昨日中国が造成した南沙諸島の人工島海域内を航行した米海軍イージス駆逐艦を一定の距離を保ちながら中国海軍のミサイル駆逐艦と巡視船が追尾し警告した。アメリカ国防総省はこの行動によって航行の自由をPRする目論見である。数か月はこのまま航行を続けるようだ。中国外務省は強烈な不満を表明しつつも敢えてアメリカと事を構えることはなさそうだ。
その中国は先日イギリスとの蜜月関係を国際社会にアピールしたばかりであるが、同時に近年の中国経済の成長と実力が評価され、中国通貨の「元」が国際通貨としてIMFから承認される福音もあった。これで元はドル、ユーロ、ポンド、円とともに天下晴れて国際通貨としてその実力を認められたことになる。とにかく今世界では中国が良くも悪くも大きな話題を提供している。
中国国内外での騒ぎと同じように、わが国では沖縄の辺野古埋め立て工事に関する国と県との争いが大ごとになっている。
先に翁長沖縄県知事が、沖縄防衛局の埋め立て工事承認取り消し命令を出したことに対して、国土交通大臣がその命令処分の効力を止めた。防衛省の意向に対して同じ役所の国交省が同意することは予想されていたことであるが、あまりにも短期間に効力停止を命じられたことに沖縄県は強く反発し非難している。これにより、今後国が代執行手続きに入り堂々と埋め立て工事を再開することを決めた。
一番気がかりなことは、沖縄が戦争で一番悲惨な目に会い、戦後もアメリカ軍政下に統治され、基地問題で散々悩まされていたのに、今また国から厳しい対応をされようとしていることである。
政府と沖縄県の対立は双方にとって不幸である。どうして政府は苦難の道を歩んできた沖縄県民の気持ちをもっと汲み取れないのだろうか。あまりにも県民との話し合いが足りないように思う。
さて、日曜日に訪れた鎌倉・円覚寺の「拝観志納金」受取証裏面に「禅のこころ」としてこんなことが書かれていた。
「世界は広い。小さなことに何もくよくよすることはないのです。何もひっかからずに、サラサラとすることがさとりなのです。朝起きたら、気持ちよく『おはようございます』 ごはんができたら、手を合せ『いただきます』 お茶をいれて頂いたら、心から『ありがとう』 天気には、洗濯物を干せばいい。雨が降ったら、本でも読もう。さとりとは、ひっかからずに、さらさらと」。
別に取り立てて難しいことのようには思えないが、でも果たしてこんな風に虚心坦懐になれるものだろうか。