132.2007年9月23日(日) 自民党総裁に福田康夫氏

 今日午後行われた自民党総裁選挙は、予想された通り元官房長官・福田康夫氏が対抗馬の幹事長・麻生太郎氏を386票VS 141票の大差で破り自民党総裁の椅子を射止めた。安倍首相があのように無責任な形で首相の座を放り投げ、目の前に問題が山積している時だけに、明後日国会で首相指名され、次期首相に就任してもこれから大変な苦労を強いられるだろう。

 早速記者会見を拝見した。そつがなく、党内から評価された「バランス感覚」が随所に発揮され、確かに無難ではあるが面白味に欠ける答弁だった。特に、気になったのは、記者の質問に対して歯切れの良い率直な回答がまったくなかったことである。すべて、これから考えるというもので、立候補から時間が少なかったとはいえ、首相という日本のリーダーになろうという政治家が、国民に対して何ら具体的なメーセージを送れなかったのは、少々情けないのではないか。大体国のリーダーたるものが、バランス感覚で評価されるということ自体、恥ずかしいことである。現在のように多事多難な時に総理大臣を務める以上、すぐにでも国民にヴィジョンとか、力強い施政方針を語るのが首相の最初の仕事ではないか。

 年金、消費税値上げ、テロ特措法延長、北朝鮮拉致、内閣・党新人事等については、どれひとつとして明快に答えることはなかった。また、教育再生、美しい国日本、憲法改正、靖国参拝等については、記者団から質問がなかったせいもあり、まったく触れず仕舞いだった。小泉、安倍路線を踏襲すると言いながら、彼らの看板政策でもあった重要課題について、マス・メディアが追求しなかったのも怠慢の謗りを免れないが、首相になるつもりなら、自ら進んで語るべきではないか。

 父親も首相だったのは、憲政史上初めてだそうだが、その点では典型的な世襲代議士であり、父福田赳夫元首相がかつて「こどものために資産は残さない」と言っておきながら、結果的に「総理大臣への近道」という資産を残した。七光りを継承したリッチマン福田康夫氏は、当面ワンポイントと見られているが「世襲の美味しい味」を知っているだけに、政治を家業としてゆくゆくは子息に世襲させる腹積もりのようで、今後どれだけ国民のために、全身全霊を傾けることが出来るのか、これから当分の間監視する必要がある。

2007年9月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com