162.2007年10月23日(火) 暴走気味の防衛省は大丈夫か?

 疑惑の人、守屋前防衛次官が在任中関わっていた自衛隊の海上給油輸送に絡む偽証が、国会論議の大きな論点になっている。

 当初政府は米補給艦への給油量は20万ガロンと答弁したが、実際は80万ガロンであり、加えてその数字を海上幕僚幹部が把握していながら隠蔽して偽証報告をした。つまり文民統制に関わる由々しき問題が浮上している。とんでもない話だと思う。

03年5月に行われた政府答弁は、当時の官房長官で現首相の福田康夫氏が行った。間違った数字を答弁させられた現首相としては立場がなく、不快感を表明している。防衛省はある面で機密事項を取り扱っており、外部へ情報を簡単に流すということは考えにくいが、それにしても省内の上層部へ正確な情報が上がってこないということは、意図的にそうしないということであり、組織が狂っている。明らかに省内に制服組と事務方の対立、秘密主義、組織の動脈硬化等の病弊がはびこっている。防衛庁から防衛省へ格上げされたので、省内のモチベーションは上がっていると聞くが、率直に言えば、自衛隊を統括する防衛省自体、その自衛隊が日本の憲法条文を完全にはクリアしていないということを、謙虚に捉えるべきである。最近マス・メディアで自衛隊に関する報道が目立って増えてきたが、そのことによって、自分たちの存在や活動が評価されたと勘違いしないでもらいたい。はっきり言って自衛隊の存在そのものが、憲法によって容認されているわけではないのだ。自衛隊の組織、ありようをすべて国民が承認したものと誤解すると、戦前の陸軍の暴走となんら変わらなくなるのではないかと背筋が寒くなる。

 民主党には、この際徹底的に防衛省内の藪の中を突いてもらいたい。

2007年10月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com