11.2007年5月25日(金) 道徳教育について考える。

  今朝の日経‘春秋’欄で ♪青葉茂れる桜井の~♪ について触れていた。古い人なら誰でも知っている楠木正成の忠孝のモデルとなった挿話に、落合直文が歌詞をつけた、かつての小学唱歌である。高校生のころ、庭で菊を丹精込めて栽培していた祖父がよく口ずさんでいた。今日5月25日はその楠木正成が足利尊氏に破れ自刃して671年目だそうだ。政府の教育再生会議が、しきりに道徳教育の大切さを唱えだした。学校、家庭、本人がそれぞれ本分を全うしなくなったことが、教育レベルやモラルの劣化につながったのであって、楠木正成の忠義論などあまり関係ないと思う。それよりテレビなどの低俗番組を追放するだけで、どれだけ教育的効果が上がるかを考えた方が賢明だ。それを喩えコラムにしろ、大日経が言い出すからおかしなことになる。

 6年前美しいステンドグラスで有名な、フランスの世界遺産シャルトル大聖堂を訪れたが、シャルトル市内の入口ゲートの花壇の目立たぬところに、小さな石灯籠が立っているのに気がついてガイドに尋ねたところ、シャルトルと奈良県桜井市が姉妹都市になった記念碑だと説明してくれた。その時思わずこの ♪青葉茂れる桜井の~♪ をハミングしたことを懐かしく思い出す。孝行を尽くす楠木正成、正行父子の美談や、史実に妙な解釈や思い込みを入れず、素直に伝えるだけでよいのではないかと思う。

2007年5月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com