163.2007年10月24日(水) 金大中事件のファジーな決着

 韓国で34年前に起きた「金大中拉致事件」の報告書が発表された。当時の朴正煕大統領も黙認していたとある。発生当時何が何だか分らなかった。グランド・パレスホテルで拉致された金大中が、5日後にソウルで解放され、当時からKCIAがらみではないかと囁かれていた謎の多い事件だった。発生時にインドへ出張していたので、帰ってから正確な情報を呑み込むのに往生したことを覚えている。丁度甲子園で作新学院の怪物江川卓投手が快刀乱麻のピッチングをしていた時だっただけに、余計印象に残っている。

 その後日韓政府の話し合いでうやむやの内に、宮沢外相の最終決着表明で幕引きをした。日本政府としては、現場で韓国大使館のKCIA要員である一等書記官の指紋が検出されたことから、公権力による主権侵害と韓国政府を非難したが、両国間の関係悪化を懸念した田中首相は2年後に灰色の決着を選んだ。

 今日の金大中側のコメントをみると、韓国政府に強く抗議しながらも、その一方で明確な犯罪の証拠を持ちながら捜査を放棄した日本政府に遺憾の意を表明している。確かに、ファジーな道を選んだ日本政府に責められる責任の一端はあるが、韓国こそ他所の国へ乗り込んできて、勝手にその国で捜査、検挙、密出入国をやっていること自体、無法者の行動ではないかと言ってやりたい。不条理な決着を選択するから、こういう無様な結末となる。日本政府は、韓国側の出方を待っているようだが、韓国大統領了解の下に、違法な権力行使をしたのだから、日本が主権を踏みにじられたことは明らかであり、きちんと抗議し、断固責任者の謝罪と処罰を要求すべきである。

 今日都庁旅券事務所へ交付された新規旅券を受け取りに行った。10年間の有効期限だから、ひょっとするとこれが最後の旅券になるかも知れない。初めて旅券を受領したのが1965年で、それからわが人生が旅行一筋に傾いて行った。今度の旅券はわが旅行歴上13冊目になる。

2007年10月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com