150.2007年10月11日(木) イランで日本人学生誘拐される。

 ひとりの日本人男子大学生がイラン南東部で誘拐された。パキスタンとアフガニスタンの国境に近く、治安の悪いところと云われている地域である。いまテロ問題で世界の注目を集めている、この二つの国の国境線に近いと言えば、何となく身構えるし、危機管理上もひとりでのこのこ出かけるような場所ではない。日本政府もイラン政府も当惑気味で、その土地へ向かった目的がいまのところよく分らない。

 私も当初はあまり深く考えることもなく、若気の至りで危険な地域に出かけたが、経験を重ねるに従い、少しずつ危機感というものが身に備わってきた。それは、臨場感と呼べるものから自然に培われたものだが、この大学生はとてもそんなことには頓着なく、若気の至りと興味本位で珍しい場所へ行こうと思ったのではないだろうか。

 なんとか無事であって欲しいと願う。

 ビルマ情勢は軍政の鎮圧が功を奏し、表面的には沈静化してきた。民主化を求めた市民は失望して、次の機会をじっと待つより術がない。中国が国連安保理事会としてビルマ政府に対する非難決議をすることに異を唱え、結局議長声明にトーンダウンした。しかしビルマ国民は案外したたかな国民性ゆえ、いずれまた民主化要求デモは噴火するだろう。在日ビルマ人が都内をデモしたり、ビルマ大使館へデモをかけたり、結構活発に活動しているので頼もしい。

 さて、ドイツ文学者の池内紀先生が面白いことを日経夕刊に書いていた。「わが三カ条」と称する講演引き受け条件だそうである。1.遠いこと、2.不便なところ、3.礼金が安い、だそうである。さすがに凡人とは言うことが違う。そして、いざ出かけるとなると、別の三カ条があるのだそうである。①余裕のあるスケジュール、②お食事お断り、③お迎え無用、だそうである。池内先生のように著名な方なら、こんな条件も堂々と伝えることが出来るかも知れない。しかし、先生のお説は、それなりになるほどと納得させる哲学があるから、一流の学者の言葉は品格があってすごい。

 折も折来月の慶應アルペンクラブの同窓会で、15分程度の海外旅行に関するショートストーリーを今日幹事から依頼されたが、池内先生の三カ条とは合致しない。場所が銀座だから近くで便利で、まったく池内先生の三カ条と正反対で、最後の礼金が安いという点だけを言えば、私の場合タダだから池内先生よりいばれるかな?

2007年10月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com