33.2007年6月16日(土) サッカーとサルヴァドールの街角

 今夕NHK「探検ロマン世界遺産」を見ていて、ブラジルの地方都市・サルヴァドールを懐かしく思った。バイア州の州都でブラジル第3の大都市ではあるが、決して豊かな街ではない。砂糖産業の労働者としてアンゴラから大勢の黒人が連れて来られ、それが今日のブラジル人のルーツにもなっている。

 22年前にステンレス・ミッションのお供で同地を訪れた時の印象は強烈だった。崖の上の世界遺産地区とその下の下町がエレベーターで結ばれているのも珍しかったが、何せ古い町でコロニアル風の建物群が残っている一方で、海岸線には白い砂浜が延々40kmも延びているのが地元の自慢だ。

 番組は2月のカーニヴァルを主に取り上げていたので、私の印象とは少々異なるが、私にはそこで見た子どもたちのサッカーのイメージがいまも頭に残っている。街中の狭い路地、しかも傾斜した坂道で子どもたちがサッカーに遊び戯れていたのが強く印象に残っている。蹴ったボールが思うように真っ直ぐころがらない。傾斜を考えながらボールを蹴らないといけない。つまり状況に応じて考えながら蹴るのだ。小さい時から決して恵まれない環境でボールに触っていれば、状況に応じたボール捌きとか、身のこなし方が身についてくるものだ。ブラジル人サッカー選手の間に天才肌の選手が多い所以がこの辺りにあると見た。幼少時から恵まれた環境下で、サッカーを始める日本の子どもたちとは、技術や感性とか、ひらめきに生まれながら差が生じるのもやむを得まい。

 そういえば、かつて付き合っていた旧日本サッカーリーグ・日産チームのマリーニョ選手が、日本では子どもも大人も同じサイズのグランドで試合をするが、身体の発育に合せて小さい子は小さなスペースで戦った方が学ぶことが多いし、将来的にもプラスだと言っていたのも何となく理解できる。

 こうしてみると、日本がスポーツ面で中々世界に伍していけないのは、小さい時からの過保護と万事画一性、それに体育の指導のあり方にあるのではないかということに思い到った。

2007年6月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com