87.2007年8月9日(木) 長崎平和祈念式典と総理大臣の挨拶

 3日前の広島原爆投下記念日に続き、長崎への原爆投下も今日が62年目に当る。午前中1時間のTV中継を見た。粛々と式典は進められ、主催者田上長崎市長の挨拶後に、出席者を代表して安倍首相、金子長崎県知事、正林さんと仰る被爆者代表が平和への願いと核廃絶について話された。この4人の中で、私と同じ年、68歳の正林さんが、手振り身振りを交えて被爆体験を話されたのが一番印象に残った。次いで市長、知事の戦争放棄、核廃絶のアッピールが参列者を納得させたと思うが、一番冴えないのがわが総理大臣安倍晋三のスピーチ内容である。

 心に訴える話となると、やはり現場にいて臨場感が分っている人が一番である。その点で爆心現場に最も近かった正林さんが自身の呪わしい体験を含め、一番臨場感を伴った、説得力のある話をしてくれた。

 それにしても安倍首相のスピーチは、話し方、並びにその内容において格段にレベルが低い。原稿を読んで平板に、淡々と喋っているだけで、何が何でも核実験を止めさせるとか、核不拡散条約を実現させるために何かをやるという強い意志を表すのではなく、冥福を祈るとか、戦後の荒廃から立ち直った先人の労を多とするものであるとか、非核3原則を堅持するとか、或いは被爆国としての立場から世界へ向け核廃絶の声を届けるとか、空疎な言葉の羅列だけで、何も心に訴えるものがない。総理大臣として、ここで話すことがどういう意味を持つのかということが全く分っていない。世界へ向けた平和希求のメッセージである。それがまるで地元後援会の挨拶レベルなのである。

 安倍首相の言動については、もはやメッキが剥げてその無能力ぶりにいまさら驚くわけではないが、「このまま首相をやっていたい」のわがままだけで、国家をリードされたのでは、国民にとって迷惑千万であるし、国民が不幸になるばかりである。もう自分の無能ぶりに見切りをつけ、さっさと首相を辞めるべし。

2007年8月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com