149.2007年10月10日(水) 多選禁止の松沢神奈川県知事に拍手

 神奈川県が県条例で知事の多選を禁止するという。具体的には、県議会総務企画常任委員会が可決した条例を、本会議で可決し成立させる模様である。ただ、地方自治法なる法律の改正を待ってから施行となるようだ。

 現在松沢成文知事の公約通り進んでいるが、現在2期目の知事が自ら提案し、任期を3期12年までと決めたのは英断だと思う。

 法律や条令の改正には、必ず抵抗があるものだ。それもほとんど主観的なものである。松沢案もこれまで順風満帆というわけではなかった。最大の抵抗理由は、「法令による制約は、憲法が保障する職業選択の自由に抵触し、憲法に違反する恐れがある」というものだ。一方で、長期政権が腐敗の原因として「多選禁止」の機運も盛り上がり、総務省でも見解を打ち出し、現在多選制限の方向に動き出しつつある。

 いずれにせよ、憲法の精神に抵触するとの意見と、長期政権は権限強化につながり汚職の素地を生むとの見解との争いになる。前者の考えの中にも、後者の危惧はあり、これまでなかなか着地点が見つからなかった。アメリカ合衆国の大統領制度にしても、2期8年に制限したのは、二つの考えを徹底的に議論したうえで結論を出したものと考えられる。その意味では、多選禁止の条例を全国に先駆けて実施しようとする松沢知事の意欲と英断に拍手をあげたい。

 こういう傾向が少しでも根付けば、いま問題になっている世襲議員制も、職業選択の自由か、世襲は公平ではないとの見地から憲法の精神に抵触しているのでは、との観点からもっと関心を呼び、論議を深められのではないか。現状の世襲議員制は、最初から世襲議員以外の立候補者にとって不利で、完全に憲法の平等の精神に反していると考えている。いずれ、世襲議員制については考え方をまとめたいと思っている。

2007年10月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com