29.2007年6月12日(火) カナダのアメリカ対応策

 月刊「選択」6月号に伊藤光彦・和光大学教授の卓見が載っている。安倍内閣の対米お追従外交を皮肉った視点は、中々説得力がある。アメリカとカナダは、その国境線の安定ぶりで国際社会の模範とも言われているが、カナダとしては過去において強いアメリカに飲み込まれないよう、したたかな外交手段を講じてきた。アメリカとは違う国家としてのナショナル・アイデンティティを守り抜くため、死に物狂いの外交努力を注ぐというものだ。「アメリカとの関係を悪化させないため必死の外交努力をする。しかし、独自の路線は守る。それがカナダの生き方なのだ」ともいう。翻って日本の外交はどうだろうか。真のパートナーシップを構築するために、命がけの外交努力、外交交渉をやっているだろうか。

 最近在京の外国メディアの間に、近年の日本外交は危ない橋を渡っているとの風評があるらしい。火種は安倍政権のNATOとの協力関係強化の取り組み方にある。このような大問題が日本では、国民の間で議論が澎湃として湧き上がらないことと、アメリカの意に易々と迎合し始めたことが、そもそも風評の出所らしい。それにしても、わが国の外交は本当の意味で外交と言えるのだろうか。

2007年6月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com