95.2007年8月17日(金) 京都大文字送り火に想う。

 昨晩古都京都の夏の風物詩である「大文字送り火」が行われた。NHKによるTV実況中継は初めてではないかと思うが、行事のいわれ、どのように行うのか、地元の人々の思い入れ、伝統継承のための地域の熱意と協力ぶりが伝わり、現場の臨場感には限界があったにせよ、中々良心的で出色の企画だったと思う。最初に「大」に火入れして、5分後に「妙」と「法」に点火、それが「帆掛け舟」、左「大」文字、最後に「鳥居」印へと若者のマンパワーで手早く火が移され、次々に炎が上がり、漆黒の京都の町から見事な火模様が描き出される。TV画面では20台以上のテレビカメラを駆使して立体的に情景を伝えてくれた。花の命は短く、それが30分程度で消えていくところに未練が残り、何ともいえない余韻を残す。

 戦死した夫を想い、盆の入りから毎日異なる食事でもてなし、再び送り火とともに浄土へ送る気持ちを淡々と語った94歳の老女の話に感銘を受けた。また、この番組を解説していた宗教学者の山折哲雄氏が、最近かけがえのない人・河合隼雄氏を失った悲しみをこらえてしみじみ語る言葉「人生50年の時代には、働き続けてすぐ死が訪れた。そこには死生観がある。しかし、人生80年の現代では、死生の間に老がある」と話された。また、京都の地形は、山の向こうに浄土の世界があり、お盆になると死者がすぐ浄土(あの世)からこの世へ舞い戻ってくることが出来ると宗教学者らしい解説をされていた。なるほどと思い、哲学や宗教に腰を据えて学んだ人の揺るがぬ論理構築に、感慨無量となり聞き入るばかりである。

 地球上どこも暑いニュースばかりだが、いま冬のペルーの地震は、1999年8月に経験したトルコの地震と同じように、日干し煉瓦の悲劇と言ったらよいだろうか、建築材の中に鉄筋が使われていないために、ぐらっときたらひとたまりもない。すでに死者が500名だそうだが、まだ増えそうだ。

 連日世界的な株安が、経済ニュースのトップにある。今日日経平均が遂に15,000円台まで急降下した。前日比は874円安だという。8年ぶりぐらいの大きな下落幅である。一方で世界的に下落現象を懸念したのか、米FRBは金利を一時的に0.5%下げて5.75%にした。日銀公定歩合は、まだ0.5%である。この大きな乖離がファンドの狙うところだ。

2007年8月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com