85.2007年8月7日(火) 広島原爆投下からゾルゲ事件まで

 後輩たちの菅平合宿も最終日となり、午前中の練習だけで打ち上げた。素直な子が多く練習中は「ハイ、ハイ」と返事をしているが、本当に自分で分ってそう応えているのか、本番で力を出せなければ徒労に終わることにも成りかねない。部員は増えたが怪我人が多く、果たして充分な成果を挙げられただろうか。これから本番まで残り2ヶ月でどの程度力をつけることが出来るだろうか。気がかりは沢山あるが、彼らの真面目さとひたむきさに期待しようと思う。

 昨日試合中に落雷を恐れ避難したが、今日岩手県の海岸で祖父と海水浴に来ていた2人の孫の内、小学3年生の弟が、警報で海水から引き上げる途中で落雷に遭い重体だという。北海道でも旅行中の夫婦が落雷に遭った。いままではあまり雷に対する心配はしなかったが、昨日の試合で雷鳴と夕立の中で機敏に落雷避難指示を出して近くのホテルへ全員を避難させた、昨日のレフェリーはその点では正しい判断だったと言えるのではないか。

 昨日の新聞を読み返していると、広島原爆投下62回目の記念日に当り、秋葉広島市長の平和宣言が発表されている。核開発が進み、憲法改正論議が持ち上がるなど、国民の間でも少しずつ、核に対するリスク感度が薄れつつある。国内外にいる25万有余人の被爆者の平均年齢は74歳を超えたそうだ。参議院選挙で敗北したために、安倍首相はいまのところ憲法問題を持ち出していないが、首相就任時の公約でも、憲法改正をはっきり言い出した。今回選挙敗北の責任をとって辞めるのが、一般常識であるが、引き続き政権を担当していくと頑固なのは、自分の手で憲法を改正したいという思いが強いからである。こんな未熟で危険な首相に、このまま日本の政治を委ねてもよいものだろうか。核拡散が止まない今日の状況を心配するとともに、今日から始まった臨時国会も気になる。

 昨日の朝日夕刊フロントページの連載もの、「人脈記」に中西準子さんが紹介されていた。いまや彼女は国から勲章もいただいた著名人であるが、何と高校1年のとき同じクラスだった。シャープな女性で、東京工大教授、東大教授を歴任して、現在は産業技術綜合研究所化学物質リスク管理研究センター長という長い肩書きを抱えている。入学早々の生物の授業で、教師に成りたての与野主計先生から、数人のクラスメートに何でもいいから歌を唄えと言われ、おだてられついでに「上海帰りのリル」を唄った私とは正反対に、彼女は高校生には難しい国際労働歌「第一インターナショナルの歌」を一気に唄ったのには、度肝を抜かれた。それ以来どうも彼女には引け目を感じている。父上が共産党員で参議院議員であったことは、当時からクラスメートのほとんどが知っていたが、朝日夕刊によると、戦前ゾルゲ事件に関係して逮捕されたとある。このいきさつは知らなかったが、もしそれが事実だとするなら、同じくゾルゲ事件に連座して獄死した、友人の山崎洋くんの父上、ブランコ・ド・ブーケリッチ氏と接触はあったのだろうと想像出来る。ひょっとするとゾルゲ事件に関して、また新たな情報を得られるかも知れない。今度山崎くんがベオグラードから帰って来たら尋ねてみようと思う。

2007年8月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com