89.2007年8月11日(土) 円キャリートレードとは?

 昨日は世界的に株価が下落して、各国証券市場は振り回されたようだ。アメリカの住宅ローンの不安から始まったものだが、アメリカばかりでなく、ヨーロッパ、アジアへ飛び火して、各国の中央銀行が32兆円もの資金供給を行った。その他に日銀でも1兆円の資金を市場へ供給したようだ。東京株式市場の日経平均終値は、対前日比406.51円まで落ちた。昨晩古館キャスターの「報道ステーション」で、アメリカ通の寺島実郎氏がゲスト解説者としてコメントしていたが、国際投資ファンドの資金源には2つあって、そのひとつはアラブ石油資本のオイルマネーで、もうひとつは、何と日本の「円キャリートレード」だそうである。つまり、低金利の円である。一部の国際ファンドが低金利の円を借りて高リスク投資を行っている。

 米FRBの1/10以下の日銀金利を借り漁って国際ファンド投資マネーの原資に化けて、回りまわって日本企業の買収を仕掛けてくる仕組みになっているようだ。この「円キャリートレード」は、「マダムワタナベ」とも称され、いまやM&Aの鉄砲玉になっている可能性があるとのご託宣であった。詳しいことは分らないが、何やら日銀の低金利政策が、日本の国際企業を買収の危機に晒しているとも考えられる話である。

 近年の国際金融市場は素人には段々分りにくくなってきた。成金国の登場とか、宝くじを当てるような国が突如進出して来たからであろうか。われわれが学生時代に学んだ近代経済学の教科書通りには、実勢経済は進まなくなってきたのである。その意味では、インドや中国の経済発展は、近代経済学では想定外の出来事だったのだろうか。

2007年8月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com