44.2007年6月27日(水) 従軍慰安婦問題は何が問題か?

  何とも情けない話である。アメリカ議会の下院外交委員会で旧日本軍による従軍慰安婦問題につき、日本政府は非を認め謝罪すべきだと採決された。しかも圧倒的多数によるものである。よく考えてみると何か割り切れない。アメリカには直接無関係な事案で、日本とアジア諸国に拘わる問題をアメリカ議会が審議するというのもおかしな話で、明らかに内政干渉の感がある。この点について、1月にこの問題が浮上した時から、私は理解しがたいと思っていた。アメリカが問題視しているのは、日本軍がアジアの女性を強制収用した、自由を抑圧した、政府が事実を隠蔽しようとしている、日本の対応は全女性を冒涜している、この行為と意見に対して日本政府がきちんと謝罪していない、等々である。理解できる点もあることはあるが、それにしてもアメリカの言い分は自己中心的で、翻って自分たちの行為はまったくモラルに反していないと胸を張って堂々主張できるのかと問いたい。

 それにしても、本件に関しては、日本の政治家たちと外交官、取り巻き連の、アメリカ側の主張に対する認識度合いの甘さと、対応の悪さが露呈されている。まったく自らの立脚点から正論、持論を開陳する気配がまったく窺えないのである。木で鼻をくくる感覚で受け止めていたことと、日ごろよりアメリカの声を収集していなかったことで、怠慢の謗りは免れず、中途半端に有志議員らがワシントン・ポスト紙へ意見広告を掲載して、逆にアメリカ人を怒らせ、火に油を注いでしまった。これから日米間の大きな外交問題に発展する兆しも見える。毎度のことながら日本の政治家の資質が最大のアキレス腱である。普段から現場の声を聞く姿勢を欠いているから、実情がまったく分らない。それが安倍首相のコメントに一番よく表れている。アメリカ議会の意見なので、コメントする必要はないし、アメリカ議会には多くの議案があって、これもそのひとつだと思うなどとまっ      たくノー天気なのである。はっきり言えば無能なのである。こんな首相では、この先どれだけ難しい外交問題を惹起させられるのか、また対外的に日本人はどれほど恥をかかされるのか。お先真っ暗である。あ~嫌だ、嫌だ。

2007年6月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com