昨日日本共産党の日米安保条約容認という電撃的なニュースを耳にして腰を抜かさんばかりに驚いた。俄かには信じられなかった。今朝の朝日「天声人語」は皮肉たっぷりに取り上げ、「夕刊フジ」のような大衆紙にも紹介されている。「天声人語」は、「違憲」の安保法制廃止のためだけに他党とともに新政権「国民連合政府」を樹立しようという共産党の構想と提案が注目されていると指摘している。今回の提案の特徴は、党の根幹政策である、日米安保条約の廃棄や自衛隊解消は暫定的なものとして極力抑えた。だが、共産党アレルギーのある他の野党は共産党との連携にどういう対応を取るだろうか。当分の間議論を呼ぶことだろう。
こういう時に、安倍政権の閣僚2人が秋季例大祭開催中の靖国神社に参拝した。やれやれまたかという印象である。その2人とは、高石早苗総務相と岩城光英法務相である。高石法相がこのよおうな言動をするのは、これで何度目だろうか。確信犯である。メディアに取り上げられ、話題になることだけを目的にした言動に見えてならない。大体2人とも言うことがおかしい。「国のために戦い、尊い命を捧げられたご英霊に対して感謝の誠を表すために参拝した」。本心からそう思っているのだろうか。参拝する政治家は、皆同じ言葉を繰り返す。だが、とても本心とは思えない。問題は、靖国神社に祀られた御霊が、赤紙1枚で徴兵された兵士や軍令によって戦い命を落とした人たちばかりなら、2人の言い分も分かる。だが、英霊の中には、彼らを死に追いやった戦争犯罪者として処刑されたA級戦犯が含まれていることを忘れては困る。高石大臣らは、こんなことは百も承知だろう。それにも拘わらず、毎年のように参拝している。これが、中国や韓国を始め、先の大戦の戦勝国や、犠牲者を生んだ国々から非難され、外交関係がおかしくなっているのだ。どうして分かりきった理不尽な行為を、大臣ともあろう者が性懲りもなく参拝し続けるのだろうか。そこには、何らかの個人的な意図や思惑が隠されているように思えて仕方がない。はっきり言ってこの2人には大臣の資質がないと断定せざるを得ない。あまりにも浅はかであり、無思慮である。
案の定早速中国と韓国から批判的コメントが伝えられた。
さて、今日はセビリア大使館でセルビア人画家、ミラン・トゥーツォヴィッチ氏の展示会を行うので、ぜひ閲覧をとベオグラードの山崎洋さんから先日案内をもらった。ゼミの友人3人と大使館へ見学に行ったが、ちょっと普通の展示会とは変わっていた。大使館中庭でコントラバスによるセルビア曲の独奏を立ったまま聞き、手作りの木製の箱の中へ入ってひと時イヤホーンで解説を聴いたり、絵画自体が主に床屋と美容院を題材に描いているのが異色の感じがした。
それにしても、山崎さんは今年になって一時帰国したのは3度目だ。元気いっぱいに明るく振る舞っているのが頼もしい。25日には、ともに鎌倉散策を楽しむ計画である。