詰めた。
 彼の著書「美しい国へ」には、残念ながら日本国民一億人のリーダーとして、国家の展望、国家観、そして最も求められべきリーダーとしての哲学、理念がまったく感じられない。あまつさえ、著書の中で安保に反対するひとたちが、胡散臭く思えたとまで言い切っている。いまもそう信じているようだ。だが、沖縄の現実はどうだ?安保改定により、沖縄は身動きがとれなくなったではないか。そのように沖縄人を追い詰めたのは、安倍さん、あなたのオジイサンではないか。安倍首相は何も分っていない。首相の言っていることは、単に祖父の受け売りに過ぎない。実体験のない人間が、国民運動にまでなって国論を二分した、大きなムーブメントに対して、実態を知ろうともせず、ただ祖父に楯突いたというだけで、安保反対者に対して胡散臭いとまで決め付ける浅慮には、あきれ果てるばかりである。一体こんな首相を戴いて、この先この国はどうなるのかと、安倍首相のおっとりしたお顔を見るたびに心配になってくる。「美しい国」を唱えるなら、ご当人にももう少し理性を持った、美しい人になってもらいたいものだ。

2007年5月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com