3093.2015年11月1日(日) 気になるビルマの国内政治情勢

 つい最近トルコ人とクルド系トルコ人の争いがここ東京にまで波及し、トルコ大使館前で双方の対立による殴り合いが連続的に起きている。ついに他国で喧嘩沙汰になって多数の警官が繰り出す始末である。その原因として、6月に行われたトルコ総選挙で与党がクルド系トルコ人の進出によって議席を奪われたことがその背景にある。これに続いて、今日1日に再びトルコで総選挙が行われている。その結果次第では、トルコ国内に新たな不安定要因が生まれる可能性がある。わが国にとってはえらいとばっちりではた迷惑であるとしか言いようがない。だが、民族間や宗教間の対立や争いは、地球上あちこちで起きていて、それが戦争へ発展する遠因となっている。部外者である我々は、ある面で止むを得ないと見過ごすしかないか。

 ところで、国際的なニュースからやや遠ざかっているが、いつも気になっているのが1週間後にトルコと同様国内総選挙を迎えるビルマである。今朝の日経紙に久しぶりに大きなスペーを取って最近のビルマの政治的情勢と宗教的な問題に関する記事が載っていた。それによると民主化の象徴として国民に圧倒的な支持があったアウン・サン・スー・チー女史の人気に最近陰りが見えて来たようである。

 民主化を叫び、60年代の軍事政権とティン・セイン現政権を批判して大衆を引っ張って来たが、イスラム教徒の多いビルマ西部のラカイン州で彼らへの対応を巡って、仏教徒から公然と非難されるようになったことが、アンチ・スー・チー女史への引き金となった。隣国バングラデッシュから流れ込む不法移民ロヒンギャ族が増えるに連れて仏教徒から益々反感の声が上がり、スー・チー女史への支持が下降線を辿りだした。完全とはとても呼べないビルマの政治形態であるが、それでもこれまでスー・チー女史を中心に民主化運動をまとめ上げ、国民民主連盟(NLD)を母体に民主化路線を築き上げたスー・チー女史率いる民主化路線の火は何としても消してもらいたくない。ついビルマを愛する気持ちからそう願ってしまう。

 実は、毎号NPO紙に書いているコラム欄にも、11月号には40年前のビルマとの連絡通信の苦労話を書いて送ったばかりである。ビルマの民主化とビルマの人々の平安と幸せを遠くから祈るばかりである。

2015年11月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com