26.2007年6月9日(土) 天城山心中と第3次中東戦争

 ふたつの事件にまったく脈絡はない。朝日の土曜特集では、50年前の天城山心中事件を2面に亘り取り上げていた。あれは予備校生だった12月で、日本中が大騒ぎしていたのが思い出される。亡くなった男女は学習院大生で、2人の出自がとりわけマスメディアの興味を呼んだ。何年か前に、下関の浜辺を歩いていて偶々愛新覚羅社というところへ入り込んでしまったが、それが紹介されていてやはり愛新覚羅家の菩提社だと知った。当時は、大学受験で日夜受験勉強に勤しんでいたので、私には事件としてほんの一過性だったが、妙に気になる事件ではあった。

 日経では、第3次中東戦争勃発40年の記事が載っていた。これこそ私には忘れられない出来事であった。いまでも鮮明に覚えている。黒い眼帯をかけたイスラエルのダヤン将軍の勝ち誇った顔は印象的で記憶に留まっている。その半年後、ひとりで戒厳令下にあったそれらの戦地へ実際に行ってみた。そこでいろんなことに出くわした。それらの出来事は拙著「現代・海外武者修行のすすめ」にも記した通りである。あの時イスラエルが奪い取った、ヨルダン川西岸とゴラン高原はいまもイスラエルが占領したままで返還されていない。むしろ原状復帰から乖離している。イスラエルとパレスチナの対立は一層深まり、和平より治安が重視されているのが実態である。私にとってあまり愉快な思い出ではなかったが、いま自由に講師などをやって旅の危機管理なんかを偉そうに喋っていられるのも、このときの苦い経験が随分生きているからだ。

2007年6月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com