59.2007年7月12日(木) 西山千氏を偲ぶ。

 あのアポロ11号月面着陸の際、TVを通して宇宙飛行士の言葉を日本国民に伝えていた名同時通訳者の西山千氏が亡くなられた。95歳で老衰だった。2年ぐらい前まで、その姿をしばしば日本ペンクラブの例会でお見かけしたが、大分お年を召されたように思えたのでお声をかけるのを遠慮していた。しかし、90歳を超えてなお多くの人が集まる会合に出席されるというのは、ポジティブなご性格のせいであろうといたく感銘を受けた。

 それにしても名通訳者、名翻訳者であったと思う。多くの若い人たちが通訳に憧れて語学を習ったり、留学していったのは、西山氏の影響が非常に大きかったと思う。かく申す私も西山氏に憧れ、何とか一人前の英語使いになろうと、随分英会話を習ったが、仕事に不自由しない程度のもので終わった。特に、先輩の紹介で教えを乞うた亡きカール・ニッフィン氏のような人格的に優れた先生からは、英語だけではないアメリカ人やアメリカという国への関心と理解を深めさせていただき、いまでも感謝している。ニッフィン先生の謦咳に触れたことが、仕事面でも大きな力になったと思っている。もう少し若い時代に気がつき、そういう環境にあればとの思いもあるが、いまさら過去を悔やんでも詮無いことである。ただ、年をとってから、英語にもう少し真剣に取り組んでいたらとの後悔が、私自身の図解自己紹介図に描いた「来世の夢=希望」の中で、「アメリカで教育を受けたい」との強い願望になっている。まったくいい気なものかも知れない。

 西山千氏のご冥福を心よりお祈りするばかりである。            合掌

2007年7月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com