152.2007年10月13日(土) ビルマ民主化への草の根の支援活動

 ビルマのデモが鎮圧されてから2週間になる。軍事政権の厳しい取締りで完全に民主化勢力は押さえ込まれてしまった。軍政は国連の遺憾声明や、海外メディアの非難声明にも関わらず、わが道を往くのスタンスを貫き通し一歩も後へ引かぬ姿勢である。海外のマス・メディアを追放し、インターネットを制限して頑なに自己主張している。哀れなのはビルマ国民である。あの優しく温和な人々が、いまだに貧しい生活を強いられているのかと思うと気の毒でならない。悲しいかな、民主化運動をまとめてリードする組織やリーダーが押さえ込まれ、いないのが現実である。しばらくはビルマの民主化は期待出来ないとつい絶望的になるところだが、どっこい民主化の芽はなくなってしまったわけではない。

 一時は一過性と見られたデモであるが、ビルマ国内外に抵抗の火種は燻ぶっていることを知り、頼もしく、嬉しく思っている。軍事政権に肩入れしている中国に対するビルマ国内における反中国デモも顕在化した。昨夜もNHK・BSの解説番組で、20分ほどビルマに詳しく、著書もある田辺寿夫氏がゲスト出演していた。30年ほど前に当時NHK記者だったころ何度かお話したことがあるが、田辺氏もまったく悲観的というのでもなかった。

 最近も新聞ニュース面の露出度は落ちたが、引き続き関連記事は掲載されている。中でも、今日は日経の社説に「ミャンマーへ国際圧力続けよ」と題して、国連安保理事会の議長声明と、日本政府の積極的な発言を促す意見、そして射殺された長井氏の持っていたビデオの返還要求等について書いてあった。また、朝日は、「Media Times」欄に、大きくスペースを割いて、オスロ市郊外にあるラジオ局「ビルマ民主の声」や、ワシントンのVOAビルマ語サービスの地道な活動に関する記事を掲載していた。先月末以来、ビルマ関連のニュース、ドキュメントが断続的に報道されるのを見ては、個人的にDVD録画しているが、それもトータルで5時間分を超えた。

 こういう風にぺしゃんと潰れるのではなく、ビルマを支援する報道が世界的にリンクされて取り上げられるところが、他国とは違うビルマの特殊なところだと思う。ビルマ人は温和ではあるが、案外したたかな一面がある。決して国民が体制側に完全に制圧されることはないと確信している。ビルマ人はもちろんであるが、世界中のビルマ民主化の火種が消えないようサポートしていければ、いずれ遠からずビルマの民主化は実現されると信じている。

2007年10月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com