107.2007年8月29日(火) 横綱朝青龍の帰国と日本相撲協会の醜態

 横綱朝青龍がモンゴルへ一時帰国した。横綱の非礼でわがままな行動に対して相撲協会が課したお灸が効き過ぎたのか、横綱のストレスが溜まり、専門医が診断した結果、「解離性障害」ということで昨日臨時理事会を開催して謹慎処分のまま、故国へ返すことにした。連日のマス・メディアの加熱した報道で大騒ぎである。

 もう報道で言い尽くされたことだが、ことの発端は朝青龍が肘と腰を痛めたので、夏巡業を休みモンゴルへ帰った。ところが、モンゴルで元気いっぱいにサッカーをプレイしている姿がTVに映し出されてしまった。分らないことばかりだ。仮病は明らかだが、その折の診断書はどうだったのか。横綱として地方巡業をさぼることはどうなのか。高砂親方がまったく部屋の親方としての指導、弟子管理をやっていないのではないか。相撲協会も親方と弟子の言い分、さらに診断書とやらを承認したのではないか。

 機内の様子を見ると親方と朝青龍との会話が一切ない。これまでも親方と横綱との会話、意思疎通がなかったことが見えていた。これでは、師弟関係は意味を成さない。親方の監督が、弟子には通じていない。むしろ嘗められている。

 相撲協会の対応もお粗末で、これまでは一切放任、親方任せをしておいて、それでいながら立場上一応処分は出した。ところが、事態がこじれても一向に毅然とした態度がとれない。結局日本相撲協会というところは、親方日の丸なのだ。関係者はみんな未熟でわがままで、何をしてよいか分らず、ただおろおろしているばかりだ。組織を運営するに必要なマネジメントや統治能力がまったくゼロで、話にならない。大きな組織としてこれほどみっともないことはない。理事長は恥ずかしいという思いもないようだ。相撲界出身者だけで、これだけ大きな組織を管理、運営していること自体が無理なのだ。組織内にもっと発想の豊かな知恵者を加えるべきである。元来営利事業を行っているのだから、もういい加減に財団法人を返上して、株式会社として営業すべきだし、相撲発展のための伝統的業務については、そのまま財団として残したらよいのではないか。

 相撲協会にはそもそもビジョンがない。かつて営業成績が低下した時代には、場所数も増やし6場所で一杯になると、人件費節約のために幕内力士数を減少させるなど、すべてがご都合主義である。もともと先への展望が見えなかった。

 もう半世紀以上も前に、お茶屋制度が協会役員のポケットマネーになっていると問題になり、当時の出羽の海理事長(元横綱常の花)が、割腹自殺を図ったことがあったが、その台詞が笑わせる。「大麻唯男元文相が存命なら、こんなことにはならなかった」というのだから、時代感覚のずれとタニマチを当てにする強欲には呆れたものである。当時中学生だった私が呆れたくらいだから、かなり印象に残っている事件だ。時代は進化しているが、日本相撲協会のお偉方のオツムなんて、所詮あまり変わってはいないのではないか。

2007年8月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com