3078.2015年10月17日(土) 呆れ果てた大手企業のモラル

 技術の日本、テクノロジー日本、ものづくり大国とか、或いは真面目さ、熱心さ、信頼感とか日本の技術水準や仕事に対する真摯な姿勢、取り組み態度に関する評価は海外で広く認められ、我々も自覚している。ところが、つい最近横浜市内のマンションで施工不良により建物が傾いたことが明るみに出て深刻な問題となっている。商業的にはもとより、道徳的にもないがしろに出来ない問題である。これは2006年に大手不動産会社・三井不動産レジデンシャルが、販売した大型マンション4棟の内1棟が、基礎のくい打ち工事の手抜きによりマンションが少し傾いた事案である。くい打ち自体が地下の強固な地盤に達していなかったことが明らかになったのである。

 更に補強のためのセメント量を改ざんした疑いも出てきた。販売業者から元請会社、基礎工事施工会社まで幾段階かに亘って工事が行われたが、すべて大手企業、乃至はその子会社である。当然徹底した教育を受けた社員が高いモラルを持って工事に当っていたと思われる。それが購入者である顧客住民を欺き手抜きをやっていたとは、呆れ果てて住民に同情するばかりである。どうして信用のある大手企業がこんな騙し打ちのような工事計画と杜撰な工事を行うのだろうか。

 今回業者の不正については、今全面的な建て替え工事を前提に会社側と住民との間で、話し合いが行われ保障問題が話し合われている。だが、これとて中々一筋縄では行かない。建て替えするにしても、基本的に所有者の4/5以上の同意が必要である。仮に建て替え工事を行うにしても、3年程度の時間がかかり、その間別の場所へ移住しなければならない。付帯経費も無視出来ない。ことほど左様に意図的な不祥事による報いと費用負担、心労は馬鹿にならない。

 加えて別途明らかになったのは、大手タイヤ・メーカーの東洋ゴム工業の不祥事である。この会社は3度目のスキャンダルというから極めて悪質である。

 海外ではフォルクス・ワーゲンのディーゼル車排気ガス不正が、世界中に車への不信感を撒き散らしている。どうして世界的にも有名な大手企業が、このように顧客を欺くような不良商品を製造し販売して自らを貶めるようなことをやるのだろうか。情けない限りである。

2015年10月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com