東横線・自由が丘駅プラットフォームで山崎洋さんと待ち合わせて鎌倉散策と洒落込んだ。まず横須賀線北鎌倉駅で降り、近くの円覚寺を訪れることにした。円覚寺はこれまで2~3度参拝したことがあるが、今日は本当に久しぶりにのんびりしたものだった。日曜日で天候に恵まれたお陰もあり、多くの人が参拝する姿が見られた。杉などの大木に囲まれた境内はごく静かで正面山門から入り仏殿でお参りして佛日庵で抹茶をいただいた。大方丈に上がり廊下から妙香池を静かに眺めることも出来た。初めての経験で心の底から落ち着くことが出来た。「洪鐘」と呼ばれる大きな鐘楼が100段近い階段を昇った高台にあった。これは国宝だという。驚いたことにここで珍しく蛇の抜け殻を見つけたので、縁起が良いと思い懐に納めておいた。この話を山崎さんに囁くと先日セルビア大使館で絵画の個展を開いたセルビア人画家ミラン・トォーツォヴィッチさんが、こういう変わったものに興味を示すだろうと山崎さんが言った。そこで彼に委ねて蛇の皮をミランさんに差し上げることにした。
円覚寺を辞して近くの蕎麦店で軽く日本蕎麦でも食べようと思ったところが、以前あった蕎麦店がない。幸いその辺りに洒落た「りせっとかふぇ」というカフェがあり、蕎麦類も提供すると書かれていたので入ってみた。五色米という米からうどんを作っているというので、そのうどんをいただいたが、これが中々旨い。
その後北鎌倉から鎌倉へ出て、江ノ電に乗り極楽寺を訪ねた。北条時宗の子息、貞時が建立したものだという。時期的にはアジサイの咲く頃が良いそうだ。鎌倉のお寺はほとんどが閑静な場所にあって落ち着く。
極楽寺から再び江ノ電で七里ガ浜に沿い鎌倉散歩を終了。その後江の島へ出て小田急、東急田園都市線を乗り継いで駒澤大学駅へ。そこから駒澤公園で開催中の「2015年ラーメン祭り」会場へ行き、ラーメンの味見をして寒くなってきた公園バス停前で別れた。
来月2日にセルビアへ帰るという山崎さんにとって慌ただしい休息となってしまったが、満足していただけただろうか。束の間の行楽シーズンの一日を、円覚寺から極楽寺、そして夜のラーメン祭りと私の自己流のペースで駈け廻ってしまった。山崎さんの気持ちは分からないが、私にとっては忙しい中にも効率的で見たいものを見ることが出来て楽しいものとなった。
丁重にも山崎さんから佳代子夫人が詩を書き、3男の光さんがイラストを描いた近著「戦争と子ども」(西田書店刊)と、山崎夫妻も一部原稿を書いた「セルビアを知るための60章」(明石書店刊)をいただいた。ゆっくり目を通したい。