57.2007年7月10日(火) 世襲議員の狡猾とバカさ加減

 5月末に政治資金不正疑惑で自殺した松岡農相の後任、赤城徳彦氏が同じ問題で同様な疑念を持たれ、同じような対応に終始している。周囲のコメントも二転三転して、事実を隠蔽しているのが透けて見える。参議院選挙を前にして火種は収まりそうもない。

 折も折、月刊誌「選択」7月号の冒頭インタビューに、清成忠男前法政大学総長が応じている。世襲議員支配は「愚民政治」とこき下ろし、世襲政治家は、苦労して人脈を築き、汗を流して知恵を得るという経験がなく、勉強不足で独りよがりな傾向があると分析している。彼らは、家業として政治を営んでいるのであり、政治の舞台で闘う政治家ではないとまで言っている。同じ「選択」誌では、韓国財閥の後継者問題も検証し、駄目な世襲経営者、特に三代目経営者のせいで企業の将来に期待が持てないことを炙り出している。その分析も、二代目経営者が、創業期の苦労や厳しい創業者の直接指導を受けたのに対し、三代目経営者は、生まれたときから実家が韓国を代表する大企業で、ソウルの名門校から韓国かアメリカの大学を経て、ハーバード、エールなどの大学院に進んで苦労を知らなさ過ぎると手厳しい。安倍首相も岸首相の孫、赤城農相の祖父も岸内閣の防衛長官、農相で、苦労知らずの孫たちが政治ごっこをやって、国民に目くらましを食わせている。韓国の三代目経営者と似たりよったりである。

 赤城農相は国民に疑惑を誠実に説明することなく、また支出経費の領収書も公開することなく、今日ヨーロッパへ旅立って行った。安倍首相も農相を擁護するばかりでこの問題を解決しようとの意図が見られず、まるで他人事のようである。

 一体この国では、世襲政治家を中心とする政治家にブレーキをかけずに、国民はいつまでもこんなバカげたやり方で引きずりまわされていくのだろうか。

2007年7月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com