19.2007年6月2日(土) 「精神一到」と「精神一統」

  3日前に白鵬が横綱伝達式の際日本相撲協会の使者に図らずも述べた口上「精神一到」について、「精神一統」ではないかと何となく思っていた。寡聞にして真の意味を知らず、出所はどこかと思っていたが、何故かいつも論評するマス・メディアが一向に反応せず解らずじまいだった。今日三省堂編纂の「必携故事ことわざ辞典」で、朱子語録の「精神一到何事か成らざらん」から引用したと漸くわかった。そういえば納得がいった。まさにコロンブスの卵である。この諺はあまりにも有名であるが、今の今まで「精神一統」だとばかり思っていたし、諺は諺として意味を成すのであって、諺から飛び出て「精神一到」の熟語だけが独立して意味を持って使用されるとは思いも寄らなかった。

 ところが、夜10時のTBS番組「ブロードキャスター」で、エッセイストの玉村豊男氏が、まったく私と同じ疑問を呈していた。つまり、この言葉は四文字熟語でなく、全体の諺の中の一部として使われている言葉だと述べていた。まさにわが意を得たりである。この辺りをマス・メディアはどう考えているのだろうか。

2007年6月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com