170.2007年10月31日(水) 日本の技術力は本当に大丈夫か?

 9月にベトナムのメコン川で新設工事中のカントー橋が突然崩落して、50人以上の現地人が死亡した。ODA支援に基づく大掛かりな工事で、日本のゼネコンが請け負った工事である。日本工営、長大のコンサルタント会社が窓口となり、大成、鹿島、新日鉄の子会社の三社が受注した大プロジェクトである。

 今夜テレビ朝日「報道ステーション」が特集番組として、現地取材を交え原因、問題点、等を追及していたが、ベトナム政府と日本のゼネコンから緘口令が敷かれていてはっきりとしたことは話されず、原因は解明されていない。僅かに現地の下請け業者から、危険が指摘されていたにも関わらず補強工事をしなかったとの話が伝えられた。とんでもないスキャンダルである。

 もう大分前になるが、ペナン島の小さな空港ビルで、私が壁を叩いたら壁が剥がれ落ちたことがあり、現地の人に杜撰な工事だと言ったところ、これは韓国の会社が建てた建物で、日本の会社なら大丈夫だが高いので頼めなかったと応えてくれた。その当時、島と半島を結ぶペナン大橋を建設中だったが、それも韓国の業者が請け負っていたので、それも心配だと言っていた。それほど日本製はすべての面で安全、丈夫、デザインも良いということで高い評価を得て信頼されていたものである。外国でそういう話を聞くたびに日本人として鼻が高かった。

 しかし、いまは違う。日本製も危なくなってきた。カントー橋は来年12月には完成の予定だったという。地元の人々もメコン川を渡るのは、これまでフェリーに頼っていたので橋の開通を大いに期待していた。その期待を裏切ったばかりか、地元の貧しい人々にも大きな悲しみを与えてしまった。ゼネコンの責任は重いと言わざるを得ない。

 最後に息子の遺体が見つかった父親は、「見つかったから良かった。完成したら息子が作った橋を渡っていろんな所へ行ってみたい」と恨むことなく率直に語ってくれたのが、身に詰まらせられていじらしい。こういう罪のない人々をどん底に突き落とした責任上、ゼネコンには原因と責任を明らかにして、堅牢な橋を完成させ責任を果たしてもらいたいと思う。

 日本国内でも、一昨年の姉歯建築士の偽装事件以来、建築業界ばかりか、消費者を欺く食品偽装問題を始め、NOVA英会話学校の詐欺まがいの事件等々不祥事に事欠かなくなってきた。

 鳩山法相のように、言わなくてもよい「友の友はアルカイーダ」のような馬鹿でなければ、口から出ないような放言を繰り返している最低の大臣もいる。みんな頭がどうかしている。

2007年10月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com