140.2007年10月1日(月) 福田首相初めての所信表明演説

 殿のご乱心で休会していた国会が漸く再開された。いつも通り内閣総理大臣・福田康夫氏の所信表明演説だけでお開きである。どうして首相の所信表明の後に、国会論戦や、委員会審議をやらないのか、いままで不思議でしょうがなかった。いかなる組織の式次第、祭事、行事だって主役の挨拶だけで終わりというのは、国会以外にあまり聞いたことがない。特に忙しい選良が、わざわざ全国から日本の政治の中心・東京に集い、大事な国政を話し合おうという大切な場で、しかも莫大な経費を使ってほんの1時間足らずで散会というのは、税金の無駄遣いであり、あまりにも国民を馬鹿にしている。

 国会は、国家と国民の行方を左右する国権の最高機関である。議員には高い給料も支払っている。マス・メディアもどうしてこの悪しき慣習を止めさせるよう追求しないのか。国会議員は国会でもっと働くべきである。今国会でもせめて国費の浪費と言われないように、明日以降真面目に審議をやってもらいたいものだ。

 さて、福田首相の所信表明であるが、予想していたように期待にはまったく応えてくれていない。てんこ盛りのお題目ばかりで実行性がなく、抽象的で熱意がないステートメントだった。なによりも国家の最高責任者として、話す内容にパッションと哲学がないことが致命的だった。評判の悪かった安倍前首相の言葉、「美しい国」「戦後レジームからの脱却」とか、「憲法改正」のような、ぴんと来る言葉が発せられれば、ことの善し悪しはともかく目指すところや、理念らしきものが多少は伝わるのであるが、それはまったくない。そつがないのも程度問題である。加えてボキャ貧のせいか、「自立と共生」など、ついに民主党小沢党首が言い出した言葉までパクッている。役人が書いた原稿を棒読みしているので、面白みも盛り上がりもまったくない。予想されていたことではあるが、程度の低さはこの国の政治家の本質と実像を具現しているからではないか。元々こんな程度だと割り切って大きな期待をせずに選挙で、部分修正を迫るより方法がないのかと絶望的にすらなってしまう。明日以降の国会論戦はどんな具合になるのだろうか?

2007年10月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com