161.2007年10月22日(月) この世にモラルも矜持もなくなった。

 今年に入ってから企業の商品偽装や、改ざん事件がたくさん明るみに出ているが、それにしてもでたらめな企業が多い。世間を騒がせた姉歯建築士構造計画書偽装事件に続き、今年に入ってから不二家、ミートホープ、白い恋人、赤福等々引きもきらず不祥事が出てくる。そこへ今日は日本3大地鶏のひとつ、秋田県の「比内地鶏」肉に他の地鶏肉を混ぜていたり、賞味期限を偽装していたことが明るみに出た。もうどうしようもない。報道ステーションの古舘キャスターが、偽装だらけの食品の中で生きていかなければならないとコメントしていたが、実際プライドなんかまるで気にしていない様子である。謝罪記者会見に、経営責任者である社長が雲隠れして、対応したのが総務課長と営業課長というのだから呆れる。これらの事件を見ていると、会社の内部的体質に問題がある。これら問題の会社は、ほとんど創業者一族が経営している。

 いまや知的であるはずの出版社ですら、創業者一族というだけで経営している講談社のような変な会社もあるが、現在出版界でいくつかのトラブルを抱えているのが、その講談社である。キャノンと訴訟問題を抱えているところへ、奈良の少年による父親殺人事件で門外不出の医師の所見を写真に撮った草薙厚子の著書出版、傍系会社でも週刊誌「フライデー」の突然の一週休刊、いずれも講談社社員の傲慢なエリート意識、非常識な取材方法、世間知らずで稚拙な外部対応から生れている。昨年度ついに売上トップの座を小学館に譲ったのも、杜撰な外部対応と世襲会社であるがゆえにむべなるかなと思う。これから坂道をころがり落ちていくことだろう。

 ところが、世襲ではない役人が、真面目に勤めていれば安定した生活が保証されているにも関わらず、相変わらず悪事をやらかし、知らぬ存ぜぬの頬被りである。噂を無視していた大物、前防衛事務次官だった「悪代官」守屋武昌の悪事が出るわ、出るわ。98年に収賄事件で逮捕された岡光厚生事務次官に負けず劣らずの食い荒らしである。岡光と同じように妻の要求に屈して度重なるおねだりゴルフ、口利き、融資の口添え、に加えて娘のアメリカ留学の世話などなど、とても普通人の感覚ではない。野党の守屋前次官の国会証人喚問についに自民党も折れた。ただし、問題をすり替えられては困る。収賄以前に肝心な防衛省の情報偽装の真相解明は出来るのか。これからどうなっていくのか。モラルなんてまったく持っていない人たちが偉くなり、地位が上がってやりたい放題のマンガ世界が見えてくる。

2007年10月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com