68.2007年7月21日(土) 第2回江戸城再建セミナー

 5月の第1回に続いて江戸東京博物館で開かれた、第2回NPO「江戸城再建を目指す会」のセミナーに参加した。テーマは「日本文化を世界に発信する為に、修景から考えた‘江戸城再建計画’『平成の木構造復元をめざして!』-蘇生の精神で-」と題する長いネーミングである。講師は、日本各地で町おこしプロジェクトに取り組み、城崎温泉、白骨温泉、その他各地で数々の実績を残された、松本市在住の建築家・倉橋英太郎氏で、パワーポイントを使いながらA3判カラー20頁のレジュメを丁寧に説明された。

 倉橋氏のコンセプトは、史実に基づいた天守閣復元を目指し、本物でなければ価値がない、本物ゆえにこそ感じられる臨場感が生む感動を踏まえて、鉄筋建築を拒絶し、あくまで木造にこだわることである。もとよりその思いは、小竹直隆理事長以下すべての会員共通の願いでもある。同時に周辺の修景にも江戸文化を感じさせるデザインを採り入れることによって、21世紀の現代に江戸文化を融合させることを提案している。本物、とりわけ木造建築にこだわることは、木造建築物が現行建築基準法上3階建てまでしか認められておらず、クリアしなければならないハードルが残っているということでもある。

 しかし、愛媛・大洲城再建のケースでは、城郭再建に際して市民運動が力強く後押しすることにより見事難問をクリアした。住民の熱意と力が法律を動かしたのである。江戸城が原型通り復元されると仮定して、土台から58.6m、地上五層で、かつて存在した城郭の中でも最大級だけに、なお現実問題として鎮火すべき火種を抱えていることになる。

 セミナーでは、その他にも日本各地の城の特徴、木造建築の場合の木材の調達、城内部構造、建築費用算出概算例、等々われわれがあまり知らないことについて、講師は分りやすく話してくれた。江戸城再建まで前途は遼遠であるが、関係者の熱意と何とか江戸城を再建したいという多くの会員の夢が、ひとつになって大きな支えとなり、力となっている。このセミナーに参加することによって、いまのところ大きな夢を見させてもらっている。何とか活動出来る内に皇居東御苑内に平成の江戸城天守閣を再建したいものである。

2007年7月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com