138.2007年9月29日(土) ビルマ情勢はいよいよ難しくなった。

 ビルマの騒擾が世界的な関心を呼んでいる。今日も日本の高村外相が国連総会で、ビルマを手厳しく非難し、ビルマのニャン・ウィン外相に対してカメラマン殺害の件で直接抗議し、陳謝された。国連もビルマ担当特使をビルマへ派遣することになった。それにしてもこれだけ報道管制が敷かれていながら、カメラマン長井さんの殺害シーンがリアルに写されているのは、極めて珍しい。高村外相が至近距離からの射殺だと憤慨したのも頷ける。

 日本のビルマに対する批判がやや弱いのは、中国の対ビルマ戦略を意識しているからに他ならない。いま中国は、世界中で資源エネルギーを買い漁っていて、アフリカではスーダンのインフラ整備や、石油掘削に対する経済援助に伴う支援は群を抜いている。それだけならまだしも、ダルフールにおけるスーダン政府の住民弾圧、虐殺行為に加担して世界中の顰蹙を買っている。

 一方アジアでは、その中国が軍事独裁国のビルマに対して、経済支援を連綿と継続中である。実は、中国にはひとつの戦略的な狙いがある。隣国ビルマの豊富な天然ガスを始めとする鉱物資源に目をつけているからだ。中国は陸続きに石油輸送用のパイプラインの建設を進めている。日本に対するビルマの対応は悪くはなかったが、民主化に逆行する政策を打ち出してから、日本は経済援助を人道的支援だけに制限した。以来、両国関係は以前ほど良くなくなった。これに対して、中国は他国の批判などあまり眼中になく、自国の利のみを考えている。ここで、中国がビルマ擁護の立場に立ち、日本が国連の経済制裁に加わったら、益々日本との外交関係が疎遠になり、ビルマ国内のエネルギー開発において遅れをとるのではないかとの懸念が日本側にはある。

 さあどうするか。外交手腕に疑問符の福田首相のお手並み拝見である。

 明日で、今年度上半期も終わりとあって、NHK朝のドラマ「どんど晴れ」が終わった。朝食をとりながら日課のように毎朝結構楽しませてもらった。重要場面で民話の子、「座敷わらし」がすっと出てくる。また、主役・夏美の弟の名を「智也」というが、おかしなもので、偶々朝日新聞夕刊の連載小説が、荻原浩作「愛しの座敷わらし」といって、登場人物にも弟役で「智也」が登場する。作者同士が示し合わせたわけでもなく、偶然の一致かも知れないが、こんなことも同時並行して起こるのかなあと不思議な感じがする。

 このところあまり良好な関係ではない、NHKと朝日新聞のコラボレーションが面白い。

2007年9月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com