92.2007年8月14日(火) シンクタンカー中野有氏

 「知的生産の技術研究会」八木哲郎会長、秋田英澪子同事務局長とともに、永田町・永楽倶楽部で中野有(たもつ)氏と会食した。

 中野氏とは初めてお会いしたのだが、寡聞にしてお名前も存じ上げなかった。現在活動の拠点をアメリカ・ワシントンに置き、時折里帰りしながらシンポジウムや講演活動に忙しい方である。今後は日本での活動を増やしていきたいと仰る。

 中野氏は50歳で見るからにスポーツマンタイプの、笑顔が素敵な人である。評論家竹村健一氏に私淑しているようで、竹村氏ともどもいろいろなセミナーで話す機会が多く、元首相・中曽根康弘氏とともに講演者を務めたこともあるそうである。国内では出身地京都をベースに活動し、環日本海のテーマの下に、一時鳥取で活動していた。若くして海外に脱出、南アフリカ・ケープタウン大学へ留学し、国連でウィーンに勤務した後、ハワイ大学東西文化センターで研究員を勤める。その後、ワシントン・ブルッキングス研究所に籍を置きながら研究活動に実績を積み人脈を広げて、テッド・ターナーやジョージ・ソロスら大物経済人から知遇を得ている。現在国内外のマス・メディアで精力的な著述活動に携わりながら多忙な日々を過ごしておられる。著書に「国際フリーター、世界を翔ける」「北東アジアのグランドデザイン」ほかがある。

 中野氏の見方と実践法は、情報収集のうえ現場へ足を踏み込み、多角的に分析して氏なりの結論を生み出しているとの印象を受けた。英語は得意でないと謙遜しながらも、実践的に英語をマスターするハウツーを著書にまとめたり、アメリカ国内のラジオ生放送で600万人の中国人リッスナーを相手に講演したり、その行動力はとても並みの人間ではない。特に、中国に対する洞察が鋭く、今後世界へ与えるアメリカと中国の影響を、キッシンジャーの行動を通しながら検証しつつ高く評価している点に注目してみたい。

 今後「知研」を、更に「進化する知研」として発展するよう、導いて欲しいと思うような俊秀である。

 ところで、タリバンに拉致されていた韓国人グループの内病弱の女性二人が昨日解放された。まだ、男女合せて19名が身柄を拘留されたままである。全員が一日も早く解放されることを心より祈っている。

 それにしてもなぜ韓国人のキリスト教信者は、大勢でボランティア活動のために危険な地域へ出かけたのだろうか。仄聞すれば、近年韓国キリスト教界では、信仰者獲得、勢力拡大のために各派の間ですさまじいバトルが繰り広げられている。その一環としてアフガニスタンにまで進出し同地を信者獲得のターゲットにしていた節がある。行き過ぎるとこんな危険な地域でも自分たちの支配力を伸ばそうとの顕示欲が表れてくる。さすがに韓国国内でも問題になっているようだが、いまは動きがとれず首を洗って、ひたすら残りの拉致被害者の解放を待っている状態である。

2007年8月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com