116.2007年9月7日(金) 「ふるさとテレビ」創立2周年記念

 顧問を務めているNPO法人「ふるさとテレビ」の創立2周年記念行事の一環、シンポジウムと懇親会が永田町・憲政記念館で催された。著名な役員、顧問が綺羅星のごとく並ぶ中で面映い気がするが、中々面白そうな企画だったので出席した。

 オリックス会長・宮内義彦氏の基調講演と同時に、小泉純一郎前首相も講演を行う予定だったが、どういう行き違いか、小泉前首相の予定がつかなかったのか、急遽中止になった。しかし、事前にこれだけ大勢の参加者(500名超)に呼びかけておいて、小泉氏周辺に取り立てて緊急の用件、事態が発生した情報も伝わっておらず、不参加が判明した時点で万難を排して参加者へ「小泉氏欠席」の連絡をとったのか、運営管理上些か無責任の謗りは免れないと思う。それを期待して参加された方もおられ、冒頭から日出英輔理事長のお礼を兼ねた、お詫びになったのはお愛嬌を通り越して、少々お粗末に過ぎたと思う。

 それを救ったのが、この種の試みとしては予想外に有意義なシンポジウムであった。テーマは、「今、これから、ふるさとが面白い。ふるさとの元気を語ろう!」と題して、コーディネーターに練達の士、日本総合研究所会長・野田一夫氏、パネリストに元国土交通省事務次官・岩村敬氏、女優ジュディ・オングさん、ドトールコーヒー名誉会長・鳥羽博道氏、ANA総合研究所社長・浜田健一郎氏、前大分県知事・平松守彦氏、衆議院議員・藤井裕久氏らその道の錚々たるエキスパートばかりで、経験豊かな野田氏の巧みな誘導で中々興味のある味わい深い話、エピソードを聞くことが出来た。

 話に説得力があり、なるほどと思わせる話をしてくれたのは、平松氏、藤井氏、ジュディさん、鳥羽氏の4人で、はっきり言って岩村氏と浜田氏の話は大して面白くなく参考にもならなかった。やはり現場経験の少ない人の話は深みがなくて興味を起こさせない。平松氏は官僚上がりではあるが知事を6期も務めただけに、従来の陳情行政では駄目で地方分権をとの思いを率直に訴え、地元大分のために一品一村運動を実践させた実績と、地域を活性化させるための住民の前向きな意欲について語られた。藤井氏は自分の幼少時の戦争体験から、「平和」と「緑」がいかに大切か、また、ある程度の社会的地位にある人が、こどもの頃に感じた大事なことは、「環境」「母」「勉強しなさいと一度も言われなかったこと」と話されたことは、なるほどと納得出来るものだった。ジュディさんの応答は、見事だった。失礼ながら、これほど頭脳明晰な方とは思っていなかった。日本で育って台湾人としての家庭教育、故郷台湾へのノスタルジア、そして若い時期に外国から日本を見ることが自分のふるさとに思いを募らせることにつながると分りやすく説明してくれた。芸能界に生きる人の中では、元々頭のよい人だと思っていたが、これほどとは感じていなかった。鳥羽氏の幼少時とブラジルでの体験から、いまの政治家への失望感などもよく理解できた。

 隣のホールで行われた懇親会は、ごった返すような人ごみでそそくさとその場を後にしたが、野田氏の好リードで進行されたシンポジウムは、久しぶりに楽しく有意義で、印象深いものだった。

2007年9月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com